2007年11月08日

さるおのハリポタツアー Harry Potter and the Deathly Hallows Chapter 24 (1)

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは、また号泣しながらドビーを送り、ハリーと一緒に、決意も新たに進みます。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。(内容はすべて反転文字にしてあります。)
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

24:The Wandmaker

「ドビー・・・ドビー・・・」
名前を呼び続けます。テニスボールの瞳に夜空の星を宿したままその薄い胸をナイフに貫かれた友人の名前を、呼び続ける、もう戻って来ないとわかっていても、呼び続けます。
ビル、フラー、ディーン、ルナが集まってきました。ハーはロンに連れられコテージの中です。
ハリーは手を伸ばしてドビーの胸に刺さった銀のナイフを引き抜きます。そして自分の上着で、大切にドビーを包み込む。波の音が聞こえています。
ディーンはグリップフックをシェルコテージに運び、フラーもそれを追い、ビルがエルフを埋葬しようと言います。そうだね、そうしよう。
ハリーの額の傷跡は焼けるように痛いままです。ヘビ男がまるほい邸で、お仲間を罰しているのが見えます。そのヘビ男の強烈な怒りさえ、今はかき消されていきます。ドビーを失った悲しみのほうがとてつもなく大きい。
「ちゃんとしてあげなくちゃ。魔法は使わないよ」
ハリーはスコップで穴を掘ります。シェルコテージの庭の外れの茂みの間に、ドビーが眠るお墓を、たったひとりで一心に掘る。魔法なんか使いたくない。せめて自分の身体を使ってドビーを送らなければ、だめなんだ。汗が流れ、手のひらにマメができても、一心不乱に掘り続けます。命を救ってくれた友人ドビーを、できるかぎりの誠意で送ろう。額の傷跡が激痛だけど、かまうもんか。

そうです、ついにハリーは"Occlumency"を習得したんですね。
ハリーがシリウスの死に涙を流しているとき、ヘビ男はハリーの心に入ってくることができなかった。あのときと同じです。今、ドビーの死を悲しんで、ハリーは"Occlumency"を使っているんですね。"深い悲しみ"、ダンブルドアはこれを"愛"と呼んだけれど、この"深い悲しみ"がヘビ男を遠ざけている。
冷たく固い大地が、汗といっしょにハリーの悲しみを吸い込んでいきます。額の傷跡の痛みも消えていく。深く掘った穴の暗闇の中で、自分の息づかいと波の音だけが聞こえます。
ですりーはろうず、ホークラックス、ですりーはろうず、ホークラックス・・・
穴を掘るリズムに重なります。
ですりーはろうずを求める強烈な気持ちも、怖れも、喪失感も、消えていきます。そしてまるで平手で頬をぶたれたように、今、はっきり理解した、今夜、何が起きたのかを。ヘビ男が今夜訪れた場所、会った人物、それが意味することを。"Nurmengard"の塔のてっぺんの独房で、ヘビ男が殺害した人物が誰なのか、そしてその理由。
ワームテイルのことも頭をよぎります。ほんの一瞬情けをかけたために死んだネズミ男の運命を、ダンブルドアは見抜いていた。
ダンブルドアは、いったいどこまで知っていたのか。
ロンとディーンが戻ってきました。ハーは徐々に回復しているらしい。フラーが介抱してくれているみたいです。
ハリーは一瞬、「なんで魔法でカンタンにお墓作んないの?」と質問されるんじゃないかと身構えます。でも、そんなことない。ロンとディーンはそれぞれスコップ片手に、穴に飛び込みました。そして3人で、また一心に穴を掘る。

墓穴の底に横たえたドビーを、ハリーは上着で丁寧に包み直しました。ロンは靴と靴下を脱ぐとドビーの裸の足にそっと乗せました。ディーンは杖を振って毛糸の帽子をつくり、ハリーはそれをドビーの頭にかぶせ尖がった耳を優しく覆いました。
みんなが集まってきます。外套を着たビル、大きな白いエプロンをしたフラー、フラーの茶色い部屋着を羽織ってまだちょっとフラフラしているハー、フラーのコートを着ているルナ。ハーをロンが支えます。
ルナは屈み込み、ドビーのまぶたに優しく手を置き、その大きな目を閉じます。「これでもう眠っていいのよ」
最後にもう一度だけ、茂みの隙間に粗っぽく掘られた墓穴の中の小さな友人を見下ろします。ハリーさん、ほとんど泣き崩れそうです。
幾重も並ぶ金色のベンチ、荘厳な白い大理石の墓石、大臣も来て、輝かしい功績が朗誦されて・・・ドビーの命だって、ダンブルドアの葬儀みたいなのに値するのに。ほんとはもっとちゃんとやってあげなきゃいけないのに。

「言葉を贈りましょ」ルナが言います。「ありがとう、ドビー、私たちをまるほい地下室から救ってくれてありがとう。あなたが死ぬなんて不公平。あなたがしてくれたことを忘れません。幸せに眠ってね」
「ありがとう、ドビー」「ありがとう」
ハリーも言います。「さよなら、ドビー」
ビルが杖を振ると、土がばっさりとドビーにかかります。そこは、赤土の、小さなお墓になりました。(a small, reddish mound)
みんなはコテージに歩き出し、ハリーはひとり残ります。
波に磨かれた大きな白い石を拾い上げ、枕のように、ドビーの頭があるあたりに置きました。そしてポケットの2本の杖の、短いほうを取り出して石に向かいます。こーゆーのはハーのほうが上手だけれど、ぼくが刻む。
HERE LIES DOBBY, A FREE ELF.
(自由なエルフ・ドビー、ここに眠る)

