2007年10月02日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 21 (1)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは、ですりーはろうずが何なのかをついに知ることになります。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

21:The Tale of the Three Brothers

「ですりーはろうず?何それー?」
「キミら、聞いたことない?信じている人はごくわずかだけど。こないだの結婚式に来てたバカちんは、私が着けていたのが闇の魔術使いのシンボルなのだぁとか言って襲ってきたけど、そーゆー意味ではあのシンボルに闇など無い。私は、もしかしたら同士が秘宝の探求を手助けしてくれるかもって思ってね、自分はあの話を信じる派だってアピールしてるだけなんだ」
ゼノは"Gurdyroot"茶に角砂糖を入れて美味しそうに飲み始めます。えっと、味はまさかの、はなくそ味の百味ビーンズということで、想像を絶する素晴らしさですよね(涙)。
「キミたち、"The Tale of the Three Brothers"の話を知ってるだろう?」
ハリーはNoです。ロンとハーはYesです。
「おじさん、私、本持ってる」
ハーが、ダンブルドアにもらった古い『The Tales of Beedle the Bard』を出します。
「それオリジナル?」ゼノは登場したお宝に鋭い視線を投げかけて聞き、全員の理解のために「ハーさん、音読よろしくお願いします」と、朗読会がはじまりました。『だんご三兄弟物語』、あのシンボルが描かれているページから物語ははじまっています。

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『だんご三兄弟物語』

夕暮れ時、3人の兄弟が、曲がりくねった人気のない道を歩いていました。 どんどん歩いて行くと、深くて広い、危険な川がありました。歩くには深すぎ、泳ぐには広すぎ、渡ることができません。そこで兄弟は、魔法の杖をひと振りし、橋を作りました。
橋の中ほどまで歩くと、フードをかぶった者が行く手をさえぎりました。
"死神"は兄弟にこう言いました。「おまえらよー、だんご三兄弟よー、こんな橋なんか造ってよー、この川を渡る旅人が死ななくなったら商売あがったりじゃんよー」
狡猾な死神は、死を回避した知恵と素晴らしい魔法の褒美として、兄弟のほしいモノを与えてやると言いました。

いちばん年上の戦士は「ほんなら杖をくれ。最強のやつね。死神に勝った者にふさわしい、負け知らずのやつ、ちょーだい」と言いました。死神は、土手のニワトコの木の太い枝から杖を創り出し、それを長男に与えました。(the Elder Wand)
高慢な次男は、さらに死神に恥をかかせてやろうと、「ほんなら死んだ人を呼び戻せるモノをちょーだい」と言いました。死神は、土手の石ころを次男に与え、「これは"復活の石"、これで死んだ人が帰ってくるよ」と言いました。(the Resurrection Stone)
いちばん若く、謙虚で頭の良い三男は、死神を信用しませんでした。「死神に跡を追われずにすむようになるモノをちょーだい」と言いました。死神は、嫌々ながら、自分の透明マントを三男に与えました。(the Cloak of Invisibility)
死神は兄弟のために道をあけ、3人の兄弟は橋を渡りそれぞれ別の道を旅して行きました。

いちばん年上の戦士は、ある村に辿り着きました。長男は、自分と対立する仲間の魔法使いを探し出し、決闘をしました。無敵の杖は負けることがありません。長男は、決闘の相手の死体を床に置き去りにし、「無敵の杖があるから誰もオレ様には勝てないぜーぃ!」と大声で自慢をしながら宿に入って行きました。
その夜遅く、ある魔法使いが長男の部屋に忍び込み、眠っている長男から杖を奪い、長男の喉を掻き切りました。
こうして死神は長男を連れて行きました。

高慢な次男は、ひとりで住んでいる我が家に向かいました。次男は石を取り出し、手の上でそれを3度回しました。すると、結婚しようと思っていた、亡くなった恋人が、彼の前に姿を現しました。恋人は、この世に属する者ではないために、悲しそうで、冷たいままでした。
次男はとうとう気が変になり絶望して自ら命を絶ち、ついに恋人と一緒になりました。
こうして死神は次男を連れて行きました。

死神は、長い間、三男を探しました。ところがみつけることができませんでした。
死神が三男をみつけたのは、三男が長い人生を生きた後、とうとう透明マントを脱ぎ、それを息子に与えたときでした。三男は、懐かしい友人と再会するかのように死神を迎え、満足げにこの世界から"死"へと旅立って行きました。

