2009年02月24日

映画鑑賞感想文『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』 その2

さるおです。
昨日のエントリーの続きです。

考えてみれば、ゲバラはキューバで、ソ連相手に砂糖を売って、そのお金で石油とか機械とかをソ連から買って、工業分野もがんばろうや、と思っていた。アメリカはキューバを諦めたわけではない。だからある程度ソ連と仲良くするのはしかたないや、ソ連のミサイルをキューバに置いたりとかもしかたないや、そう思っていた。でも思い通りにはならなかったんですね。ソ連は砂糖を安く買って石油は高く売ろうとしたし、ミサイルのことはソ連とアメリカが勝手に話しあい「まぁまぁまぁ」ということになり(対米平和共存路線)、キューバは仲間外れにされました。そのころにはもう、理想郷だったはずのカストロ体制はソ連の庇護なしには維持できなくなっていたわけです。
だからゲバラは嫌になって"別れの手紙"を書いた。まだ世界のどこかに手に負える正義があると信じて、革命家に"なりたくて"、"別れの手紙"を書いた。勝利するまで私はキューバに帰らない。つまり、勝利したらキューバに帰ると。
社会主義は、帝国主義による搾取の共犯者になってはいけない。社会主義は、人間による人間の搾取をなくさなければ。ゲバラはそう演説し、ソ連にはもちろんソ連が名指しで批判されたのだとわかった。ゲバラって邪魔なヤツ、キューバに戻られても困る。
そのソ連の事情の延長線上でカストロは手紙を読むわけです。少しアレンジして。
「勝利する日まで。さようなら。チェより」
そんな感じに。
はぁ。もう帰るところはありません。無事に帰れる場所をすでに失ってしまいましたよ。
ここでゲバラは"解放すべき国"コンゴへ行くわけです。植民地だったんだから独立を認めるかわりにコンゴの一部をよこせというベルギー、コンゴ政府に金を出して共産主義国にしようと思うソ連、そこへゲバラが乗り込んで、ベルギーを追い出し革命を指導しようとした。でも行ってみたらコンゴ人はやる気ナッシングで、みんなついてきませんでした。
そしてボリビア、という流れです。ソ連の"対米平和共存路線"後のことです。事実上、ゲバラが戦った相手は、アメリカとソ連だった。ソ連はキューバにゲリラ支援をするなと言ってある。そして共産主義国という見返りがあるなら金は出してもいいけれど、戦争には関わりたくない、それがこのときのソ連。
そしてソ連とアメリカが地球のほとんどの場所で決定的な影響力を発揮していた時代です、まぁ今も同じだけど。共産主義、社会主義のあるところ、ソ連の力が及ばないわけがない。
で、あてにしていたボリビア共産党からの支援が得られなかった。事前に交渉して確実にしておくとかね、準備してないんだもん、これは予測すべきだったかもしれない。
政府は鉱山労働者を怖れている。ゲバラに吸収される前に叩いておこう。これも予測すべきだったかもしれない。
キューバで痛い目に遭ったアメリカが、ボリビアでは対ゲリラ戦の準備をしていた。これも予測すべきだったかもしれない。情報なんて漏れるもので、ボリビアにゲバラが来てるとわかった以上、ゲバラの都合を待ってくれるはずもないわけで。
そして、農民たちに裏切られた。そう、圧制なんてめずらしくもない、でも、理不尽な制度の中でこそ安穏と従って生きていく、その程度の弱さと愚かさと知恵を持っているのが国民というもの。搾取されることで生きていくことができる、"悪"であっても社会として成立している、そーゆー考え方が、たしかにあるんですね、ゲバラのような人にはわからないかもしれないけど、さるおだってほんとはわかりたくないけど。まさに映画『マンダレイ』っすよ。革命なんて必要なかったんだ。お百姓が畑を手に入れた、それでもういいんです。農民たちに"裏切られた"わけではなく、農民たちは"選んだ"、それだけだったんだなぁ。黄金の玉座に座る乞食、それは結局今も変わらないわけで。

