『HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS: PART I/ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』をやっと劇場で観たよ。
やっと、やっとのことで、まともな映画ができました、と思いましたよ。
つまり、"ちゃんと話についていける映画"だという意味です(笑)。いやね、1作目とか、2作目あたりまではまぁこの部類に入ってたと思うんですが、その後はやっぱ、かわりづらかったんだよね。原作が長いから、映画の方ははしょりすぎで。
話がおもしろくなってきたはずの6作目なんかはもう、特に「ドラコちゃんはひとりでいったい何をしているの?」という肝心の部分が、まったくもってわかりづらい。そーゆー致命傷を負った作品になってしまっていた。
だからね、話が込み入っていない2作目あたりまではともかく、それ以降のやつはさ、1本の映画にまとめるって、無謀だったわけです。せめて5作目ぐらいからは、丁寧なシゴトして2部構成にしたらよかったのに。制作側に怒られようがお客に文句をタレられようが足掛け15年かかってラドクリフさんの三十路が近づこうが(←『ベンジャミン・バトン』のブラピさんだって若返れたんだしな)、作品を台無しにするよりはマシだっただろうと、今になって思うわけです。つまり、それほどに、この『7作目前編』はちゃんとしてた。おもしろかったっすー。
ストーリーとしてはもちろん、複雑になって暗さが増して、4作目以降あたりからおもしろくなってはいるんだけどさ。
"ついていけない"のは、ハリーさんが覗き込んでいる見るからにガラクタの割れた鏡はいったい何なの?ということや、あの盗っ人さんは何?とか、ヘビのおじさんが詰問している相手は全部同じじーさんなのか別人なのかじーさんだらけでなんだかまるでわからない(笑)、ということくらいでしょーか。
これでも充分に少ないっすよね。それに、あれは何だろうと思っても『7作目後編』を観ればわかるだろう、っちゅー感じでスルーできるわけで、負担に感じずに済む。とにかく、きちんと、楽しむことができる作品でした。
6作目で誓わされるシーンの表情に続き、序盤で全体会議に出席しているスネイプさんがまことに素晴らしい!
憔悴しきったまるほいパパの表情も素晴らしい!
ルーピン先生の必死で戦ってるぞ感もまた、素晴らしい!
オトナたちが、本当に素晴らしいのですよ。
ヘビのおじさんは"すごく普通のおじさん"になってました。いいんだけどさ、それで。
気になったのは、流血沙汰がずいぶんソフトになっていたこと。もう少しくらいは血が流れてもだいじょうぶだろうに。
そのくせ、ロン大活躍の場面では、ハリーさんとハーちんを素っ裸にしてチュッチュチュッチュとしつこいわけです。
少し不思議なバランス感覚だと思いましたよ(爆)。
ハーちんは、映画では特に、良い意味でセクシーさと無縁だと思うんだけどなぁ。
そうそう、チュッチュチュッチュで思い出しましたが、「ファスナーして」と言われてわたくしは、お母さんにやってもらえー、と強く思いましたね。いつそんなことになったんだと。ジニーよおまえは16歳で、ここは両親のうちだぞと。背中を見せすぎだと。最終章スタート時のジニーちゃんは、原作の、あの凛とした姿を描いてほしかったのに。
4作目以降のこのシリーズのおもしろさは"暗さ"だと思うんすよね。すごくオトナっぽい展開になったわけで、深みが出てきた。だから、セクシー路線ではなく、ダークさと"切羽詰まった感"でおもしろくしてほしいわけで。
でもまぁ、おもしろかったっすー。
学校なんかぜんぜん出てこないハリポタ。絶望的なハリポタ。
過酷で、ステキっす。
最初と最後に涙が出ました。両親の記憶を消して歩き出すハーちんと、友達みんなを救って眠りについたドビーさんを見て、泣きました。くっそぉ、悪いヘビのおじさんをやっつけてやるぞー。
心ゆくまでさるお、もんち!