2006年11月19日

さるお発 映画『SAW III』完全解読マニュアル1 予測不可能なゲームのためにあらゆる準備がしてあったジグソウ渾身のラストゲーム

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これから映画をご覧になる方はコメント欄にも気をつけてねー。

1回しか観てないので、まずは一見しておもしろかったなーと思ったこと、気づいたことを中心に書いてみます。ジグソウの紹介映画だった『SAW』のような緻密な謎解き映画じゃないので、時系列通り箇条書きにはならないっすね。
で、次の完全解読マニュアル2以降で、SAWの法則性、『SAW III』のゲームの本当の姿とその後、これまでの生存者のこと、あとはドラマの部分を書いてみます。
詳細はまたしても、DVDが出てからっすけど(笑)。

ローレンス・ゴードンがたすかる方法】
大感動のオープニングっす。
『SAW II』のラストでも、「バスルームに帰ってきたよ、かあさん、ただいま!」と嬉しくなりました。で、まったく同じことやってもなーとは思いながら、同じ感動を再び!と思って楽しみにしてたので、ええですね、あれは。
ス・テ・キ♪
で、「切れ、足!」と心の中で叫びながら(さるおもビョーキ)、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックもけっこういい演技をするじゃないかと思って優しく見守っていたら、なんとエリックは、足を潰して折ったYO!ぐわぁーっ、すげーっ!
この手があったか!これならとりあえず、そんなに血は出まい。ひゃっほーい!やったNE!(手遅れ)
ということでドニー・ウォールバーグ(Donnie Wahlberg)出演。(1年前に撮影したもんでしょーが)

【3代目ジグソウの可能性】
ジョンは自分のことは棚に上げといて人殺しを嫌悪しています。だから、赦し、救い、生かすということができなければジグソウを襲名する資格はない。ゲームには必ず生き残る道がなければならないし、勝者は生きるわけです。これが愛弟子アマンダが越えられなかった壁です。
ということは、生かすことができるかどうかを試された被験者は、ジグソウ襲名の可能性がある。
今回のジョンは"テスト"っちゅー言葉を強調して使ってます。ジェフが通過した3部屋でのできごとはテストであって、ゲームじゃないからルールも何もないし、ジェフは無傷(豚汁判事のときだけは"息子の遺品を償却する"という代償があるために、テープで"Let the game begin."って言ってたかもしれません)。その後の、"コドモの命に責任のある人物(the man responsible for the loss of your child)に復讐する機会"、つまりジョンとの対面、それがゲームです。ジェフは赦せるかどうかをテストされた。ほんで、モニターでそれを見ていたアマンダが、驚いたように、憎らしいように、「たすけようとしてた」と師匠に報告しています。
ということは、ジョン的には第3のジグソウとしてジェフに白羽の矢を立てた可能性がある。そしてそれをアマンダが知っていたなら、(結局たすけられなかったけれど、少なくともたすけようとして)合格しそうなジェフをアマンダが嫌がるのは納得できます。
もうひとり、生かすことができるかどうかを試された被験者、リン。彼女は短いシーンだけど、悔い改めて「夫に会いたい」と涙を流しているので、もしもアマンダに解放されていれば"格別の爽快感を持って生まれ変わり"ジグソウ候補生となる可能性があったはず。今思えば、アマンダの最初のゲームとリンのゲームは酷似していて、しかも正反対です。ジョンの決めゼリフ(笑)のひとつは"How much blood will you shed to stay alive?"で、自分が痛い思いしろよと、それがゲームの特徴だったのに、アマンダとリンだけは、他者の血を流せと強いられています。対象の人物は生きていて(アマンダは気づかなかったかもしれませんが)、その人を切り刻まなければならない。アマンダは自分がゲームに勝つためだけに、リンは相手を救い、自分もたすかるために。つまり、リンは、"共存"を学んでいる。
ジェフが娘を救うために行うゲームの"勝つ条件"は"ジョンを赦すこと"だろうと思いますが、詳細はわかんないね。それでも、ジョンを失い、あるいは娘も失って、リンが3代目を襲名する可能性はあったはずだと思います。
しかし、しかしです。
ジョンは言いました。アマンダのゲームだと。周到に準備して、アマンダを試したと。ならば、人を救い、人を生かすとはどういうことか、繰り返し繰り返しアマンダに見せるための5人だったのかもしれません。