なにかとてつもなく"負け戦"の匂いがします。
ゲバラのゲリラ部隊は小さくなるばかり。進路は無く、退路も閉ざされ、取り囲まれ、もうだめだ、白虎隊だ。

パンフレットを読んだらね、ベニグノの言葉が書いてありました。
「我々はボリビアの人々を、帝国主義がもたらす悲惨な状況から解放することを目指してそこへ行ったのではなかったか。しかし農民は、我々から逃げるばかりだった。それどころかしばしば、我々のことを官憲に密告するのであった。実際のところ我々は目隠しをしてそこへ行ったも同然だった。事前の政治工作もしなかったし、政治に関心がある農民との接触すらしていなかった」
胸が痛いっす。
どーして?
どーしてなんだ、チェ(ねぇきみ)?
ボリビア行きを決めたのは、ゲバラだったのか、それともカストロだったのか。チェ(ねぇきみ)、あなたとフィデルの間には、何があって、何が無かったのか。
ゲバラが広島で何を思い、何を理解し、何を理解しなかったのか、それも聞いてみたいし。

ゲバラは革命をこう定義した。
「最大多数の人民の幸福ために、人民多数派の自由意志で政策を決定して実行するのが革命」
夢見たのは、真の民主主義だったわけです。作品にゲバラの"思想"の部分は描かれていないんだけどね。
読みきれなかったゲリラ依存症の男。そう、それがゲバラだと思います。
この作品には、というかゲバラには、多くの"もしも"がつきまとう。もしもゲバラにどれかひとつでも読むことができたなら、どーなっていただろう。

違うか。
頭いい人だったんだよな。
革命家になりたかった軍医あがりのゲリラ屋。チェ(ねぇきみ)、あなたは革命家としての死に場所を求めていたんじゃないのか。いや、夢はすでに終わっていると知ってなお、革命家であろうとしたんじゃないのか。戻ることはできなかった。敗北への道を、知っていて歩いたんだ。革命家にはなれないと、知っていたんだ。チェ(ねぇきみ)、そうなんだろ?
バカなチェ。愚かな男。それでも現実は過酷すぎて、やっぱり全力で絶望と戦ってしまう、ほとんど自殺願望のゲリラ依存症の男。
そしてまた、ゲリラ屋ではなく医師であり続けたゲバラ。戦場にわざわざ怪我しに行って、わざわざ死にに行って、治療しまくるゲバラ。へんな人。さるおは少し胸が苦しいよ。
でもね、もしどれかひとつだけゲバラを選べと言われたら、ボリビアのゲバラを選んで記憶しておきたい。こんなクレイジーな人間が、歴史にはいてもいい。こんなクレイジーな人間が、歴史にはいたほうがいい。敗戦の道を行く、革命家になれなかったゲリラ屋が、人の歴史で輝いているなぁ。
チェ(ねぇきみ)、さるおはあなたがとても好きだと、伝わっているかな。

心ゆくまでさるお、もんち!


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2009年02月23日

映画鑑賞感想文『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』 その1

さるおです。
『CHE: PART ONE THE ARGENTINE/チェ 28歳の革命』『CHE: PART TWO GUERRILLA/チェ 39歳 別れの手紙』を劇場で観たよ。
監督はスティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)です。ということは、『OCEAN'S/オーシャンズ』シリーズのようにとてもわかりやすいか、あるいは『SYRIANA/シリアナ』のようにまるでわからないかのどちらかであって、題材がゲバラということはもう後者なのは間違いなく、そこは覚悟して観ないといけない。"わかりにくい映画だ"というレベルで文句タレんのはナンセンスっすね。
出演はさるおがほとんど惚れているベニチオ・デル・トロ(Benicio Del Toro)さん。

まぁ実際観てみたらわかりにくいところはなかったです。でも、『パート1』についてはとてもソダーバーグ的な"ある種のつまらなさ"はある(笑)。だって、"山場"となるはずの部分だけをわざわざ削ったみたいなんだもん(爆)。船に揺られていたと思ったら、次の瞬間キューバに上陸してましたよ。キューバ上陸の瞬間が無いんです、かなーり壮絶で悲惨なシーンになるはずの、この映画における"最初の山場"になるはずなのに。
でもまぁね、2部作を立て続けに公開した以上、これは1本の映画ととらえるべきで、『パート1』に"山場"がないのはあたりまえ。革命が成就するわけですから物語としてはちゃんと山場はあるんだけど。
あと、"思想"という側面が希薄っすね。マルクス思想をどう捉えどう展開していくか、なんてことは作品に出てきません。"戦う理由"を省いたあたりはまことにソダーバーグ的(笑)。

