2007年09月09日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 17

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは、修羅場を駆け抜けます。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

17:Bathilda's Secret

ハーの肩を抱いて、ハリーの背中を抱いて、墓地を後にするふたりですが、ハーが唐突に「ちと待て。誰かおるよ。こっち見てる、茂みの向こうから」と言います。ハリーには見えません。マグルに化けているけれど、ポッター家に花を手向けるマグルなんて変だもん。誰かに見られているなら、ちょっとまずいかもしれない。足早に墓地を出て、透明マントをかぶります。
時間も遅くなり、キャロルが、今度は人で溢れかえるパブから聞こえてきます。「こっち行こ」来た方角とは反対方向に、ハーがハリーを引っぱって行く。「バチルダんち、見つかるかな」
ところがいきなり発見したのは、"故郷"でした。"Fidelius Charm"は消失してるんですね、ちゃんと見えます、蔦に覆われ雪をかぶり、向かって右側の最上階が明らかに吹っ飛ばされている、その家が。吹っ飛ばされているのは、ヘビ男のAKがぼかんと跳ね返った場所に違いない。
ハリーは門に向かって踏み出します。そしてハリーが門に触れた瞬間、それが合図であるかのように庭の地面に文字が浮かび上がり、その文字は絡み合ったイラクサと雑草の表面を登り、周囲には花が咲きます。

1981年10月31日、リリーとジェームズが命を落とした場所。彼らの息子ハリーだけが、殺害呪文をただひとり生き延びて残された。マグルには見えないこの家は、ポッター家の記念碑として、破壊された当時のまま保管されている。暴力が家族を引き裂くことを、忘れないために。

この文章の周囲には、とてもたくさんの、様々な人の、サインが残されています。ハリーを応援するありがたい落書きです。
幸運を、ハリー、キミがどこにいても。
ハリー、キミの後ろにぼくらがついてる。
万歳、ハリー・ポッター。

そこへ、人影が近づきます。たくさん着込んだ、超高齢のとても小さな老婆です。ハリーたちから数ヤードのところで、こちらを向いて立ち止まりました。マグルだとしたら、見えるはずのない破壊された家を眺めてるなんておかしいし、透明マントのふたりも当然見えないはずです。いや、見えたとしても、今のハリーは禿げかかったマグルのおじさんです。
おかしい。彼女には、その家も、そして透明マントの下のふたりの正体も、見えているようです。
そして、手袋をした手を上げ、なんと手招きをしています。
何かが、とても変。怪しすぎる。
彼女はずっとここで、ハリーを待っていたのでしょうか?ダンブルドアにそう言われたのでしょうか、いつか必ず、ハリー・ポッターがここに来ると。ダンブルドアが透明マントを透かしてハリーを見ることができるように、この老婆もまた、そのような能力を持っているのでしょうか?「あなたはバチルダ?」ついにハリーがたずねます。すると老婆は頷き、また手招きをする。
思い切って、ふたりは老婆について行くことにしました。
老婆は黙ったまま、手入れのされていない庭を横切り、ある1軒の家に、ふたりを招き入れます。
おばぁちゃん、臭いんですね。加齢臭と、埃と、洗ってない衣類と、腐った食品と、混ぜ混ぜになったような強烈な悪臭を放ってます。
「バチルダ?」また彼女は黙って頷く。異様な状況にハーは不安になっています。
胸のロケットが、まるで間もなく破壊されると察知したかのように、トクントクンと鼓動しています。
「来なさい!」
初めてバチルダがしゃべりました。ハーはびっくりして、ハリーを止めようと腕をつかみます。
老婆は、魔法を使わず、マッチでロウソクを灯します。その部屋には写真立てがたくさんありますが、なぜか写真がほとんど抜き取られています。"Tergeo!" 埃をはらい、写真の入った写真立てを手に取ります。なんとそこに写っているのは、金髪でニコニコ顔の、あの"どろぼう青年"!そして気づきます。カエル部屋で見た暴露本の写真、ダンブルドアと腕を組んで笑っていた、あの顔じゃんよー!
ハリーはバチルダにたずねます。
バグショットさん、この人誰?知ってる人ですか?なんて名前の人ですか?なんて呼ばれてた人ですか?
ところが、老婆はまったく返事をしません。代わりに、ハリーを指さし、自分を指さし、天井を指さします。2階に行こうって意味だと理解したふたりですが、老婆はまた、ハリーと自分と天井を指さす。
「どうしてよ?彼女、正気?」と心配するハー。ハリーは「ダンブルドアが剣をぼくだけにって言ったのかもしれないし、ちょっと行ってみる。待っててー」と言うと、こっそりその写真をポケットに忍ばせ、老婆と階上に上がって行きました。

