『THE BUTTERFLY EFFECT/バタフライ・エフェクト』を観たよ。
監督は『FINAL DESTINATION 2/デッド・コースター』のエリック・ブレス(Eric Bress)とJ・マッキー・グルーバー(J. Mackye Gruber)。
出演は、主人公エヴァン役は、ラーメンガールとつきあったり熟女デミ・ムーアとつきあったりしている"世界で最も美しい50人(2003年ピープル誌)"のトップに輝いたアシュトン・カッチャー(Ashton Kutcher)。未公開作品やTV映画が多いエイミー・スマート(Amy Smart)、『IDENTITY/アイデンティティー』のウィリアム・リー・スコット(William Lee Scott)、『SHE'S ALL THATシーズ・オール・ザット』のエルデン・ヘンソン(Elden Henson)、主人公のママ役はいい映画ばかりに出ているメローラ・ウォルターズ(Melora Walters)、そして1984年年に、『BACK TO THE FUTURE/バック・トゥー・ザ・フューチャー』の主役に起用されるが途中で降板させられたという、本当に本当に冗談抜きでマイケル・J・フォックス(Michael J. Fox)にうりふたつのエリック・ストルツ(Eric Stoltz)。
えーっと、観賞直後のさるおの第一声は、「ドラえもんだな」です(爆)。
で5分後に、監督2人が『FINAL DESTINATION 2/デッド・コースター』を撮った人たちだと気づいて二声目「ファイナルデスティネーションだな」です。
でもおもしろかったんだよ。かわいそうになりながら夢中で観た。のび太、無理しすぎだ。しずかちゃんもかわいそうだ。
"過去をいじくる"という"神にも許されない行為"を許された父子の、子のほうの物語ですが、まーとにかく、その代償が大変なわけです。
しずかちゃんもだけど、特にジャイアンとスネ夫ね(体型は逆ですが)、過去のたったひとつのできごとの結果が違うだけで(つまり"蝶の羽ばたき"が)、こうまで人生を大きくシフトする(竜巻をおこす)ものなのか、この映画はファンタジーだけど、いや、現実にそーゆーもんなのかもしれないなぁと、しみじみ思いましたね。やっぱり人間ってゆーのは過去の積み重ねなわけだよね。ほんのちょっとの小さなできごとが、その後の運命の第1歩なわけで、何でもないはずの言動が思わぬ結果を生んだりするんです。
もしもあの時、といういわゆる"たら・れば"の結果として運命に翻弄される登場人物の姿は、フツーにぼくたちの想像力内にあるわけです。運命を呪う、そういう視点の作品です。
そーゆーことを想像するのはたいてい困ってるときっすね。
もしもあの時こうしていたら、もっとマシな現在だったかもしれない。
ところが、過去を変えてしまうと現在には別の不具合が生じている。周囲の人物の人生は大きく様変わりするのに、主人公にとって問題は常に解消されない。ということは、この映画はある意味"運命論的"なわけです。過去をちょっといじったところで、ノープロブレムな現在にはならない。"神にも許されない行為"を許されたのび太だけが、運命を超えられないわけです。
で、究極の切な〜い選択へと疾走する。
めいっぱい感傷的なときに誰でも考えることじゃないかな。出会わなければよかったとか、自分なんて生まれてこなければよかったとか(←こりゃDC版だな)。
フツーはこれは願ってもできないので、"自暴自棄"と呼びますね(涙)。
ところがこの映画ののび太にはそれができるので、そーゆー自己犠牲で思い切った運命の転換を実現する。とても静かな、それでも極限のカタルシスでのみ、のび太は人生を進めることができるようになる。かなり哀しいチョイスですが、うん、わかるね、友達や家族が苦しむより自分が苦しむほうが楽なんだ。
ということで、『FINAL DESTINATION 2/デッド・コースター』同様、運命に挑み、同じ手法同じ速度でぶっとんでいく作品ですが、ドラえもんです。
心ゆくまでさるお、もんち!