そうそう、老け顔俳優ベニチオ・デル・トロに28歳の革命は無理だと、じつは『パート1』を観始めた瞬間に思いました。さらに、『Diarios de motocicleta/モーターサイクル・ダイアリーズ』のガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)をすでに観てしまっている今となっては、ベニチオがいくら激ヤセしてみたところで、やっぱり少し体がデカすぎるな(実際のゲバラがガエルほど線が細いわけではないですけど)、ということで、大変申し訳ないことではありますが、本人ののめり込みようや評判とは裏腹に、こいつはチェじゃない、ベニチオだ、というところから離れられませんでした。そして案の定、『パート2』のラストではさるおが好きで好きでたまらない"ヨレヨレ"のベニチオ登場、さるお的には嬉しいけれど、どーも50代にしか見えないぞと、感動しつつも戸惑ったわけですよ。ところが、そのさらに後の、あのグランマ号に揺られる冒頭のベニチオを観たら、「お!若い!35歳くらいに見える!」となぜか思えたというベニチオ的マックスの奇跡。

映画はとてもおもしろかったです。
この作品は、「正義が負けた、革命家の夢が終わった、それでもゲバラの存在はきっと希望の種を蒔いただろう、世界は続いて行くのだから」という話ではないし、「愛と正義を貫いた孤高の革命家が、政治と軍部、あるいは卑劣なプロパガンダ、統制、人民の弱さや裏切り、そして圧倒的な武力の差により、戦ったけれども破れてしまった」などという話でもないと思う。
本当のゲバラは知らないけれど(ゲバラについてはこちらにも書きましたよ)、ソダーバーグを信じて(ソダーバーグだって本当のゲバラを知らないけれど)、まず、エルネスト・ゲバラが"革命家になりたかった理想主義のゲリラ屋"だというところから入らないといけないなぁと思います。
ゲバラに思いを馳せたくなる作品なので、映画の感想文という枠をちょっと超えてみます。

キューバ、ボリビア、それぞれに事情が違う。
キューバもボリビアも、革命の土台はたしかにあったんだけど。

キューバはヨーロッパに"発見"されて以降スペインの植民地になった。で、独立したいから1回2回と国民は戦争を起こしています。当時のスペインはものすごく強くて、人民軍は負けてしまうわけですが、そこへアメリカが得意の介入。キューバ人には「たすけにきたよ」って言えばいいや、ということで、アメリカという資本家によるあらたな搾取がはじまる。今度こそ独立だ、現在の敵はアメリカだ、ということで立ち上がるのがフィデル・カストロ率いる革命軍ですね。つまり、革命の首謀者はカストロで、ゲバラはそれに乗っかったわけです。
カストロの革命軍はキューバ人で組織されていた。外国人はゲバラだけです。自分の祖国の革命が目的の軍隊だったわけです。
しかもカストロという人は、大学で法律を学んだ後弁護士として貧しい人々のために働き、2年後に議会選挙に打って出ると見事に当選。この当選をバチスタのクーデターによって無効にされると、カストロは130人の同士を集めて自前の部隊を作り、バチスタの兵営を襲撃する。うまくいかずに仲間の多くを失い、カストロ自身も投獄されるんだけど、釈放されるとメキシコに亡命、さらにアメリカに移って活動し続け、さらに隣国メキシコで入念に準備した上での"三度目(当選を含めて)の正直"が映画『28歳の革命』にあたるわけです。実際は出だしのマンサニヨで躓き仲間のほとんどを失うわけですが、それでも前に進む力があった。ゲリラ軍を指揮するカストロの活動は人々の支援を獲得して、最終的には800人もの大部隊に膨れ上がります。
つまり、カストロという人物はゲリラ指揮官であると同時にそもそもが政治家だということです。アメリカを後ろ盾にしたバチスタの手に落ちたキューバに革命をもたらす。殺し合いをやるけれども、現行の政府を転覆させたら今までと異なるシステムの新政権を樹立する。その後どーするのか、みんなの生活をどんなふうに変えるのか、そーゆー政治家としてのビジョンがあった。

