スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは第7章、まずはお誕生日のプレゼントをいろいろもらいましょう。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。
7:The Will of Albus Dumbledore
ハリーは夢を見ます。ヴォルディ目線で、どこか知らない場所で、グレゴロヴィッチさんという人を探している夢です。
「ヘビ男はグレゴロヴィッチを探してるんだ」とロンに報告するハリー。「誰だろう?誰だっけ?クィディッチと関係があるような・・・」
「クィディッチの選手ならゴルゴヴィッチだよ。ところでハリー、17歳の誕生日おめでとう!」
ロンからのプレゼントは"Twelve Fail-Safe Ways to Charm Witches"という、女子のことがすべてわかるハウツー本。『失敗しない、12の女子の口説き方』です。ロンもかつてフレッドとジョージにこの本をもらったことがあります。わはは。
キッチンに降りると、アーサーとモリーからのプレゼントが待っていました。それはなんと、17歳でロンがもらった時計とよく似た金時計です。針の代わりに星がぐるぐる回っています。「成人を迎えた魔法使いには時計を贈るもの。これはロンのみたいに新品じゃないけど、私の弟ファビアンのモノだったのよ」
ハリーは突然モリーを抱きしめます。自分が迷惑をかけていること、自分がモリーを傷つけていること、言葉にならないたくさんの感謝や謝罪をめいっぱい込めた抱擁です。モリーには通じたね。彼女はわかってくれました。
そこへ駆け込んでくるハー。ハーからのプレゼントは新しいスニーコスコープ(Sneakoscope)です。ビルとフラーからは、剃るところをきちんと指定しないと大変なことになる魔法の髭剃り(笑)。デラクール夫妻からチョコレート。フレッドとジョージからは大箱に入ったWWWの新製品詰め合わせ。
プレゼントを片づけているとハリーはジニーに声をかけられます。初めて入るジニーの部屋は、小さいけれどとても明るい、素敵な部屋。壁には"The Weird Sisters"とクィディッチ女子代表チームHolyhead HarpiesのキャプテンGwenog Jonesのポスター。机の前の窓からは、ウィーズリー家の庭が見えます。もっと昔、ロンとハーとジニーの4人でクィディッチのtwo-a-sideゲームをして遊んだ、懐かしい場所。ちょうどジニーの窓の高さに、結婚式用の白く輝くマーキーが見えます。
ジニーがハリーを見つめます。ハリーは、なんだかとても明るい光を見つめるような気がして、彼女を見つめ返すことができません。
「何がいいかわからなかったの。役に立つモノで、大きくなくて、持って歩けるモノがいいのに」
ジニーは泣きません。ハリーの決死の覚悟を知って、もう会えないかもしれないハリーに、戻りたくても戻れないかもしれないハリーに、最後のお別れをしようとしているのに、泣かない。凛として、まっすぐこちらを見つめています。そこがジニーの素晴らしいところ。
「だから、あなたがどこにいても何をしていても、私を思い出してくれるモノがいいと思って探したのよ。超美人のヴィーラに会っても私のこと思い出してくれるようにね」
「遊ぶ余裕なんてもうないよ」命がけで冒険の旅に出るハリーに浮気の余裕はありませんよね。
「ならこれからも脈ありね」(*the silver lining)
そう囁いてジニーはハリーに1歩近づき、チューです。ロマンチックなシーンです。
ふたりでチュッチュチュッチュしていると、ドアがバーンと空き、「ごめんごめん」かなんか言いつつ仁王立ちになっているのはロンちん。
しかたがないのでジニーの部屋から出るとハリーは「別れたんだとか言ったのにイチャイチャしてさ、妹を惑わすのはやめれ!」とロンに怒られます。
ハリーは、そんなつもりじゃないし、ジニーはちゃんとわかってるんだよ、ぼくとずっと一緒なんて無理なんだって彼女はわかってる、と言います。そうだね、ジニーにはわかってます。ハリーとジニーにもう少し時間をあげたいっすねぇ。
ジニーは無理にハリーとふたりきりになろうとはしません。ハリーはジニーが気になっています。ウィーズリー家にはチャーリーが到着、モリーは「ちゃんとしないと」と言ってさっそくチャーリーの髪を切る(笑)。
リーマスもトンクスもハグリッドも到着。ハグリッドは翌日の結婚式もあるので、茶色のやたらともじゃもじゃしたスーツを着てますね。彼の一張羅です。「17歳だな、ハリー。覚えてるか?初めて会った日のこと。ありゃもう6年も前か」「覚えてるよ、ドアを壊して入ってきて、ダッダちゃんに豚のしっぽを付けて、ぼくが魔法使いだって言ったんだ」
