2007年08月30日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 14

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは大事なシーンを目撃します。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

14:The Thief

目を開けると、そこは林の中。木漏れ日が、緑の間にキラキラです。一瞬、ホグワーツの"Forbidden Forest"かと思いましたが、木々がもっと若々しくて、"森"ではなく"林"です。
ポリジュース薬の効き目はちょうど切れるころ。横に倒れているロンを見ると、!!!
今度はロンが、ま、まさかの、血まみれ。左半身が真っ赤な血でぐっちゃぐちゃですよ。赤毛に戻りつつあるロンちん、何もかも真っ赤です(涙)。
「どしたの?」とハリー。
「Splinched(ばらけちゃった)」とハー。(詳しくは下のメモに書きました)
ハーはロンのシャツを破り、出血しているところを大急ぎで探します。ハリーは今まで、"splinching"ってちょっとコミカルだと思ってましたが、実情はとんでもない痛々しさ。ロンの腕から、肉の塊が、ナイフで削ぎ落としたようにごっそりと失われています。
「"Essence of Dittany"をバッグから出して!早く!」
ハリーは動揺しながらも"Accio Dittany!"で茶色いボトルを取り出します。ロンの意識はもうありません。手が震えて蓋が開けられないハー、怖かったんだなー。それでも懸命に、ロンの傷口にエキスを3滴落とします。「ほんとは元通りに治す魔法があるけれど、もし失敗したらと思うと怖くてできない。これが私にできる精一杯よ」
みるみる傷口に新しい皮膚が再生して止血できました。

突然林の中にいる理由を、ハーは目に涙をいっぱいためて、大きく息をついてから、こう説明しています。
「魔法省から瞬間移動するとき、ヤクスリーが私につかまってくっついてきた。振りほどこうとしたけどだめで、グリモルド・プレイスまで一緒に来ちゃった。そこに降りたったらヤクスリーの手が緩んだから、"Revulsion Jinx"で振りほどいて、とっさに私がふたりをここに連れてきたのよ。誰にも知られずに隠れられる場所がいいと思って、QWCが開催された林に。私、ヤクスリーを"Fidelius Charm"の圏内に入れちゃった。私たちみんながシークレットキーパーなのに、私がそのシークレットをDEにおしえちゃった。えーん、ごめんてばー」
「いけないのはぼくだよ。カエル部屋のドアにマッドアイの目がはめ込まれてるの見て、そのままにしておけなくて持ってきちゃったんだ。だからバレちゃったんだもん」

前回のハーによる"Side-Along-Apparition"でDEに襲われたトリオとしては、今回もまた襲われるんじゃないかっちゅー緊張がつきまといます。移動し続けなければ危ないかもしれません。でも今日は、やっと意識が戻ったロンを連れて移動なんてキツすぎる。ハーは、杖を上げ、ハリーとロンの周囲をぐるぐると歩きながら呪文を唱え、彼女が思いつくあらゆるプロテクションを周囲に張り巡らせました。
Salvio Hexia ... Protego Totalum ... Repello Muggletum ... Muffliato ... Cave Inimicum ...
「できることはすべてやったわ。これで少なくともやつらが来るのがわかる。ユーノーヘビ男を防げるかどうかはわからないけれど」
そしてビーズのバッグに入れて持ってきた、QWCでウィーズリー家が使ったテントを、"Erecto!"と再びこの林に張ります。
あー、ロンはヴォルディの名前を聞くのが嫌みたいです。ハリーにもハーにも"You-Know-Who"を強制してますね。

ハーは、カエルおばばから奪ってきたロケットを出します。小さな緑色の石が"S"字型にはめ込まれた、傷ひとつない、鶏卵ぐらいの大きさのロケット。ハリーもハーも、奪えたことに驚くロンも、そのロケットを開けようと思いつくことすべてを試すけれど開きません。ところがロンは、あることに気づきました。まるで心臓のように、たぶん内側から、トクントクンと心拍している。
開ける方法がわかるまで、ハリーはそのロケットを首にかけて身に付けていることにしました。
夕闇がせまり、あたりにはコウモリが飛んでいます。ハーが持ってきたのはやかんとカップと紅茶だけ。ハーはきのこを探してきて、健気に食べる物を作っています。
あらー、またまた額が痛くなり出しましたよ。
「それよこせて、グレゴロヴィッチ」
杖を、その人物のほうに構えています。その人物グレゴロヴィッチは空間に宙づりです。
「持ってない!ずいぶん前に盗まれたんだ!」
そして暗転。次は、木材や金具類がたくさん置いてあるグレゴロヴィッチさんの工房です。その部屋の窓に、まるで大きな鳥のように降り立ったのは、ハンサムな金髪の青年です。彼はグレゴロヴィッチさんに"Stunning Spell"をかけ、そして歓喜の笑い声を残して去って行きました。
そして先ほどのシーンへ。
「誰が盗ってったんや、こら、グレゴロヴィッチ、はよ言えや」
「知らない!若い男だ。ぐわぁーっ、やめれー!」
そして緑色の閃光。

ヴォルディは、"兄弟杖"が抱える問題を解消するためにグレゴロヴィッチをたずねた。けど、何も質問しないうちに殺してしまいました。どうもおかしい。
そして、なんだか見覚えがあるような気がするあの笑顔の青年。フレッドとジョージによく似た雰囲気の、いたずらっぽく陽気な笑顔の青年。彼はいったい何を盗んだんでしょうか。

【メモ】

ハーのセリフの"Splinched"、これはハリポタにたまに出てくる表現です。瞬間移動したときに身体全部が移動できなくて部分的に残して来ちゃったりする、あの状態を意味する造語です。"split"(分かれる)+ "pinch"(挟む)です。おそろしくも、身体が"ばらけた"状態。この現象を"Splinching"と言ってます。
"Essence of Dittany"はディタニーという植物のエキスです。傷口に皮膚を再生します。『One Thousand Magical Herbs and Fungi』に載っているのを、ハリーも宿題で読んだことあるはずなんだけど(笑)。

"Revulsion Jinx"って何でしょう。これはよくわかりません。

"Salvio Hexia"と"Protego Totalum"はプロテクション、"Repello Muggletum"はマグルよけ、"Muffliato"はブンブンいう羽音のような音を使って会話を聞かれないようにする盗聴よけ、"Cave Inimicum"は侵入者警報。
"Erecto"はテントを張る呪文。

"笑顔のどろぼう青年"、これはふつーに考えたらグリンデルバルドです。
グレゴロビッチさんは東欧の杖職人さんで、グリンデルバルドは東欧のダークウィザード。グレゴロビッチさんから杖を買った東欧のヴィクター・クラムは、東欧の魔法学校でグリンデルバルドの後輩。
やっぱグリンデルバルド以外に考えられん。
"Fred and George-ish"なハンサムな青年、ほんとにわるい人なのかな?ここにも秘密がありそうです。
さるおはヴォルディが10代の終わりころ、グリンデルバルドに会っている可能性があると思ってましたが、違うんだな、"どろぼう青年"の顔を見ても誰だかわかんなかったわけだから。で、ダンブルドアによるグリンデルバルド撃退は1945年なので、ダンブルドアはグリンデルバルドを殺害していないことになります。ってことは、グリンデルバルドはムショにでも入ってたんでしょうか(笑)。
ちなみに、若き日のグリンデルバルド(たぶん)が盗んだモノは、今ヴォルディがほしがっているモノで、"あの杖"のはずです。"その杖"がほんとに"あの杖"かどうかわかりませんが、さるおは"杖の王様"的な杖が出てくるはずだと思っています。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月27日

Liga 07-08 第1節 あけましておめでとうございます!という気持ちで、CLとリーガと国王杯を獲ってクラシコは2つともいただく予定のシーズン開幕

さるおです。
1年の始まりです。戦いの始まりです。
ものすごい気合いでテレビの前に正座してましたが、白いのとA・マドリーさんの試合も、ラシンさんとさるおのバルサの試合も、フタを開けたら放送なしっす。もともとW局の脆弱さは疑いようもないですが、とりあえずW局さんのせいじゃないっちゅーことで、誰にも当たれん(悔)。
白いの負けろとこないだ流星群に願いごとしたのに(マドリディスタのよい子のみなさんすみません)、2-1で勝っちゃった。
バレンシアおらが村はなんと、トマソン、ロッシ、カソルラの0-3でおらが村。バレンシア自滅っす。おらが村はやっぱかっこええっす。
セビージャヘタフェは4-1、ムルシアサラゴサは2-1。
なんかね、補強とか、まぁまぁよさそうだと思ったチームに限って負けてたりとかしてね、波乱の予感っちゅーか、さるおの評価もあてんなんねーなっちゅーか、そんな感じです。アトレチコさんなんかトーレスいなくなっちゃって、フェルナンド、おまえはアトレチコの象徴でいてくれよ、と思ってたさるおとしては淋しいですが、ぜんぜん別のタイプの元ピチーチ・フォルランが入ったし、ルイス・ガルシアも戻ってきたし(怪我なおせ)、1年前もそうだったけど、補強はちゃんと考えてやってるなーと、楽しみなんだよね。まずは、金があるからっていい気になって買い物しまくり練習不足で優勝監督の首を切った白いライバルたちを粉砕だぜ!と思ったんだけどなぁ。
セビージャは勢いが衰えない。すごいよ、あいつら。
上がってきたムルシア、アルメリア、バジャドリーも勢いあります。みんな勝ってる。

さるおのバルサはスコアレスドローっす(泣)。点獲れ、おまえら。スコアレスは嫌です。
開幕戦でスコアレスって、ビルバオオサスナとうちらだけだよNE!(号泣)
アビダル、トゥーレ・ヤヤ、クロッサス、アンリ、みなさん招集されてたし、観たかったなー。ミリートさん、グッディ、エジやん、そしてプジョルの様子も知りたかったしなー。プジョルがいなくても、チュラさんが守るぜと、アルゼンチン人DFをぶち抜いて行こうぜと、楽しみにしてたのに。

次からちゃんと観られると信じて、応援します。ライカールト、5年目だ、またふんばれよ。リーガを獲れ。
CLだってもう、ドログバなんて屁だっちゅーことで、モスクワまで獲りに行け。そうそう、ベニテスさんにリベンジもしなきゃ。

モスクワといえば、この夏休みにバルサを去ったよい子たちへ、いろいろ伝えたいことがある。感謝とか、声援とか。いろいろ思い出しながら、また書いてみようと思います。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:48| Comment(10) | TrackBack(8) | リーガ・エスパニョーラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月26日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 13 (2)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーはまさに綱渡りの逃亡劇を繰り広げます。最後はいったい何が起きたんでしょうか!
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

「ハーちん、ロケットを奪うんだぁーっ!」
「ハリー、カターモールさんをたすけなきゃ!」
カエルおばばのパトロナスは消えました。ディメンターが来る。ハリーは透明マントを脱ぎ、"Expecto Patronum!" 輝く大きな銀の牡鹿が室内を跳ね回り、ディメンターはすみっこに追いやられます。
メアリーさんは「あなたが私の書類を提出したんじゃなかったの?(敵対するはずのランコーンがどーして私をたすけるの?)」とびっくりです。
ハリーはメアリーさんが繋がれている鎖を外そうと"Diffindo!"を使いますが外れない。
「ハーちん、鎖はずしてー」
「はーい、待っててー」
ハーはロケットに"Geminio!"をかけ、続いて"Relashio!"と鎖を外します。
「逃げるんだ。おうちに帰って、コドモたちを連れて、変装してイギリスから出てください」ハリーはメアリーさんに言います。
そして「ハーちん、パトロナス手伝ってー」
ハーは初め、パトロナスが作れないんですね。きっとディメンターが怖かったんです。けどあきらめない。ついに輝く銀のカワウソ(otter)が、ハリーの牡鹿と一緒に泳ぎ回ります。

2つのパトロナスに守られて、ハリーとハーはメアリーさんを連れて逃げます。裁判待ちのみんなにも、「みなさんおうちに帰れることになりました。できれば外国に逃げてください。魔法省からできるだけ遠くへ。えーっと、これは公式な決定事項です。ついて来て!」と言い、リフトへ急ぐ。リフトの扉が開くと、ちょうどロンが降りてきたところです。
「レグ!ランコーンがたすけてくれたの。この人、アンブリッジとヤクスリーをぼかんぼかんよ!逃げろって。・・・あなたびしょ濡れね」
ロンはそんなメアリーさんに答えてるヒマも無くこう言います。「カエル部屋のドアの穴ぼこがどうとかで、侵入者がいるってバレちゃったよ。長くても5分しかない!」
びっくらこけてハーのパトロナスは消失。ハリーは捕まる前に逃げようと言います。杖持ってない人は杖持ってる近くの人と2人1組になって、2台のリフトでアトリウムに上がります。
アトリウムは、侵入者の存在に慌てる人々でごった返していました。フローネットワークで外部(公衆便所)と接続している暖炉を封鎖しているんですね。
するとハリーさん、思い切った作戦に出ましたよ。でっかい声で「止まれ!この人たちは出口が封鎖される前にここから出る!血が穢れてないってわかったんだ!刃向かうヤツの家族はダーク・クレスウェル同様に法廷送りだぞ!」
そこへ、まさかの本物レグ登場。元気になっちゃったんすね。これじゃ、だんなが2人。メアリーびっくりです。
さらに、目覚めたヤクスリーが次のリフトで到着。「封鎖しろ!」
ぐわぁーっ、大ピンチっす。
もうやけっぱちのハリーさん。さらに大胆に、知らないおじさんをぶっ飛ばし、「ヤクスリー!コイツがマグル生まれを逃がそうとした犯人だぁーっ!」
ヤクスリーは一瞬迷います。その隙にロンはメアリーさんを連れて封鎖前の暖炉から消えました。すると本物のレグさんが「ワイフ連れてったのは誰なのさーっ!」
この言葉を聞いてヤクスリーには事情がわかり、こちらを向く。同時にハリーがハーの手をつかみ、暖炉へ!
一瞬後、公衆便所っす。
個室のドアを開けるとメアリーさんがロンに「離してちょーだい!あんたニセモンねー!」と言っているところです。
お、隣の個室にヤクスリーも追っかけてきた。ロンはメアリーさんを離し、ハリーはハーと手をつないだまま反対の手でロンの腕をつかみ、瞬間移動!
ところが、何かがオカシイ。ハーの手が、少しずつ滑って行く。しっかりつかんだはずのハーの手なのに、今ではハーの指先をかろうじでつかんでいるだけす。どんどん遠くに離れて行く。
グリモルド・プレイスの玄関のヘビのドアノッカーが見えます。着いたと思った瞬間、息する間もなく、悲鳴が聞こえ、紫色の光線が瞬く。
離れそうだったハーの手が、今度はハリーをしっかりつかみ、そしてすべては暗闇に包まれました。

【メモ】

"Diffindo!"は目標物を"破く"呪文です。『GoF』でハリーが、セドと話をするためにバッグを破いてきっかけを作る、あのシーンで使われたやつです。
"Geminio!"は、対象がなんであれ、双子を作る魔法。ハーは、ニセモノをカエルおばばにつかませたんですね。
"Relashio!"は、繋がれている人を自由にする呪文。ハリーも使ったことがあるのになぁ、セカンドタスクの湖の底で。

ディメンターの海がふたつに割れ、民を率いて逃げるハリーさん。モーゼの出エジプト記かと思いました。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月25日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 13 (1)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーはついに、ついに、あれを発見!奪い取って逃げろーっ!
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

13:The Muggle-Born Registration Commission

カエルおばばに「今から法廷で書記やってちょうだい、うふふ」と言われる偽マファルダのハー。ハリーとハーもまた、行動を共にできなくなりました。ハリーはリフトを降り、ハーはリフトに乗ったまま、カエルおばばと一緒に行っちゃった。
目の前の大臣が「ランコーン、ここに何しに来たNO!」とハリーにたずねます。ハリーは、とっさに思いついた魔法省職員の名前を持ち出します。
「アーサー・ウィーズリーに用がある。この階にいるって聞いたんだ」
「アーサー・ウィーズリーかー、もうあいつはタイーホされたNO?んまー時間の問題だな。"blood traitor(反逆者)"はマグル生まれと同罪だからなー」

ハリーは1階の廊下をひとりで進みます。透明マントをかぶり、今は長身なので足が出ないように注意しながら、カエルおばばのオフィスを探す。ほんとは3人で行動するはずだったのに、ひとりになっちゃった。心細くてパニクり気味です。今思えば、離れ離れになる可能性を考えもしなかった自分たちが、なんだかすごくコドモじみている気がして、自信がなくなってくきます。
1階の廊下は、紫色の絨毯が足音すら吸い込んで、フロア全体に"Muffliato"がかかっているような静けさです。
ハリーが廊下を曲がると、そこは広い部屋。たくさんの人が、机を並べて何か懸命に書いてます。色のついた紙に何か書き、書き終えるとその紙が、ピンク色の小さな凧みたいにあっちゃこっちゃに飛んで行く。あ、流れ作業をしてるんですね。流れ作業で、ピンクの表紙に金文字のパンフレットを作っている。
『MUDBLOODS and the Danger They Pose to a Peaceful Pure-Blood Society』("穢れた血"と平和な純血の社会に及ぼす危険)
まるで、ホグワーツでカエルおばばが行った"detention"そのものの光景です。
その向こう、正面のドアにかかったネームプレートは、"ドロレス・アンブリッジ 大臣の高等秘書官/マグル生まれ登録委員長"の文字です。そしてそのドアにはめ込んであるのは、マッドアイを知る人にとってはよく見慣れた、あの明るく青く輝く眼球!腹を立てるハリーさん、そのマジカルアイをドアから外し、ポケットに入れます。そして今度は"Decoy Detonator"を取り出し、床にセット。瞬く間に部屋中大騒ぎになりました。
そっとドアを開け、するりとカエル部屋に入ると、ホグワーツで見たのとまったく同じ内装のピンクな乙女オフィスです。そこいら中にレースがひらひら〜、ドライフラワーがあっちにもこっちにも、そして壁中に猫ちゃんの飾り皿。入ってきたドアを振り返ると、マジカルアイのはめ込んであったところにはテレスコープのようなものが取り付けてある。監視なんかしやがって、どこまでもいやらしいカエルおばばです。
透明マントを脱ぎ、ハリーはまず、ハーのまねをして"Accio Locket!"を試しますが、ロケットは現れません。仕方がないので引き出しを開けたり、キャビネットを開けたり、探し回る。するとあるキャビネットの中に人名で並べられたファイルを見つけます。ついさっき、そのうちアーサーがタイーホされると聞いたハリーはアーサーのファイルを見ます。

