『CINDERELLA MAN/シンデレラマン』を観たよ。
監督は親子で稼ぎまくりのロン・ハワード(Ron Howard)で、原案はクリフ・ホリングワース(Cliff Hollingsworth)さん。
出演は、ミラクルボクサーのジム・ブラドック役にラッセル・クロウ(Russell Crowe)、奥さんのメイ・ブラドックはレネー・ゼルウィガー(Renee Zellweger)、マネージャーのジョー・グルード役が『THE TRUMAN SHOW/トゥルーマン・ショー』『SAVING PRIVATE RYAN/プライベート・ライアン』『PLANET OF THE APES/PLANET OF THE APES 猿の惑星』『SIDEWAYS/サイドウェイ』の実力派で大好きなポール・ジアマッティ(Paul Giamatti)、ここではすっかり悪役のマックス・ビア役はクレイグ・ビアーコ(Craig Bierko)。豪華だ。
えーっと、いい映画です。すごくいい映画。
ジェームズ・J・ブラドックの奇跡の半生を映画化した、つまり本当の話ね。
大恐慌時代、どん底の貧困から愛する家族を守るため命を懸けて再起のリングに上がる一人の男。
素晴らしい。こりゃ大感動です。
ちなみにこのジェームズ・J・ブラドック(James J. Braddock)さん、本名はジェームス・ウォルター・ブラドック(James Walter Braddock)さんといいます。リングネームの"J"はジェームス・J・コーベットとジェームス・J・ジェフェリースという2人の元世界王者の名前からとったもの。あだ名は元々"Bulldog of Bergen"で、奇跡を起こしてからは"Cinderella Man"と呼ばれます。
1905年6月7日生まれ、史上最大の番狂わせを巻き起こして1935年6月13日、30歳でヘビー級世界王者になり、ニュージャージー州ボクシングの殿堂入り&国際ボクシング殿堂入り。そして1974年11月29日に69歳で亡くなります。
ジムを演じることができるのはラッセル・クロウしかおらん!っちゅーくらいにそっくりっすよねー。
そうそう、ヘビー級王者マックス・ビア(Maximilian Adelbert "Madcap Maxie" Baer Cussen)もね、クレイグ・ビアーコしかおらん!っちゅーくらいにそっくりだよ。

さるお的にはちょっと不満もあります。
最後ね、「勝ったぁーっ!ひゃっほーい!」と言って映画が終わるせいで、うかうかしてると"スポ根映画"だなーと錯覚しそうなんだよぅ(爆)。
この映画はたぶん、大恐慌というものを描いたはず。ボクサーのライセンスを剥奪した協会に出向くシーンなんてもう、これだよこれ、何もかも捨てて、そこから這い上がれと、すべてを捨てられる強さが、今どうしても必要なんだよと、涙でなんだかよく見えないぐらいに大感動で大変なことになりました。が、見終わってみると若干、なんというか、ヒーローモノを観た感じ。中途半端でもったいなねーずら。ヒーローモノならそれはそれでありなので、徹底すべしっす。大恐慌時代を描いたんなら、映画のラストはまた"時代"に戻ってきてほしかった。ジムの起こした奇跡が、ジムが与えた希望が、人々にどう作用したのか、時代にどう作用したのか、それを見せてほしかった。
"ボクサーの悲哀"のようなものはずっしりと描かれていてよかったなぁ。あー、もちろんこれはボクサーに限らず、特化したことがらに秀でているすべての人の悲哀のことです。ジムの場合は、戦うということでしか食べていけない、戦うということでしか自分を表現できない。そーゆー輝く哀しさが、あったね、ちゃんと。
どんなに苛酷な時代であっても、人には娯楽と希望が必要。今日食うメシはないけれど、25セント払ってボクシングをね、さるおもやっぱり観たいです。
心ゆくまでさるお、もんち!