トンクスは元気。リーマスはなんだかちょっと不機嫌そうですが。
フレッドとジョージとハーが、誕生日の飾り付けをしてくれます。片耳はないけれど元気になって、穴ぼこ穴ぼこと冗談を言いまくるジョージですが、ハリーはその傷を見ることができない。
ディナーテーブルに、モリーがケーキを持ってきました。うわぁーっ、ビーチボールくらいの大きさの、スニッチ型のケーキっす!すげー。
ハグリッドが「ユニコーンの赤ちゃんが産まれたんだ。学校に戻ってきたら見せてやっからなー」と言い、誕生日のプレゼントをくれます。それはMokeskinのポーチです。首に下げるひもが付いてます。「そこに入れて隠したモノは持ち主しか取り出せない。レア品だぞー」
えっと、Mokeskinっちゅーことは馬(ロバ)革かな。
ハグリッドはチャーリーとあのことを話してますね。ノーバートのこと。メスだと聞いてびっくりしてます。チャーリーによればメスのほうが獰猛らしい。Norberta(ノルベルタ)っす、今の名前は(笑)。
モリーが、まだ帰らないアーサーを待たずにお誕生会をはじめようと言い出したとき、突然アーサーのパトロナスが現れます。その銀のイタチ(Weasel)はアーサーの声で、「大臣が来るぞ」と告げました。
このご時世では特に、ウェアウルフは魔法省によく思われてないわけで、慌てて立ち去るリーマスとトンクス。そこへ、今ではハリーと犬猿の仲になった招かれざる客ルーファス・スクリムジャーがやってきました。そしてハリーに、「個人的に話がしたい。ロナルドくんとハーさんも」と言います。
何しに来たのこの人、何なのよこの人、なんか嫌なかんじー。みなさんそーゆー目で首相を見つつ、トリオと首相は応接間に移動です。
首相:「3人別々に話がしたい」
ハリー:「嫌だね。ぼくら一緒にいる」
首相:「しょーがねーなー、んじゃ一緒に。私は今日、アルバス・ダンブルドアの遺書のことでここに来た」
ロン:「え?ぼくとハーにも?」
ハリー:「ダンブルドアが死んだのはもう1ヶ月も前じゃんか。なんで今ごろ来たんだよ」
ハー:「わかりきったことよ。この人たち、ダンブルドアが遺したモノをいじくりまわして調べてたんだわ。そんなことする権利ないんだから!」
首相:「ハーさん残念でしたー。私は大臣だから何でもする権利があるんですぅー」
ハー:「それはキケンな黒魔術のいろいろが他の人に受け継がれるのを防ぐための法律だもん。違法なモノを取り締まるための法律だもん。法律を楯にそんなことするなんて!あんた、ダンブルドアの所持品に呪われたモノでもあるとでも思ってんの?」
首相:「ハーさん、キミはたしか法執行部のシゴトがしたいんだったよねぇ」
ハー:「そんなことどーでもいいわ。私は善良な行いがしたいのよ!」
ハリー:「なんで今ごろダンブルドアの遺品を渡す気になったんだよ」
ハー:「31日間しか保管できないのよ。その間にキケンだという証拠が出なければ、相続人に渡すしかない。時間切れになったから来たんだわ、やな感じー」
スクリムジャー、ハーを脅迫したりしていやらしいっすねー。だけどスクリムジャーにしてみればハーは手強い。仕方なしに遺言を実行します。
【メモ】
グレゴルビッチ(Gregorvitch)さんは東欧の杖職人さんです。ヴィクター・クラム(Viktor Krum)の杖を作ったのはこの人。ヴォルディはハリーの杖に対抗できる杖を求めてるんですね。
『12の方法』は気になります、女子の口説き方も、ドラゴンの血の使い方も。
ファビアンさんは"Gideon and Fabian Prewett"のファビアンさん、ギデオンとともに勇敢に戦って散ったプルウェット兄弟です(『OotP』)。この時計は大事そうだなー、早く読み方が知りたい。
ハーがくれたSneakoscopeもこの先役に立ちそう。ハグリッドがくれたポーチも便利そう。
小道具をじゃんじゃん手に入れて、なんだかRPGをやってる気分っすね。
*the silver lining
ここはじつはとても美しく素晴らしい文章っすねー。ジニーちゃんの実際のセリフはこうです、"There's the silver lining I've been looking for,"(私が探していた希望が、あるのね)
これはことわざを元にしたセリフっす。
Every cloud has a silver lining. どんな雲にも銀の裏地がついている。
どんなに暗い雲でも、むこう側では太陽が輝いている。災難や不幸がふりかかってお先真っ暗に思えても、明るい希望もあるさと、そーゆーことわざです。
ジニーちゃんは銀の裏地を探していて、見つかった、そう言ってるんですね。凛とした彼女に似合います、雲のむこうの明るいほうを見てるんだなぁ。
マーキーっちゅーのは巨大テントっす。大天幕。
心ゆくまでさるお、もんち!