アーサー・ウィーズリー
血筋:純血、ただし許容を超えたマグル好みの傾向。オーダーのメンバー。
家族:ワイフ(純血)、コドモ7人(下のふたりはホグワーツ在学中)。NB:いちばん下の息子は深刻な健康状態で自宅療養中(確認済み)。
監視:追跡中。すべての動きをモニター。ウィーズリー家に滞在したことのある"危険分子No.1"(Undesirable Number One)と連絡をとる可能性が濃厚。

壁を見るとそこにはハリーの顔写真が、"危険分子No.1 [to be punished]"のポスターになっています。"to be punished"(罰する)、カエルらしい(笑)。
怒りに震えつつ探し続けるハリーは突然、ダンブルドアがこちらを見ていることに気づきます。あ、本の表紙の写真っすね、リタが出版する暴露本が1部、本棚にあるのです。"『アルマンド・ディペット:教師か、それともただのまぬけか』のベストセラー作家リタ・スキーターより"なんてサイン入り。
ハリーがぱらぱらとページをめくると、10代の男子ふたりが肩を組み合って楽しそうに笑っている写真があります。ひとりはアルバス・ダンブルドア、肘までの髪、あごにちょっとだけヒゲを生やしています。横にいるのは、肩までのカールした金髪、陽気そうな満面の大笑いの青年。たぶんドージさんかな?と思って写真の注釈を読もうとした瞬間にドアが開きます。大臣です。あぶねーあぶねー。もし彼が振り返らなければ、ハリーの姿は丸見えだったはず。すぐさま透明マントをかぶったハリーですが、大臣は、ハリーの姿が見えたかもしれない場所をしばらく凝視してますね。"何かを見た気が"したんでしょーか。
大臣はカエル宛のメモを書き始め、ハリーはそっと部屋から出てリフトに向かいます。大騒ぎはまだ静まっていません。
とにかくロケットはここにはない。また別の機会に探すとして、今の優先事項はここから脱出すること。まずはロンを探し、ふたりでハーを法廷から救出し、気づかれないうちに魔法省から出なくちゃ。

透明マントを脱ぎ、リフトに乗ったハリーは、幸運なことにそこでロンと会うことができました。ところがそのリフトに、長い金髪を頭のてっぺんで蟻塚みたいに結った年とった魔女と話しながら、アーサーが乗ってきた。アーサーはリフトに乗るととたんに魔女との会話をやめ、「レグ、今日は奥さん法廷じゃないの?一緒に行かなくていいのかい?っちゅーか、なぜにずぶ濡れ?」とロンに話しかけます。ロンはパパと目を合わせられないまま「ヤクスリーの部屋が雨なんだ。なおせなくてバーニー・ピルズウォースを呼びに行くんだよ」と答える。するとアーサーは「最近雨の部屋が多いな。"Meteolojinx Recanto"は試したかい?Bletchleyには効いたけど」
リフトの扉が開き、蟻塚のおばちゃんが降り、ロンも降ります。「"Meteolojinx Recanto"は試したか?」と言われてしまうと、ロンとしてはヤクスリーの部屋に戻らざるを得ません。そこにパーシーが乗り込んできて、アーサーに気がつくと、別のリフトへ(笑)。避けてるんですね。ハリーもロンの後を追ってリフトから降りようとします。もうはぐれないようにしなくちゃ。ところがハリーをアーサーが遮ります。
「ちょっと話がある、ランコーン。ダーク・クレスウェルの書類を出したそうだな。ダーク・クレスウェルはおまえの10倍もちゃんとした魔法使いだ。もし彼が生きてアズカバンから出ることができたら、おまえは逃げられないぞ、彼の家族のことも友達のことも・・・」
なんだか怒っているアーサーを、今度はハリーが遮ります。「アーサー、見張られてるぞ」「そりゃ脅しか?」「違う。脅してるんじゃなくて事実だってば」
リフトの扉が開き、アーサーはぷんぷん怒って降りてっちゃいました。

ひとりになったハリーは再び透明マントをかぶります。こうなったらひとりでもハーを救出しなきゃ。
リフトから降り、木の床に絨毯敷きの階上とはまったく違う雰囲気でトーチに照らされた、裁判所へ続く石の通路を進みます。前方に黒い扉が見える。あれー、なんだか妙に寒い。さては、ディメンターだ。
階段を下りると、暗い通路にはディメンターがうじゃうじゃ。通路に置かれたベンチには、恐怖の余り顔面蒼白で怯え切ったマグル生まれの人たちが、順番を待たされています。
「勇気出せ」ハリーは自分に言い聞かせ、ディメンターさんたちの間を歩きます。すると近くのドアが開き、叫び声が漏れ聞こえる。「私はハーフ・ブラッドだ!とうちゃんは有名なほうき職人なんだ!Arkie Aldertonを知ってるだろ!離せ!離せってば!」
そしてカエルおばばの声も聞こえます。「とぼけてると、ディメンターのチューでお仕置きですわよ!うふふ」
その彼はディメンターに連れて行かれちゃいました。
「次、メアリー・エリザベス・カターモール」
ハリーはその女性について裁判所の中に潜り込みます。裁判所の中もディメンターがうじゃうじゃ。そして猫ちゃんのパトロナスに守られた裁判官席にはヤクスリーとカエルおばば、そしてハーちん。猫ちゃんのパトロナスはカエルおばばのです。なにしろサディスティックなカエルがサド行為の真っ最中っすから、楽しくってしょーがない(笑)、パトロナスがキラキラ輝いてますよ。
メアリーさんは椅子に鎖で繋がれ、「Magical Maintenance Dept.のReginald Cattermoleの奥さん、親は八百屋。お子さんはMaisie、Ellie、そしてAlfredね。あなたの杖は8と3/4インチでチェリーとユニコーン。あの杖はどこで盗んだのか言いなさい。うふふ」なんて明らかに不当な尋問を受けてます。

ハリーはこっそりをハーの背後にまわり、「ぼくだよ」とささやきます。
そして、カエルおばばが被告の表情ををよく見ようと前かがみになった瞬間、見えたぁーっ!金のロケットが首からぶら下がっているのを!
ハリーが来たことを知ったハーは、「素敵ね、そのペンダント」と話しかけます。「うちの相続財産ですの。"S"はセルウィンの頭文字。あたしは純血ですから、おーっほっほっほ」
嘘つきめーっ!
"Stupefy!"、もっかいだ!"Stupefy!"
ハリーはカエルおばばとヤクスリーをぼかんぼかんです。「ハーちん、ロケットを奪うんだ!」

【メモ】

Bernie Pillsworthさんについては不明です。
Bletchleyさんは、Miles Bletchley(スリザリンの生徒)の親御さんかな。

"Meteolojinx Recanto"は天候を治す呪文です。ハーが言ってた""Atmospheric Charm"がおかしなことになってて面倒"な状態に使うんですね。

"NB"は"note bene"(注意せよ)の略号です。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月22日

だだちゃ豆をくれる山形の友人を心から愛しているなぁと思いつつ、あのでっかい箱の半分ね、もう食ったよ

さるおです。
今年もまた、最高に愛している山形県の素晴らしい友人から、来たぁーっ!
なんと夢にまで見た"だだちゃ豆"だYO!ふんがー。

だだちゃ1.jpg

要は枝豆です。見た目がとびきり美しいわけではない、枝豆。

だだちゃ2.jpg

しかーし!味が濃くって美味いですわー!普通の枝豆とは別もんっすね。
最高に愛している友人は庄内のよい子です。つまり、本当の地物っすね。(さくらんぼは厳密に言うと内陸の特産)
地元でもなかなか食する機会がない貴重品だそうで、さるおはもう嬉しくって、あっという間にいつもの早食いです。ちなみに、今日の昼に届いて、今すでに箱の半分食い終わりました。

さるおはビールを飲まない。にがいから。(コドモか)
焼酎とかワインとか日本酒とかウォッカとかジンとかラムとかは大好きです。えへへ。バーボンもいいね。ヨーロッパのリキュールも好きです、キルシュとかグラッパとか。えへへへ。

だだちゃ3.jpg

というわけで、枝豆のお供はまさかの麦茶です。(いつのまにか、気づかぬうちに、なぜか吟醸酒に変わっていたりするのが非常に不思議です)

その友人には毎年「うちは50人家族なのでさくらんぼが足りません。今後もよろしくお願いします」と激しい催促お礼のメールを書いたりして甘やかさないように感謝しています。
「うちは70人家族なので(増えすぎ)だだちゃ豆も足りません。山形の心優しい友人よ、今後もよろしくお願いします」
ということで、持つべきものはさくらんぼやだだちゃ豆をくれる友人。どうもありがとーう!

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:31| Comment(14) | TrackBack(0) | 心ゆくまでさるお | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月21日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 12

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは第12章でついにキケンな潜入!分刻みの綿密なプランを実行します。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

12:Magic Is Might

8月はどんどん過ぎて行き、9月1日です。玄関前には半ダースものDEらしき人々が、12番地に入ろうとしてはなぜか元の位置に戻って、入れずにいます。
ロンが時計を見ると、生徒を乗せたホグワーツ特急がロンドンを出発したはずの時刻からもう6時間も経ってます。
ハリーは瞬間移動で外出から帰ってきました。手には誰かのカバンから盗んできた本日のDaily Prophet新聞。「ニュースがあるよ、悪いニュースだけど」
ハリーもロンも、瞬間移動でグリモルドプレイスの玄関先にピンポイントで着地するのは難しい、外のDEに"肘"くらいは見えたかもしれない、と言ってます。みなさんこっそりと交代で外出して、外(魔法省)の様子を偵察するようになったんですね。
キッチンに入ると、あれれー、何もかもピカピカっす。クリーチャーががんばってくれてるんですね。今のご主人様ハリーとも、その仲間とも、心が通じ合ったクリーチャー。お料理の腕もぐんぐん上げてます。
ロンとハーが新聞を覗き込むと、まさかの見出し。『SEVERUS SNAPE CONFIRMED AS HOGWARTS HEADMASTER』(スネイプ、ホグワーツの校長に就任)!

長きにわたって魔法薬の教諭を務めたセヴルス・スネイプは、今年度の人事異動により、本日付けでホグワーツの校長に就任。空席となっていたマグル学の教員にはアレクト・カロウ、またDADAの教員にはアレクトの兄アミカス・カロウが新たに採用されました。

「人殺しで、人の耳を切断するようなわるもんが校長って、なんなのよーっ!」ハーは怒り心頭。ところが何かを思い出したかのように大慌てでキッチンから飛び出して行きました。
「マクゴナガルとフリトウィックとスプロウトはダンブルドアがどう死んだのか知ってるんだ。スネイプをこのままにしとくはずがないよ!」とロン。「カロウズ兄弟ってDEじゃん、ダンブルドアが殺された現場にいたんだ。他の先生たちも、黙ってホグワーツに残るか、さもなきゃアズカバン行きじゃん。せめて学校に残って生徒たちを守れたらいいけど。とにかくさ、少なくともスネイプの居場所だけはわかったじょ」とハリー。
戻ってきたハーはなんと、今は留守になっているフィニアス(Phineas Nigellus Black)のどでかい額縁入りの肖像画を壁から外して持ってきて、ちっちゃなビーズのバッグにぎゅうぎゅうと押し込みましたよ。これなら、もはやスネイプのオフィスとなった校長室からフィニアスがブラック邸に戻ってきても、見えるのはハーのバッグの内側の暗闇だけ。ハーちん、さっすがー!
「ハリー、今日はどうだった?」
「魔法省の入口を7時間も見張ってたけど、カエル女は見つからなかった。ロンのパパは見たよ、元気そうだった」
「フローネットワークを使って出勤するんだってパパに聞いたことあるよ。カエル女もきっとそうだ、自分のことVIPだと思ってっからな、自分の足で歩くわけねぇ」
「じゃぁ私が見たネイビー色のローブの人たちは何?」
「それ、メンテナンス部の人だよ。パパが言ってた、ネイビーの制服だって」
「ロンちん、なんでそれ早く言わないのーっ!何のための偵察隊よ、細かいことでも大事なんだから!これで魔法省に忍び込めるじゃん!」
ハーちん、さすがー!(アゲイン)
「んなら明日行こ」気の早いハリーさん。「ここでじっとしてたって、今より準備ができるとは限らないし、遅くなればなるほどロケットが遠ざかっちゃうよ」
ロンは以前の偵察で、2人のUnspeakablesが「瞬間移動は禁止とか言ってよー、重役ばっかり自室と自宅をフローネットワークでつないじゃって、ずるくね?」と文句たれてるのを聞きました。ハーも以前の偵察で、ネイビーの制服の人たちが「1階に行かなきゃ、ドロレスが来いってさ」と言うのを聞いている。少しずつ、少しずつ、透明マントをかぶって誰かを追跡しては会話の端々を盗み聞き、彼らは1ヶ月かかって魔法省の見取り図を書き上げているんです。
いざ動くとなるとやっぱりちょっとビビリ気味のロンとハーですが、ロンは「よし、明日行こう。ハリーとぼくとで」と言い出しました。マグル生まれとして"WANTED"にリストアップされ、そのリストがDaily Prophet新聞にまで載っちゃっているハーが今捕まったら大変だもんな。
ところがハーは「行っちゃいけない人がいるとしたらあたしじゃなくてハリーのほうよ、だって賞金首だもん」と言います。
すると、なんとハリーさん、「んじゃぼくここで待ってる。ヴォルデモートやっつけたら連絡ちょうだい」なんつって、思わずロンもハーも笑っちゃいますね。冗談がうまい(笑)。

ここでハリーはまたしても額が痛いのです。
薄暗い通りを、歩いている。道の両側に並ぶ木製の切り妻屋根の家々の1軒に着くと、指の長い手でドアをノックする。ドアが開き、にこやかな女性の表情が、みるみる恐怖に変わります。
「グレゴルヴィッチやろ?」
彼女は首を振り、ドアを閉めようとします。
「彼はここにいないわ!」(ドイツ語で)
そして家の中に後ずさる。ハリーは彼女を追い、杖を構え、「グレゴルヴィッチはどこにおんねん?」
「出てったわ!あとは知らないのよ!」(ドイツ語で)
ふたりのコドモが、母ちゃん何事だと出てくる。女性はコドモたちの前で、庇おうと両手を広げる。そして。緑色の光線がどっかーん。

ハリーは、まだそんなことやってんのかとハーに怒られつつ、今ごろは一家皆殺しだろうと想像します。セドリックがそうだったように、"そこにいる"というだけで、殺されてしまった。
ハーはカンカンですわ。「ダンブルドアが、危険だから心を開くなって言ったのに!」「だけどおかげでヘビ男のことがわかるじゃんか!」「そうやってあんたは努力もしないんだから!」「違うよ、できないんだってば」「本気で努力もしなかったくせに!それともこうやってヘビ男と遊んでるのが好きなわけ!」
ハリーは、じつはダンブルドアの忠告を忘れることに決めたんだと言います。痛くても苦しくても怖くても辛くてもこのコネクションを利用することに決めたんだ、敵を知るために。
もちろんハーは納得していません。

トリオはこの夜遅くまでかかって、翌日の計画を練り上げました。プランはまさに"分刻み"。それぞれが、完璧に、その綿密なプランを頭に入れ、やっと眠りにつきました。
翌朝、ついに行動開始です。
コーヒーとホットロールの朝食をすませ、ハーは小さなハンドバッグの持ち物をチェック。ローブ、ポリジュース薬、透明マント、Decoy Detonators(WWW製品)、Puking Pastilles(WWW製品)、Puking Pastilles(WWW製品)、Nosebleed Nougat(WWW製品)、Extendable Ears(WWW製品)ってWWWだらけじゃねーか(笑)。命がけの冒険のお供が"おもちゃ"ばかりでいいのかどうか甚だ疑問ではありますが、それだけWWW製品は本格的に使える"ホンモノ"っちゅーことですな。F&J、おまえらは天才。
トリオが玄関先に出ると、そこには眠くてしょーがない見張り役のDEたちがいます。見られないように気をつけて、まずハーがロンと一緒に瞬間移動、そしてハリーのためにハーはグリモルドプレイスに戻り、次はハリーと瞬間移動です。3人まとめて透明マントに隠れることができないからです。
到着場所は、プランの第1段階となる、魔法省から遠くない脇道です。まだ人影はありません。魔法省の職員は、8時にならないとここを通過しません。
「5分で彼女が来る」ハーはそう言って、空のシアターに通じる南京錠のかかったドアを開けます。そして縮こまって透明マントに3人で収まり、待つこと1分と少し。小さな破裂音とともに、灰色の髪を風になびかせた小柄な魔女が現れました。ハーはその魔女を気絶させると、髪の毛を抜き、ポリジュース薬に入れて飲み、変身したのは"Improper Use of Magic Office"のマファルダ・ホップカーク女史。金色のコインに"MOM"の文字が刻印された魔法省章(入館時に必要)やメガネを奪い取ります。
「予定より遅れてる」とハリー。トリオは急いでホンモノのマファルダをシアターの通路に押し込みドアを閉めます。透明マントにはハリーとロンのふたりです。
また小さな破裂音がして、フェレットのような小柄の魔法使いが「おはよう、マファルダ」と現れました。ハーは「あら、おはよう、ご機嫌いかが?甘いお菓子をどうぞ!」なんつって、無理矢理すすめる、WWWの"Puking Pastilles"を(笑)。フェレットのようなその彼はあっという間に具合が悪くなり、なんだかんだとハーに説得されて欠勤することになり、どさくさにまぎれてハーに髪を引っ張られて抜かれ、透明人間のロンがカバンをひったくると同時に瞬間移動で消えちゃいました。かなりの力技プラン(笑)。
今度はロンがポリジュース薬を飲み、カバンに入っていたネイビーのローブを着てレグ・カターモールに変身。
その後ロンとハーはハリー用の毛髪を手に入れるため、ハリーを置いていったん立ち去ります。ハリーが10分ほど待っていると「誰だかわかんないんだけど」と言ってふたりが戻ってきた。誰かにF&Jの発明品"Nosebleed Nougat"を食べさせて持ってきた毛髪で、ハリーは180cmをはるかに超えるがっちりした大男に変身です。

さて魔法省の入口に来ました。まさかの"公衆便所"です(泣)。男女別れて、個室に入り、ドアの細長い穴に金のコインを入れ、なんと便器の中にちゃぽんと入り、水を流す。涙が出るような通勤手段。「嫌んなっちゃうなー、この入口は。ハリー・ポッターでもやってくると思ってんのかね、わはは!」なんて冗談を言って笑っている人もいますよ。
省内潜入、ここまでは成功です。あの美しかったアトリウムは少し様子が違いますね。金色に輝く噴水のところにあった彫像が、新しいモノになりました。ちょっと怖いような大きな黒い石の魔女と魔法使いです。しかも、マグルたちを踏んづけてその上に立ってる。"MAGIC IS MIGHT"(魔法は力だ)なんて文字も彫ってあります。
ここから先、トリオは多くの人に話しかけられます。
ハリーが変身したのはアルバート・ランコーンという人で、ランコーンは怖がられているようだということがわかります。
「カターモール!」とロンを呼ぶ人を見ると、ダンブルドアの死の現場にいたDEさん。周囲は恐怖で静まり返ります。そして人込みの中からそのDEさんを呼ぶ声も聞こえる。「おはよう、ヤクスリー!」
ヤクスリーはロンに言いました。「メンテナンス呼んであったんだ。私の部屋をなおせ、ずっと雨だから。もし自分の妻が"穢れた血"だと疑いをかけられたら大変だよなぁ。オレはDepartment of Magical Law Enforcementのシゴトをやってる。奥さんはおまえを待ってるぞ。1時間以内に部屋をなおさないと、おまえの妻の血筋が問題になるかもしれんよ。次は純血と結婚するんだな」
トリオはリフトに乗りますが、ロンは早くもトラブルに巻き込まれてしまいました。ヤクスリーの部屋をなんとかしないと、奥さんっちゅー人が大変な目に遭いそうです。「とにかく行って、"Finite Incantatem"を試すのよ。それでだめなら"Atmospheric Charm"がおかしなことになってて面倒だけど。とりあえず彼の持ち物が濡れないように"Impervius"を使って!」ハーの目の回るようなインストラクションが覚えられず、「もっかい言ってー」なんて言ってるロンですが、4階に着くと、ハリーに微笑みながらひげ面のおっちゃんが「Goblin Liaisonのダーク・クレスウェルの椅子が手に入りそうだぞー」と言いながら乗り込んできてしまい、そのまま2階についてしまい、ロンはハーに背中を押されて降ろされてしまいました。「やっぱロンちんひとりじゃ無理かな。ぜんぜんわかってないんだもの」と心配してますが。
1階。ドアが開くと、黒とゴールドのローブを着た現大臣が、クリップボードを抱えた小さくてカエルみたいなオバハンとしゃべってるじゃあ〜りませんか!