「・・・ジニーが休暇中でよかった。ホグワーツにいたら捕まっちゃってたよ」
ハリーがコテージに戻ると、ビルがみんなに話をしているところです。そしてハリーにも向かって、こう言います。「ウィーズリー家はミュリエルおばさんちに避難したよ。ロンがキミと一緒だって知られちゃったから、DEに狙われるんだよ。あ、責めてるわけじゃないからね。時間の問題だったんだ。パパもずっと前からそー言ってた。うちらって、最大の"裏切り者"一家だからさ。おばさんちには"Fidelius Charm"をかけてある。シークレットキーパはパパ。ここ(コテージ)も同じだよ、ここのシークレットキーパはぼく。もう仕事に行けないけどさ、今となってはそんなの大事じゃないしね。オリバンダーさんとグリップフックさんが回復したらおばさんちに連れて行こうと思うんだ。ここは狭いけど、彼女んちはでっかいからさ。フラーが"Skele-Gro"飲ませたから、グリップフックの足ももうすぐ治るし」
思いがけず、ハリーはこれに反対します。「だめ!ふたりと話があるんだ、大事なんだよ」ハリーの声は確信に満ちてしっかりしています。口調にも決意が表れています。
みんなびっくりして困惑顔です。
小さなキッチンで、血と泥にまみれた手を洗う。窓の向こうには海が広がり、シェルピンクとゴールドを混ぜたような朝陽が輝こうとしています。
もう、ドビーはおしえてくれない、誰がドビーをあの地下室に送ってくれたのか。でも、見たんだ、人の心を射貫くような、あの青く輝く瞳を。"Help will always be given at Hogwarts to those who ask for it." ホグワーツでたすけを求める者に、必ずそれは訪れる。
もうすぐ、ゴールはすぐそこまで近づいてる。
額の傷跡が疼きます。ヘビ男も同じ、核心に迫っている。
校長先生、あなたはロンにデルミネーターを与えた。わかってたんだ。ロンに戻る道をおしえたんだ。
校長先生、あなたはワームテイルのこともわかってた。彼の心に後悔のかけらが残っているって知ってたんだ。
校長先生、あなたはぼくの何を知ってる?
ぼくの使命は何だったの?探索?そーじゃなくて、理解すること?
ぼくの気持ちを知ってただろうか?どんなに辛かったか、知ってただろうか?あなたは、知っててこんなに難しくしたのか?

水平線から明るい光りが溢れ、太陽が昇る。
額の傷跡は怒っています。ヘビ男の見ている映像が、心の中に閃きます。見慣れた、懐かしい建物の輪郭。
ハリーは廊下に戻ります。「グリップフックさんとオリバンダーさんに話があるんだ。待てないんだよ、今すぐ話さなきゃ。プレイベートで。ひとりずつ」ハリーは感情を出さず、とても事務的な口調です。
「ハリー、どーなってんのさ?死んだハウスエルフと意識不明のゴブリンを連れて来て、ハーちんなんか拷問にあったみたいだし、どしたの?ロンは一言も説明してくれないし」ビルも心配しています。
「言えないんだよ」ハリーははっきりと言いました。「ビルはオーダーだから知ってるでしょ、ダンブルドアがぼくたちにミッションを残したって」
ビルはじっとハリーを見つめ、そして言いました。「わかった。どっちからにする?」

ハリーは迷います。ホークラックスか、それとも秘宝か。
そして決めた。「グリップフック」
「ならこっち。おいで」ビルが歩き出します。ハリーは後ろを振り返り、「ロンちん、ハーちん、一緒に来て」と呼びかけます。ロンとハー、遠慮がちに様子をうかがってたんですね。ハリーに呼ばれてなんだかほっとしてるみたい。
「ハーちんだいじょぶ?あんなに目に遭ったのにあの筋書きを思いつくなんて、ハーちんすごかった」ハーが少し微笑みます。
階段を上がると、ドアが3つ。新婚さんの寝室に入ります。ここも海を望んで、朝陽を受けてキラキラと、こじんまりとしていい部屋です。
ハリーは海に背を向け窓辺に立ちます。ハーは椅子に、ロンは椅子の肘掛けに腰掛けます。
ビルはゴブリンを抱いて来ると、部屋を出てドアを閉めました。

【メモ】

"spade"はほんとは"鋤"(すき)です。日本語で鋤だとあまりに"農"の香りがするので、そしてこれは"スペード"の形の道具ということで、勝手にスコップと書きました。

"a small, reddish mound"
出たぁーっ!"赤いお墓"!これだったんすね、3つ目は!(詳しくはこちらをご覧ください)
ということで、さるおはこの時点でハグリッドが死なないことを確信します。Joが発売前に言っていたことの一部はこれっすね、きっと。

"Skele-Gro"、懐かしい!フラーはマダム・ポムフリーと同じことできるんすね、すごいなぁ。

"Help will always be given at Hogwarts to those who ask for it."
ダンブルドアが言ってました、一言も聞き漏らさないように、とてもゆっくりと、とてもはっきりと。"I will only truly have left this school when none here are loyal to me." 私は決してホグワーツを去らない、私に忠実な人間がいなくならないかぎり。


心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:52| Comment(23) | TrackBack(0) | ハリポタ and the Deathly Hallows | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする