2008年11月20日

映画『SAW V』推理4 アマンダ宛ての封筒の中身と『III』の別エンディングが少しわかったような

さるおです。
Are you there detective?
なぜこのテープは"ホフマン宛て"ではなく"刑事さん宛て"なのか?
いつもはね、ハロー誰それ、とか言うのに。
そのあとに続く言葉です。
You must be the last man standing.
あなたは"刑事さんとして最後の1人"だと言うわけですね。
"他にはもういない"ということがはっきりしている。本当は"刑事さんなら誰でもいい"宛てじゃなくて、特定の人物宛てです。
実際にこれを聞いたのはホフマンで、しかも『SAW IV』でホフマンはジョンの協力者(後継者)だということがわかっている。当然、ジョンはホフマンを知っているはずです。
他に誰もいなくて、確実にホフマンが聞くことがわかっていて、ホフマンは顔見知り。飲み込んだということは、テープが再生されるのは自分の死後と決まっている。なのにどうして、ハローホフマン刑事じゃないのか。

ちょっと被験者リストを見てみます。
タップ、シン、エリック、ケリー、リグ、ホフマン(ラマンナさんはアヤシイだけなのでちょっと別に扱います)
これは巻き込まれたケーサツ関係者。殺人課が5人とSWATの隊長さんで、この中で生きているのはホフマンだけ、という状況です。いや、ほんとはこれはオカシイ。今まで殺人課5人でやってたシゴト量があるわけで、人員が8割減ったらもういいかげん補充しないと(笑)。
ははーん、なんとなくですが、主役級(エリックとリグ)以外はみなさん独身かもしれんですね。

ついでなのでもう少し被験者リストを見てみましょう。
ゴードン 死を宣告しまくり/浮気 AoM
リン 死を宣告しまくり/浮気 AoM
この2人はそっくりです。
タップ、リグ、ジェフ。この3人も執念だか執着だかでよく似ている。
ゴードン、エリック、ジェフとリン、リグ。1作品に1人(1組)ずつ、家族を持つ主役。
あとは、病院(AoMとHBC)からリクルートされた人たちがたくさん。

はっきりと言えるのは、ジョンが病院とケーサツに深く食い込んでいるということです。
考えてみれば、病院もケーサツも、困ったときに人を救ってくれるところっすね。救うはずの人々が次々とジョンに叱られているわけです。救済者を試して救済するなんて皮肉な状況、きっとこれはすごく大事っぽい。
そして"the last man standing"になるまで、ジョンはおまわりをテストし尽くして、みんなゲームに負けちゃうから死んじゃった。
ジョンがケーサツというものに望んでいることは何なんでしょーか。これじゃおまわりが誰もいなくなっちゃう。ケーサツ内部に協力者が必要なだけなら、ホフマンなりを味方につけて、それでもういいはずです。エリックのような悪徳刑事にお仕置きだ、っちゅーのはわかるんですが、それはおそらくアマンダの趣旨であって、ジョンが何を目指しているのかがわかりません。
とにかく、本来なら人々を救うはずの医者やケーサツが病んでいる、それに怒っているのは間違いなさそうです。

ここで、テープが"刑事さん"宛てだった理由を知るために、話は『SAW III』に戻ります。

ジョンは"刑事さん"宛てのテープを、アマンダが封筒を確認した直後に飲み込みます。それまではテーブルの上にあった。手元にあったとはいえ、ジョンは寝たきり。アマンダがテープを奪い取って聞いてしまう可能性はあります。
アマンダは、ホフマンの存在を知っていた。たとえばエンジェルトラップ、あれはアマンダの作品だろうと思われますが、ケリーを吊るしたのはホフマン。ストラームのこの推理はきっと当たっていたんだよね。当たっていたからこそ、ホフマンは一瞬とても迷惑そうな表情をしたんだと思います。
ホフマンとの共同作業をアマンダがどう思っていたかは不明です。なんとなく、ジョンを独り占めしたいアマンダとしては、ジョンの信頼を得ている人間が自分の他にもいるというのは気に入らなかったんじゃないか、そんな気はします。タイムアップ寸前にケリーの前に現れてみせたのも、アマンダの自己主張のように思えるし。
ところが、アマンダはホフマンの職業を知らなかった。そうかもしれないっすよ。
アマンダが自分宛ての封筒を開封するより前に"ホフマンが刑事"だということを知らせないため、あのテープは刑事さん宛てだったんじゃないかな。もし事前にあのテープを聞いても、ジョンが試そうとしているのは"残りの、とある刑事さん"だとアマンダは思うはずです。

さて、一方で、アマンダは手紙を読んで動揺しまくり。アマンダが嫌がることが書いてあったからです。
『SAW IV』を観た今、『III』の時点でエリックは氷の上で生きていたことがわかっています。もしもリグがゲームに勝っていたら、どうなっていただろう。アートは言いました、時間がきたらみんな自由だと、装置を止める(あるいは自分を含めた全員を解放する)スイッチのようなものを手に持って。ということは、リグがゲームに勝てば、エリックは晴れて自由の身となる。そして、何をするかといえばもちろん、ダニエルを探して、アマンダを殺しに来る。うん、そうだと思います。
これは嫌です。アマンダにとっては最悪のパターンっすよ。"後継者はおまえの他にいるぞ"という内容もショッキングではあるけれど、"エリックの命は救った。彼は生きていて、今は別のゲームに参加中。勝てば自由になるよ"のほうがショック倍増。アマンダが動揺しまくるのは当然です。封筒の中身はこれだと思いますね。
さらに、あの資料の量から考えると、これだけじゃない、別のことも書いてあったはずです。それはやはり、コーベットちゃん探しのことだろうと思うわけです。仮に『SAW III』でアマンダが勝ったとします。つまり、4つの命は失われなかった。アマンダがリンの首輪を外し、みんな生きているとする。ジェフはすったもんだで辿り着いたばかりだからちょっとパニクるとは思いますが、ま、落ち着いたとします。この時点で、リンにとってジョンの生死はどーでもよくなるわけですが、ジョンが「コーベットちゃん探しをやろう。答えは私しか知らない」と言い出すので、誰もジョンに手出しはできない。
ジョンは別の部屋で別のゲーム(エリックとリグ)が行われていることを把握しているなずなので、リグが勝てば4人(怪しまれないためにホフマンも)は逃げ、リグが負けた場合にはホフマンが自分たちと合流できることを知っていると思われます。
さて、コーベット探しのゲームはどのように行われるか。答えを知っているのはジョンのみ。アマンダとジェフ&リンはプレイヤーにならなければなりません。ということは、プレイヤーとしてアマンダがしなければならないこと、それが手紙に書いてあった。
アマンダがしなければならないこと、それはアマンダにとっては嫌な役目だったろうと思います。殺してやりたいとさっきまで憎んでいた、ぜんぜん改心しないムカつく女医の娘。ジョンの用意したテストに次々と合格して自分の存在をおびやかす男の娘。そのガキを救うために、アマンダは大きな犠牲を払わなければならない。
そしてこれにはアマンダが拒否できない事情があるはず。アマンダがプレイするかしないかで、ホフマンの役割が変わってくるんだろうと思います。しかも、もうすぐにです。
このタイミングでアマンダは手紙を読み、ホフマンとエリックもまた"仲間"であることを知る。
アマンダには、エリックが今度もまた生き延びたかどうかがわかりません。かつてエリックを生かし続けた人物がゲームを仕切っているなら、今度もまたエリックを生かしたかもしれない。するともう、タイーホとかいうのはとんでもない恐怖っすよ!殺されに行くようなもんだ。
そもそもアマンダはすでにケーサツに顔が割れています。ジョンはいい、タイーホされようが殴られようが、死ぬんだから怖がっていません。アマンダはそうはいかない。4人が生き残り、いや、ジョンは死んでしまうかもしれないですが、とにかくあの状況に"ケーサツ"が来れば、ジェフ&リンは躊躇なくアマンダを突きだします。タイーホは嫌だ。しかもエリックが生きているとなればもう、単純な"タイーホ"では済まない。なにがなんでも嫌。
けれどアマンダにはこの時点で、夫婦を殺してとりあえずあの部屋から逃げ出し、その後遭遇する全ての人間を殺して逃げおおせない限り、たすかる方法がまったく存在しないんすよね、向こうのゲームの状況もわからないのに。八方ふさがり。
選択し得る唯一の道は、おそらくジョンが涙を流して最後に望んだアマンダの勝利だったのではないかと思います。コーベットを救出し、殺す側ではなくて生かす側になることだったんじゃないか。そしてさらに、もしかしたらホフマンや、生きていればエリックとも、再び対決しなければならないのかもしれません、ゲームで。つまり、決着を付けなければならない。ジョンはそれを望んだのかもしれません。

実際の展開は違いました。ジェフだけが残った時点でストラームが来るわけで。

ここまで考えてみると、『SAW V』でコーベットちゃんがどうなるかはだいたい予測できるかな。
ゲームの途中でジョンが死んで、ホフマンが続きを継承する。ホフマンがコーベットちゃんの居場所を知っているのはほぼ間違いないっすよね、ぬいぐるみの件があるから。でももうゲームをするプレイヤーもいなくなっちゃったし、コーベットちゃんを殺す理由もありません。となれば居場所を知るホフマンがさっさとコーベットちゃんをたすけて保護し、がんばったフリをしていれば済みます。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:50| Comment(4) | TrackBack(0) | さるお発『SAW V』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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