【メモ】

Carrowsはホグワーツを襲撃した一味です。Amycusは目つきのオカシイくすくす笑う嫌なヤツ。Alectoはその妹で、やはりくすくす笑うずんぐりした女子です。

マクゴナガルとフリットウィックとスプロウトのトリオ vs. スネイプさん。なんとなく、1000年前と似ていますね。

Mafalda Hopkirkさんは、『CoS』でダーズリー家の魔法を検知した際と(じつはドビーさんの仕業)、『OotP』でダッダちゃんといるときにパトロナスを使った際に、ハリーに警告文を送ってきた人っすね。
Reg Cattermoleさんはお初。
Albert Runcornさんもお初です。彼はなんとなく悪い人っぽいな。
ダーク・クレスウェル(Dirk Cresswell)さんは『HBP』で話だけ登場した人です。かつてホラスのお気に入りで"Slug Club"のメンバーだった人、Goblin Liaison Officeの部長さんです。彼の椅子が空くということは、状況から考えて、彼はマグル生まれだということになります。ちなみに"Dirk"は"短剣"、かっこいい名前だな。

"Finite Incantatem"は、『CoS』で決闘クラブ中にスネイプさんが、『OotP』ではリーマスが("Finite"だけ)使った呪文です。それまで効いていた魔法をそこで終わらせるっちゅー反対呪文(Counter-Spell)です。
"Impervius Charm"は、『PoA』や『OotP』でハーが、嵐の中でクィディッチをするハリーのメガネにかけた防水&曇り防止の魔法っすね。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月20日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 11

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは第11章『賄賂』です。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

11:The Bribe

その夜も、次の日も、そのまた次の日も、クリーチャーは戻って来ません。
グリモルドプレイスのすぐ外にはフードをかぶった人影が2人張り込んで、見えるはずのない12番地をじっと見ています。
えっと、怖いけれど退屈っす(笑)。ロンはDeluminatorで遊び始め、ハーは"The Tales of Beedle the Bard"の読書を開始。
トリオが階下でクリーチャーの帰宅を今や遅しと待っていると、玄関の外に人の気配がします。トリオは緊張して杖を構える。ドアが開き、「セブルス・スネイプか?」とマッドアイの声、そして灰色の大きなアルバス人形、入ってきた人物は静かな声で「アルバス、あなたを殺したのは私ではない」と答えます。
「動くな!」とハリー。
「待て待てーい。私、リーマスですから」とリーマス。
「やっだぁー、びっくりしたぁ、きゃはは」とハー。ロンも杖を降ろします。
「ほんとか!」とまだ信用しないハリーさん。えらいですね。
リーマスは両手を上げ「私はリーマス・ジョン・ルーピン、ウェアウルフで、ムーニーとも呼ばれ、"Marauder's Map"の製作者のひとり。トンクスと呼ばれているニンファドーラと結婚。キミにパトロナスを教えた。ハリー・ポッターのパトロナスは牡鹿」と答えます。
ハリーと連絡をとるはずだと思われているリーマスは、しつこい尾行をまくのに3日間も苦労したようです。
「ぼくらはあの後まっすぐここに来たんじゃなくて、トッテナムコート・ロードでDE2人と戦ってたんだ」と言うハリーにリーマスびっくり、「どーしてDEに場所がわかったのか、こりゃ心配だ。すげー心配」。ハーと同じ視点ですね。

リーマスは今回の事件についてこう説明しています。
ウェディング会場を襲った一団はDEと魔法省のお役人の混合部隊で、その数おおよそ12名。事実上ヴォルディが魔法省を乗っ取った今となっては、かれらの目的はひとつです。ハリーを捕えること。
もう、ハリーたちを守るすべてのプロテクションは無効です。DEたちは、まったくオープンに、あらゆる手段でハリーを追うことができる。だって、"公務"っすから。
ただし奇襲をかけた時点では、ハリーがそこにいたことを知らなかった。奇襲の直前、ハリーの居場所を知ろうとスクリムジャーを拷問にかけたようですが、スクリムジャーは殺されてもハリーを守ったわけです。
DEたちはウィーズリー家を隅々まで調べて回り、魔法省のお役人たちはハリーの居場所を知るために人々に尋問して回りました。また、彼らはウィーズリー家襲撃と同時刻に、オーダーが関連を持つあらゆる場所を一気に奇襲しています。Dedalus Diggleの家を焼き、トンクス一家を拷問。死者が出なかったのは不幸中の幸いです。
「"公務"とか言っちゃって"拷問"なんかしていいわけーっ?」と怒りをあらわにするハー。
するとリーマスは"Daily Prophet新聞"をトリオに見せます。『WANTED FOR QUESTIONING ABOUT THE DEATH OF ALBUS DUMBLEDORE』(アルバス・ダンブルドアの死に関する事情聴取のための指名手配)ぶはー、ハリーさん、指名手配されてるぅ〜!
ヴォルディはメディアも手に入れたのですね。

スクリムジャー亡き後、大臣に就任したのはImperius Curse下にあるPius Thicknesseさんです。第1章でヤクスリーが言ってた人っすね。Pius Thicknesseをパペットにして、ヴォルディは裏ですべてを操っている。人々は、急に極端な方針をとるようになった政府に疑問を持ちながらも、大きい声では言えずにいます。"もし本当にヘビ男が黒幕なら、文句なんか言ってると家族がターゲットにされてしまう"からです。
魔法省の方針の主軸はがらりと変わりました。ダンブルドアが死んだ今、"ヘビ男=悪"という概念をあっさりと捨て、魔法界全体を"アンチハリー"にしてしまった。ハリーさん、指名手配どころか、イギリス全土の魔法界がまるまる敵になっちゃった!
方針転換した今の魔法省の副軸は"Maggle-born Register"。政府の調べによれば、魔力というものは、人から人へ継承される。つまり、血縁に魔法使いのいないマグル生まれの者に魔力があるのは、正統派の魔法使いから魔力を盗んだからだというんです。んなアホな。乱暴すぎる発想っす。
マグル生まれをとっつかまえて尋問にかけ、血縁に魔法使いがいることを証明できなければ、泥棒として、まさかのアズカバン送りだって。
「そんなの許されるはずがないよ」とロン。「そのあり得ないことが起きてるんだよ」とリーマス。
「純血とかハーフブラッドの魔法使いが、マグル生まれの人のことを『うちの親戚です』って言ってあげればだいじょうぶかな。ハーはぼくのいとこだって言うよ。ハーちん、うちの家系図覚えてよ、そしたら質問されても答えられるじゃん」
ヴォルディは、ホグワーツの生徒も管理しようとしています。今年入学する生徒も含めて、在校生もみんな、"血筋"の証明書を提出しなければなりません。ここでマグル生まれをはじくわけですね。ヴォルディはこれで国中の魔法使いをほぼ手中に収めたことになる、しかもコドモのうちからです。

リーマスは、「オーダーのみんなは、ダンブルドアがキミに何かやらなければならないミッションを残したんじゃないかと感じてる。私を仲間に入れてくれないかな?キミらの役に立つよ。私の正体を知ってるだろ。プロテクションも設けられる。使命が何なのか、言わなくてもいいから、一緒に、手伝わせてくれるかい?」と言います。
ハリーは「トンクスはどーなるの?」と聞きます。
トンクスは実家にいて、なんとベビーが生まれるんですね!
「トンクスは心配ない。だから仲間に入れてくれ。ダンブルドアだって反対しないよ、彼が私をDADAで採用してくれたんだ。これから、想像もしていないような魔法に直面しなきゃならないんだから、手伝わせてくれ。ジェームズだって、私にキミのそばにいてほしいと思ってるに違いない」
ところがハリーは譲りません。「トンクスを置いて、ぼくらについて来る?パパならあなたに、家族のそばにいてほしいと思うに決まってんじゃん」
リーマスは悲しそうにこう言います。「私は過ちを犯した。トンクスと結婚なんかしちゃいけなかったんだ」
「だからトンクスとベビーを捨てるのかよ」と思わず噛みつくハリーさん。
この言葉にリーマスは思わず立ち上がります。今まで見たことのない、オオカミの影が、人間リーマスの表情をよぎる。
「私がトンクスとベビーに何をしてしまったかわかるか?私は彼女を、迫害される運命にしてしまったんだ!キミが見てきた私の周りの人間はみんな私に優しい。だけど世間は違う。私のような怪物とは話しもしない。彼女の両親だって嫌がってたんだ、だれがよろこんで一人娘をオオカミなんかに嫁がせるものか。ベビーだって、ベビーだって、生まれながらにして怪物なってしまった、私のせいで。もしも奇跡が起きてベビーが怪物にならずにすめば、そして恥ずべき父親である私さえいなければ、100倍もマシなんだ!私は自分が許せないんだよ!」

さるおはまたしても涙が止まりません。ここにもまた、自分を呪い、死ぬ覚悟をして家族を残してきた愛おしい人物がひとり。
ハーは言います。「ベビーがあなたを恥じるわけない。そんなこと言わないで」
ところがハリーは「それはどーかな。ぼくだったら恥ずかしいね。新政権でマグル生まれが"悪"なら、ウェアウルフでオーダーなんて最悪じゃね?ぼくのパパは家族を守ろうと命を捨てて戦った。だけどリーマスは家族を捨てて、冒険の旅に出たいんだって。怖い物知らずなつもりになって、シリウスのマネなんかしてかっこつけて。ディメンターとの戦い方をぼくに教えた人なのに、ただの憶病者じゃんか!」
リーマスは、目にも留まらぬ速さで杖を構えました。速すぎて、ハリーも杖を構えようとしたけれど、ぜんぜん間に合わずにぼかん。ハリーは部屋の隅にふっとばされ、リーマスは出て行っちゃった。
ハリーにもわかっています、言ってはいけないことを言ってしまったと。だけど自分が止められなかった。

リーマスが置いていった新聞には、ダンブルドア一家の幸せそうな写真が載っています。アルバスと同じきらきらした瞳のパーシバルとうさんと、まだほんの赤ちゃんのアリアナ。ネイティブアメリカンのような黒い瞳に高い頬骨にまっすぐな鼻筋、シルクのガウンを着て黒髪を高く結ったケンドラかあさん。アルバスとアバフォースは襟がフリフリしたジャケットに肩までの髪、よく似ています。アルバスの鼻はまだ折れていないし、メガネもかけていません。
そしてリタが出版する暴露本の抜粋が載っています。

高慢なケンドラは、だんながタイーホされると"Mould-on-the-Wold"にいられなくなり、コドモたちを連れてホドリックホロウに引っ越しました。"Mould-on-the-Wold"同様に、ホドリックホロウは多くの魔法使い一家が住む村。"Mould-on-the-Wold"で好奇の目に晒されることになったダンブルドア一家でも、知人のいないホドリックホロウなら静かに暮らせると考えたからでしょう。だけど、ご近所さんをすげない態度で拒絶し続けるケンドラ。一家はまた孤立しました。
バチルダは、「"Cauldron Cake"を焼いて持ってったのに、鼻先でドアをばたんと閉められたのよ。最初の年は男の子2人を見かけただけで、娘さんがいるなんて知らなかったわ。けどある夜、ケンドラがアリアナちゃんの手をしっかり引いて、裏庭をぐるっと散歩して、家の中に戻って行くのを見たのよ」と証言しています。
それはまるで、アリアナの軟禁を前々から計画して引っ越してきたようでした。
アリアナが幽閉されたのは7歳の時。魔力があるならば、それが開花する年齢だった。でも誰もアリアナの魔法を見ていないのです。やっぱりケンドラは、スクイブを産んだのを恥じて、隠そうとしたわけ。
アリアナを知る人はほとんどいません。男の子2人に質問しても、「妹はデリケートだから」としか言わないし。
 来週は、『ホグワーツ在学中のアルバス・ダンブルドア - 素晴らしさと"見せかけ"』をお届けします。

クリーチャーが3日かかってついに戻ってきました。「離せ、離せ、なんでオレがハウスエルフに捕まんなきゃなんないんだ!」と大騒ぎのマンダンガスを連れて。逃げ回るマンダンガスにクリーチャーはずいぶん手を焼いたようです。
マンダンガスはトリオに「パニクったんだよぅ。オレは最初から嫌だったんだ。なのにほら、あいつ、オレんとこにまっしぐらなんだもん」と早速言いわけをはじめますが、トリオが聞きたいことは別です。「いいから黙って聞け」と杖を構えてマンダンガスにせまるハリー。やることがある(やっと先に進める)って素晴らしい!
「ここんちのモノ盗んだだろー!」「だってガラクタばっかじゃん」
聞いているクリーチャーも怒って、マンダンガスをぶん殴ってやろうと、重たーいフライパンを細い腕でプルプルしながら振り上げます(笑)。
「ロケットも盗んだだろー!」「あれは高価なの?」
どこまでもえげつないダング。なんと、そのロケットをダイアゴン横丁で売っちゃったと言い出しましたよ。「あなた商売する業許可は持ってるの?ロケットを安く売ってくれれば、今回のことは黙っててあげるけど」なんつって近寄ってきた、いまいましくお節介な、背の低い、頭にリボンなんかくっつけた、魔法省の、カエルに似たおばはんに。

【メモ】

"Mould-on-the-Wold"とは、広い原野(不毛の高原)にある"沃土"です。
Woldは、広い原野、不毛の高原、つまり"荒野"です。Mould(Mold)は肥沃な土地です。
不思議です、荒野の沃土。なんだかハリーのスニッチの"I open at the close"みたいに逆説的。
ゴドリックホロウは"くぼみ(広い谷)"にあります。ダンブルドア一家はその前、"荒野"に住んでいた。
ゴドリックホロウは、あの魔女が住んでいた南の広い谷ではないのか。
"Mould-on-the-Wold"は、あの魔法使いが住んでいた西の荒野ではないのか。

3日間ひたすらクリーチャーを待ち続けたハリーが、マンダンガスから真実を聞き出そうとしたとき、"やることがあるって素晴らしい"と思っちゃう、この感覚。ほんの少し、いじわるなときのジェームズに似ているかもしれませんね。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月18日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 10 (2)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーはまたまた号泣!あまりに純粋で悲痛な忠誠心と、あまりに壮絶な復讐劇、切なくて苦しくてたまらんですわー。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

クリーチャーは、膝をかかえて顔をうずめ、身体を前後に揺らしながら話しはじめました。

シリウス様は出て行きました。シリウス様は"悪い子"で、奥様を失望させた。家出してくれて、ちょうどいい厄介払いができた。
でもレグルス様は違った。きちんとした誇りを持ち、ブラック家の何たるか、純血の何たるかを、ちゃんと理解していらした。レグルス様は、魔法使いがマグルやマグル生まれを支配する世の中をつくろうとしている"卿"のことをよく話していました。
レグルス様は16歳で卿の組織に加わりました。それをどれほどよろこんだか。卿に仕えることをどれほど誇りに思ったか。

レグルス様がヘビ組に加わって1年たったある日、レグルス様はクリーチャーに会いにキッチンに下りてらっしゃいました。レグルス様はいつもクリーチャーに優しかった。レグルス様は言いました、「ヘビ男様が"屋敷しもべ妖精"をご所望だから、ぼく立候補したよ」と。
「これは栄誉だ。ぼくにとってもクリーチャーにとっても、とても光栄なこと。ヘビ男様がどんな要望をするにしろ、とにかくそれを実行して、そしてここに戻っておいで」そうレグルス様は言いました。

クリーチャーは卿のところへ行きました。卿はクリーチャーに何も言わず、海に近い洞窟へクリーチャーを連れて行きました。狭い入口の奥は巨大な洞窟で、大きな黒い湖がありました。そしてそこにはボートがあり、湖の中央の小島には、薬品が満たされた水盤があった。卿はクリーチャーにそれを飲ませました。
クリーチャーはその毒薬を飲んだ。命ぜられるままに、どんどん飲めば飲むほどに、恐ろしい幻覚が見えた。身体の中に火がついて、焼かれていると思った。あまりの苦しさに、クリーチャーはレグルス様を呼びました、たすけてくれと、必死で叫びました。けれど卿は笑ってクリーチャーを見ていた。そしてついに毒薬を残らずクリーチャーに飲ませました。そして水盤にロケットを落とし、また毒薬で満たしました。
そしてその場にクリーチャーを残して、卿は帰ってしまった。