そして、A pauper sitting on a throne of gold(黄金の玉座に座る乞食)ボリビア。こちらも16世紀のインカ帝国崩壊以降スペインの植民地になり、18世紀後半から19世紀前半にかけて何度も何度も革命戦争が起き、独立したはいいけれど、その後も100年近くにわたって周囲の国と領土の取り合いを繰り広げ、チリに負けて内陸に押し込まれると川伝いに海に出ようとパラグアイと激戦。疲弊しつくし財政崩壊した"乞食"になってしまっている。その上、軍事社会主義を掲げ、鉱山で労働争議が起きると鉱山労働者700人を虐殺してしまうわけです。これじゃいかんということでMNR(民族革命運動党)が政権をとると、軍部が負けじとクーデターを起こし、もう軍部は黙ってろと怒った人民軍が一揆を起こす。二転三転、激動の歴史っす。人民軍は政府を破り(ボリビア革命)、MNR政権を樹立、鉱山は国有化され、大プランテーションは解体して小作人が畑を手に入れた(農地改革)。ところが農地改革の5年後には再び軍部のクーデターが起きます。もちろん背後にいるのはアメリカです。アメリカと軍のモノになった政権vs.ソ連寄りのボリビア共産党。
そこへやってくるのがゲバラです。ボリビアは"革命"というものを経験済みだし、軍部(今は宿敵アメリカ)による圧制に苦しんでいる。まさにうってつけ。よーし、ボリビアからはじめて、南米全部で革命やっちゃうぞー。
主役になったのは(なるかもしれなかったのは)アルゼンチン人率いるゲリラ軍です。どちらかというと命令系統の上位に位置するキューバ人、それとボリビア人兵士、合わせて50名。見方によっては内政干渉です。
ゲバラが準備したのは当面の潜伏先。でもそこは過疎の山岳地帯だった。共産党が手伝ってくれないとなると、鉱山労働者がたより。でも鉱山へはアクセスが悪いんです。だから政府軍が先に鉱山を叩いてしまった。これじゃ補給路は完全に断たれてしまいます。最後の希望だった農民に売られれば、もうどーにもならない。しかもそのリスクの中でゲバラはゲリラ部隊を2つに分けているわけです、そんじゃなくても50人しかおらんのにー。
軍医あがりの博愛主義者で革命に賭ける情熱は燃えていた。けれども、今回はカストロ役がいないのです。"勝利したい"という願望があるだけで、"勝利そのもの"のビジョンすらない。武装闘争はいいけれど、その後はどーするんだ。武装闘争はいいけれど、そもそもどーやって勝つんだ。

長文になってしまったので続きは次のエントリーです。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 02:59| Comment(0) | TrackBack(10) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月15日

La Liga 08-09 23節 ベティスバルサ そしてGO!GO!マクシ!さようならトミー(号泣)

さるおです。
前節のダービーマッチは泣きましたよ。嬉しくて。セビージャは好きですが、ベティスはもっと好きなので。うはは。
さるおのリカルド・オリベイラが帰ってきた。愛してますね、この人。フットボールを取りあげたら本当に何も残らない感が最高。苦労人なので、最高とか言って誤解されるとまずいんですが、とにかく、リッキー最高。ポルトゲーザ・デスポルトス、サントス、バレンシア、ベティス、サンパウロ、ミラン、サラゴサ、出戻りベティスと、あちこちでやってますが、リッキーにいちばん似合うユニは白緑のしましまだと思っています。で、帰ってきたので、てれびの前に正座しておかえりなさいを言おうと思ったら、ダービーの死闘でございました。すごいところに帰ってきたな。
ちょっとほら、円満退社じゃない感じだったしね、ベティコに受け入れられるかどうか心配しましたが。だいじょうぶ。17番つけてるし。
おもしろかったっすね(こわかったっすね)。リッキー点獲って、サンチェス・ピスファンで勝利。強くて速くてこわいベティスが帰ってきたと思いました。
あと、最近やたらと大注目っぽいセルヒオ・ガルシアさん、彼は02-03シーズンのバルサBのエースだった人です。03-04シーズンはトップチーム・デビューもして、何試合か出てるんだよね。1年遅れてダミアもトップチーム昇格っす。時期的にレオがバルサBで重なる(02-03)のはダミアさんになりますね。
セルヒオ・ガルシアはその後、レバンテ、サラゴサ、ベティスと移り住んでいくわけですが、彼のバルサらしからぬお顔立ち、バルサらしからぬおしゃれ感、ほんと惜しい。もし彼がバルサにいれば、バルサ全体を覆うあの徹底的なブサイク感とも言うアスリート感を免れる感じになったのに。とゆーよーなまるで余計なことをいつも思いますね、この人見ると。
なんかもう、ますますベティスを応援しまくろうと思います。(マドリー倒せ)

