※ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからシリーズをご覧になる方は気をつけてねー。
『SAW IV』には、おかしな点がいくつかあります。
まずは『SAW』の時系列を整理してみます。間違ってるのに気づいたらおしえてください。
『SAW IV』の中でジルは、自分は計画妊娠をしたと言っています。そしてジョンがセシルをとっつかまえるチャイナタウンらしき場所の回想シーンは"ブタ祭り"開催中。このお祭りは春節(旧正月のお祝い)ですね。YEAR OF THE PIGの文字が見える。ブタは縁起がいい。この場合のイメージは子ブタちゃんで、コドモがすくすく元気という意味っすね。だから"ブタ年生まれ"とか"ブタ年に出産する"というのは幸運なわけです。
ジルの妊娠(というより出産予定)はブタ年で、ここがすべての始まり。そしてこれが後々ジョンが愛用するブタマスクの起源になっていくわけですよね。
さて、ブタ年というのは日本で言うとイノシシ年です。癸亥(みずのとい・きがい)の1983年、乙亥(きのとい・いつがい)の1995年、丁亥(ひのとい・ていがい)が2007年です。
『SAW』は現代劇で、携帯電話やパソコンは出てくるけれど"夢の技術"は出てこない。舞台はまさしく今です。すると、登場人物の年齢や数々の事件の経過を踏まえ、こりゃ1995年のことだろうと思えます。
ということで、ジルの妊娠は1994年になるはずです。
1994年 ジル妊娠
1994年末〜95年はじめ ギデオン君死亡(*1)
1995年2月 ジョンがセシル・アダムズ(Cecil Adams)を拉致ってゲーム
2004年3月24日 ジョンのカルテ作成(ガン告知)
2004年3月24日以降 ジョンがクルマで崖からダイブ自殺未遂
2004年4月28日 ポールのカミソリワイヤーゲーム(3週間後に警察が現場発見)
2004年6月14日 マークのロウソク持って金庫開けゲーム
2004年7月23日 アマンダのヘッドギアゲーム
2004年末〜2005年はじめ バスルームゲーム(*2)
2005年7月下旬 マイケルの目に鍵ゲーム(*3)
2005年7月(マイケルの翌日) 屋敷で集団ゲーム/エリックの我慢ゲーム(*4)
2006年1月中旬 アート(Art Blank)とトレバー(Trevor)の瞼縫い唇縫い綱引きゲーム(*5)
2006年1月末〜2月のはじめ トロイの全身ピアスゲーム(*7)、同日夜にアリソン・ケリー(Allison Kerry)拉致
2006年2月ケリー拉致の翌日 エンジェルトラップでケリー死亡
2006年2月ケリー死亡の4日後 ケリーの遺体発見(*6)
2006年2月ケリーの遺体発見と同日の朝 ジェフ・レインハルト(Jeff Reinhart)拉致/コーベット(Corbett)行方不明(拉致)
2006年2月同日の夜 リン・デンロン(Lynn Denlon)拉致、夜中にリグ(Daniel Rigg)が襲われる
2006年2月翌日 ジェフ3つのテスト、リグ3つのテスト(*8)
2006年10月21日 ジョン(52歳)の遺体確保と解剖

*1:クレイマー夫妻は妊娠7ヶ月でギデオン君を亡くしている。
*2:1作目『SAW』のバスルームのゲームは、アマンダのヘッドギアゲームでローレンス・ゴードンが任意同行した一件から5ヶ月後。
*3:『SAW II』はローレンス・ゴードン失踪から7ヶ月後。
*4:『SAW II』の集団ゲームは、エリック・マシューズがマイケルの遺体を確認した翌日のように見える。
*5:エリック失踪から5.5ヶ月後。レイプ魔アイヴァン(Ivan Landsness)が死んだ部屋を調査中、ストラーム捜査官(Peter Strahm)は、その部屋の借り主アート・ブランクが2週間前から行方不明だという報告を部下から受けている。
*6:ホフマン刑事(D. Hoffman)が、エリックは半年前に行方不明、ケリーは4日で殺された、というセリフをリグに言っている。
ちなみに、2005年7月以降2006年2月までの間に、少なくとも2冊の、ジグソウ本が発売されている。TIM BLAKE著のドキュメンタリー『JOHN KRAMER AKA JIGSAW -IS HE THE MURDERER THE POLICE SAY HE WAS-』 と、雑誌のように見える『MODERN CULTURES』(DET. ERIC MATTHEWS、IT'A ALL IN THE TRAPS、influential criminal mastermindsなどの特集を組んでいる)
*7:ケリーの遺体発見が拉致の4日後だとすると、トロイのゲームはアートのゲームから10日後くらいになる。
*8:ジョン、アマンダ、リン、ジェフ、エリック、アートが死亡。
さて、1995年2月から癌告知まで、9年間もあります。オカシイ。何やってたのかな。
そして自殺未遂からわずか1ヶ月で、カミソリワイヤー。ずいぶん治るのはやいぞ。
アート弁護士も、回復力と立ち直りのスピードは驚異的。
そして指紋照合の報告書にあった"04/28/06"の文字(28にも25にも見えますが)。2006年2月だと思っていたのエンジェルトラップは2006年4月28日なんだろーか。
さらに、ジョンの解剖、ジョンが死んでから8ヶ月後?フレッシュそうな死体なのに?そんなのオカシイ。すごくおかしい。
さらに、リンの愛人クリスは、リンのシフトについて"火曜は11時から"だと言っている。2006年2月で火曜日なのは7日14日21日28日です。リグの指紋照合の2006年4月28日は金曜日。ジョンの解剖2006年10月21日は土曜です。
こうして時系列を確認しようとするだけで、こんなにオカシイことがある。何かが間違っています。何かまだヒミツがある。
あの、現実味のない解剖室。あそこは何かがオカシイ。
自殺未遂の傷跡はどうして"無い"のだろうか?
ジョンの脳の重量はどうして"無い"のだろうか?
何かがとってもオカシすぎー。
心ゆくまでさるお、もんち!