クリーチャーはどうしても水が飲みたかった。だから小島の縁で、黒い湖の水を飲みました。そしたら手が・・・死者の手が、湖から出てきてクリーチャーをつかみ、湖へ引きずり込もうとしました。
そのとき、レグルス様がクリーチャーを呼んだ。呼び戻してくださったのです。
レグルス様は何があったのかをクリーチャーから聞きました。レグルス様はとても心配しました。そしてレグルス様はクリーチャーに、じっと隠れて家から出るなと言いました。

それから少し経って、レグルス様はある夜クリーチャーに会いに再びキッチンに下りてらっしゃった。レグルス様は様子が変でした。いつもと違って、心の中に何かを抱えているようでした。
レグルス様はクリーチャーに、クリーチャーが卿と一緒に行った洞窟に連れて行くように言いました。クリーチャーは、洞窟の入口を開け、地下に下り、小さなボートをたぐり寄せ、レグルス様を小島にお連れしました。
レグルス様はポケットから卿のモノとよく似たロケットを取り出し、クリーチャーに「これを持って。水盤が空になったらロケットをすり替えるんだ。そしたらぼくを置いて、行くんだ、クリーチャー。家に帰るんだよ。そんで、ヘビ男のロケットを壊すんだ。ママにはぼくがしたことを言っちゃいけない」と言いました。
そしてレグルス様はあの毒薬を飲んだ。すべて飲みました。クリーチャーはロケットをすり替えました。クリーチャーはただ見ているしかなかった、レグルス様が、レグルス様が湖に、引きずり込まれて行くのを。

なんということだー!さるお号泣。クリーチャーも号泣。"穢れた血"のハーは思わずクリーチャーを抱きしめようとしてよけられてますが(笑)。マグルのさるおは"穢れ"をはるかに通り越してると思いますが、クリーチャーを抱きしめたいと思いますね。胸を引き裂くような孤高の愛の物語と、この壮絶な復讐劇を知った今となっては、クリーチャーさんを是非ともハグさせていただきたーい。

「で、ロケットを持って帰って来て、壊したの?」ハリーが聞きます。
クリーチャーはそのロケットに、傷ひとつつけることができなかった。知っている方法はすべて試したけれど、だめだった。クリーチャーには、壊すなら内側からだとわかっていたけど、開かなかったと言うんです。クリーチャーはトライしては自分を罰し、罰してはまたトライした。
クリーチャーは、"壊せ"と命令されたのに、任務に失敗してしまった。ひとりで必死にがんばっただろうに、かわいそうなクリーチャー。家ではミセス・ブラックが「次男坊がいなくなっちった」と言って大騒ぎっすよ。

クリーチャーが危機一髪のところでレグルスに呼ばれ瞬間移動できたわけは、"Elf Magic"が魔法使いの魔法と異なるメカニズムだからです。魔法使いは、ホグワーツ城内やあの洞窟で瞬間移動ができません。だけどハウスエルフにはそれができる。彼らはみんなスゴ腕で、魔力が強い。ヴォルディは未成年やハウスエルフをバカにして、またしても致命的な見落としをしています。それに、ハウスエルフにとっては主人の命令が第一。ご主人様の命令は何にも増して、ヴォルディよりも、プライオリティが高いんです。だから、呼ばれた瞬間に彼は戻ることができた。
ハリーは、主人をヴォルディに殺されたクリーチャーがなぜシリウスを裏切ることができるのかと歯がゆい気持ちでいます。それについてハーはこう言ってますね。「彼は奴隷。ハウスエルフはひどい扱われ方ばかりしている。だから彼らは、数少ない"優しく接してくれる主人"には自らの意志で忠誠を誓ってる。おそらくミセス・ブラックも、そしてもちろんレグルスも、クリーチャーに優しかったのは一目瞭然。そのレグルスは心を入れ替えた、けれどその理由をクリーチャーに説明はしなかった、だって、ブラック家がモットーを変えずに由緒ある純血一家であり続ければ安全だもの。レグルスは家族を守ろうとしたのよ。たぶんベラやシシーもクリーチャーに優しかった。だけどシリウスはクリーチャーに辛く当たった。嫌だけど、それが真実。ハウスエルフにひどいことしてるとツケが回ってくるのよ」
ハーの指摘は痛いっすねぇ。そーいえばダンブルドアも言ってました。"I do not think Sirius ever saw Kreacher as a being with feelings as acute as a human's ..."(シリウスは、クリーチャーが人間と同じように繊細な感情を持っていると思ってない)

ハリーは丁寧に、クリーチャーに言います。「クリーチャー、座って。ぼく、キミにお願いしたいことがあるんだ。マンダンガス・フレッチャーを探して、ここに連れてきてくれないかな?とっても大事なシゴトだよ。レグルス様のシゴトの続きをやって、完成させるんだ。彼は無駄に死んだんじゃないって証明するんだよ。マンダンガスを連れてこられるかい?」
クリーチャーは目に涙をためたまま黙って頷きます。ハリーはハグリッドにもらったポーチから偽ロケットを取り出す。「これはキミが持ってて。レグルスの形見だから。彼はキミがしてくれたことに対する感謝の証として、きっとこれをキミに持っててほしいと思ってるよ」
クリーチャーはそのロケットをカップボードの毛布に包みました。クリーチャーの寝室の薄汚れた毛布は大事な宝物の保管場所。
トリオは、クリーチャーが留守の間、必ずこのロケットを守っておくと約束します。
クリーチャーはハリーとロンに深いお辞儀を、そしてハーにもなんだか痙攣でもしたような仕草を見せ(きっとそれはクリーチャーの最大限の敬意のこもった挨拶なんだけど)、そしてぼかんと消えました。

【メモ】

なんとも壮絶な、愛と死と忠誠と復讐!
この話を聞いているハリーはこの全貌を『HBP』で経験済みです。毒薬を飲んだのはDDっすから、ハリーは、レグルスと一緒に洞窟に行ったクリーチャーの役をやったわけですね。自分を愛してくれる愛する者と、あの洞窟を訪れ、その愛する者に毒薬を飲ませ続けなくてはならない。ハリーもクリーチャーも、愛する者が苦しんでのたうち回り力を失っていくのを、ただ見ていなければならなかった。そして、愛する者を置き去りにして逃げろと言われるわけです。毒薬を飲むほうよりもつらい役目です。
ヴォルディとクリーチャーの洞窟訪問の一部始終を聞いて、レグルスは怒りに震えたと思います。自分を呪ったと思います。この復讐劇は、クリーチャーのためであり、自分のためであり、断固たる信念のため、正義のため。取り返しのつかないことをしてしまった自分には、死とひきかえに暗黒卿に一矢報いること以外、道は残されていなかったんだろうと思います。ヘビ男と刺し違えてやろう、でなければ自分に救いはない。自責の念に押し潰されてもなお、最後にもう1度、立ち上がった。たったひとりで、凄まじい決意です。
クリーチャーはいわば奴隷。レグルスはご主人様です。この奴隷は、大好きな主人の命令を死に物狂いで忠実に守り抜き、命を投げ出すことができた。主人は、自分を慕うその奴隷のために、やはり命を捨ててまで壮絶な復讐劇を演じた。奴隷は、主人が死をもって戦う姿を目の当たりにします。ならば今度はトリオと一緒に、レグルスの弔い合戦をやろうぜクリーチャー、ととても思いますね。がんばれクリーチャー。

家族を守るために、レグルスはクリーチャーの口から真実が語られるのを避けたんですね。死の瞬間になっても優しさを失わず、勇気を失わなかった正真正銘の"獅子のハート"。ハーにはそれが痛いほどわかっただろうと思います。レグルスと同じ決意で、同じ覚悟で、同じことをして家を出てきたハーだから。

ハリーは、ある意味またしてもハートブロークンです。ジェームズは友人を大切にする勇敢な人でしたが、同時にいじめっ子でもありました。シリウスもまた、正義に燃える"白い羊"だったと同時に、ハウスエルフにひどい扱いをした。みんなそれぞれ、完璧ではない。美化しすぎた人物像と現実の間で傷心です。
それにしてもまぁ、ブラック家の兄弟はどちらも、なんて壮絶な人生を歩んだことか。さるお号泣。

ハリポタでは"16歳"というのは"17歳"と並んで人生の転機です。ヘビ男は16歳で実家をたずね密かに手を血に染める。シリウスは16歳で家族を捨て、レグルスとドラコは16歳でヘビ組入り。"オトナ"になる直前の、それぞれの人生の転機。子供時代と決別し、生き方を決定する瞬間を描いているんだと思います。ハリーもそうでした。16歳で、進む道はこれだと、覚悟を決めた。
また、ハリポタには、"自分を呪う"登場人物が多いです。自分の過ちを、運命を、愚かさを呪う。やっぱりハリポタはファンタジーなどではないと思います。等身大の、私たちの罪深い青春の姿そのものっすね。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月17日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 10 (1)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは第10章、ある人物が書いた手紙を発見します。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

10:Kreacher's Tale

ハリーはふたりより早く目覚めます。見ると横のカップルは、たぶん手をつないで眠ったんだなぁ。なんだか淋しいハリーさん、天井を見上げながら、ダンブルドアに与えられた使命のこと、ダンブルドアの家族のこと、ゴドリックホロウにあるはずのお墓のこと、いろいろと考えます。そして立ち上がり、ひとりでまだ暗い家の中を探索しはじめます。家の中はやっぱり誰かがすでに何かを探したあとっぽい。ハリーが肖像画を見ると、フィニアス・ブラック(Phineas Nigellas Black)さんは留守、きっとホグワーツの校長室にいるんすね。
最上階に上がると、ドアがふたつ。ひとつにはネームプレートがかかっています。
"SIRIUS"
今まで入ったことのないゴッドファーザーの部屋に、ハリーは足を踏み入れます。今はうっすらと埃に覆われた、かつては荘厳で美しかったはずのその部屋には、大きなベッド、高窓にはベルベットのカーテン、シャンデリアは使ったままの姿でロウソクのロウが固まってぶら下がっています。ティーンエイジのシリウスは、壁にたくさんのポスターを貼っていた。純血を重んじるブラック家の長男としてはぜんぜんふさわしくなかったシリウス。色あせたグリフィンドールのバナー、マグルのオートバイの写真、マグルのギャルのビキニ姿のポスターが、"Permanent Sticking Charm"で貼られたままです。その中に1枚だけ、魔法使いの写真がある。
あっちゃこっちゃを向いた黒髪にメガネのジェームズ、すぐ隣にはめっぽうハンサムなシリウスが、少し生意気そうに、ハリーが見たことのない幸せそうな笑顔で写っています。その右隣にピーター、このホグワーツでいちばんクールなギャングの仲間に入れてもらったことを喜ぶような表情です。ジェームズの左には、素晴らしい仲間ができて幸せそうなリーマスが、やはり笑顔で写っている。
見回すと、この部屋も何者かの家捜し後です。あちこちに、表紙のとれそうな本や紙が散らばっています。その中の1枚がこれ。

は〜い、パッドフット ( ^_^)/

ハリーの誕生日プレゼントをほんとにどうもありがと O(≧∇≦)O
まだ1歳だけど、おもちゃのほうきに乗ってちょっと浮いて、あっち飛んだりこっち飛んだり、気に入ってるみたいだYO!写真を同封します。あのネコは轢き殺しそうになるし、ペチュニアがくれた花瓶は割りそうになるし、楽しそうにはしゃいでます。こりゃクィディッチのすげー選手になるぞ、とか言っちゃって、ジェームズもはしゃいでまーす。o(^o^)o
急な隠れ家生活になっちゃったけどね o(´^`)o
誕生日は静かでした。いつも親切にしてくれるバチルダばーさんと私たちだけでお茶飲んだりしてね (^-^)_□
あなたが来られなくて残念だったけどな。
ジェームズは閉じこもってるのが退屈みたい。だけど、ダンブルドアが彼の透明マントを持ってっちゃったままだから、お忍び外出もできません (^^*ゞ
よかったら遊びに来てー、そしたらジェームズがよろこぶよー。
Wormy(ピーター)が先週来てくれました。McKinnonsのことでショック受けてるみたいでした。私も知ったときはすごく泣いたけど(x_x;)
バチルダはその日ずっと、ダンブルドアについての驚くような話を聞かせてくれました w(°o°)w
そんな噂話をしていることをダンブルドアが知ったらよろこぶかどうかわからないけど。だってどこまで信じていいかわかんないんだもん、あまりに途方もなくて\(@O@)/
ダンブルドアがね、すごいことにね、


リリーさんが書いたシリウスヘのまさかの顔文字お礼状、大発見です。すごいですね、ハリーにとってはお宝の顔文字。写真以外のもので、ハリーが初めて手に入れた"リリーが生きた証"の顔文字。"g"の書き方がハリーとよく似ています。ハリーは何度も読み返す、泣きながら2回、そして次はきちんと意味を理解しようと、また読む、まさかの顔文字を
ネコを飼ってたんだ、ゴドリックホロウで。今も生きてたらどうしよう、誰かエサあげてるかな。シリウスは、ハリーに初めてのほうきを買ってくれた。あのファイアーボルトはシリウスからの2本目だったんだ。パパママはバチルダを知っていた。ダンブルドアが紹介したのかな。"ダンブルドアが彼の透明マントを持ってっちゃったままだから(Dumbledore's still got his Invisibility Cloak...)" うーんと、何かがオカシイぞ。
???
ダンブルドアは言ってました。"私は姿を消すのにマントは必要ないんだよ(I don't need a cloak to become invisible.)"
"Wormy was here..." ピーター・ペティグリューは、それが生きているジェームズとリリーに会う最後の機会だと、わかっていたのでしょうか。
"だってダンブルドアがね、すごいことにね、(It seems incredible that Dumbledore -)" 手紙はここで終わっています。あとにはいったいどんな言葉が続くのか。
手紙の2枚目はみつかりません。やっと見つけたのはリリーが同封した写真、黒髪のベイビーが超ゴキゲンにニッコニコでほうきに乗っている、そしてそれを2本の足が追いかけています、こりゃジェームズですね。
この屋敷に忍び込んだ人物は、この手紙の2枚目を持ち去ったのかもしれない。

ハーとロンは、目覚めたらハリーがいないわけで、どこ行きやがったと、探しています。やってきたハーに、ハリーはまさかの顔文字手紙と写真を見せ、しゃべりはじめます。それをさえぎるハー。「パパママやダンブルドアのことを話したいのはよくわかるけど、ゴドリックホロウに行きたいのもわかるけど、今はその時じゃない。それより、DEがどうして昨夜あんなに簡単に私たちを見つけたのか、そっちが気になるじゃん」「感傷にひたってゴドリックホロウに行きたいわけじゃないってば。ムリエルばーさんが言ってたこと、あれがほんとかどうか、知りたいんだよ」「ハリー、なんでムリエルやリタの言うことなんて気にするの?あなたのほうがダンブルドアを知ってるのに!ダンブルドアへの侮辱を許しちゃだめよ!っちゅーか、朝ごはんよ!」
ハーに怒られながら、階段を下りようとしたハリーはもうひとつのドアに目をやります。
"Do Not Enter Without the Express Permission of Regulus Arcturus Black"
(レグルス・アルクトラス・ブラックの許可がないと入室禁止)
突然ひらめいちゃうハリー。「ハーちん、来て来てー。R.A.B.はけーん!」ハーもロンを呼びます。
暗黒卿に反旗を翻したシリウスの弟、レグルスの部屋なんすね。
「ここにホンモノのロケットがあるかも!」トリオはハーの"Alohomora"で入室します。シリウスの部屋よりほんの少しだけ小さいその部屋は、ずいぶん趣が違います。屋敷全体と同様に貴族趣味なのは同じですが、どこもかしこも緑と銀のツートンカラー。スリザリンだらけです。ベッドに飾られたブラック家の紋章には"TOUJOURS PUR"の文字。次男坊はベリーブラックな人ですね。長男坊の、グリフィンドール、オートバイ、ビキニ、ビキニ、ビキニ、とは大違い(笑)。
新聞の切り抜きがたくさんあります。ヘビ男の記事ばっかり。DEになる前からずっとファンだったんですね。
ハリーはここでも写真をみつけます。スリザリンのクィディッチ・チームの写真です。レグルスは少し小柄だけれど、兄と同じ黒髪に兄と同じ少し生意気そうな表情、とてもよく似ています。座っている位置から判断すると、彼はシーカー。
トリオは探せるところを全部探しました。もちろんハーの"Accio Locket!"も試しました。ところが見つからない。そして諦めかけたときに、ハーが思い出します。「そーいや、あったわ!大掃除しててみつけて、誰も開けられなくて、ほんでぶん投げて捨てちゃったやつだ!」「だったらクリーチャーだ!いろんなもん拾ってたもん!」
トリオは慌ててクリーチャーがかつて自室にしていたカップボードを探索。死んだネズミしか出てきませんが、「まだ諦めないぞ」とハリーはクリーチャーを呼びます。"Kreacher!"
ぼかんと暖炉の前に現れたクリーチャーにハリーは言います。「これから質問するから答えて。ほんとのこと言えよ、わかった?」
「2年前にあった金のでかいロケット、盗んだ?」「はい」
「それ今どこにある?」「なくなりました。マンダンガス・フレッチャーが、ベラ様の写真も、シシー様の写真も、奥様の手袋も、勲章も、家紋が入ったゴブレットも、そのロケットも、みんな盗ってっちゃいました。マンダンガスが持って逃げるのを見ました。あのロケット、レグルス様のロケット!レグルス様の命令を、クリーチャーは成し遂げることができませんでした!」
早速自分をお仕置きしはじめるクリーチャー。
さて、"レグルス様のロケット"とは、いったいどーゆー意味なんでしょーか。

「なんで"レグルス様の"なの?どこにあったやつなの?レグルスは何をしようとしていたの?クリーチャー、座って。ロケットについて知っていることを全部話して!レグルスがしようとしていたことを全部話して!」
クリーチャーは座り、膝をかかえて顔をうずめ、身体を前後に揺らしながら話しはじめます。

【メモ】

Marlene McKinnonさんはオーダーのオリジナルメンバー。ハグリッドが"最も優秀な魔女のひとり"と称賛した彼女ですが、1981年8月ごろ、TraversたちDEに家族もろとも皆殺しにされました。

"TOUJOURS PUR"についてはこちらをご覧ください。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月16日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 9

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーはトリオと一緒に逃げます、あの場所へ。ハーはやっぱりすげぇ!
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