で、絶好調ベティスのマヌエル・ルイス・デ・ロペーラに乗り込んだバルサの今節。ペップがインタビューで、負けるかも、負けたりして、負けたとして、早く立ち直ってがんばればいいわけで、データでいったらまぁ苦手だし、負けたら、バルサ疲れてるしとか言い訳はしませんぞ、という感じのことを言いまくってくれていたおかげで、「やった!引き分けた!」と思えたバルサの今節です(爆)。
バルデス、最終ラインはピケとまるちん、左右はアビダルとだにべす。ブスケッちぃを底、ケイタとシャビ、前線はイニ坊フレブに中央エトー。
ベティスは守護神リカルド、フアニートにメッジ、フェルナンド・ベガとブランコ・イリッチ、メフメト・アウレリオとフアンデ、左マルク・ゴンサレス、右セルヒオ・ガルシア、トップ下にすごい太い太もものアシル・エマナさん、最前線にオリベイラ。
今日のベティスはちっとかわいそうでした。怪我明けというか、怪我の途中で出てきてしまったフアニートさんがわずか9分で負傷退場。リハビリの国からまさかの直行直帰(爆)。代わりに入ったリマさんまで前半ロスタイムに負傷退場。交代カード2枚も消費してしまいましたよ、全部で3枚しかないのに。これでベティスは勝ちを逃した感じです。いや、それ以前に、あれだけあった決定機に決めておけって話ですが。
ベティスが疲れてよぼよぼしてきた後半にバルサは前線2枚を一気に交代、フレブとレオ、あとはケイタとアンリでイニ坊を中盤へ。ベティスさんはマルク・ゴンサレスとファンマを替えるのみ。いやー、よぼよぼに疲れたところに元気なレオとティティをぶつけてこられたらもう涙出ますよね。
ベティスの得点は前半18分のメッジと24分のマルク・ゴンサレスっす。2点目はすごかったっすねー。弾道の低い強烈シュート。前半が終わる直前の段階で2-0て、心の底から、ベティスは苦手だよね、そんな感じっす。ボールはバルサが持ってたけど、前半にチャンスを活かしたのはベティス。シャビなんかまじめにミドルも蹴ってたけどな、こりゃ負けると思いました。だってバルサやっぱ疲れてんだもん。だってベティス強くて速くてこわいんだもん。
バルサ1点目はロスタイムです。イニ坊がありがたく頂戴したPKですが、イトゥラルデ・ゴンサレスおめ、バルサ寄りの笛吹いてんじゃねーぞと、負けてるくせにちょっと思ったり。いつかのお詫びかな。蹴ったのはサム、リカルドさんにはじかれて、こぼれたのをもう1度自分で押し込んだ!"こぼれ球を拾う"という準備をしている方はおらず、シャビさんあたりはすっかり鼻クソほじくって休めのポーズでしたが。(シャビのファンのみなさますみません。鼻クソは嘘です(あたりまえ)。さるおもシャビが好きです)とにかく、エトー通算22点目。

