2007年08月18日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 10 (2)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーはまたまた号泣!あまりに純粋で悲痛な忠誠心と、あまりに壮絶な復讐劇、切なくて苦しくてたまらんですわー。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

クリーチャーは、膝をかかえて顔をうずめ、身体を前後に揺らしながら話しはじめました。

シリウス様は出て行きました。シリウス様は"悪い子"で、奥様を失望させた。家出してくれて、ちょうどいい厄介払いができた。
でもレグルス様は違った。きちんとした誇りを持ち、ブラック家の何たるか、純血の何たるかを、ちゃんと理解していらした。レグルス様は、魔法使いがマグルやマグル生まれを支配する世の中をつくろうとしている"卿"のことをよく話していました。
レグルス様は16歳で卿の組織に加わりました。それをどれほどよろこんだか。卿に仕えることをどれほど誇りに思ったか。

レグルス様がヘビ組に加わって1年たったある日、レグルス様はクリーチャーに会いにキッチンに下りてらっしゃいました。レグルス様はいつもクリーチャーに優しかった。レグルス様は言いました、「ヘビ男様が"屋敷しもべ妖精"をご所望だから、ぼく立候補したよ」と。
「これは栄誉だ。ぼくにとってもクリーチャーにとっても、とても光栄なこと。ヘビ男様がどんな要望をするにしろ、とにかくそれを実行して、そしてここに戻っておいで」そうレグルス様は言いました。

クリーチャーは卿のところへ行きました。卿はクリーチャーに何も言わず、海に近い洞窟へクリーチャーを連れて行きました。狭い入口の奥は巨大な洞窟で、大きな黒い湖がありました。そしてそこにはボートがあり、湖の中央の小島には、薬品が満たされた水盤があった。卿はクリーチャーにそれを飲ませました。
クリーチャーはその毒薬を飲んだ。命ぜられるままに、どんどん飲めば飲むほどに、恐ろしい幻覚が見えた。身体の中に火がついて、焼かれていると思った。あまりの苦しさに、クリーチャーはレグルス様を呼びました、たすけてくれと、必死で叫びました。けれど卿は笑ってクリーチャーを見ていた。そしてついに毒薬を残らずクリーチャーに飲ませました。そして水盤にロケットを落とし、また毒薬で満たしました。
そしてその場にクリーチャーを残して、卿は帰ってしまった。

クリーチャーはどうしても水が飲みたかった。だから小島の縁で、黒い湖の水を飲みました。そしたら手が・・・死者の手が、湖から出てきてクリーチャーをつかみ、湖へ引きずり込もうとしました。
そのとき、レグルス様がクリーチャーを呼んだ。呼び戻してくださったのです。
レグルス様は何があったのかをクリーチャーから聞きました。レグルス様はとても心配しました。そしてレグルス様はクリーチャーに、じっと隠れて家から出るなと言いました。

それから少し経って、レグルス様はある夜クリーチャーに会いに再びキッチンに下りてらっしゃった。レグルス様は様子が変でした。いつもと違って、心の中に何かを抱えているようでした。
レグルス様はクリーチャーに、クリーチャーが卿と一緒に行った洞窟に連れて行くように言いました。クリーチャーは、洞窟の入口を開け、地下に下り、小さなボートをたぐり寄せ、レグルス様を小島にお連れしました。
レグルス様はポケットから卿のモノとよく似たロケットを取り出し、クリーチャーに「これを持って。水盤が空になったらロケットをすり替えるんだ。そしたらぼくを置いて、行くんだ、クリーチャー。家に帰るんだよ。そんで、ヘビ男のロケットを壊すんだ。ママにはぼくがしたことを言っちゃいけない」と言いました。
そしてレグルス様はあの毒薬を飲んだ。すべて飲みました。クリーチャーはロケットをすり替えました。クリーチャーはただ見ているしかなかった、レグルス様が、レグルス様が湖に、引きずり込まれて行くのを。

なんということだー!さるお号泣。クリーチャーも号泣。"穢れた血"のハーは思わずクリーチャーを抱きしめようとしてよけられてますが(笑)。マグルのさるおは"穢れ"をはるかに通り越してると思いますが、クリーチャーを抱きしめたいと思いますね。胸を引き裂くような孤高の愛の物語と、この壮絶な復讐劇を知った今となっては、クリーチャーさんを是非ともハグさせていただきたーい。

「で、ロケットを持って帰って来て、壊したの?」ハリーが聞きます。
クリーチャーはそのロケットに、傷ひとつつけることができなかった。知っている方法はすべて試したけれど、だめだった。クリーチャーには、壊すなら内側からだとわかっていたけど、開かなかったと言うんです。クリーチャーはトライしては自分を罰し、罰してはまたトライした。
クリーチャーは、"壊せ"と命令されたのに、任務に失敗してしまった。ひとりで必死にがんばっただろうに、かわいそうなクリーチャー。家ではミセス・ブラックが「次男坊がいなくなっちった」と言って大騒ぎっすよ。