9:A Place To Hide

「魔法省陥落、スクリムジャー死亡。やつらが来る」
ハリーとハーはすぐに杖を構えます。会場のゲストたちは一瞬何が起きたのかわからずあっけにとられ、その後一気にパニック状態に。人々は逃げ惑い、悲鳴が上がり、大混乱ですわ。魔法省が落ちたということは、魔法省によるプロテクションが消滅したことを意味します。無防備なThe BurrowにDEがやってくる。逆に、The Burrowから瞬間移動も可能になりました。ゲストたちは次々に瞬間移動で逃げはじめている。
マントを着てマスクをつけたDEたちが次から次へと現れ、オーダーのメンバーは臨戦態勢です。
ハリーがハーの手を取る。はぐれちゃだめだ。そしてロンを探します。
ロンが現れ、ハーのもう一方の腕をつかむ。逃げるか、あるいは戦うか。

さるおはてっきり、ハリーとロンがハーを守る格好だと思いました。ところが次の瞬間、3人は瞬間移動で姿を消します。到着したのはロンドンのド真ん中"Tottenham Court Road"、マグルの街中です。
ダンブルドアがハリーを連れて瞬間移動(Side-Along-Apparition)したように、マッドアイが同じ方法でハリーをプリベット通りから移動させようとしたように、ふたりを連れて逃げたのはハーちんでした。ハーは物陰で、ドレスローブ姿のハリーとロンを着替えさせます。なんと彼女は、すでに始まっている危険な旅に必要そうなものをすべて、ビーズのお洒落バッグに詰め込んで来たんですね。"Undetectable Extension Charm"です。たらららったら〜!スモールライト〜!ドラえもーん!(しつこい)
ふたりの着替えも、ハリーの透明マントとリュックも、ハーの本も、そして貯めていたマグルのお小遣いも、何もかもを、結婚式の間中、肌身離さず持っていた。ハーの真剣さがよくわかります。えらいぞ、ハー。
トッテナム・コート・ロードをトリオは歩き続けます。ハリーは透明マントをすっぽりかぶっています。立ち止まったらあぶない、移動し続けなければ。でも、どこに行けばいいのか、安全な場所はあるのか、どうすればいいかまったくわからないトリオ。漏れ鍋(Leaky Cauldron)はどうだろう。シリウスの家(Grimmauld Place)はどうだろう。魔法省が陥落した今となっては、追われる身のトリオに行くあてなんてありません。
トリオはオールナイトのカフェに入ります。ハリーの体は、カフェに辿り着くころには元のハリーに戻りました、見えない状態だけど。ポケットにはポリジュース薬の残りの瓶が入っています。ハリーとロンはカフェの入口が見える席に座り、向かい合って入口に背を向けて座ったハーはちょくちょく振り向いては肩越しに入口をチェック。
「ここ、Leakyに近いよ」「無理よ!行けない」「魔法省までヴォルデモートの手に落ちたんだ」「郊外に瞬間移動して、そこからオーダーにメッセージを送ろ。パトロナスのやつ、私できると思う」
すると労働者風の2人組がやってきて、トリオの隣の席につきました。
そしてその労働者は、突然杖出したぁーっ!
ハリーがまったく同時に、鏡のようにそれに反応して杖を構えます。ロンがハーを突き飛ばし、次の瞬間、トリオの後ろの壁が粉々に砕け散ります。"Stupefy!"、"Expulso!"、カフェが一瞬にしてバトルフィールドです。
ハリーはまだ透明人間。これがアドバンテージになり、ひとりを気絶させます。ロンは杖からロープが出てくるやつで縛られちゃいました。ウェイトレスが気絶し、テーブルが吹っ飛んで砕け、爆風にあおられてハリーのマントがするりと落ちた瞬間、"Petrificus Totalus!"と吠えたのはハー。もうひとりをやっつけた!
DEさんはドロホヴ(Antonin Dolohov)とロウル(Thorfinn Rowle)です。
ロンはふたりを殺してしまうべきかなと言いますが、それは嫌だと言うハー。死体を転がしておくのもまずいので、ハリーの提案で記憶を消すだけにします。ベリーハリーな判断っすね。"Obliviate!"、はじめて実践するハーですが、ちゃんとできました。
カフェの後片づけも終わるとハリーが言います「シリウスの家に行こう」と。だめなときはだめっす、でももしかしたら、Grimmauld Placeなら、相手にするDEはひとりで済むかもしれない。スネイプさんのことです。

瞬間移動でGrimmauld Placeの玄関先にやってきたトリオ。おそるおそる中に入ると、今は無人ですが、どうやら先客がいたらしく、あちこちを家捜しした形跡があります。するといきなり"セヴルス・スネイプか?"とマッドアイの囁き声。トリオはびっくらこけつつも「違うよ!」と答えます。一瞬冷たい空気が流れ、舌がくるっと動かなくなり、すぐまた元通りになりました。これが"T-Tongue-Tying Curse"です。
すると今度は廊下の奥から大きな灰色のおそろしい人影が、こちらにどんどん近づいてくる。腰まである髪と髭、だけど痩せこけて目がくぼんで眼球のない、変わり果てたアルバス人形登場。ハリーが慌てて「あなたを殺したのはぼくらじゃないよ!」と言うと、それは"kill"という言葉に反応してぼかーんと吹き飛んで埃になってしまいました。
急な騒ぎに目が覚めて騒ぎ出したのはミセス・ブラック。彼女は今日も元気っすね(笑)。
"Homenum Revelio."、ハーが誰かいるのかどうかチェックすると、無人のようです。階段を上がりはじめるトリオ。ハリーはまたしても額が痛くなり"怒り"を感じます。そう、ヴォルディが激怒しているんですね。
そこへ、パトロナスが現れます。アーサーのいたち君です。「家族は無事。返事はするな。見張られてるぞ」
ロンはよろこんでますが、ハリーはおでこが激痛です。ハーは「ひとりで寝るのこわくて嫌だなー」とか言って寝る準備ですが、ハリーはおでこがもう我慢できないくらいに激痛。
モーレツに痛いんで洗面所に逃げ込んだハリーは、倒れ込んでまたイメージを見ます。体の大きい金髪のDEが床に倒れてのたうち回っている。そばに立っているのは怒れるヴォルディさん。「ロウルー、なんやおまえはこら。ナギニちゃんのエサにしてまうぞこら。今度ばかりは許さへんねん。ハリー・ポッターを取り逃がしたっちゅーことを言うためにわざわざワシを呼び戻したんかこら。ドラコ、やってまえ」
暖炉の炎に照らされているのは怯え切ったドラコの白い顔。
目を開けると、ヘビのデザインがほどこされたブラック家のバスタブがすぐ近くに見えます。とても嫌な感じです。ドラコの顔が目に焼きついて離れない。今ではドラコがあんな目に遭ってるなんて。
バスルームのドアがノックされ、ハーが来ました。様子を見に来てくれたわけじゃなくて、「歯ブラシ持ってきたぉ」って言いに(笑)。

【メモ】

"Expulso!"は大爆発させる呪文です。"Blasting Curse"と似てますね。

Antonin DolohovはG&F Prewettを殺害した5人のうちのひとりです。イゴール・カルカロフにちくられて刑務所送りになったあと、1996年1月におともだちと一緒に脱獄。魔法省のバトルに参戦しハーに怪我をさせ、ネビルの杖と鼻を折って足を躍らせ、マッドアイにも怪我をさせ、またまたムショに戻ったけれど、『DH』発売に備えて(笑)また脱獄という怖い人。第1章にも出てきましたな。
Thorfinn Rowleはホグワーツのバトルでトンクスと戦っていた体の大きい金髪のDEさん。あっちゃこっちゃに呪文をぶん投げまくり、うっかりおともだちのGibbonさんを殺してしまった人ですね。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月14日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 8 【メモ】

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは"謎の答えと新たな伏線の宝庫"第8章について、勉強してみます。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

8:The Wedding【メモ】

The Burrow(ウィーズリー家)はOttery St. Catchpoleのはずれに位置しています。

トンクスのお決まりの挨拶"Wotcher!"、これは訳本だとなんて書いてあるのかな?

"The Quibbler"の編集長ゼノ(Xenophilius Lovegood)さん。
"Xenophilius"はギリシャ語の"Xeno"と"Philia"をくっつけた造語っすね。意味は"xenos(奇妙な/未知の)"と"philia(philos)(愛)"で"奇妙な愛"。エキセントリックな仲良し親子にぴったりの名前です。
三角形の目のような不思議なシンボルといえばまず思い浮かべるのは左のやつ(Eye of Providence)ですが、例のこっちがそうなのかな。だとすれば、クラムさんの言うことは少し違うかもしれない。

eyeoftriangle.jpg シンボルHP7.jpg

ノーム(Gnomes)っちゅーのはドイツの童話(グリムとか)なんかによく登場する庭に住む小妖精です。名前の意味は"knowledge(知識)"です。ハリポタに登場するノームもじつは博識。言葉を覚えるんですね。で、誰かを噛むと、そのスキルが感染するわけだな。
アルバス・ダンブルドアはMermish(マーミッシュ)をしゃべります。ははーん、噛まれたんすね、ノームに。

Muriel PrewettのMurielはゲール語なら"bright sea(輝く海)"、ラテン語なら"angel of June(6月の天使)"、アラビア語なら"myrrh(没薬)"、ヘブライ語では"fragrance of God(神の芳香)"。すげー名前だ。かなり威張りんぼのおばさま、名前負けしてますが(笑)。
彼女のティアラは彼女の家に代々伝わる家宝です。ただのティアラなはずはありません。ムリエルはそれをフラーの頭に乗せました。天使(あるいは神)が、フラー・デラクール(fleur de la cour)という"王宮の花(flower of the court)"の名を持つ女性の頭に冠をのせたわけです。ウィーズリー家が"王家の血筋"を象徴していると考える理由のひとつはこれです。
うーん、やっぱりこちらと関係あるんじゃねーか。あんな思わせぶりな記述が伏線ではないはずがない!
ちなみに、フラーのミドルネームのイザベル(Isabelle)は英語では"Elizabeth(Elisabeth)"!"Isis(愛の女神)"と"bella(美)"でフラーそのものです。あるいは"誓い"という意味ですね。

"Odo the Hero"、この歌で、"魔法使いの葬儀のスタイル"がわかります。

アリアナ(Ariana)はギリシャ語なら"Holy one(聖なる者)"、ウェールズでは"silver(銀)"!ティーンエイジで亡くなってます。彼女が魔法を使えないこととパパさん(Percival Dumbledore)の逮捕、つまり3人のマグルの青年を攻撃したことは何か関係があるんじゃないか。彼女は何か原因があって魔法が使えなくなったんじゃないかと思います。彼女の早すぎる死もまた、病気なんかではないと思う。アルバスが生涯忘れることができなっかたくらいの大事件が起きたのではないかと思います。
となると、ウェールズでは"greatest champion(偉大なチャンピオン)"、アングロサクソンなら"family ruler(家庭の支配者)"のケンドラ(Kendra)さんの死因も気になります。彼女が亡くなったのはアルバスが18歳のとき。まだ若かったはずです。ここにも悲劇があるはず。
さるおはリタの言うことなんか信じませんよ。
同時にドージさんが知るダンブルドア家もまた真実ではないと思います。
"Lies"(嘘)はないとしても、"truth"(真実)はまた別にあるんじゃないかな。それが第18章で明かされるのではないか。

ランスロット(Lancelot)、この名前は、来たなぁーっ!と思いました。Sir Lancelot(Lancelot du Lac)、円卓の騎士です。

そしてグリンデルバルド。発音はグリンデルウォルドかな。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月12日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 8

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは情報満載の第8章に入ります。こりゃすげーチャプターっすよ!謎の答えと新たな伏線の宝庫へようこそ。ちょっと長いですが、一気に駆け抜けます。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

8:The Wedding

8月1日午後3時、ついに結婚式の受け付けスタートです。フレッドがSummoning Charmで手に入れた髪を使い、ハリーはポリジュース薬でOttery St. Catchpoleの赤毛のマグルの少年になりすまし、新郎のいとこのバーニーだと偽名を使うことになりました。
会場はウィーズリー家の庭に特設された純白の特大マーキーで、金色の華奢な椅子が紫色のカーペットを挟んで並べられています。マーキーのポールは真っ白い花と金色の花でゴージャスに飾られ、フレッドとジョージがセットした大きな金色の風船も浮いている。外には蝶が舞い、蜂が飛び、ステキっすねー。
「ぼくが結婚するときはさ」フレッドが言います。「こーゆーの嫌だな、意味ないよ。だから文句言えないようにママにBody-Bind Curseをかけといて、ドレスアップなしでやるんだ」
今日のモリーはゴキゲンみたいです。"パーシーがいない"ということ以外、怒ってないらしい(笑)。
遠くを見ると、人影が近づいてきます。曲がりくねった道を歩いて、だんだん近づいてくる。
「超美人のヴィーラのいとこ発見。ぼく案内しなきゃ。イギリスの習慣とかわかんなくて困るだろうから、そばにいてあげなくちゃ、でへへ」とジョージ。「慌てんな、聖人。ぼくが行く、でへへ」とフレッド。
ロンはアーサーの元同僚パーキンズさんを座席に案内してます。
「Wotcher!」といつものように現れたのは、金髪のトンクス。リーマスも一緒です。ハリーと言葉を交わしますが、リーマスは今日も悲しそう、ぜんぜん元気がないです。
ロンは今度はとても風変わりな人を案内しています。肩まである白髪が綿菓子のようで、眩しいほどに真っ黄色のローブを来たおっさんです。首には金の鎖でおかしなモノをぶらさげています。"三角形の目"のような、不思議なシンボルです。この人がゼノフィリアス・ラブグッド(Xenophilius Lovegood)、ルナのパパさん。
「ルナはノーム(Gnomes)に挨拶してるよ。素晴らしい生物だ、どれほど多くを彼らから学べるか、気づく人はなんとも少ないけれど。ノーム大好き!学名はGernumbli gardensi!」「パパ、ノームに噛まれたわ」「やったねルナ!マーミッシュができるようになったりするかもYO!」
現れたルナも真っ黄色だ(笑)。ひまわりが彼女の髪を飾り、今日は耳に蕪はぶらさげてません(笑)。華やかでええね。可愛いんだろうなぁ。ルナにはハリーが一目でわかります。彼女が見ているのは外観ではなく、常に本質なんですね、えらい子だ。

働き者のロンちん、今度はばーさまを連れてます。鷲鼻で、目の回りを赤く縁取って、ピンクの帽子を被り、不機嫌なフラミンゴのようなばーさまです。「ロナルド、おまえの髪は長すぎる。ジニーかと思うじゃないか。ありゃ、ゼノフィリアスが着てるのは何だ、オムレツか。ところで、あんた誰?」最後のはハリーへのぶっきらぼうな質問。彼女がムリエル大伯母さん(Auntie Muriel Prewett)です。
「バーニー?あんたもウィーズリー?ノームみたいにどんどん増えるね、まったく。ハリー・ポッターはいないのかい?どうせ理由をこじつけて来ないんだろ、まぁいいさ。あたしはあの子にティアラを貸しに来たんだ。ゴブリン・メイドのいいやつで、うちに何世紀も受け継がれてる宝なんだから。あの子はキレイな子だけど、フランス人なのが気に入らないねぇ。ロナルド、ほら早く、いい席に連れてっとくれ、あたしは107歳なんだから」
なんとも、ウィーズリーの親戚さんとは思えない、偏見だらけのマシンガントークばーさん。おそるべーし。ロンも双子も、このばーさまは苦手なようです。
そこにハーちん登場。ライラック色のドレスとハイヒール、髪は艶やかに輝いて、ビーズの小さなバッグを持ち、まさかの美しさ(笑)。
ばーさまは「あんたマグル生まれ?あ、そう、スタイルも悪いし、痩せてて、あんたいまいちだね」とハーにも早速失礼な振る舞いを(笑)。
ジョージもやってきてこう言います「気にしないで。あーゆー人なんだよ。さっきなんかぼくに『おまえ耳がちぐはぐじゃないか』って言ったもん。あーあ、ビリウスおじさん(Bilius Weasley)がいたら楽しいのになぁ」
「ビリウスおじさんって、グリム(Grim)を見て24時間で死んじゃったって人?」とハー。
「まぁ最後はちょっとおかしくなってたかも」「人生はパーティ!って感じの人だったよ。ファイアーウィスキー1本飲み干して、人前に出てっちゃー、ローブをたくしあげて花とか出したりなんかしてさ」「おじさんってずっと独身だったね」
みんなで笑っていると、最後のお客さんが来ました。
まさかの、ヴィクター・クラム。フラーに招待されてやってきた。さすがセレブ、注目の的です。
ヴィクターはハーの元カレですが、文通してるうちに自然消滅しちゃってたんすね、で、現在はハーの彼氏はロンちんなわけで、ハーとしては気まずい。
ロンにとってヴィクターはかつての恋敵。世界的クィディッチ・プレイヤーっちゅー超セレブに自分が勝った!と思ってハーと仲良くしているところに現れた、"格の違う"昔の男。気まずいどころか会いたくねぇ。

トリオたちも席につき、結婚式が始まります。今日のモリーはアメジスト色のローブと帽子。なんとなくこのウェディングは金・白・紫のトリコロールです。キレイだなぁ。
ダンブルドアの葬儀を仕切った髪のモサモサした人が今日の結婚式の司会です。
白いバラを胸に差したビルとチャーリーが前方で立ち上がり、フレッドとジョージの金の風船から音楽が流れる。後方からはとてもシンプルな白いドレスのフラーがパパさんと入場してきます。フラーはもう全身から眩しい銀色の光を放っているかのごとく、溜め息が出るほどにあまりに美しく、みなさんの目は釘付けっす。ブライド・メイドのガブリエルとジニーは金のドレス、これも可愛い。
ハリーはジニーと過ごした短い時間を思い出します。もう遥か昔のような気がします。
「ウィリアム・アーサー(William Arthur)、あなたはフラー・イザベル(Fleur Isabelle)を妻とし・・・」
司会さんが杖を一振り。ビルとフラーの頭上から輝く星がやわらかいシャワーのように舞い降ります。
巨大マーキーはダンスホールへと早変わりしてバンドが登場。トリオはヴィクターとばーさんから逃れようと、ステージを横切り、ルナがひとりで座っているテーブルにつきます。ステージで踊っているのはビルとフラー、モリーとフラーのパパさん、アーサーとフラーのママさん。
曲調がワルツに変わると、ルナちん、ひとりで踊りに行っちゃいました。
するとそこへヴィクターがやってくる。ロンとハーはヴィクターを避けてレッツダンスです。ヴィクターは「あのふたり付き合ってんのかー」と納得した様子。
「あの黄色い服の人は誰?」ヴィクターはハリーに聞きます。「バーニー・ウィーズリー君、ラブグッドさんちゅー人はわるもんなの?フラーの招待客じゃないなら、おらちはあの黄色いおじさんと決闘する」
なんと、ゼノフィリアスがぶらさげているシンボル、あれは悪のシンボルだと言うんですね。あれは、グリンデルバルド(Grindelvald)のサインだと。グリンデルバルドは大勢を殺害した。ヴィクターのおじいちゃんも殺された。だから"仇をとるぞ"というわけらしい。グリンデルバルドがただひとりだけ怖れていた人物はアルバス・ダンブルドアだった。時の暗黒卿は、そのダンブルドアに撃退されたわけです。ヴィクターは言います、あのサインを見間違えるはずがない、だって自分は毎日それを見てきたのだから、ダームストラング校の壁に刻み込まれたそのサインを。そうです、グリンデルバルドはダームストラング卒業生、ヴィクターの先輩です。
他のみんなはそのサインに気づいていません。それにルナのパパさんはダークアーツと関係あるようには見えない。
ハリーは止めようとしますが、ヴィクターはやる気満々で杖を出す。それを見て急にハリーは思い出しました。「グレゴロヴィッチ!」
トライウィザード・トーナメントが始まるとき、オリバンダーさんがとても注意深くチェックしていたヴィクターの杖、その作り手です。
ヴィクターが杖を購入した頃を最後に、グレゴロヴィッチさんは引退。ヴィクターは、グレゴロヴィッチは最高の職人さんだったと言います。
すべての断片がつながりました。ヘビ男は、杖の秘密を知り新しい杖を手に入れるためにグレゴロヴィッチを探している。オリバンダーさんにもわからない理由で、柊とフェニックスの羽のハリーの杖が、ヘビ男が持っていた借り物を壊したから。グレゴロヴィッチはオリバンダーより優れているのか?グレゴロヴィッチはオリバンダーの知らない何かを知っているのでしょうか?