後半は"疲れて走れなくなる直前"のベティスのカウンターがすごかったっすねー。4分、だにべすのクロスを拾った太い太もものエマナが走る走る!左のマルク・ゴンサレスに渡したらまた走る走る!右から中央に突撃してくるオリベイラに送ってぼっかーんと天井に突き刺した!ふんがー!決まったぁーっ!と思ったらオフサイドでしたが、完璧な美しさでダントツのスピードの、これぞカウンターアタック。ふんがー。ベティスがんばれ。
直後にはエトーが神業のようにDFをかわしてシュート!ということで、ふんがー、どっちもすげぇ。
すっかり疲れたあとの26分にも、セルヒオ・ガルシアからオリベイラに送って1対1再び!うりゃぁーっ!と止めたバルデスの鼻息が荒いっす。ウホッウホッ。
バルサはその後、オリベイラに本気で怪我させそうなブスケッちぃが下がってぼやんちゃん投入。むっはー、出た、4-2-4!
バルサって、ほんと強くなりました。ちゃんと"勝ちに行く采配"を迷わないで英断する。ピッチは応えてみんな撃ちまくる。あんたらえらい。
ベティスもよくがんばったんだ。みんな疲れて動けなくなったけど、いるじゃないか、走り疲れてない人がゴール前に。リカルド・ペレイラが止めまくる止めまくる!最後の最後にエトーの2点目を許してしまいましたが、そーいや前半ロスタイムのPKだって1度は止めたんだ。リスボンからやってきた世界のPKストッパー。こーゆーのが守護神だと思いましたよ。
ということで2-2のドロー。エトー23点目、すげぇ。はしゃぎすぎのサム、その人はいちおう監督さんなのでレオのときのように耳をつかんで持ち上げて揺さぶったら怒られますよ、とハラハラしましたね。
こーゆーときに追いつけるバルサ、強いっす。
ベティスはもっと強いっす。エマナさんの太ももはすごい!
太い太ももの人に突っ込んで行くまるちんは最高。
がんばれベティス。(マドリー倒せ)
ということで、引き分けてよかった。

話変わりますが、さるおが大好きなマクシ・ロペスがグレミオ入りっす。ロニ子がいたところっす。まずは1年ですが。
リカルド・オリベイラと酷似した苦労人ぶりの心優しいマクシも最高。苦労人が好きなわけでもないですが。とにかくマクシ最高。
グレミオはどっちかってゆーとスピード感あふれるゲーム展開をするチームっすね。ブラジルにしてはヨーロッパ的か。インテルナシオナルとホームタウンが一緒だからライバルっす。
マクシに合うかな。ふんばって活躍してほしいっす。モスクワって寒そうだから、ポルト・アレグレ(陽気な港)に行けてよかった。
グレミオ、リベルタドーレスを獲れ。

そうそう、ほんとは優しい狂犬トミーの現役引退がさみしくてさみしくて、こないだ3時間くらい泣きましたよ。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 18:50| Comment(6) | TrackBack(6) | リーガ・エスパニョーラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月14日

暑いっす、2月だけどな

さるおです。
暑いです。メタボ的には夏。バレンタインデーですが。汗かいた。
ホワイト(雪)なんぞとはほどとーいっすね。26度とか27度とか言ってるし。
天気のこととか気温がどーとか、ふだんはあんまりそーゆーことは書かないですが、2月に半袖というあまりにショッキングなことになったので、忘れないように書いておく。忘れるけど。

ところで、2月14日というのはアレクサンダー・グラハム・ベルさんが電話の特許をとった日です。これは1876年。すごい天才。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 心ゆくまでさるお | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月09日

La Liga 08-09 22節 バルサヒホン

さるおです。
離れた肉がくっついたNE!
毎度毎度なぜ間に合うのかわかりませんが、すごい気迫でなんとかするんだろうと思うので、ターザンはすごい。
結局うしろは左右にアビダルとだにべす、中央にまるちんとターザンということで、えっと、フィードのできないふたりが中央ということで(爆)、はじめのうちは白い人が、だんだんとシャビも最終ラインにまでボールをあずかりに来るという、たすけあいバルサです。
いいね、こーゆーのはいい。
たまにボールを前に送れなくなるまるちんですが、さるおはこの人をとても応援しています。そーいえば、国王杯のアトレチコ戦で致命的なミスを2つもしてしまったまるちん。いまんとこまるちんが試合に出してもらえるのは、コパとか人手不足んときとかなわけですね。で、はりきっちゃって緊張もしている出番の少ない人がその少ない時間の中でミスをするのは考えてみればあたりまえなんだけれど、でも挫けそうっすよね。ところがまるちんはその後クンを完全封鎖。えらいぞと、感動しました。バルサに入ったことについて謙虚に燃えているまるちんがとても好きなのです。今日は失敗もしなかったし、それどころか相手のシュートコースにうりゃぁーっと足を伸ばして弾き出し、バルサを救ってくれたりしています。まるちん最高。
フィード下手はターザンだって同じことで、そんなことより最終ラインから最前線まで走り回るイニ坊とシャビがすげー楽しいなと、そんな感じがするわけです。

