『MAMMA MIA!/マンマ・ミーア!』を観たよ。
監督は劇場用長編映画は初めてのフィリダ・ロイド(Phyllida Lloyd)。
出演はドナ役に名女優メリル・ストリープ(Meryl Streep)、ターニャ役は『CHICAGO/シカゴ』にも出ていたクリスティーン・バランスキ(Christine Baranski)、ロージー役にジュリー・ウォルターズ(Julie Walters)。ドナの娘ソフィは、ついに"でかい映画のでかい役"が来たなという感じのアマンダ・セイフライド(Amanda Seyfried)。男子のほうのトリオ(笑)は、サムにボンドな男ピアース・ブロスナン(Pierce Brosnan)、ハリーにブリジョの相手役コリン・ファース(Colin Firth)、そしてビル役はなんだかいつもビルという名前で船に乗っているステラン・スカルスガルド(Stellan Skarsgard)。
そして製作総指揮にまーたトム・ハンクス(Tom Hanks)がいるなぁということで、おまえは稼ぎすぎ(笑)。
えーと、映画としておもしろいかどうかはまったくもって疑問です。とても薄っぺらい話っすから。
それでいいんだ、そーではなくて、ミュージカルっすからね、"108分間、キラキラとした懐メロを聴いていてよい"という心地よさが素晴らしいんです。まったく褪せないあばさんの名曲を、頬を緩ませ目を潤ませ、踊りたくてむずむずしながら、ただ聴いていてよしなわけです。
この作品を観る人みんなが必ず全曲知っている的な、必ず全曲好き的な、まさに王道なコレクション。あばさんてすごい、とあらためて思いましたよ。さるおは個人的に、『Dancing Queen』を聴くと某オカマバーを思い出すようになってますが。
音楽って素晴らしい。この作品なら誰だって楽しめるだろう。
見終わった後、あまりに幸せすぎて、ちょっと考えてしまいました。はたしてそうかなと。
世界には、あばさんなんぞを聴いている余裕はない人たちがいて、ドンパチやってたりするんすね。『Money, Money, Money』ってそんなもん見たこたねぇっちゅー人たちがいっぱいいる。
『MAMMA MIA!』を観て"108分間懐メロを聴いていてよい"という意味の楽しみ方ができる人というのは、恵まれてる人たちだけなんだなぁ。
もちろん、音源と再生機が手に入って平和に聴くことができた幸運なさるおたちは楽しめばいいんです。
ただ、あまりに明るいだけの映画だったので、暗いのが好きなさるおは余計なことを考えてしまうだけです(笑)。
音楽って素晴らしい。そのありがたみを知っている人は楽しんでいいんだ。
ところでこの作品は、キャストがまた素晴らしいっすね。女子も男子も、あまりに三者三様で、しかも"あばさんっぽくない"人たちばかり(笑)。
09年明けの劇場公開時で、メリル・ストリープ59歳、クリスティーン・バランスキー56歳、ジュリー・ウォルターズ58歳、ピアース・ブロスナン55歳、コリン・ファース48歳、ステラン・スカルスガルド57歳、ついでにアマンダ・セイフライドが23歳・・・あばさんの活動期間は1972年〜1982年っすから最年長メリルが23〜33歳のときのヒット曲なんすよね。それを今23歳のアマンダちゃんが歌って踊っている。色褪せないあばさんはすごい!と同時にあばさん世代はもうヨレヨレなんだなと。ええ、なんというか、ひじょーに素晴らしいと思います。
心ゆくまでさるお、もんち!