夜になり、フレッドとジョージはヴィーラのいとこたちを連れてなぜか暗闇に消え(笑)、ハグリッドとチャーリーは"Odo the Hero"を歌っています。そこでハリーは招待客の中にドージ(Elphias Doge)さんを発見!「ぼくはハリー・ポッター」と本名を名乗り、話しかけます。
「ハリー君かー、会えて光栄ですよ。私はキミに、手紙を書こうかと思ってたんだ」と涙ぐむエルファイアス。
ハリーが、気になっていた"リタへのインタビュー記事の内容の真偽"をたずねようとすると、例のムリエルばーさん来たぁー。
リタの言うことを信じるな、あんなの全部嘘なんだ、アバフォースを除けば私がいちばん長くアルバスを知っているんだ、ダンブルドアをひどく言うなんて、わしは怒るぞ、わしは泣きそうだぞ、と情熱を持ってすべてを否定するエルファイアス。ところが対照的に、ばーさんはすべてを肯定します。
リタって大好き!暴露本、楽しみだねぇ。ダンブルドアを聖人だと思ってるようだけど、それならスクイブの妹を隠すはずないさ。妹は病気なんかじゃなかった。スクイブだから軟禁してたんだ。誰もアリアナを見てないなんておかしいだろ。妹が存在したのかどうかもあやしいくらいだね。みんな、生きているアリアナを見ていない、見たのは家から運び出される棺桶さ。聖人アルバスは自分だけホグワーツの優等生になり、閉じこめた妹には見向きもしなかったってね!母親のケンドラは恐ろしい女だったよ、マグル生まれで、プライドが高くて、横柄に威張り散らすあの女、いかにもスクイブを産みそうな感じだよ。アリアナはホグワーツに行ってないし、マグル界でも学校ってものに行ってない。病気ならSt. Mungoに行ってるはずだけど、その記録もない。私のいとこのランスロット(Lancelot)はあそこのヒーラーだけど、アリアナは来てないって言うんだから。ケンドラは先に死んだ、自分が死ぬより先にアリアナを殺すと思ったけどね。邪魔な娘だ、殺したっておかしくないさ。アリアナの母殺しかもしれないね、自由が欲しくてさ。エルファイアス、あんたもいただろ、アリアナの葬儀に、あのときアルバスは傷ついてた、けど傷ついたのは心だけじゃない。アバフォースに殴られて鼻を折られたんだからね。
この最後の言葉は、エルファイアスにとってショックだったようです。
私の母親はバチルダ・バグショットと友人だった。バチルダから聞いたんだよ、アバフォースが、妹が死んだのはあんちゃんのせいだ!と怒鳴ってアルバスにパンチをぼかん。アルバスは、その気になればアバフォースなんてひねり潰せるものを、殴られるままになってたらしいね。リタの情報源もバチルダさ。バチルダが持っている記憶や写真や手紙やらを手に入れるためならゴドリックホロウに行く価値はあるね。バチルダはずっとゴドリックホロウに住んでる、父親が逮捕された後でダンブルドア一家も引っ越したから、ご近所さんさ。

すごい話を聞いちゃったハリー。どーなってるんだと懸命に考えます。
遺書と遺品の話といい、ダンブルドアの過去といい、ハリーには初めて知ることだらけ。
ダンブルドアは決して言いませんでした。ハリーと同じように、ゴドリックホロウで生活しゴドリックホロウで愛する者を失ったと。
なぜジェームズとリリーはダンブルドアのママさんや妹さんの近くに眠っているのか。

「ヴィクターがルナパパと口論して出てったわー」と踊り疲れて戻ってきたハーに今聞いた衝撃的なスキャンダルをどこから話そうかと思ったそのとき、ダンスステージに現れたのはオオヤマネコのパトロナス。キングスレー・シャクルボルトの声が告げます。「政府は陥落、スクリムジャーが死亡した。やつらが来る!」

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月10日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 7 (2)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは第7章の続き、今度はダンブルドアにいろいろもらいます。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

首相:「ロナルド・ビリウス・ウィーズリー、私はキミにデルミネイター(Deluminator)を遺す。これを使うときには私を思い出してほしい」
スクリムジャーは鞄から銀のライターのようなものを出しました。クリックひとつで、すべての明かりを消し暗闇に、そしてまた明かりを点す、"Put-Outer"のことです。スクリムジャーはそれをロンに渡します。
首相:「ものすごい価値のあるものだ。おそらく世界にたったひとつしかない。設計したのはダンブルドア。彼はなぜこれほど希少価値のあるものをキミに遺した?生徒なら大勢いるのに、なぜキミなんだ?どうしてキミら3人なんだ?答えろ。ん?」
ロン:「明かりを消すためかな」

ロンのずっこける答えにイライラしつつ、スクリムジャーは次を読みます。

首相:「ハーマイオニー・ジェーン・グレンジャー、私はキミに"The Tales of Beedle the Bard"を遺す。この本を楽しんで、活用してくれたら嬉しい」
スクリムジャーは鞄から小さな本を出しました。"Secrets of the Darkest Art"と同じくらいに古そうな、いにしえの本。ハーはそれをスクリムジャーからひったくり、膝に乗せます。表紙には、ルーン文字。ハーの涙が表紙を濡らします。
首相:「なぜダンブルドアはこの本をキミに遺した?言え、言わんかー。おい」
ハー:「私が本好きだからよ」
低い声でハーが答える。
首相:「キミはルーンが読めるのか?そこに隠されている暗号が読めるのか?えぇ?」
ハー:「31日かけてあんたたちに解けなかったなら、きっと難しいわね」

首相:「ハリー・ジェームズ・ポッター、私はキミに、キミが初めてホグワーツのクィディッチで獲ったスニッチを遺す。困難に負けない忍耐を常に思い出し、能力を発揮できるように」
スクリムジャーは小さな金のスニッチを取り出しました。
首相:「なぜダンブルドアはキミにこのスニッチを遺した?言え。答えるんだ」
ハー:「ハリーが優れたシーカーだからでしょ。あんたが探してるダンブルドアのヒミツのメッセージなら誕生日のケーキから出てくるかもよ」
ハーの気持ちいい皮肉にトリオは笑います。スクリムジャーはご立腹。
首相:「あんなケーキはどーでもいい。スニッチこそ、何か隠すのにぴったりだ。なぜかわかるか?」
ハー「そんなこと知ってるわ。スニッチは覚えているからよ」

クィディッチにあまり興味のないハー、そんなことまで知ってんのかと、ハリーとロンもびっくりっす。

首相:「スニッチは、試合で放たれるまで、誰も素手で触っていない。スニッチ職人も手袋をはめている。スニッチは、初めてそれに素手で触れた人物を忘れない。このスニッチは、ポッター、おまえを覚えている。ダンブルドアはここに何かを隠した。このスニッチはおまえにしか答えない」
スクリムジャーはそのスニッチを自分の目の前で手に取れと迫ります。他に方法はありません。しかたなくハリーはスニッチをつかみます。
が、何も起こらない。
これで用事はおしまいね、と立ち上がろうとするハー。
首相:「まだだ。もうひとつある。ゴドリック・グリフィンドールの剣だ」
ハリー:「どこにあるんだ、早くよこせよー」
首相:「持って来ていないよ。キミには渡せない。あれは歴史的価値のあるものだからこちらで保管を・・・」
ハー:「あれはハリーのものなの!剣がハリーを選らんだんだから!」
首相:「ダンブルドアが何と言おうが、剣は渡さん。どうしてダンブルドアが剣をおまえに渡そうとするのか言えーっ」
ハリー:「壁に飾れってことだろ!」
首相:「冗談はよせ。ダンブルドアは、グリフィンドールの剣だけがスリザリンの後継者を倒せると考えたんじゃないのか?その剣をおまえに渡して、おまえがヘビ男を滅ぼすと、そう考えたんじゃないのか?」
ハリー:「おもしれぇや。魔法省の誰か、ヘビ男に剣を突き刺してみたのかよ。デルミネイターをいじくりまわしてないで、戦えよ。スニッチをこじ開けようとあんたがオフィスにこもって遊んでる間に、何人も死んでるんだぞ。ぼくだって死にかけたし、マッドアイなんか死んじゃったんだぞ!」

ご立腹のスクリムジャーは思わずハリーを突き飛ばし、杖の先が刺さってハリーのTシャツには穴が開いてしまいます。喧嘩上等!とっさにロンが杖をかまえる。
首相:「生意気言いやがって!」
ハリー:「そっちこそ!」
怒鳴り合う声を聞いたアーサーとモリーが駆け込んできました。にらみ合う首相とハリー。
首相:「味方同士じゃないか!」
ハリー:「あんたのやり方は嫌いだね!」
ハリーは"I must not tell lies"の傷跡をスクリムジャーに見せます。そしてスクリムジャーは怒ったまま帰って行きました。

お誕生会の続きは、全員によるダンブルドアの遺品の品評会になりました。
その夜、みんなが寝静まったころにこっそり集まったトリオは、3つの遺品について再びあれこれ考えます。
ロンのデルミネイター、これは間違いなくWWWのPeruvian Instant Darkness Powderに匹敵します。"暗闇"は手に入った。
ハーの"The Tales of Beedle the Bard"はコドモのための童話集らしいです。どう使えばいいのかわかりません。
そしてハリーのスニッチ、よく見ると表面に"I open at the close"(私は閉じるときに開く)と、ダンブルドアの筆跡が浮かんだり消えたりしている。ダンブルドアはハリーに何を伝えようとしているのか。閉じるときに開くとはどーゆー意味なのか。わからないことだらけです。
ダンブルドアは、自分の遺言と遺品を魔法省が調べないとでも思ったのでしょうか。そんなはずはない。トリオに渡す予定のモノは魔法省で足止めを食うと、彼は予測していたはずです。
どうしてダンブルドアは遺品についてのヒントを生前に語らなかったのか。たとえば剣。あの剣は、ずっと校長室にありました。ハリーと校長の近くに、ずっと置いてあったのに、なぜ一言も言わなかったのか。
気になりますが、明日は結婚式なので、寝坊はまずいなっちゅーことで、おやすみなさい。

【メモ】

DDの遺品もこの先必要不可欠だと思うし。トリッキーな仕掛けがたくさん出てきそうです。ほんと、RPGをやってる気分。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月09日

2007年08月08日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 7 (1)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは第7章、まずはお誕生日のプレゼントをいろいろもらいましょう。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

7:The Will of Albus Dumbledore

ハリーは夢を見ます。ヴォルディ目線で、どこか知らない場所で、グレゴロヴィッチさんという人を探している夢です。
「ヘビ男はグレゴロヴィッチを探してるんだ」とロンに報告するハリー。「誰だろう?誰だっけ?クィディッチと関係があるような・・・」
「クィディッチの選手ならゴルゴヴィッチだよ。ところでハリー、17歳の誕生日おめでとう!」
ロンからのプレゼントは"Twelve Fail-Safe Ways to Charm Witches"という、女子のことがすべてわかるハウツー本。『失敗しない、12の女子の口説き方』です。ロンもかつてフレッドとジョージにこの本をもらったことがあります。わはは。

キッチンに降りると、アーサーとモリーからのプレゼントが待っていました。それはなんと、17歳でロンがもらった時計とよく似た金時計です。針の代わりに星がぐるぐる回っています。「成人を迎えた魔法使いには時計を贈るもの。これはロンのみたいに新品じゃないけど、私の弟ファビアンのモノだったのよ」
ハリーは突然モリーを抱きしめます。自分が迷惑をかけていること、自分がモリーを傷つけていること、言葉にならないたくさんの感謝や謝罪をめいっぱい込めた抱擁です。モリーには通じたね。彼女はわかってくれました。
そこへ駆け込んでくるハー。ハーからのプレゼントは新しいスニーコスコープ(Sneakoscope)です。ビルとフラーからは、剃るところをきちんと指定しないと大変なことになる魔法の髭剃り(笑)。デラクール夫妻からチョコレート。フレッドとジョージからは大箱に入ったWWWの新製品詰め合わせ。

プレゼントを片づけているとハリーはジニーに声をかけられます。初めて入るジニーの部屋は、小さいけれどとても明るい、素敵な部屋。壁には"The Weird Sisters"とクィディッチ女子代表チームHolyhead HarpiesのキャプテンGwenog Jonesのポスター。机の前の窓からは、ウィーズリー家の庭が見えます。もっと昔、ロンとハーとジニーの4人でクィディッチのtwo-a-sideゲームをして遊んだ、懐かしい場所。ちょうどジニーの窓の高さに、結婚式用の白く輝くマーキーが見えます。
ジニーがハリーを見つめます。ハリーは、なんだかとても明るい光を見つめるような気がして、彼女を見つめ返すことができません。
「何がいいかわからなかったの。役に立つモノで、大きくなくて、持って歩けるモノがいいのに」
ジニーは泣きません。ハリーの決死の覚悟を知って、もう会えないかもしれないハリーに、戻りたくても戻れないかもしれないハリーに、最後のお別れをしようとしているのに、泣かない。凛として、まっすぐこちらを見つめています。そこがジニーの素晴らしいところ。
「だから、あなたがどこにいても何をしていても、私を思い出してくれるモノがいいと思って探したのよ。超美人のヴィーラに会っても私のこと思い出してくれるようにね」
「遊ぶ余裕なんてもうないよ」命がけで冒険の旅に出るハリーに浮気の余裕はありませんよね。
「ならこれからも脈ありね」(*the silver lining)
そう囁いてジニーはハリーに1歩近づき、チューです。ロマンチックなシーンです。
ふたりでチュッチュチュッチュしていると、ドアがバーンと空き、「ごめんごめん」かなんか言いつつ仁王立ちになっているのはロンちん。
しかたがないのでジニーの部屋から出るとハリーは「別れたんだとか言ったのにイチャイチャしてさ、妹を惑わすのはやめれ!」とロンに怒られます。
ハリーは、そんなつもりじゃないし、ジニーはちゃんとわかってるんだよ、ぼくとずっと一緒なんて無理なんだって彼女はわかってる、と言います。そうだね、ジニーにはわかってます。ハリーとジニーにもう少し時間をあげたいっすねぇ。

ジニーは無理にハリーとふたりきりになろうとはしません。ハリーはジニーが気になっています。ウィーズリー家にはチャーリーが到着、モリーは「ちゃんとしないと」と言ってさっそくチャーリーの髪を切る(笑)。
リーマスもトンクスもハグリッドも到着。ハグリッドは翌日の結婚式もあるので、茶色のやたらともじゃもじゃしたスーツを着てますね。彼の一張羅です。「17歳だな、ハリー。覚えてるか?初めて会った日のこと。ありゃもう6年も前か」「覚えてるよ、ドアを壊して入ってきて、ダッダちゃんに豚のしっぽを付けて、ぼくが魔法使いだって言ったんだ」
トンクスは元気。リーマスはなんだかちょっと不機嫌そうですが。
フレッドとジョージとハーが、誕生日の飾り付けをしてくれます。片耳はないけれど元気になって、穴ぼこ穴ぼこと冗談を言いまくるジョージですが、ハリーはその傷を見ることができない。
ディナーテーブルに、モリーがケーキを持ってきました。うわぁーっ、ビーチボールくらいの大きさの、スニッチ型のケーキっす!すげー。
ハグリッドが「ユニコーンの赤ちゃんが産まれたんだ。学校に戻ってきたら見せてやっからなー」と言い、誕生日のプレゼントをくれます。それはMokeskinのポーチです。首に下げるひもが付いてます。「そこに入れて隠したモノは持ち主しか取り出せない。レア品だぞー」
えっと、Mokeskinっちゅーことは馬(ロバ)革かな。
ハグリッドはチャーリーとあのことを話してますね。ノーバートのこと。メスだと聞いてびっくりしてます。チャーリーによればメスのほうが獰猛らしい。Norberta(ノルベルタ)っす、今の名前は(笑)。

モリーが、まだ帰らないアーサーを待たずにお誕生会をはじめようと言い出したとき、突然アーサーのパトロナスが現れます。その銀のイタチ(Weasel)はアーサーの声で、「大臣が来るぞ」と告げました。
このご時世では特に、ウェアウルフは魔法省によく思われてないわけで、慌てて立ち去るリーマスとトンクス。そこへ、今ではハリーと犬猿の仲になった招かれざる客ルーファス・スクリムジャーがやってきました。そしてハリーに、「個人的に話がしたい。ロナルドくんとハーさんも」と言います。
何しに来たのこの人、何なのよこの人、なんか嫌なかんじー。みなさんそーゆー目で首相を見つつ、トリオと首相は応接間に移動です。

首相:「3人別々に話がしたい」
ハリー:「嫌だね。ぼくら一緒にいる」
首相:「しょーがねーなー、んじゃ一緒に。私は今日、アルバス・ダンブルドアの遺書のことでここに来た」
ロン:「え?ぼくとハーにも?」
ハリー:「ダンブルドアが死んだのはもう1ヶ月も前じゃんか。なんで今ごろ来たんだよ」
ハー:「わかりきったことよ。この人たち、ダンブルドアが遺したモノをいじくりまわして調べてたんだわ。そんなことする権利ないんだから!」
首相:「ハーさん残念でしたー。私は大臣だから何でもする権利があるんですぅー」
ハー:「それはキケンな黒魔術のいろいろが他の人に受け継がれるのを防ぐための法律だもん。違法なモノを取り締まるための法律だもん。法律を楯にそんなことするなんて!あんた、ダンブルドアの所持品に呪われたモノでもあるとでも思ってんの?」
首相:「ハーさん、キミはたしか法執行部のシゴトがしたいんだったよねぇ」
ハー:「そんなことどーでもいいわ。私は善良な行いがしたいのよ!」
ハリー:「なんで今ごろダンブルドアの遺品を渡す気になったんだよ」
ハー:「31日間しか保管できないのよ。その間にキケンだという証拠が出なければ、相続人に渡すしかない。時間切れになったから来たんだわ、やな感じー」

スクリムジャー、ハーを脅迫したりしていやらしいっすねー。だけどスクリムジャーにしてみればハーは手強い。仕方なしに遺言を実行します。

【メモ】

グレゴルビッチ(Gregorvitch)さんは東欧の杖職人さんです。ヴィクター・クラム(Viktor Krum)の杖を作ったのはこの人。ヴォルディはハリーの杖に対抗できる杖を求めてるんですね。

『12の方法』は気になります、女子の口説き方も、ドラゴンの血の使い方も。
ファビアンさんは"Gideon and Fabian Prewett"のファビアンさん、ギデオンとともに勇敢に戦って散ったプルウェット兄弟です(『OotP』)。この時計は大事そうだなー、早く読み方が知りたい。
ハーがくれたSneakoscopeもこの先役に立ちそう。ハグリッドがくれたポーチも便利そう。
小道具をじゃんじゃん手に入れて、なんだかRPGをやってる気分っすね。

*the silver lining
ここはじつはとても美しく素晴らしい文章っすねー。ジニーちゃんの実際のセリフはこうです、"There's the silver lining I've been looking for,"(私が探していた希望が、あるのね)
これはことわざを元にしたセリフっす。
Every cloud has a silver lining. どんな雲にも銀の裏地がついている。
どんなに暗い雲でも、むこう側では太陽が輝いている。災難や不幸がふりかかってお先真っ暗に思えても、明るい希望もあるさと、そーゆーことわざです。
ジニーちゃんは銀の裏地を探していて、見つかった、そう言ってるんですね。凛とした彼女に似合います、雲のむこうの明るいほうを見てるんだなぁ。

マーキーっちゅーのは巨大テントっす。大天幕。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月07日

イギリスで発売されたハリポタ切手"The Harry Potter Stamp Collection" フットボールファンからのプレゼントに大コーフンしつつ、フットボール観て大コーフン、ひゃっほーい!