【アマンダが大暴走しなかったらどーゆー結末になっていたか】
ジェフのテストが終わり、ジョンが生きている。だからルール通りに、アマンダがリンを解放する。
そこにジェフがやってくる。ジェフは必ずジョンの病室に来ました。1つ目の扉の前には"最後の扉を開ける鍵"を、2つ目の扉を開ける前には"最後の扉を開けてコドモの命に責任のある人物に復讐する"ための弾丸を、そして最後の扉のところで拳銃を与えらているので、ちゃんと病室まで誘導されている。
その時点でリンがまだ病室にいるかどうかはわからないっすけど、リンが工作室から出ていったとしても逃げる途中でジェフと鉢合わせになる確率が高いので、ま、戻ってくるかな、どっちみち。で、ジョンだけが娘の居場所を知っている状況で、Let the game beginです。ゲームの内容は、娘の命にかかわるということ以外は不明。

【ジェフ宛のテープはもう1本あった】
さて、アマンダが大暴走しなかったら、ある条件で、本来ジェフに聞かせようとしていたテープは別にありました。そこにはルールやらゲーム開始の合図が、いつもどおり吹き込まれていただろうと思います。が、使わないことになったので、ジョンはこのテープに液体をかけて処分してしまいます。あの液体は何だったのかというと、おそらく"酸"じゃないかな。ケリーのゲームで鍵とともにでっかいビーカーに入れられ鎖で固定されていた"酸"、あれはジョンたちは強力な酸を持っている、ということの伏線だったと思います。
でも、"live or die Jeff... make our choice"と言ったら喉を切っちゃったので、最後の最後に"保険"だったほうのテープを聞かせている。
内容はこうです。
Hello, Jeff. I made this tape as an insurance policy, if you will. And if you're listening to it, then it's time to collect. I was your final test, of forgiveness and if you're listening to this then you've failed. Now you must pay the price. The price for living with nothing but vengence. Now I will give you something to live for. I told you, that you could kill me Jeff... But I didn't tell you why. The answer is simple. I am the person responsible for the loss of your child. I am the only person who knows... where your DAUGHTER is. She only has a limited supply of air, Jeff... and if you want to get her back, you'll have to play a game.
私を赦せるかどうかが最後のテストだった。このテープを聞いているということは、もうおまえに道はない(私を殺してしまっているので)。復讐に燃えた人生の代償を払え。おまえに生きる目的をやろう。おまえの娘の命を握っているのは私だ。娘の居場所は私しか知らない。彼女がいる場所は空気がなくなる。娘をたすけたければゲームをしろ。
で、Let the game begin.とか、Make your choice.とか、Game over.とか、言ってません。「ジェフさん、あんたはもう死ぬしかねーよ、でもせめて、娘の命を救いたかったらゲームやんなさい」そーゆーことだからです。Can you follow the rules and grant someone the gift of life? ルールを守って、誰かの命を守れるか?もう、choiceもクソもない、ジェフ自身はゲーム以前に不合格者になってしまった。
もし合格していれば、娘を救い、妻も生還、自分もたすかるかもしれないというゲームだったんじゃないかっちゅーことで、アマンダ暴走なしの場合のゲームと、起きてしまった最悪のゲームと、少なくとも2種類が用意されていたと思います。

【アマンダはどこまで知っていたか】
では、ジェフが最後はジョンの病室に必ずやってきて、娘を救出するためのゲームに参加する運命だということをアマンダが知っていたのかどうか。ジョンはもうほとんど動けないので、準備はすべてアマンダがやったんだとすれば、アマンダは廃工場内のすべてのプランを把握していたことになります。
しかーし、ジョンは周到に準備したと言っている。ということは、アマンダの知らない"何か"があった。もしかしたら彼女は、ジェフが病室までやってきたことに驚いたかもしれません。この場合は誰かが、ほとんど動けないジョンを手伝い、アマンダに内緒で廃工場内のあちこちに鍵や弾丸はメモ類をセットしたことになるよね?
あるいはアマンダの知らない"何か"は、娘の誘拐と監禁。つまりジェフのテスト後に行われるはずだった"娘探しゲーム"の存在です。たぶんこの可能性が高いかな。この場合ももちろんアマンダ以外の共犯者は必要です。少なくとも、娘を拉致ってくるという、片足でもできるガテン系の仕事があるからね。