10分、決められなかっただにべすのPKからシャビのCKで、イニ坊だにべすと繋いでボールはまるちんへ!一瞬ふんがーと鼻息荒くなりましたが、えっと、あれはほんとは撃ちたかったんだよね、あの位置だもんな。でもトラップがきつかった。そしたら結果的にまるちんからティティへのスルーパスになり、いやこれも決まんなかったですけど、でもまぁいいシーンでした。
16分にルイス・モランに抜かれる場面もありましたがこれも凌いだし、24分のCKはまるちんが阻止。次の瞬間にはDFを集めまくってドリブルで独走するイニ坊!並走から追い抜いて脇を固めるティティとサム!イニ坊からティティ、ワンタッチでパスを選んだティティ、サム来たぁーっ!ぼっかーん!1-0、むっはー。あんたらかっこええ。イニエスタ最高!おまえがカンプ・ノウの王様だ。
それまでどことなく狙われ気味だったブスケッちぃも30分を過ぎるころにはいい感じになってきたし、左サイドではアビダルが、だにべす顔負けの鋭いオーバーラップで魅せまくり。
39分にはレオからのスルーパス、ワンタッチでDFをかわしたサムが2点目をぼっかーんで21試合で通算21ゴールだし、んもー、バルサすごすぎ。
後半も開始早々にティティからの高いボールをムエタイみたいな跳び蹴りでダイレクトボレーしちゃうアクロバチカルなだにべす。ゴール狙いまくりのレオ。そしてこぼれ球をカットしてエリア内にぐいぐい入って行くだにべす、レオからリターン、DFをかわして強烈な3点目をどっかーん!ということで、なんというか、やりたいこと全部やろうみたいな、あれもこれもおもしろそうだからやってみよう的な、素晴らしく楽しく美しいバルサなのであります。
後半23分にこぼれ球を拾われてキケ・マテ男さんに1点返されますが、その後ターザンに代わりシウビーニョも出たし、だにべすはサンチェスとイニ坊はグッディと交代ということで、大満足の3-1です。

前節はセビージャと喧嘩上等な雰囲気で恐ろしげだったヒホンさん、そんなにこわくなかったっす。ま、バルサがすごすぎるんだけどな。
セビージャと喧嘩といえば、マヌエル・プレシアド、アシスタントコートと連れ立って退場て、めずらしいっすよね。そんでヒホンさんは監督不在なので、エンリケ・カストロ(キニー)がおったわけですが、なんかすげーな、5000ゴール男と3000ゴール男がカンプ・ノウに居合わせるって。
キニーは1980年にバルサ入団。そんときすでに30歳ですが、そこからゴールを量産しまくったピチーチ2回のゴレアドールっす。バルサ時代に誘拐されてしまうというものすごい事件もありましたが。この人は監督とかやらないのかね。コーチ資格持ってないみたいだし。

ところで、コパの2点目のFK、ラファすごかったっすねー。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年02月02日