クリーチャーが危機一髪のところでレグルスに呼ばれ瞬間移動できたわけは、"Elf Magic"が魔法使いの魔法と異なるメカニズムだからです。魔法使いは、ホグワーツ城内やあの洞窟で瞬間移動ができません。だけどハウスエルフにはそれができる。彼らはみんなスゴ腕で、魔力が強い。ヴォルディは未成年やハウスエルフをバカにして、またしても致命的な見落としをしています。それに、ハウスエルフにとっては主人の命令が第一。ご主人様の命令は何にも増して、ヴォルディよりも、プライオリティが高いんです。だから、呼ばれた瞬間に彼は戻ることができた。
ハリーは、主人をヴォルディに殺されたクリーチャーがなぜシリウスを裏切ることができるのかと歯がゆい気持ちでいます。それについてハーはこう言ってますね。「彼は奴隷。ハウスエルフはひどい扱われ方ばかりしている。だから彼らは、数少ない"優しく接してくれる主人"には自らの意志で忠誠を誓ってる。おそらくミセス・ブラックも、そしてもちろんレグルスも、クリーチャーに優しかったのは一目瞭然。そのレグルスは心を入れ替えた、けれどその理由をクリーチャーに説明はしなかった、だって、ブラック家がモットーを変えずに由緒ある純血一家であり続ければ安全だもの。レグルスは家族を守ろうとしたのよ。たぶんベラやシシーもクリーチャーに優しかった。だけどシリウスはクリーチャーに辛く当たった。嫌だけど、それが真実。ハウスエルフにひどいことしてるとツケが回ってくるのよ」
ハーの指摘は痛いっすねぇ。そーいえばダンブルドアも言ってました。"I do not think Sirius ever saw Kreacher as a being with feelings as acute as a human's ..."(シリウスは、クリーチャーが人間と同じように繊細な感情を持っていると思ってない)

ハリーは丁寧に、クリーチャーに言います。「クリーチャー、座って。ぼく、キミにお願いしたいことがあるんだ。マンダンガス・フレッチャーを探して、ここに連れてきてくれないかな?とっても大事なシゴトだよ。レグルス様のシゴトの続きをやって、完成させるんだ。彼は無駄に死んだんじゃないって証明するんだよ。マンダンガスを連れてこられるかい?」
クリーチャーは目に涙をためたまま黙って頷きます。ハリーはハグリッドにもらったポーチから偽ロケットを取り出す。「これはキミが持ってて。レグルスの形見だから。彼はキミがしてくれたことに対する感謝の証として、きっとこれをキミに持っててほしいと思ってるよ」
クリーチャーはそのロケットをカップボードの毛布に包みました。クリーチャーの寝室の薄汚れた毛布は大事な宝物の保管場所。
トリオは、クリーチャーが留守の間、必ずこのロケットを守っておくと約束します。
クリーチャーはハリーとロンに深いお辞儀を、そしてハーにもなんだか痙攣でもしたような仕草を見せ(きっとそれはクリーチャーの最大限の敬意のこもった挨拶なんだけど)、そしてぼかんと消えました。

【メモ】

なんとも壮絶な、愛と死と忠誠と復讐!
この話を聞いているハリーはこの全貌を『HBP』で経験済みです。毒薬を飲んだのはDDっすから、ハリーは、レグルスと一緒に洞窟に行ったクリーチャーの役をやったわけですね。自分を愛してくれる愛する者と、あの洞窟を訪れ、その愛する者に毒薬を飲ませ続けなくてはならない。ハリーもクリーチャーも、愛する者が苦しんでのたうち回り力を失っていくのを、ただ見ていなければならなかった。そして、愛する者を置き去りにして逃げろと言われるわけです。毒薬を飲むほうよりもつらい役目です。
ヴォルディとクリーチャーの洞窟訪問の一部始終を聞いて、レグルスは怒りに震えたと思います。自分を呪ったと思います。この復讐劇は、クリーチャーのためであり、自分のためであり、断固たる信念のため、正義のため。取り返しのつかないことをしてしまった自分には、死とひきかえに暗黒卿に一矢報いること以外、道は残されていなかったんだろうと思います。ヘビ男と刺し違えてやろう、でなければ自分に救いはない。自責の念に押し潰されてもなお、最後にもう1度、立ち上がった。たったひとりで、凄まじい決意です。
クリーチャーはいわば奴隷。レグルスはご主人様です。この奴隷は、大好きな主人の命令を死に物狂いで忠実に守り抜き、命を投げ出すことができた。主人は、自分を慕うその奴隷のために、やはり命を捨ててまで壮絶な復讐劇を演じた。奴隷は、主人が死をもって戦う姿を目の当たりにします。ならば今度はトリオと一緒に、レグルスの弔い合戦をやろうぜクリーチャー、ととても思いますね。がんばれクリーチャー。

家族を守るために、レグルスはクリーチャーの口から真実が語られるのを避けたんですね。死の瞬間になっても優しさを失わず、勇気を失わなかった正真正銘の"獅子のハート"。ハーにはそれが痛いほどわかっただろうと思います。レグルスと同じ決意で、同じ覚悟で、同じことをして家を出てきたハーだから。

ハリーは、ある意味またしてもハートブロークンです。ジェームズは友人を大切にする勇敢な人でしたが、同時にいじめっ子でもありました。シリウスもまた、正義に燃える"白い羊"だったと同時に、ハウスエルフにひどい扱いをした。みんなそれぞれ、完璧ではない。美化しすぎた人物像と現実の間で傷心です。
それにしてもまぁ、ブラック家の兄弟はどちらも、なんて壮絶な人生を歩んだことか。さるお号泣。

ハリポタでは"16歳"というのは"17歳"と並んで人生の転機です。ヘビ男は16歳で実家をたずね密かに手を血に染める。シリウスは16歳で家族を捨て、レグルスとドラコは16歳でヘビ組入り。"オトナ"になる直前の、それぞれの人生の転機。子供時代と決別し、生き方を決定する瞬間を描いているんだと思います。ハリーもそうでした。16歳で、進む道はこれだと、覚悟を決めた。
また、ハリポタには、"自分を呪う"登場人物が多いです。自分の過ちを、運命を、愚かさを呪う。やっぱりハリポタはファンタジーなどではないと思います。等身大の、私たちの罪深い青春の姿そのものっすね。

心ゆくまでさるお、もんち!


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