2006年11月18日

映画鑑賞感想文『SAW III』

さるおです。
ネタばれなしです。
これから映画を観に行く方は、昨日のさるお的大予想も読まないでください。ということになりますね(笑)。コメント欄は気をつけてねー。

『SAW III/ソウ3』を観て来たよ。
監督は『SAW II/ソウ2』のダーレン・リン・バウズマン(Darren Lynn Bousman)。
原案はジェームズ・ワン(James Wan)とリー・ワネル(Leigh Whannell)の黄金コンビで、脚本はリー・ワネル。音楽はチャーリー・クロウザー(Charlie Clouser)。
製作にはもちろんグレッグ・ホフマン(Gregg Hoffman)さんもクレジットされている。
まさにSAWファミリーっす。
出演はトビン・ベル(Tobin Bell)とショウニー・スミス(Shawnee Smith)、ディナ・メイヤー(Dina Meyer)、たぶん今後も超重要なジェフ役にアンガス・マクファーデン(Angus MacFadyen)、今作では超重要なリン医師役にバハー・スメーク(Bahar Soomekh)。ジェイ・ラローズ(J. LaRose)、バリー・フラットマン(Barry Flatman)、デブラ・マッケイブ(Debra Lynne McCabe)、エムポー・クワホー(Mpho Koaho)。

おもしろいっす!
『SAW』の雰囲気が戻ってきたよ。
今思えば『SAW II』のダーレン作の部分だけが浮いている(笑)。今度の『SAW III』はリーが書いただけのことはあるYO!ふんがふんが。
なんでそうなったかというと、リー&ジェームズ作の部分は、脚本にまったく隙がなくて、すべての辻褄が合う解釈はひとつしか成り立たない。リーが"かなり頭の切れる観客のための映画"と言うとおりで、観客は頭を使わないといけない。でも頭を使いさえすれば、謎は一切残らない。それから、"動けない・道具がない"あるいは"動いちゃいけない"という極限状態での拘束も特徴でした。あと、もうひとつの特徴はドラマとしての深みっす。裁き、教え、赦しというものについて命がけのジグソウの姿と、"ジグソウの事情"をしっかり描いた感動作になっている。
ダーレン作の部分は、「うわぁー、こんなのこわいね」ということで、必死で辻褄を合わせたけれど、登場人物はじつにのびのびと自由気ままに動き回り、謎は謎のまま、拷問デパートは楽しいけれど、ドラマとしての迫力はないわけです。
で、『SAW III』は、リー&ジェームズの作品っすねー。ということでおもしろい。

『SAW III』は、ドラマです。作品のテーマががらっと変わった。
裁けば、人は変わるのか。教えれば、人は変われるのか。
神(ジグソウ)の要求に人は応えられるのか、っちゅー究極の"摩擦"を描いている。
人は、人を信じ、人を赦せるのか。っちゅー極限のラブストーリーを描いている。
もちろん恋愛って意味じゃないよ(笑)。父娘のラブストーリーね。で、さらにもちろん、親子だって話でもないですから(笑)。
最後ね、ジグソウが泣いちゃってね、さるおももらい泣きしたYO!(本当です)

ぶっちゃけてしまえば、ジグソウが勘違い野郎だった(爆)っちゅー目も当てられない展開です。人には決して本当に理解されない神の御技を、人になせとせまるジグソウが、映画の最後にまさかの挫折。ジグソウ、がんばり損(涙)、と思いましたが、とにかくさるおは泣きましたね。砕け散るジグソウのピュアハート、さるお号泣。ええ、どうせ、劇場でひとりだけですよ、泣いてるのは。

で、キャッチコピーの「謎は新たに生み出される!」ですが、えーっと、はい、生み出されました。生み出されたというよりは、4作目がはじまったところで3作目が終わるという、バリバリto be continuedですね。『SAW III』自体に謎はないです、もちろん"かなり頭の切れる観客のための映画"は大前提ですけど。
あと、驚きがあるかというと、これはまったくなしです。『SAW』と『SAW II』のいろいろが説明されますけど、"かなり頭の切れる観客"にとってはわかっていたことなので、これはびっくらこけない。で、最後に明かされる被験者の関係についても、映画の序盤でわかっちゃうので、これもびっくらこけない。

秀逸なのはオープニングっすよね!あれはいきなり大感動したよー。
『SAW II』で最後にバスルームに帰ってきたあのよろこびが、いきなりオープニングっす。ステキ。また「ただいま、かあさん!」と思ったNE!
しかもそのまま、パンチの効いたシーンへ突入。『SAW III』でいちばん"痛い"シーンへとなだれ込む。素晴らしい!

最後に、ひとつがっかりしたことを書こうかと思ったんですが、うーん、後でまた書きます、さるお発 映画『SAW III』完全解読マニュアルの中に。
とにかくおもしろかったっすよ。4作目のはじまりで『SAW III』が終わっているので、次回作も楽しみではあるけれど、これですべてが完結した、とも言えます。予定されているかもしれない『SAW ZERO』も、観たいような、なくてもいいような。
いや、とにかく、おもしろかったっす!

そうそう、クレジットではジョン・クレイマーのイニシャルがJesus Christと同じJ.C.になった(カルテにはJ.K.?)みたいだNE!(John Kramer→John Cramer)

【映画の感想文】
『SAW』の感想文はこちら
『SAW II』の感想文はこちら
『SAW III』の感想文はこちら
【さるお発 映画『SAW』完全解読マニュアル】
こちらにどうぞ
まえがき / 1 登場人物の詳細 / 2 本編[前半] / 3 本編[後半] / 4 マメ知識 / 5 あとがきと『SAW 2』予想
【さるお発 映画『SAW 2』完全予想】
こちらにどうぞ
映画『SAW 2』予想 / 1 客観的な手がかり / 2 ブタマスク君またまた登場!中身はアダム? / 3 いまだヤク中と思われるアマンダの心の闇 / 4 その8人はなぜ選ばれたか&そして9人目の犠牲者 / 5 共犯者 / 6 ついに判明、選ばれた8人 / 7 Oh Yes, There Will Be Blood.
【さるお発 映画『SAW II』完全解読マニュアル】
こちらにどうぞ
1 数々のトリックと謎の答え / 2 ジョン・クレイマー(John Cramer)の物語&ジグソウとアマンダの師弟関係 / 3 3つめの記事だけど まえがき / 4 Let the game begin![前半] / 5 A father, a leader, a teacher.[後半] / 6 謎の答えと『SAW III』大予想
【『SAW III』はこんな映画だ!】
こちらにどうぞ
【さるお発 映画『SAW III』完全解読マニュアル】
こちらにどうぞ
1 予測不可能なゲームのためにあらゆる準備がしてあったジグソウ渾身のラストゲーム / 2 『SAW III』の全貌 / 3 ドラマ『Like Father, Like Daughter.』 / 4 DVDを観てあらためて気がつく細かいこと / 5 She swims in my sea. / 6 Suffering? You haven't seen anything yet. / 7 Do not miscalculate. / 8 バスルームの新たな謎 Put his left leg in the shackle.

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:46| Comment(26) | TrackBack(44) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。