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「これが死神の秘宝(The Deathly Hallows)。杖がこうして縦の線でしょー、石が丸でしょー、んで、マントが三角、ほらねー、3つ合わせてですりーはろうずのシンボル」ゼノが羊皮紙に描いて見せます。
「本にはですりーはろうずなんて言葉、書いてないじゃん」反論するのはハーです。
「童話だもん、そんな言葉は出てこない。でもわかる人にはわかる。秘宝は3つ、それらすべてを持つ者は"死"を克服するんだよ」とゼノ。外はすでに日が傾いています。「ルナはもうすぐ帰ってくるよ」
あれれ?ルナちゃん、遅いなぁ。
「"死"を克服?」
「支配者(master)、征服者(conqueror)、勝利者(vanquisher)、呼び方はいろいろさ」
「じゃ、おじさんは、これらの秘宝が本当にあるって信じてるの?根拠は何?」
「お嬢さん、ルナがキミのこと言ってた、頭は悪くないけど、心が狭い、視野が狭いんだってね」ゼノったら、はっきり言うお人ですね(笑)。
「ハーちん、レイヴンクロウの帽子かぶれば?」ロンが冗談でお茶で濁そうとしますが、声が震えてまんがな。
「おじさん、透明マントが存在するのは知ってるわ。激レアだけど、たしかに存在する。でも他のモノは・・・」
「Ah, ミス・グランジャー、わかってないね。この透明マントは"ホンモノ"のことなんだもんねー。Disillusionment Charmをかけたやつとか、Bedazzling Hexのかかってるやつとか、Demiguise hairで織ったやつじゃないもん。そーゆー"ニセモノ"は数年経ったら効果がなくなっちゃう。けど"ホンモノ"は、どんなに古くなっても、それを羽織った人を本当に透明にできる。どんな魔法を使っても見えるようになんてできない。それが"ホンモノ"。"ホンモノ"を見たことがあるとでも?」
ハーちん、思わず黙ります。トリオは顔を見合わせます。みんな考えていることは同じ。そう、まさにゼノが言う"ホンモノ"とぴったり符合する透明マントを、トリオは(ハリーは)今ここに持っていますよ。
「ほらね、見たことないでしょー」沈黙の意味をゼノはそう理解したんですね。
「んじゃ石は?」気を取り直してハーが再び質問します。ところがゼノは「"それが存在しないということ"を証明できる?」と屁理屈で食い下がる。「"それが存在しないということ"を証明できないという理由で"存在する"って結論になるなんて、なんかおかしくね?」とハーは理屈で反論します。対照的なふたりっすね(笑)。
「杖は?」これは割って入ったハリーさん。
「たしかに杖はいちばん追跡しやすい。誰の手に渡ったか、その方法のおかげで記録が残ってるよ、途中途切れたりはしてるけど。この杖を手に入れるには、必ず前の持ち主から奪い取らなければならないんだ。杖は、Emeric the Evilを殺害したEgbert the Egregiousへ、その後いったん姿を消すが、後にGodelotが死んでHerewardが奪った。それからLoxiasがBarnabas Deverillを殺害して手に入れた。血塗られた杖の所有権争いは歴史書にも載ってる」
「今は誰が持ってるの?」
「さぁね!Loxiasに勝って杖を奪ったのがArcusかLiviusか判明せず、その後のことはわからなくなってしまった。歴史はその後をおしえてくれない」
沈黙の後、またハーが口を開きます。「おじさん、ですりーはろうずって、the Peverell familyと関係ある?」
驚いたのはゼノです。「お嬢さん、ですりーはろうず初心者だとか言っちゃって、なんだぁ!詳しいんじゃん!この話を信じ、秘宝を追う者の多くが考えてるよ、ペヴェレルがすべての鍵を持ってるってさ!」
「ペヴェレルって誰?」とロンが聞くと、「ゴドリックホロウの墓地にIgnotus Peverellの墓石があってさ、あのシンボルが彫ってあった」とハーが答えます。
「そうだよ!それが証拠だ!『だんご三兄弟物語』はAntiochと、Cadmusと、Ignotusの物語なんだよ」
ゼノは窓の外をちらりと見ると、「キミら、夕飯食ってくでしょ?」なんつって階下に降りてしまいます。ご自慢の、ルナが釣って帰るFreshwater Plimpyのスープを作る気まんまん。2階に残されたのはトリオだけです。

