さるおです。
ペップがローマ決戦前に用意したというショートフィルムを観ながら思いましたよ、今のバルサをどう思うか、書いておかなくちゃと。
バルサは、ついにビッグクラブになったなと、ほんとついに、思いました。べつに今までスモールだったわけではなく、ビッグはビッグでしたけど、なんかそーゆー気がしています。というか、"素晴らしいビッグクラブ"になった。
08-09シーズン、国内リーグと国内カップ戦(国王杯)とUCL、スペインでは初の3冠を成し遂げました。これまでに3冠を成し遂げたクラブというのは4つしかありません。67年のセルティック、72年のアヤックス、88年のPSV、99年のユナイテッドだけです。それに09年のバルサ。10年サイクルっすねー。まだ夢のようっす。今季を振り返ると何度でも涙出ます。
やっぱりね、特にずっしりと重いのはCLです。欧州王者を決める大会でバルサがその頂に登り詰めるまでに要した年月は、ウェンブリー(92年)に36年、その14年後にパリ(06年)、そして3シーズンを開けてローマ。どんどん間隔が短くなってる。
CLを、連覇という視点で見るとまた別のことが見えてきます。チャンピオンズカップ(ヨーロピアンカップ)のころから数えてみます。
55-56、56-57、57-58、58-59、59-60 マドリ5連覇
60-61、61-62 ベンフィカ2連覇
63-64、64-65 インテル2連覇
70-71、71-72、72-73 アヤックス3連覇
73-74、74-75、75-76 バイエルン3連覇
76-77、77-78 リバポ2連覇
78-79、79-80 ノッティンガム2連覇
88-89、89-90 ミラン2連覇
昔はみなさんよく連覇してた。だんだんと間隔があいてきて、90年以降、誰も連覇は成し遂げてません。勝ちにくい、難しい大会になってきています。『UEFAチャンピオンズリーグ』になったのが92年なので、つまり、UCL2連覇は前人未到。
今年ユナイテッドがやりそうでした。そしたらそれはすごくかっこいいや、と思いました。
来年バルサにそれができるかどうかはわからない。最近連覇が難しくなってきたのには、プレースタイルとか戦術面の変化とか、大会そのもののやり方やスケジュール的なこととか、それなりの理由があるわけで、非の打ち所のない最強のマンUさんですらできなかったんだもん、バルサも"たぶん無理"かもしれないけれど、残り1%の夢を、1年間見ようと思います。なので、あまり素早く敗退しないように、と思いますね(笑)。
さるおは今でも、ここ2年ほどのユナイテッドさんはやっぱり世界最強だと思ってます。ローマでバルサは勝ったんだけど、それとは別に、クリスチアーノのすっさまじいシュートシーンを見ると、これで世界最強じゃないはずがない!と思う。ねんど君のうまさと強さとか、堅い守備力があった上での、クリスチアーノのシュートのあの弾道、あれにはもう誰もかなわない、ほんとにそう思います。あのチームはかっこよすぎる。
だけど、ユナイテッドさんと比べようがどこと比べようが、絶対にバルサが勝てることがあるんだ。それはカンテラ。
かつてはユナイテッドもそうでした。3冠を成し遂げた99年、チームの核になっていたのは、ライアン・ギグス、ガリー・ネビル、ポール・スコールズ、あとベカ〜ム様とか、下部組織出身の若者たちだった。今もベカ〜ム様以外は、大ベテランとなってユナイテッドにいるけれど。ユナイテッドに憧れて、ユナイテッドのトップチームを目指して、ユナイテッドで育った選手、そーゆーよい子たちが、もっとあがってこなきゃいけない。ウェズ・ブラウン、ジョン・オシェイ、ダレン・フレッチャー、その後は・・・ちょっと時間かかってますね。ラファエウがんばれ、フェデリコ・マケダがんばれ、と思います。
ヨーロッパの強豪たちの多くは、"外国人が主役"のチームになってしまいました。
チームの魂を、みんなどこかへ置いてきてしまう。そーじゃないのに。
バルサのトップチームは今、カンテラーノだらけです。バルサに憧れて、バルサのトップチームを夢見て、バルサで育ったよい子たちに、トップチームへの道が開かれている。バルサのカンテラは名門中の名門だから、サッカーがものすごくうまくて、それでももっと上手になりたいと真剣に思ってて、負けず嫌いで気持ちの強い、怠けない子じゃなきゃ入れない。入ったところで、人よりたくさん練習して誰よりも強くなって、大怪我しないでがんばらなくちゃ、将来はない。とても厳しい世界です。でも、扉の閉じた世界ではない。トップチームの光が見える、厳しい世界。