La Liga 08-09 20-21節 バルサヌマンシアとラシンバルサ、国王杯のことなど

さるおです。
ヌマンシアさん強かったっす。ゴールの遠いこと遠いこと。しかも暴風だし。
ふと気がつけば、ラファ以外はリベンジ・メンバーっす。しかしまぁ、遠いこと遠いこと。なかなかサムのところまでボールが届かん。ほんでカウンター(泣)。
シャビとイニ坊もちょっとコンビネーションがいまいちで、だにべすさんが出かけていくと留守を狙ってヌマンシアさんがいらっしゃる。ヤヤちんたすけてくれ、と思いましたが、うーん、いまいちっすねー。
やっぱり光っていたのはイニ坊(の額)とブスケッちぃ。
こりゃだめだと思いましたが、撃ちまくっているうちになぜか大量得点しているあたりがすげぇ。4-1てー。
ところで、17分のゴール取り消し、あれは誤審だ。ついでに、バランスとろうとしたエトーのゴール取り消し、あれは少し酷なような(涙)。
3点目のティティはすごかったっす。真後ろ向いてると思ったのに、"振り向きざま"どころか必殺回転シュートっす。ありえないコースですが、入れちゃいましたよ。すごすぎ。
75分のレオもすごかったっす。デコかな、と思うようなトラップから3人かわしてぼっかーんと、それがこぼれたのを右足で押し込みましたよ。ご自身のことを「パサドールではなくゴレアドール」だと言う神童レオ、あんた最高、たまにチーム全体は見えなくなりますが(笑)、それでもあんた最高。

ラシンさんも強かったっす。またしてもゴールの遠いこと遠いこと。しかも雨だし。コパ・デル・レイで疲れすぎだし(泣)。なかなかサムのところにはボールが届ず、ラシンさんが決定機をつくりまくりという危うさ。
底と中盤左をヤヤちんとブスケッちぃが入れ替わり立ち替わり、というのはいまいちな気もします。ヤヤちんの運動量がもっと上がればとか、ピケもっと汚れろと、アビダルもっとボール展開しろと、ところでサムはどこにいるのかなとか、いろいろ思うわけです。前節よりさらに気迫負けしている感じもするし。
後半は10分のジギッチさんのPK、うちのバルデスは反対方向にぶっ飛んで行ってしまいました。ここんとこ負け知らずのラシンさん、ちゃんとした補強したなぁ。
で、困ったのでレオ投入。休ませてあげたかったし、レオがいなくたってバルサはバルサだと強く思っていますが、レオ様がいきなり2点叩き込み、1-2勝利っす。
えっとね、さるおは"No.5000の男"というのをとても楽しみにしていたのです。リーガにおけるゴール数っすね。どーやら、チーム内は密かにこの話題がホットになってると、おそらく全員が歴史に名を刻むチャンスを狙ってると、とゆーことは、このラシン戦で1点とったらその後は、いい意味でチームは崩壊するかもしれないし、それは観たいなと思ったわけですね。事実、愛するティティは前節、自分が"No.5000の男"になった!という数え間違いで大コーフンしていたらしく、ミスター・ぬか喜びとなったわけで、楽しみでしたねー。で、案の定、ガツガツしたサムを観ることができました(笑)。ミスター・ぬか喜びは欲の無いふりなんかして(笑)サムにパスなんか出してましたが。
サムは今バルサ通算115ゴールかな、かりにサムが2点続けて獲ったら、ストイチコフの記録と並ぶと同時に"No.5000"ということで、そしたら泣くな、と思って待っていましたよ。
で、蓋を開ければレオで、どーせやっぱり嬉しさのあまりさるおは泣いてしまうわけですが(爆)。
がつがつと恐ろしげなプレッシャーをかけてくる相手にはちと弱いっすねー。持たされて奪われてカウンターというのをなんとかしないと。あと、ここ2試合ほど、サムは肩に力が入りすぎに見えますが、余裕ぶっこいて行けよ。

国王杯、勝ち上がりましたね。ぼやんちゃんかっこええ!
ほんとはかなりあぶなかったですが、とにかくこのままマジョルカも退けて決勝行きます。
プジョルの肉離れ、なんとかなると思ってましたが、ラシンとやってみたらまずいことになりました。ラシン戦で黄札2枚が赤くなってしまって退場したラファとピケ、そしてだにべすさんは5枚集めてしまったし。次節バルサヒホンが苦しいっすね。離れた肉くっつけ!と強く思います。
でもだいじょうぶ、なんとかしてみせる。アビダル、シウビーニョ、まるちんとサンチェス、左左中央中央ですが、とりあえず4人いるんだ、これで行く。これでもなにも、これしかないですが。これで行く。これで勝つ。だいじょうぶ。
ガビ・ミリート、もうベンチに入っとけ(いきなり)

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:58| Comment(2) | TrackBack(3) | リーガ・エスパニョーラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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