天井の低い寝室。真っ暗闇です。
"Lumos,"
杖の先に明かりを灯すと、いつ動いたのかわからないほどあっという間に、音もなく、老婆が突然すぐそばに立っている。気味わりぃー。そしてハリーに囁きます。「ポッターだな」
老婆は杖の明かりが嫌いなようです。
ロケットは、ますます速く鼓動しています。
そのとき老婆は目を閉じました。そして、複数のことが同時に起きた。
ハリーの額の傷跡が痛みだし、胸のロケットがハリーを引っぱり、暗くて臭いその部屋が一瞬"溶けた"ように感じる。甲高い冷たい声が叫びます、「ヤツを押さえとけ!」
やっぱり何かオカシイ。
老婆はまた囁く「そこだ」。ハリーは、カーテンのかかった窓の近くにある散らかった化粧台を見ます。老婆はじっと立っている。
老婆から目を離さずに化粧台に近づくハリーに、「それだ」と、老婆は洗濯物の山にようなものを指し示す。
一瞬、ほんの一瞬、ハリーの目は、そこにあるかもしれないグリフィンドールの剣を探します。そのとき、視界の隅で、見えた。バチルダの小さな身体の、首があった場所から、巨大なヘビが現れるのを。
ナギニちゃんがハリーに噛みつく。ハリーの手から杖がこぼれおちる。"Lumos"で灯した明かりが消え、部屋は暗闇に。ナギニちゃんの尾がぼっかーんとハリーを叩きます。
次の一撃をぎりぎりのところでかわすハリーの頭上に、粉々に割れたテーブルのガラスの雨が降る。ハリーはナギニちゃんに、床に押さえ付けられてしまいました。
「ハリー?」階下でハーが心配しています。
「おまえをつかまえたぞ」囁きが聞こえます。
"Accio Wand!" ところが何も起こらない。ナギニちゃんはハリーの身体に巻きついて、ぎゅうぎゅうと締め上げてきます。息ができない。冷たいロケットが胸に食い込みます。とても冷たくて、視界が真っ白、もうだめぽ。金属の冷たい心臓がドキンドキンと鼓動を刻み、あー、飛んでるんだ、ほうきもセストラルも必要なく、飛んでるんだ、勝利にひたって、飛んでる・・・

ナギニちゃんがハリーから離れます。そして上がってきたハーに向かって行く。ハーは横に飛び退いてナギニちゃんを避け、同時に呪文で応戦!ところがナギニちゃんにヒットせず、窓ガラスをふっ飛ばします。急に吹き込む冷たい風。再びハリーの頭上に、ガラスの雨が降る。よけようとすると何かコロコロした棒状のモノを踏んづけました。杖だー。慌てて杖を拾い上げると、どこか見えないところから赤い閃光がぶっ飛んで、ナギニちゃんにヒット。ハーが戦ってるんですね。
ナギニちゃんだって負けてないっすから、部屋いっぱいにとぐろを巻いて、頭を天井まで高く上げ、ふたりに襲いかかろうとします。棚は吹っ飛びチャイナ(食器)は砕け、部屋はもうぐっちゃぐちゃです。
"ヤツが来る!ハーちん、あいつが来る!"
ハリーの額はもう尋常じゃない激痛です。
なんとかしなきゃ。ヘビよりもっとおっかないヘビ男が来る。なんとかしなきゃ。
ハリーはベッドに飛び乗り、怪我をしているらしいハーをなんとか引きずるようにして、走り出そうとします。
"Confringo!" ハーだってへこたれない。ハーの呪文は洋服ダンスと鏡を大爆発させ、部屋中に破片が飛び散り、爆熱が広がります。
ハリーはハーを抱きかかえて、窓に向かって走り、外の暗闇へ飛び出した!
額の傷跡の痛みは、傷口がきっとぱっくり開いたっちゅーくらいに最高潮。ハリーはヘビ男で、窓に駆け寄り、白く長い指で窓枠をつかみ、身を捩りながら暗闇に飲まれていくマグルの夫婦を見ます。ヘビ男の激怒はハリーの激怒。ヘビ男の苦痛はハリーの苦痛。ヘビ男のものでもありハリーのものでもある、その絶叫が、クリスマスを告げる真夜中の鐘の音と重なる。