さるおです。
さるおはスーパーポッタリアンで、バルセロニスタです。サッカーのこともたくさん書いて、ハリポタのこともたくさん書く。
ハリポタは、7巻目の本を買って読んでいるので、このブログは今、ハリポタブログ状態です。
サッカーの方はどうかというと、ヨーロッパはシーズンとシーズンの間の夏休みで、移籍のこととか、夏の終わりに始まる07-08シーズンに向けて練りに練った独断と偏見に満ち満ちた妄想新戦略のこととか、書きたいことがじつは山のように溜まってるっちゅーことで、シーズンの開幕と同時にぶわぁーっと書きはじめるわけですわ。

ちゅーことで少しの間、このブログはサッカーの話題から離れていて、ハリポタ1色なわけですが、なんと今日は、両方混ざった1日でした。
だってね、"織って踊って蹴って"のマルヲさんから、最高に嬉しいプレゼントが届いたんだもーん!
マルヲさんとはいつも一緒にFCバルセロナとリバプールFCを応援しています。とっても楽しくて、とっても優しくて、いろんなこと知ってて、さるおとすごく仲良くしてくれるんだよね。マルヲさんはロンドン在住のアーティストさんでフラメンコダンサーさん、すげー多才な人っす。
で、まずいただいたのがこの写真。キングス・クロスです。ふんがー。

KingsCross.jpg

そして例のプラットフォームへ向かう壁には、ぼっかーんとカートが突き刺さっとるー。ふんがー。

Platform 1.jpg

ところで、最近さるおんとこに来てくださる、やはりイギリスに住んでらっしゃるよい子がね、ハリポタのすごい切手が出たぞとおしえてくれてね、真っ黒いところに呪文が浮かび上がるっちゅー魔法の切手なわけですわー。(まさに真剣)
こりゃほしいぞと、他にもどんな絵柄のがあるんだと、どーすりゃ買えるんだと、もうひこーき乗ってロンドンまで行くしかねーかと、まさに悲壮な覚悟で命がけの切手探しの旅に出そうな勢いだったわけです。(真剣勝負)
そしたらそのシリーズの切手をなんと、マルヲさんが買ってくださった。これですよ。

HPstampcollection.jpg ←クリックして拡大

左上の黒い部分のあるやつがその魔法のやつだと思います。いただいたのは、ホグワーツの紋章と4つの寮の紋章が描かれてる超かっこええやつ、それから本の表紙がずらーっと並んだわくわくして楽しいやつ。んも〜、さるお家の家宝だYO!
で、ぶはぁーっ、注文書がついてるー。全部ほしい、何十枚でも。

もうね、マルヲさん、あなたは天使だ。
感謝の言葉もみつからないほどに、大コーフンです。
ありがとう、ほんとにありがとう。
バルサとリバポのいろんな映像もひとまとめに観させてもらって、ほんでテレビつけたらバルサがマリノスさんとサッカーやっとるし、なんて幸せな1日なんだ。
マルヲさん、あなたは天使だ。ほんとだよ。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:25| Comment(14) | TrackBack(0) | 心ゆくまでさるお | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月05日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 6 (2)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーはハーの決意を聞いて号泣、続いてハーの聡明さにびっくらこけます。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

「あたしらはあなたと一緒に行く」
ハリーが思っているほど、ふたりは軽い気持ちではありませんでした。ハーもロンも、ハリーと同じ、もしかしたらそれ以上の覚悟を持って、生きて帰れないかもしれない冒険の旅に出るのだと、ちゃんとわかっています。
なおもふたりを止めるために口を挟もうとするハリーに、ロンもきっちりと言います、黙ってハーの話を聞けと。
ハーは"Travels with Trolls"を、置いて行く本の山に載せてしゃべりはじめます。

ハリーと一緒に行くために、準備をしていた。マッドアイが持っていた残りのポリジュース薬も手に入れた。そして何よりも、私は両親の記憶を作り替えて家を出てきたんだとハーは言います。
名前はWendell and Monica Wilkins(ウェンデル・ウィルキンズとモニカ・ウィルキンズ)。彼らはずっとオーストラリアに住みたがってて、やっと夢が叶ったところで、すでにオーストラリアに到着している。コドモはいない。これが、ハーが自分の両親に与えた設定です。
ハーはこれまで、両親にハリーのことを話してきました。だからこのままでは、ハリーやハーの居所を知るために、ヘビ男は両親を追跡して捕まえ、そして殺すだろう。
けどこれなら、ヘビ男に突き止められずに済むかもしれない。まったく別人にしてしまえば、パパママを救えるかもしれない。もし私が生きて帰れれば、パパママを探し出して、魔法を解けばいい。戻れなかったら、戻れなかったらそのときには、だいじょうぶ、今のパパママは娘がいたことすら覚えてないから、だいじょうぶ、彼らは幸せだと、そう言います。
もうホグワーツには戻らない。けれど最近は、心配する親が子供が学校に行くのをやめさせるなんてあたりまえ。ハーが突然消えて、そしてもし学校側が不審に思ったとしても、グランジャー家はオーストラリアに避難したと考える。これですべてうまくいくはず。

ハーの目には涙がいっぱい。ロンがハーを抱きしめます。さるおもハーを抱きしめますね。なんて子なんだ。
ハリーと同じく、ハーは死ぬ覚悟で旅に出る。そして、自分が死んでもその後々まで、両親を必死で守ろうとしています。自分が死んでも、悲しまずにすむように。それで自分は永遠に忘れられることになっても、それでも両親を守り抜く、すごい決意です。パパママの幸せ、ただそれだけを考えている。自分の周りのためだけに、すべて計算し尽くして準備した。自分のための準備など、後回しです。
さるおは号泣です。
きっとハーは今までだって、夏休みに家に戻っても、楽しいことばかり報告していたんじゃないかな。怖かったこと、あぶないこと、今本当に起きていること、これから起きること、自分の進もうとしている道、みんなひとりで抱え込んで、今までだって両親を守ってきたんじゃないかと思います。ハーったら、なんて子なんだ。

ハリーにもやっとわかりました、ハーは命を捨てる覚悟だと。
謝ろうとするハリーを遮ってハーはロンに言います。「あなたも話して、自分がしたことを。ハリーは知らなきゃいけないの!」
するとロンは廊下に出て"Descendo!"、廊下の天井の隠し扉が開きハシゴがするすると降りてきた。覗いてみると、なんと膿疱だらけで赤毛の、ちょうどロンと同じくらいの大きさのグール(食屍鬼)がロンちんのパジャマを着てスヤスヤと眠ってます。
自分が家を出たそのときから、そのグールはロンの身代わりになる。よだれを垂らして頷くことくらいしかできないグールを、"病気のロン"だとみんなに思わせるわけです。もし誰かがウィーズリー家をたずねてロンの様子をみようとしても、伝染性の膿疱が怖くてどうせ近寄れないのでバレずにすむはずです。
「ぼくらが突然ホグワーツから消えたら、みんなぼくらがハリーと一緒だと思うに決まってる。ってことは、DEは必ずぼくらの家族を襲う。だからせめて、できることをやって行くんだよ」
ロンちんも、あんたって子は。さるお号泣。
「パパには話した。出て行くってことを。でもママは、ぼくが本当に出て行ったそのときまで、認めてくれない」
アーサーも、あんたって人は。さるおは涙が止まりません。
ハリーは言葉が出ません。ふたりとも、どんなにキケンかわかってて、それで、家族を守ろうとして、それで、ぼくと運命を共にする覚悟だったなんて。なんという決意。

ハーは"Defensive Magical Theory"をくずかごにぶん投げ"A Appraisal of Magical Education in Europe"を手に取りながら続けます。どこからはじめるかが問題、ハリーはゴドリックホロウに行きたいだろうけど、そこは後回しがいい、きっと待ち伏せされてるから。
「ホークラックスを見つけたとしても、いったいどーやって壊せばいいんだろう」というロンに、「調べてあるわ」とハーちん、まさかの回答。
図書室に本がないのに、どーやって?と聞くハリーにハーはこう答えます。

「たしかに図書室に本はない、ダンブルドアが回収したのよ。でも彼は本を破棄しなかった。ダンブルドアが棚から持ち去ったからといって"ホグワーツの図書室の本"じゃなくなったってわけじゃないのよ。とにかく、もしダンブルドアがそれらの本を"本当に"誰にも読ませたくなかったんなら、手に入れるのはもっと難しいはず。あれは簡単すぎたわ。
私が使ったのはただのSummoning Charm、"Accio!"ってやつ。
ダンブルドアの葬儀の後、ハリーと一緒に行くって決めて、そして女子寮の部屋に戻ったら、たまたま部屋には誰もいなかった。だからやってみた。そしたら空けておいた窓からちゃんと本が飛び込んできて、それ、持ってきたの。盗んだわけじゃないわ」

この期に及んで"窃盗ではない"なんて言っちゃうハー。この期に及んでもハーはハーです(笑)。
どうよ、ハーのこの聡明さは。
ここでもまた、ハリポタは基本に戻る。"Wingardium Leviosa!"と同じです。(難易度はともかく)ポリジュースポーションと同じです。
ハリポタ初期に出会ったものが、今になって俄然輝き出す。
初心に帰る。ベーシックな、シンプルなものが、本当の危機に陥ったときに断然役に立つ。素晴らしすぎー!

ハーは黒い革表紙の本"Secrets of the Darkest Art"を取り上げ、しゃべりはじめます。
「恐ろしい本よ、もしダンブルドアが"校長に就任してから"この本を隠したのなら、ヘビ男はこの本を読んだはず。ホークラックスを作るのに必要なことはすべて書いてあるもの」
ハリーも言います。「すべて読んで知っているのにわざわざヘビ男がスラグホーンに質問したわけは、魂を"7つに分割したらどうなるか"が知りたかっただけ。ダンブルドアも言ってたんだ、スラグホーンに質問なんかしたわりに、"彼はすでに知って"いそうだって。ヘビ男の情報源は間違いなくこの本だよ」
「これを6回もやるなんて信じらんない。ホークラックスのために無理矢理引き裂いた精神がどれほど不安定になるか、ちゃんと書いてあるのに」
「一度分割しちゃった魂を、どーやって融合するかも載ってるの?」と今度はロン。
「載ってる、すごい苦痛を伴うみたいだけど。深い後悔、そして相手に対してしたことを自分がほんとに感じなければならない。補足には、その痛みは明らかにあなたを破壊するって書いてあった。いくらヘビ男でも、そんなことするなんて信じられる?」
「ホークラックスの壊し方は?」とハリー。
「ハリーがトム・リドルの日記をバジリスクの牙で刺したこと。あれは間違いなく"ホークラックスを壊す数少ない方法"のひとつよ。ホークラックスは、絶対に修復できない方法で壊さなきゃだめなんだって。破ったり割ったり潰したりしても、それは魔法で元通りになるからだめ。だけどバジリスクの毒に解毒剤はたったひとつしかない、だから有効だった。しかもその解毒剤は激レアだし」
「フェニックスの涙かー」
「問題は、バジリスクの毒ほどに強力な毒なんてほとんど存在しないのよ。あったとしても、手に入れて持ち歩くのは危険すぎる」
「(容れ物としての)ホークラックスを破壊できても魂だけは別の容れ物を求めて生き延びる、なんてことはない?」
「ホークラックスは"人というもの"の対極の存在。たとえば私が今、剣をふりかざしてうりゃぁーっ!ってあなたをやっつけたとしても、魂は傷つかない。肉体(容れ物)に何が起きても、魂は無事なのよ。だけどホークラックスは違う。分割された魂は、容れ物が壊れれば消滅するんだって」
「そうだよ、ぼくが日記を刺したらさ、血みたいにインクが流れて、叫び声がして、ほんでヘビ男は消えたんだ」
「ジニーもホークラックスを破壊しようとした。でも、トイレに捨ててもだめだった、元通りキレイになっちゃうもの」
「そーいえばあの日記はジニーを支配してたじゃん」
「ホークラックスの中の魂の断片は、自由に出入りして、ホークラックスに近い人物に影響を与えるんだって。えーと、距離の話じゃなくて、感情的にね。ジニーはとっても傷つきやすい状態で、日記に心情を吐露してた、だからシンクロしたのよ」

今になって思います。ダンブルドアはどーやって指輪を破壊したのか。聞かなければならなかったことがたくさんあったのに、彼は逝ってしまいました。
とそこに、モリー登場。「邪魔してごめんあそばせぇーっ!あんたたち、何やってんの!」あー、怒られた。

次の日の午前中、デラクール一家が到着。どっしりして小さくてハイヒール・ブーツを履いたチョビヒゲのパパ(Monsieur Delacour)と、金髪で美しくリーフグーリンのローブを着たママ(Apolline) 、そしてフラーを小さくしたようなシルバーブロンドのガブリエレ(Gabrielle) 11歳です。
迎える側もみんなきちんとして、ウィーズリー家も驚くほど片づいています。ありえねー(笑)。
ウィーズリー家は人でごった返し、ガブリエレとフラーはパーシーの部屋を占拠、新郎ビルは花婿付添人になるチャーリーと同室、アーサーとモリーは寝室をデラクール夫妻に譲り居間で寝る始末。そんな中モリーはハリーに、あなたの誕生日も祝わなきゃ、リーマスとトンクスとハグリッドを呼びましょう、と言ってくれます。そして、覗き込むようにじっとハリーを見つめ、微笑み、それから次のシゴトにとりかかりました。それは、哀しそうな笑顔でした。ハリーは突然気づきました、モリーにたくさん迷惑をかけ、そして悲しませていることに。

【メモ】

ロンもハーも、気丈に、悲壮な覚悟で、自分の家族を必死で守ろうとしてます。そして同時に、ハリーと一緒に途方もない冒険にチャレンジしようともしてます。まさに捨て身。泣けます。
なんだか今さらのように、ダンブルドアが、ロンとハーにだけすべてを話せと、キミには友達が必要だと、そう言った意味が身にしみます。友情を持ってたすけあう、それこそがヘビ男にとって不可能なこと。補い合って、互いに救い、勝ちに行けと、校長は言いました。それと同時に、ハリーにはできないことがハーにはできるよと、ハリーにもハーにもできないことはロンならできるよと、そう言いたかったんじゃないかな。三位一体。3つの個性をあますところなく使えと、そーゆーことだろうと思います。
ハーが"Accio!"と叫んだとき、ダンブルドアは天国で小躍りしたと思いますね。それでいいぞと、よくやったと、天国で褒めてたはずだ。

ところで、"Horcruxは、絶対に修復できない方法で壊さなきゃだめ。バジリスクの毒に解毒剤はたったひとつしかない、だから有効だった。しかもその解毒剤は激レアよ"というこの条件に、"Sectumsempra"が該当するかもしれないと思ったのはさるおだけかな。こちらのメモに書いたとおり、『HBP』で深手を負ったドラコをスネイプさんは治しました。けど、ジョージの耳は元通りにはならないと言う。""Sectumsempra"の傷を修復できるのはセヴルス・スネイプしかいない、だから有効。修復できる人物は(ひとりだけなんだから)激レアよ"と言い換えられるような気がします。
"Sectumsempra"は見えない剣。生命体に対して有効だと思われます。ということは、DDが推理したとおり、ナギニちゃんに使えるかもしれません。

Horcruxをひとつ作るだけでも魂が不安定になるのに、そしてまた統合するには想像を絶する苦痛を伴うのに、それなのにヴォルディは6つもHorcruxesを作った。なんだかハーはそれ自体に疑問を持っているようですが。

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月04日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 6 (1)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーもHorcrux探しの旅に出かける準備をはじめます。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