リーガの終盤で、何人かのカンテラーノがまたトップチーム入りを果たしました。プリメーラを経験して、うまくできてもできなくても、チャンスはそれで終わりじゃない。行くぞ、トップチームへ!それがFCバルセロナ。フットボール界で、まだ、夢のある場所。それがFCバルセロナ。
同じ夢を抱えている最たるクラブがアスレチック・ビルバオさん。純血主義までいくといくらなんでも維持が難しいと思いますが、ビルバオさんは素晴らしく貫いてます。プリメーラから1度たりとも去ったことはありません。それどころか、強いよね。
ほんとはそれが理想かもしれない。おらが村の選手が戦うおらが村のサッカーチームを、村中で応援するぞ。それがいちばん。
でも、フットボール界はどんどん金儲けの市場になってきた。それはフットボール界の成長の証であって、しかたがないことです。グローブもバットも要らない、ボールさえあれば、いつでもどこでも遊べるフットボールを、世界中のみんなが知ったら、それは楽しい。だから、フットボール界は大きくなっていいんです。世界には、フットボールなんかしてる場合じゃない場所がたくさんあって、てっぽう持って人殺しに行かなくちゃ生きていけない10歳児は、フットボールなんか観ない。でもいつか、状況が変わったときに、世界にはたくさんのサッカーチームがあって、がんばったらサッカーの仕事ができるかもしれない。もっとがんばったら、憧れる場所に行けるかもしれない。そーゆー世界になっているために、フットボール界は大きくなっていいんです。
けれど最近は、札束が飛び交ってばかりっすねー。
クリスチアーノといえば、マドリが獲ったとか。マドリのこと書いてもしょーがないんだけど、あそこにはまいった。やっぱりペレス、ということにどーしてなってしまうんだか、そしてどこから金が沸いてくるんだか、ぜんぜんわかりませんが、とにかく経済危機と無関係に無限の札束持って再登場。そして銀河再構築中。ロッベン、スナイデル、顔の長い人、ドレンテ、フンちゃん、ファンデル・ファールト、のかき集めたオランダ人、そしてエインセ、メツェルダー、ガゴちゃん、ディアラ、おぉ(涙)サルガド、おぉ(涙)サビオラ、このへんはキラキラしてないのでクビ。カカーを6900万ユーロで買ってきて、お次はリベリに1億ユーロ出せと言われてあきらめたのかと思いきや、
クリスチアーノにあっさり1億ユーロ出してしまいました。そーゆー
市場破壊でシティと競り合う、傍迷惑なバカおやじめー。キラキラしたのを買い漁って、あとはユニでも売れればいいかな的な、困ったおやじめー。いいかげんにしとけ。
キラキラしたのを買ってくりゃどーにかなる。なるかもしんないけど、そんなのじゃだめなんだ。下部組織の存在をすっかり忘れているマドリーよ、カンテラーノを育てろ。育てて、自分とこで使うんだ。売るためのカンテラーノなんてだめなんだよ。マドリの星になってもらわなくちゃ。金があるから王者、それは間違ってる。
バルサにも闇はあります。ちょっと許せないようなフロントの動きは、ある。
それでも、バルサはフットボール界でまだ夢を見ることのできる場所。
クライフが創ったバルサ流トータルフットボールを、レシャックが守ったバルサのボールポゼッションサッカーを、ラ・マシアで身体に染み込ませる。いつか、カタルーニャの魂が率いるトップチームへ行くために。トップチームに呼んでもらえたら、練習してきた同じことを、そこでもただ力いっぱいやればいい。
ショートカウンター全盛期、それでもバルサは変わらない。自信を持って、これで戦う。今や史上最強、そしてそれより大事な、史上最高のバルサ。
素晴らしいビッグクラブになりました。
ペレスみたいなのに市場をかき回されたら、バルサはついていけません。そんなにお金ないから。でも、追いかける気もない。だってうちにはカンテラーノがいるもん。
昨日ね、
レオに見ろって言われたW局のリーガダイジェストみたいな番組観たらね、"規律を乱す者たち"とかいうナレーションで、ロニ子とデコの写真が出てきて笑ってしまいましたよ。(号泣)
心ゆくまでさるお、もんち!