2006年05月05日

映画鑑賞感想文『CUBE』『CUBE 2:HYPERCUBE』『CUBE ZERO』

さるおです。
『CUBE』は1997年に劇場で観たよ。『CUBE 2:HYPERCUBE』『CUBE ZERO』は借りてきて観た。
『1』『2』『0』と書きます(笑)。

『1』の監督・脚本は、『ELEVATED』(CUBEの原型となる20分のショートムービー)がすでに秀逸だったカナダの新鋭ヴィンチェンゾ・ナタリ(Vincenzo Natali)!
『2』は、クェンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)と組むときは撮影を担当しているアンジェイ・セクラ(Andrzej Sekula)が監督で、製作・脚本は『0』でメガホンをとることになるアーニー・バーバラッシュ(Ernie Barbarash)。
『0』では監督・脚本・総指揮をすべてアーニー・バーバラッシュが手がける。

『1』はね、なんつっても劇場で観ました。「こわいらしいよ」という予備知識のみで勇んで出かけていきました。んでね、ふんがーって驚いた。心底驚いて、さるおほとんどショック状態(笑)。もちろん怖かったけど、すっごく怖かったけど、それよりもなによりも美しくってびっくらこけた。
特筆に値する美しさの立方体なんでござる。でかいスクリーンで観てよかったよぅ。夢の世界っす、おっそろしい夢だけど。
そして、当時(1997年)まだ誰も経験したことがなかったであろう究極的にシンプルな理不尽さが、つまり脚本が、これほどまでに美しいことにも驚いた。
"説明無し"って素晴らしい!"意味不明"って素晴らしい!
悪いおじさんの衝撃の最後と、エンディングのシーンも素晴らしく、結末はあるものの根本的にはぜんぜん解決しませんから。問答無用、覚悟っ!本当にそう思いましたね。さるお的には120点映画だぜ!
もちろんいちばん好きなのは、オープニングのおっさんが切れちゃうとこです。むはーって鼻息荒くなって感動したよ、心の底から。このシーンは後々の作品に引き継がれていきます(『CUBE』シリーズ以外にも。例えば『RESIDENT EVIL: APOCALYPSE/バイオハザード II アポカリプス』とか『GHOST SHIP/ゴーストシップ』とか『THE CELL/ザ・セル』とかね)。いや、どの罠もみんなおもしろかったんだけど。
知的なのもよかったんでござる。立方体の出入り口に刻まれた素数の暗号を解いて、安全な部屋を見つけようとか、こりゃでっかいルービック・キューブみたいんなってて、動くんだけど、いついつのどの部屋が出口なんだとか、頭脳で解決しようとがんばるわけです。いいねー、こりゃおもしろい。
この緊張感、『THE SHINING/シャイニング』以来17年ぶりのの最高傑作だYO!

で、ひたすら問答無用だった『1』に、だんだんと解答が与えられていく、それが『2』と『0』っす。
時系列で言うと『0』『1』『2』なわけですが、『1』『2』『0』というこの順番も完璧っす。
なにしろ『2』のエンディングで正直徹底的にずっこけた後の『0』こそが(涙)、キューブの答えっす。芸術と言っていいほどに美しかった『1』の罠の数々のプロトタイプを目の当たりにする、スッキリする瞬間の連続と、キューブの外側に存在する絶対的な"意志"の存在を、うまく説明してくれます。

というわけで、はっきり言って『2』はずっこけた(爆)。立方体は美しいんだけど、美しいのはほら、1度観ちゃうと慣れちゃうから、もう感動できません。で、ガキを連れてきたのがまず気に入らないし、時間をいじくりだしたのはさらに気に入らない。罠を進化させたいのはわかるんだけど、やりすぎっすね。で、この結末はなんなんだちくしょう、と思いました。『HONEY, I SHRUNK THE KIDS/ミクロキッズ』のがよっぽどおもしれー(笑)。

なので『2』はもう放置するとして(たぶんこのシリーズに必要ないですから)、『0』ですよ、『0』。これはおそらく賛否分かれるかと思います。『1』の素晴らしさを知った今となっては、『0』は凡作。けど、さるおはなかなか満足です。
思い切って、不条理なりに外界の恐怖ドラマを持ち込んだのは正解だと思う。で、外界のボスが、アンタッチャブルな"ほとんど神"なのも悪くないです。
さらにもうひとつ思い切って、"外界を知るものがキューブに入ってしまう"という、1歩間違えば映画的にも状況的にもキューブ・ワールドを崩壊させてしまいそうな挑戦もステキです。この人物が、ぐるりと1つの輪を描くように、『1』のシチュエーションを説明してくれるわけっすよ。親子との関わり方も結構いいです。
座標を示す暗号は数字ではなくてアルファベットだし、罠もすべて『1』より仕掛けが見えやすい。あ、そもそも立方体のキラキラ度がね、いやー、月日とともにキラキラしてきたんだなぁと、「あぁ、『CUBE』以前だなぁ」と、感慨深いっす。
『0』で1つだけ気になるのは、うぎゃーとか言いながら自分の手と顔からゼラチンを剥がしまくる、あのシーンです。さすがにあのゼラチンを観たときは、もうだめだと思いましたね。さるお、ほんとはあーゆーのって好き。ただ、キューブとはトーンが合っていねーずら。

例の、さるおが大好きなおっさんが切れちゃうシーン。『1』ではね、ありゃどうやって切れたんだろう!って、んもー、ものすごい衝撃でしたが、プロトタイプは原始的にワイヤー!さるお、よろこびひとしお。『0』でもいちばん感動したのはここっすね。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:38| Comment(8) | TrackBack(10) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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