6:The Ghoul In Pajamas

朝食でふたりきりなったハリーとロン。「ハーちんがもういろいろ調べてるよ、キミが来たときに少しでも準備ができてなきゃって言ってたから」
そうです、Horcruxです。
一刻も早くホークラックスハントに出かけたいハリーは思わず「あと4日。7月31日になったらぼくは17歳で、魔法も使えるし、すぐに出かけられる」と言いますが、ほんとはあと5日。ビルとフラーのウェディングに出席するからです。
「どれほど重要か、みんなわかってないんだからなー、まったくー」ハリーに言わせればハントのほうが重要で一刻を争う。そりゃそうだ。自分も含め、多くの命がかかってますから。
「そりゃわかってないよ、みんなほんとのこと知らないんだもん。そのことをね、話したかったんだ」とロンちん。ロンは誰にも聞かれないようにひそひそ声でこう言います。「ママがね、ぼくとハーから聞き出そうとしたんだ、なんで出かけなきゃならないんだって。次はキミんとこに行くと思う、覚悟しといて。パパとルーピンにも聞かれたけど、ダンブルドアに口止めされてるって言ったらそれ以上は追及しなかった。けどママは違う、手強いよ」

ロンの予測は数時間後には現実のものになりました。
モリーは「ちょっと靴下を見てー、あなたのかしらー?」かなんか言いながら用事もないのにハリーを呼び出し、根掘り葉掘り聞きます。
ロンとハーがあなたたち3人とも自主退学するって言ってたけどほんと?何をするの?どこへ行くの?なんで?なんでなんで?
ダンブルドアに口止めされたと言っても聞かないモリー。「私とアーサーと、ハーのパパママには知る権利があるのっ!ダンブルドアは教育第一って思ってるはずなのに、退学なんてよろこばないわ、あなたはダンブルドアのことがわかってないのよっ!」
正しい、モリーは正しい。知る権利があります。珍しくハリーに対して熱くなるモリー、とても真剣に心配してくれてます。
だけどハリーも正しい。言わないって約束したから言わない。モリーには深刻さがわかってない。
ハリーも口を割らないとわかると、モリーは別の作戦に出ます。ウェディングの準備と称して、3人を別々の場所でこき使う。ロン曰く"ハウスエルフのように"、しかも"達成感があるだけハウスエルフのほうがマシ"。トリオの秘密プランを進行させないためですね。
ジニーはハリーが、"some stupid, noble reason"("ばかげた"気高い理由)により、"you've been too busy saving the wizarding world,"(世界を救うのに忙しい)ことを知っています、そして"that's why I like you so much."(だからあなたが好き)とわかっていて、自分とハリーには別れが訪れることも承知していました(『HBP』)。だからハリーが途方もないことにチャレンジする気だと気がついています。「ママは3人がこっそり相談するのが嫌なのよ、出て行くのを止めようとしてる」と言うジニーに、うっかりハリーは「彼女はぼくらがここにいる間に誰かがヘビ男を殺してくれるとでも思ってんのかな?」と言ってしまいます。「ほんとなの?それがあなたのしようとしていることなの?」さすがのジニーも顔面蒼白。

この日はアーサーとビルが一緒、みんなと情報交換しながら食事です。
ダンブルドアの死後、ウィーズリー家(The Burrow)はシリウスの家(Grimmauld Place)に代わってオーダー本部となりました。
ダンブルドアが信じたメンバー20人全員が交代でシークレットキーパーを務めることにしました。ただし、"Fidelius Charm"が20倍希釈。魔力が弱まった上に、DEにとっては聞き出すチャンスが20倍。うーん、いつまで持つかわかりません。
スネイプさんには、マッドアイが生前、口止めの魔法をかけたようですが、これもどれほど強力か未知数。
リーマスとビルは未だにマッドアイの遺体を回収することができず、葬儀は先延ばしになっています。デイリープロフェット新聞にもマッドアイのニュースは載っていません。
ハリーは空中戦で魔法を使ったけれど、裁判所(魔法省)への出廷命令は出ておらず、それは、魔法省がアーサーにヘビ男のことをしゃべってほしくないかららしい。時の大臣スクリンジャー(スクリムジョール)はヘビ男のことやアズカバン大量脱獄のことを避けてるわけですね。
まだそんな甘っちょろいこと言ってんのかと、ナイフを握りしめるハリーの手の甲には今も残る"I must not tell lies."の文字。ロンも「魔法省には戦おうって人、いないのかよ?」とイライラ。
「みんな怖がってるんだ。おっかない噂ばっかりだもん、ホグワーツのマグル学の先生も辞職して、しばらく姿が見えないらしいしな」と答えるアーサー。
少しの沈黙の後、フラーがしゃべりはじめます。「私たちの結婚式に来る人たちはみんなDEなんかじゃないけど、警戒しないとあぶないわー、シャンパンなんか飲んじゃったら、誰かがうっかり口を滑らせるかもしれない」
そうです、フラーはまだハグリッドを疑っている。
そしてウェディングの話題に飛びつくモリー(笑)。「そうだわ、ロンは部屋片づけて、ハリーはアーサーとニワトリ小屋の掃除、ハーはフラーのパパママ(デラクール夫妻)のためにシーツをとりかえてねー」

さて、ハリーがアーサーを手伝いに行くと、じつは掃除なんてはじめっから終わっててやることないわけですわ。で、テッド・トンクスが送ってくれたシリウスのバイクのいろいろを見せてもらう。
「バイクをここにね、モリーの目から隠して、いや、保管してあるわけよ、あはは。すごいね、これは!」
仕組みを調べて、モリーがいないときに、いや、時間のあるときに、組み立ててみるつもりだと。こんなときでもアーサーは可愛いっすねー。
で、やってもいない掃除を終わらせて家に戻ると、ハリーはモリーの目を盗んでロンが片づけているはずのロンの部屋に行きます。するとぜんぜん片づけなんかやってなくて、ハーが来てました。
「マッドアイのこと話してたんだ。ぼくは、マッドアイが生きてると思う、シールドチャームを使ったかもしれないよ」とロンが言います。
ハーは積み上げた本の山に"Numerolog and Grammatica"を乗せ、"The Rise and Fall of the Dark Arts"を別の山に乗せ、"Quidditch Teams of Britain and Ireland"を手に取ります。
「どっちにしろあの高さから落ちたのよ」と泣きそうなハー。
「そのときマッドアイはすでに杖を奪われてたってフラーは言ってたよ」とハリー。
「死んだとしたら、死体はもうDEたちが持ってっちゃたんだ。だから見つからないんだよ」とロン。
ハリーは、マジカルアイだけがヒューヒュー動いて生きている、マッドアイの残骸を思い浮かべます。哀しいけれど、怖いようなオカシような。「うん、ハグリッドの庭に埋められたバーティ・クラウチみたいに、DEが埋めちゃったのかも。彼を何か"物"に変えちゃったかもしれないし」
「もうやめてよー!ダンブルドアの次はマッドアイ、こんなのってない。彼は強かったのにぃ」あーぁ、ハーが泣いちゃった。"Spellman's Syllabary"の上に涙が落ちる。ロンがハーを抱いて、さっきオーブンを掃除するのに使ったやたらと汚いボロ布をハンカチに変えて差し出します(笑)。
マッドアイが生きていたらこう言うはず、"Constant vigilance"(常に警戒しろ)。彼の死から何か学ばなければなりません。ハーが学んだのは、マンダンガスを信じちゃいけないということ。
「この本の山どうするの?」と聞くロンに、ハーは「持ってく本を決めてるの」と答えます。「ルーンの辞書、持ってたほうがいい気がするな」そして"Hogwarts, A History"を手に取ります。

「聞いて」ハリーは言いました。「学年末にふたりともぼくと一緒に行くって言ってくれたけど、でもね」
ハリーはふたりを止めようとしてるわけですね。本当にあぶないんだから一緒に来るなと。
ところがそれをハーが遮ります。話を聞くのはハリー、あなたのほうよ。あたしらはあなたと一緒に行く。それはもう1ヶ月も前に決まったこと、いや、何年も前から、そう決めてるんだよ。

さぁ、ここから先が泣けるところですが、次の記事で。

【メモ】

ロンの予測は当たった。
もしもこれが伏線ならば、マッドアイは生きてるはず!

心ゆくまでさるお、もんち!

2007年08月02日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 5 (2)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーはオーダーと一緒にバトルを検証します。脱落者続出でますます不利になってきました。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

我が子を心配するあまり、汗かいてメガネがひん曲がって「そこどけー、うりゃぁーっ!」とジョージに駆け寄るアーサー。こんなに切羽詰まったアーサーなんて見たことない。賑やかなフレッドが言葉を失う姿も初めてです。
ところが、気丈なジョージは「ぼかぁ聖人だ(Saintlike)」と言います。「ぼかぁ聖なる(holy)人。穴のある人(holey)。わかる?」
顔面蒼白なフレッドに、笑顔が戻る。「こいつばかだなー。かわいそうなヤツだなー。これから耳についてのジョークが山ほど言えるってのに、よりによって"穴のある人"て(笑)」
号泣しまくるモリーにもジョージはこう言います。「ママ、これで見分けがつくじゃんか」
ジョージ、優しい子だな。
続いてハリーの心配までします。「ハリー、無事かい?キミが無事ならそれでいいんだよ」
ロンとビルは見舞いもしてくれないの?と冗談にして心配するジョージに、まだ戻ってないと告げるモリー。ジョージの顔から笑顔が消えました。
ハリーはジニーと部屋を出て、暗い庭に向かいます。ジニーがハリーの手をとります。「ムリエルおばさんちは遠くないから、ロンとトンクスはもう着くはずなのに」今まで懸命に恐怖を無視しようとふんばっていたハリーですが、とうとう怖くなってきた。ハグリッド、リーマス、キングスレー、そしてハーは無言で空を見上げています。そのとき、「来たじょー!」とハーが指さす先にはほうきに乗った人影が。
着陸したトンクスがリーマスの腕の中へ飛び込み、ロンはハーを見て「無事だね」と言い、ハーもロンを抱きしめます。
トンクス曰く、「ロンちんはすげー」
なんと、ほうきで飛びながら、ほうきで飛んでいる標的の顔面に呪文をヒットさせてDEを気絶させたり大活躍したみたい。
「なーんでこんなに遅くなった!」とほとんど怒っているようなリーマスに、トンクスが説明します。「ベラがさ、ハリーを狙うときみたいになんかすっごい私を狙って来てさ、ものすごいんだよね、私を殺そうとして。ベラは私がなんとかしなきゃなんだけど。でも少なくともルドルファスには怪我させてやったし。時間かかっちゃって、ポートキーには間に合わなかったけど」

ビル、フラー、マッドアイ、マンダンガス、残り4人。
キングスレーは心配しながらも、そろそろマグルの首相のところに戻らなきゃと言い、ウィーズリー家の門を出るとかすかな音とともに瞬間移動で消えました。
やがて大きなセストラルが庭に舞い降りた。ビルとフラー、無事です。ところが、駆け寄るみんなをまるで無視して、ビルはアーサーを見つめ、こう言いました、「マッドアイが死んだ」と。
「包囲網を突破したとき、マッドアイとマンダンガスは近くにいて、彼らもまた北に向かおうとしてた。ヘビ男は最初、迷わず彼らを追って行ったんだ。そういえば、ヘビ男、自力で飛んでたよ。んでダングがパニクって叫びはじめ、マッドアイはそれを止めようとした。そしたらダングが瞬間移動で消えちゃって、ヘビ男のAKがマッドアイの顔面にぼっかーんて。彼は後ろに倒れて、ほうきから落ちて、で、たすけることなんてできなかったんだ」
マッドアイが死んだなんて・・・。強くて、勇敢で、完璧な、あの歴戦の戦士が死んだなんて・・・。
もう庭で空を見上げて待つ相手はいません。みんな無言で、フレッドとジョージが笑いあっているリビングルームに戻り、マッドアイの死を双子にも告げます。トンクスは泣いてますね、マッドアイにいちばん近かったトンクス、彼女はマッドアイの部下で、彼の秘蔵っ子だった。ビルがファイアーウィスキーを注ぎ、みんながグラスを高くあげます。
「マッドアイに」

「マンダンガスが消えたって?」リーマスが口を開く。みんなが顔を見合わせます。
「何考えてるかわかるよ。ぼくもそう思った、やつら、待ちかまえてたから。だけどマンダンガスが裏切ったんじゃない。やつらはハリーが7人いることを知らなかったし、それで混乱してた。それに、そもそもこの作戦を勧めたのはマンダンガスだよ。もし彼が裏切り者なら、なぜヘビ男にいちばんおいしいところを言わなかった?彼はただパニクったんだ。はじめから来たがってなかったのに、連れて来られてみたらヘビ男はまっしぐらに自分を追ってくる。あれじゃ誰だってパニクるよ」とビル。
「ヘビ男は、ハリーがいちばん能力のある最強のオーラーと組むに違いないと思ってすっ飛んでったんだわ。だけどマッドアイと組んでいたハリーが消えたから、今度はキングスレーをターゲットにしたのよ」とトンクス。
「まだ情報が漏れた理由が説明できてないわ。きっと誰かが、うっかり口を滑らせたのよ。その人物は、日時をしゃべり、プランはしゃべらなかった」とフラー。
静まり返り、聞こえるのはハグリッドのしゃくりあげる声だけ。
ハリーは、なんだか酔っぱらっちゃったなぁ〜♪と思いながら、ハグリッドをちらりと見ます。大好きなハグリッド、ぼくが信じているハグリッド、ついさっきぼくのために命を懸けたハグリッド、過去にドラゴンの卵と引き換えに致命的な情報をうっかりしゃべってしまったハグリッド。・・・「違うよ!」酔っぱらいハリー、思わず、でっかい声で言ってしまいました。
「あー、えーっと、つまり、ぼくはここにいるみんなを信じてる。誰かが口を滑らせたんだとしても、それはわざとじゃないんだ。ぼくたちは信頼しあわなきゃ。ぼくは信じてる、ここにいるみんなはぼくをヘビ男に売ったりしない」
どんどん飲んでますます酔っぱらってくハリーさん、でっかい声んなってますから(笑)。
リーマスが、酔っぱらいを同情でもするような表情でハリーを見ています。
「ぼくのことバカだと思ってるんでしょ」とハリー。最近のハリーはリーマスに対してとても怒っています。今までみたいに素直に仲良くなれないんすね。
「そうじゃない、キミはジェームズそっくりだと思っているんだよ。ジェームズなら、友達を疑うなんて恥だと思うだろ」
その言葉にも腹が立つハリー。ハリーには、リーマスの言っていることがわかります。ジェームズは、信じた友人に裏切られた。
言い返そうと思ったけれど、リーマスとビルは「マッドアイの遺体を回収してこよーっと」と言い残し出て行きました。

「ぼくも出て行く、ぼくがここにいたらみんなも危ないから」ハリーはそう言います。
「バカなこと言わないで、今夜はあなたをここに連れてくることが最大の目的だったんだから」
「ここは見つからないよ、ダミーがあるから。それにここを出たら、今夜のすべてが無意味んなっちゃう」
「行くな、ハリー、命がけでここに辿り着いたのに、そんなこと言うなよ」
「耳を無くした甲斐がないじゃん」
「マッドアイがもし生きてたら、ここにいてほしいと思うはずよ」
みんなそれぞれにハリーを引き止める。けれど。
違う、そうじゃない、みんなわかってない!「ぼくのことじゃなくて、みんなのこと心配してるんだってばぁーっ!」
わかってるんだ。みんなが命がけでぼくのために戦ってくれたことくらい、わかってるんだ。それなんだってば、ぼくがここにいられない理由は。ぼくのせいで、みんながこれ以上危ない目に遭わないうちに、ここを出なきゃ。
他の話題で時間を引き伸ばそうと「ヘドウィグはどうしたの?」と聞くモリー。答えないハリー。
「ヘビ男と戦ったじゃないか」と勇気づけようとするハグリッド。
「ぼくじゃない。杖だよ」とハリー。
「ハリーは本番に強いんだ。考える前に杖を振ってる。小さい子も、突然思いもよらないことができたりする、あれと一緒だよ。追いつめられても能力を発揮するんだ」
"ハリーは強い"と思われることにうんざりなハリー、みんなのために立ち去ろうとして止められて、次は魔法のことでイライラです。
「違うんだってば。落ちはじめたとき、ぼくはヘビ男がどの方向にいるかもわかってなかった。杖が手の中で回転して、杖がヘビ男をみつけて、杖が勝手になんかの魔法をぶん投げた。呪文だって言ってないし、ゴールドの光なんて、ぼく出したことないもんねーっ!」
イライラするわ、額は痛いわで、ハリーは暗い庭に出ます。庭へのゲートのそばに立ち、ダンブルドアのことを考える。彼ならきっとわかってくれる。彼ならきっと、杖がひとりでに動いたことも、"Priori Incantatem"のときみたいに説明してくれる。
突然、ハリーの額の傷跡はモーレツに痛みだし、頭の中で声が聞こえます。
「他の杖使うたらええて言ったやないか、このボケェ!」
そしてイメージが浮かびます、石の床に敷いたボロ布の上に横たわり、叫び声を、苦痛のあまりしぼりだすようなおそろしい叫び声をあげる、オリバンダーじーさんのイメージが。
「このあほんだらはポッターたすけたよったわ。あれはなんや!説明せーや、こら!ルシウスの杖かて、もう使いモノんならんわ。どあほ!」怒るヴォルディさん。

「ハリー」
我に返ると、ハリーはぶるぶる震えてゲートにやっとこつかまっていることに気づきます。声をかけたのはハーとロン。「家に入ろうよ」
ハリーは震える声で、たった今見たモノをふたりに話します。
「そんなことしてたらだめだって!彼とのつながりを、閉ざしてないとだめなんだから!ダンブルドアが言ったじゃん、心を閉じろって。今じゃ魔法省とメディアは彼の思うがまま、ヘビ男は魔法界の半分を手に入れたのよ。頭の中にまで入れちゃだめ!」

【メモ】

まだ第5章なのに、ホグワーツの先生もヘドウィグもマッドアイも、じゃんじゃん死んでます。で、こわいなーと思っていたら、ミネソタ州のミネアポリスでついさっき、ミシシッピ川にかかる高速道路の橋が突然まっぷたつに折れて落っこちましたよ。(←ほんと)今のところ崩落原因不明。ついにマグル界も『HBP』のオープニングのようになってきたなと、『HBP』のあのシーンも夏でちょうど今ごろだし、ハリポタの設定から9年遅れで、とうとう現実のものになったかと、ヘビ男の仕業だな、さるおは戦うぞと、そう強く思いました。

現役オーラーを「すげー」と言わしめたロンちん。きっと生き残って、オーラーになれるんじゃないか、そんな感じがするなぁ。
そしてゴールドの光、ハリーさんは出したことないって言ってるし、ちょっと様子が違うけれども、オリバンダーさんの店で初めてその杖に触れたとき、赤と金のスパークが出たんだよね。

心ゆくまでさるお、もんち!

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