『PARANORMAL ACTIVITY/パラノーマル・アクティビティ』を劇場で観たよ。
1万5千ドルという超低予算なので監督・脚本・製作・編集すべて自分でやりました、オーレン・ペリ(Oren Peli)のデビュー作。興行収入は1億ドル突破ということで、優秀極まりないっすね。
出演はケイティ・フェザーストン(Katie Featherston)、ミカ・スロート(Micah Sloat)、マーク・フレドリクス(Mark Fredrichs)、アシュリー・パーマー(Ashley Palmer)、アンバー・アームストロング(Amber Armstrong)、みなさん実名でデビュー作。
スーパーナチュラル・ホラーってゆーのかな、こーゆーのは。ノーマル(正常)をパラしちゃってる(超えちゃってる)アクティビティ(活動)、ということで、超常現象というタイトルです。
とてもとても"ほんとっぽい"あたりは『THE BLAIR WITCH PROJECT/ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と似ています。あれはほんとに怖かった。おばけ出たぁーっ!と本気で思いましたよ。『ブレア』が傑作なら『パラノーマル・アクティビティ』は秀作くらいか。
気分的には、テレビの心霊特集かなんかの、おばけの音とか光とかが、映っていた!的なやつをね、コマーシャルも挟まずに1時間半観ていられる、という心地よさっす。つまり、肝試し的。
姿の見えない"何か"でちゃんと怖がらせてくれた、という意味でとても良品だと思います。よくあるのはさ、たとえば『THE OMEN/オーメン』とかだってほら、あのガキが悪魔だぞ、とかね、ちゃんと姿が見えてるわけです。『パラノーマル・アクティビティ』には"姿を持った悪魔"というのが出てこない。ひたすらポルターガイストの記録ビデオですから、ちゃんと怖いというのは素晴らしいっすよね。もちろん、ショックホラーというね、びっくりさせとけ的なところはありますが、ま、ポルターガイストってきっとそーゆーもんだろーし。うん、怖かったというより、びっくりさせられた、というほうが正しいかな。
なぜ『ブレア』のほうが傑作かというと、あれはヘザーさんたちが起きて怖がっているから、一緒に怖いわけです。主人公の言動によって観ているほうはさらに怖くなる。が、『パラノーマル・アクティビティ』の場合は"ここでおばけが出ますよ"というときは主人公たちが寝てますから、こちらもなんとなく客観的になる。気持ち的にはずいぶん余裕があるのです。
でもまぁ、秀作。ドキドキしましたよ。
とにかく心霊現象だ、というのではなくて、序盤から"悪魔の仕業"だということになる。これについては賛否両論ありそうっすけど、さるお的には悪魔だということでよかったかな。"悪い何かがいる"、で、そいつには敵いそうもないぞ、というのは怖いもんなぁ。
秀作だっただけに、がっかりしたところが2つ。
まずは、粉をまいたら"鳥人間"になってしまったところです。もう、どーしても、大きなニワトリの着ぐるみが頭に浮かんでしょーがない。せっかく姿が見えないのに、あれはかなりもったいなかった。悪魔というより、なんだか非力な怪物。
あとはラストです。ケイティには、カメラに向かってきてほしくなかったっすねぇ。ただ眺めて、たとえば1時間くらい眺めて、そして、歩き去ってほしかった。ケイティがこっちに来た瞬間に、安っちい感じになっちゃって、あれももったいなかったです。
この作品はコドモは観てはいけないな、と思いました。おしっこ行けなくなるし。
映倫の"G"(入場制限なし)はまずいと思いましたよ。
心ゆくまでさるお、もんち!