【共犯者】
『SAW』や『SAW II』に共犯者がいたように、『SAW III』にも共犯者がべつにいると思います。『SAW III』のターゲットがアマンダである以上、アマンダではない誰かです。
廃工場とは言え、食肉加工場だったんだから、電動ノコギリはあっていいです。あれだけ物を持ち込んでいるのだから、電動ドリルもあっていいです。でも、リンが麻酔が必要と言ったとき、ジョンを病院に連れていこう、麻酔は"病院にしかない"から、って言ってます。で、病院にしかないはずの麻酔が、なぜかありましたよ(というか大量に持ってます)。そうそう、廃工場にはジョンのカルテ(名前はJohn Kramerのままでしたか?)もありました。誰が病院から持ってきたのかな。
ジェフの家に、ジェフと娘がいるシーン、扉の影にはアマンダがブタマスクで隠れていた。アマンダはジェフを拉致りました。では、娘のほうは誰が拉致って来たのか?

【リンとゴードンの関係】
同じ病院の先生っすね。"ローレンス・ゴードン"という名前も、リンが言い出しています。そのときのリンは「ゴードン先生は恐ろしい目にあったのよ!あなたが犯人ね!」というような表情ではありません。つまり、バスルームが警察によって発見されていないことからもわかるように、ゴードンは保護されておらず、病院にも、というか、社会には復帰していない。リンからすれば「ゴードン先生はなんらかの事件に巻き込まれたらしく行方不明」ぐらいのことなんでしょう。
一方ジョンは、リンに「私をおぼえているか」と聞き、「前にも同じ口調で」病状を宣告されたと言ってます。っちゅーことは、最初はリン先生にかかってたんだね。で、何かの都合で担当が代わった。ジョンは本当は、ゴードンのことと同じくらいに、リンのこと怒ってるはずです。

【アマンダ宛の封筒の中身】
可能性1:(自分が死んでしまった場合の)ジェフのゲームの続きインストラクション
可能性2:遺書
読んだあと、アマンダが嫌そうにしてますね。気になります。嫌がるということは、"汝、殺すなかれ"的な戒めかもしれんし、3代目についての育成計画かもしれんしなぁ。
現実的なのは可能性1です。なにしろ、ジェフが病室までやってくるのをアマンダが知っていたとして、ジョンもリンも死んでいる状況でジェフが入ってくるかもしれんです。が、ジェフはてっぽう構えて突入してくるわけで、アマンダに、ジェフがアマンダを殺さず、ふたりでゲームをするための、何かが書かれていた。また、ジェフが病室までやってくるのをアマンダが知らない場合には(おそらく共犯者がいます)、より複雑な状況に対処するために、ジェフをどうすればいいのか、そのインストラクションが書かれている。
うーん、これについては、もっと具体的にまた書きます、DVD観たらね。たぶんこれは超重要だから。中身もわからない手紙のシーンがカットされてないなんて、これはもう間違いなく次回作(あるいは最終章となる予定の5作目)で使う強烈なフックです。

【おまえなんかジグソウじゃねーずらぁ!】
足をぶっ潰してバキバキに折って、バスルームから脱出したエリック・マシューズ。彼はアマンダを、非常におもしろい言葉で挑発してます。「You're not Jigsaw, bitch!(おまえなんかジグソウじゃない!)」
どうしてこんなことを言うのか?
もちろんそれは、「あたいが2代目よ、Game over!」と言い残して扉を閉めた"ジグソウ気取り"のアマンダにいちばん堪える挑発だと思ったんだろうけど、本当は、そんなことよりダニエルをたすけに行きたいはずなわけで、アマンダと殴り合ってるヒマはない。なんだか意味深なセリフだね、『SAW』でアマンダが"He helped me."と言ったのと同じくらいに。
今でも自傷癖が抜けないお互いさまなアマンダも、おもしろい言葉で一方的にエリックを形容してます。「Eric Matthews? I'll tell you about Eric Matthews. Eric Matthews learned 'nothing' from your test.(あの野郎何にも学んでねーよ)」と。

【ほとんど余談の凍った女やら判事やら】
ダニカちゃんは早かった、振り向いたら凍ってた(爆)。
判事(Judge Halden)は着替えたYO!洗いたての石鹸の香りのシャツに(爆)。
しかーしいちばん笑ったのは全身ピアスのトロイね。ぶちぶちぶちぶち、ものすごいスピードで肉ちぎりました(笑)。早い、間に合うぞ、余裕だ。そう思いましたね。おもしろかったっす、いろんな意味で。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:46| Comment(12) | TrackBack(2) | さるお発『SAW III』解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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