【メモ】

"The Deathly Hallows"をどう訳すべきか迷いましたが、物語に登場する"Death"さんは頭が大文字なので、"死神"でいいだろうと思います。"Hallows"のほうは意味が"聖職者"ですから、"死の聖職者"(これじゃ"=死神"ですが)というのが正しい直訳だろうと思うけれど、ゼノ曰く、the Deathly Hallowsは人物ではなく、杖と石とマント。"モノ"なのでやっぱり、聖なる宝、秘宝("聖宝"ならもっと正しい感じ)っすね。ということで、『ハリー・ポッターと死神の秘宝』・・・ヘビ男ヘビ男とさんざん言ってきて、ここにきてあまりに唐突な、まさかの死神登場です。(少し涙ぐみながら)

"Elder"はセイヨウニワトコです。誇り高い死と新しい生命を象徴する11月25日〜12月22日の誕生樹ですね。
"Resurrection Stone"は賢者の石に似てますね。賢者の石が死ななくなる液体を生み出すのと決定的に違って、こちらは死んでから甦る復活の石ですが。で、この石、黒いんじゃないかと思います。つまり、ダンブルドアが破壊したマーヴォロじいさんの指輪の石じゃないかな。ちなみに賢者の石は赤です。錬金術の過程をふまえて読んでみるのもおもしろいです。
そしてハリーのマントはもちろん"ホンモノ"。
この3つ、1つ目を持ったらかなりの確率で殺されそうだし、2つ目は気が変になる、ろくなことにはなんない。杖は常に、よりパワーハングリーな者の手に渡ります。石は継承者がどんな人々なのかわからないけれども、あの指輪だとすれば、マーヴォロじいさんが言ったとおり代々ゴーント家に伝わる家宝なわけで、ゴーント家はカドマス(Cadmus)・ペヴェレルの末裔ということになり、ヘビ男も次男坊の血筋なわけですね。3つ目のマント、これは平和のうちに天寿をまっとうできるアイテムで、『だんごペヴェレル三兄弟物語』によれば、父から子へ、子から孫へと受け継がれる。ハリーもパパさんから相続したわけです。ということは、ハリーはイグノートゥス(Ignotus)・ペヴェレルの子孫です。ここまでさかのぼれば、ヘビ男とハリーはご親戚ですね。
だんごペヴェレル三兄弟物語』、時代はいつなんだろう。サラザール・スリザリンより古いのかな。
で、この3つを集めると、支配者なり征服者なり勝利者なり、すごいことになるわけですね。死神の秘宝を全部持ったら、そりゃ死神にも勝てそうだ。
次男の末裔ヘビ男は、指輪を継承し、1つ目を獲りに行ってるはずが、じつは指輪はダンブルドアの手を経て、おそらくハリーが受け継いだ。ハリーはもともとマントを持っているので、ハリーもグランドスラム目指して、これから1つ目を獲りに行く。予想通り、"杖の王様"争奪戦になりそうです。
気になるのは、石がまだその本来の機能を失っていないかどうかです。Horcruxとしての機能はDDにより破壊されて消えましたが。
さて、生前のダンブルドアは、グリンデルバルドから取り上げた杖を持っていたんでしょうか。マントも一時期はあずかっていたし、指輪も最晩年に手に入れました。ははーん、ダンブルドアはよく似た石をふたつとも破壊してますねぇ。

Disillusionment Charmは例のカモフラージュですね。
Bedazzling Hexは具体的にどーゆーものかわかりませんが、上述のカモフラージュと似ていそうです。
Demiguiseはキケンな魔法生物ですね。

Emeric the Evilさん、Egbert the Egregiousさん、Godelotさん、Herewardさん、Barnabas Deverillさん、Loxiasさん、Arcusさん、Liviusさん。知らない人がいっぱいです(汗)。
Barnabas Deverillさんは、Barnabas the BarmyさんとかBarnabus Finkleyさんとか、うーん、紛らわしい。

心ゆくまでさるお、もんち!

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