雨と風の夜、ふたりのコドモがハロウィーンの変装をして、ハロウィーンの飾り付けであふれる店に囲まれた広場を横切る。彼は、確信に満ち、正しさと力強さに溢れ、歩いて行く。このときを待っていた。
「おじさん、ナイスなコスチュームだNE!」
コドモが笑顔で近づき、フードの中の顔が見えると、恐怖で顔を引きつらせ去って行く。
広場から通りに入る。目的地はすぐそこ。"Fidelius Charm"が消失したことに彼らは気づいていない。
落ち葉の上をひきずる音だけ。静かに、静かに忍び寄る。
カーテンが開いている。黒い髪にメガネの男が、同じく黒髪の青いパジャマのガキと、呪文で煙を出して遊んでいる。煙をつかもうとしたり、煙にパンチしたり、そのガキはニコニコとあやされている。
暗い赤毛の女が部屋に入ってきて何か言い、ガキを連れて部屋から出る。男は杖を置き、あくびをして身体を伸ばしている。
門を軋ませ、庭に入る。ジェームズ・ポッターはその音に気づいていない。
杖を出し、玄関のドアを開ける。おどろいて玄関に飛び出してくるジェームズ。簡単だ、簡単すぎる、こいつは杖を持っていないじゃないか。
「リリーちん!ハリーを連れて逃げろ!走れー!こいつを足止めするから逃げるんだー!」
足止め?杖も持たずに?笑っちゃうね。"AK!"
緑色の光線で、ジェームズは糸の切れたあやつり人形のように倒れる。
階上から女の悲鳴。逃げ場はない。この女も丸腰で、ドアにバリケードって、こいつらバカか。
ドアを開け、積み重なった箱を杖の一振りでどかすと、女はガキを抱いて立っていた。そして、ガキをベビーベッド座らせると自分の背に庇い、両腕を大きく広げる。
「ハリーはやめてー。お願いだから。代わりにあたしを殺せばいいじゃん!」
「どけやこら、アホな小娘め」
「お願い、ハリーはやめてよー。どうか慈悲を。何でもするから」
「どけっちゅーとんねん!」
女をどかすこともできるけど、いいや、殺してまえ。"AK!"
ジェームズと同様に、糸の切れたあやつり人形のように倒れるリリー。
立てるようになって間もないガキは、ベビーベッドの囲いにつかまり、興味津々でこちらを見ている。パパが変装してやってきて、ママをやっつけたふりをして、これ何ごっこかな。
ガキの顔に杖を向ける。パパじゃないと気づいて、ガキが泣き出す。ガキが泣くのは大嫌い。孤児院でも我慢できなかった。
"AK!"
その瞬間、すべてを失っていた。苦痛と恐怖だけを残し、すべてを失った。ここから離れなければ。
そして彼は窓辺に立っていた。ちっくしょう。
ふと足元を見ると、信じられないモノが。
それは、探していた"どろぼう青年"の写真。

目を開けると、ハリーは寝かされています。毛布もある。ここはテントです。
「逃げて来られたね。"Hover Charm"であなたを運んで来たの。もうすぐ朝だよ。ヘビに噛まれたとこには"Ditteny"垂らしといた」
そうか。ハーがたすけてくれたんだ。目の下にクマをつくりながら懸命に救ってくれたんです。
「ロケットがね、あなたの胸にめり込んじゃって外せなくて、"Severing Charm"を使うしかなかったけど」
見るとハリーの胸には、ちょうど心臓の位置に、真っ赤な楕円形の跡がついている。ロケットに焼かれてしまいました。
「ロケットはバッグにしまった。ちょっとの間、身に付けるのやめようよ」
「ハーちん、ごめん。ゴドリックホロウに行くべきじゃなかったよ」
ハリーはハーに話します。「あの人、ヘビだったんだ」
細かいことは言わない、ばーさんの首からヘビが出てきたなんて、おっかないから。
「ヘビだから、ハーの前で話したがらなかったんだよ。しゃべるのヘビ語だから。ほんで、2階に行ったらあのヘビがヘビ男にメッセージを送った。ぼくの頭の中で、ぜんぶ聞こえたんだ」
今度はハーが話します。「たぶん私がやっちゃったんだと思う。ヘビが向かって来て、"Blasting Charm"をぶん投げたらあっちこっちに跳ね返って、ほんで・・・あなたの杖が折れちゃった。えーん。ごめん」
見るとまさかの真っ二つ。コアの羽がかろうじて木製部分をぶらさげています。ハリー呆然。
ハーが泣いている、ハリーもほとんど泣きそうですわ。「ハーちん、なおして!お願い、やってみて!」
ところが、"Reparo"はもちろん効きません。ハーが言います「杖はなおせないよ。ロンちんの杖が折れたときもどーにもなんなかったもん」と。
オリバンダーは捕らわれの身、グレゴロビッチは死んでしまった。いったいどこで新しい杖を手に入れればいのか。
矢尽き、弓折れました。どうしよう!

【メモ】

"Tergeo!"は、表面に付着した血やインクや埃などを拭き取る魔法です。

ハリーはヘビ男とニアリーイコールな状態で、ついに(ヘビ男の記憶を)目撃しました、パパママが殺され、自分も殺されかけたシーンを。しかーし、ヘビ男の隣には誰もいません。いったい誰が、目に見えない状態で現場に居合わせたのか?

ハリーの杖は真っ二つっす。葬儀で歌われたあの歌のように。

心ゆくまでさるお、もんち!


広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。