「被爆するんじゃないか」なんていう心配はまったくしていません。福島(とその近隣)と関東(特に北関東)が「被爆してしまう」のは3月11日にすでに決まってしまったことだから、問題は量と範囲、そればかり考えています。
さるおにはおともだちがいるので、もしも、ほんとうにもしも、どーにもならなくなるとしたら、じっと動かずにいて"わかっていながら"取り返しのつかないほどの被爆をするより、あらゆることをして守ってみよう、という覚悟はある。宛てがあろうが無かろうが、春休みが台無しになろうが、西へ行こうという覚悟はある。けどなー、判断材料がなさすぎるのです。タイミングなど、もうとっくに過ぎてしまったのかもしれない。
フランスの放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の放射性物質拡散シュミレーション(大気中)がこれです。
http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/animation_dispersion_rejets_17mars.aspx
こっちは世界。
http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/irsn-meteo-france_19mars.aspx
ドイツのこれはシュピーゲル誌がつくったものです。
http://www.spiegel.de/images/image-191816-galleryV9-nhjp.gif
ははーん。西には飛んでないみたい、新潟はまだ無事だろう。ほぼ北へ、宮城や岩手の海沿いには飛んでいる。けれど15日は時計回りに回り込んで関東全域にばーんと飛んできた。
大半は太平洋上空を流れて広がってしまいました。みなさん、申し訳ない。
飛んでいるのは何かというと、主に、話題になっている放射性セシウム137と放射性ヨウ素131というやつっすね。ウランの核分裂でできる放射性物質です。ウランの核分裂ではたくさんの放射性物質ができますが、たとえば有名なプルトニウムなんつーのはとても重いので飛んでったりはしないのですね。
まず放射性のセシウム、吸い込んだり食べたりで摂取してしまうと、肝臓やらなんやらにガンマ線を放射したり筋肉にたまったりして、半年くらいたつと腎臓通って出ていきます。体の中から、あちこちが被爆し続けるわけです。内蔵がやばい。30年ごとに放射能が半分になる、そーゆー減り方で長寿命っすね。残念ながらこの体内被爆を避ける方法はありません。
もうひとつはヨウ素。「ようそでんぷんはんのう」のヨウ素っす。体内で甲状腺に集まる性質があります。甲状腺ってゆーのは喉んとこにあるやつっす。顎の骨の下っちゅーか、喉の両側に左右1こずつあるやつ。ホルモン出したりするところ。甲状腺にとって本来ヨウ素は栄養なので、足りなきゃ足りないで具合が悪くなる。けれどこれが"放射性の"ヨウ素ということになると甲状腺でベータ線を出して細胞を癌化してしまうわけで、甲状腺集中攻撃っす。だからあらかじめ、放射性じゃないちゃんと安定したヨウ素で甲状腺をいっぱいにしておく、という対策があるのですね。8日ごとに放射能が半分になる、そーゆー減り方なので、8日で半分16日でそのまた半分(つまり1/4)、24日でまたまた半分(1/8)ということっす。
日本政府は今、どの程度本気でこの準備をしてるだろうか。現に福島県では"国と無関係に"自治体が安定ヨウ素剤を配付したりしてるらしいしな。「待ってられない」という気持ちはとてもよくわかる。放射性セシウムのほうが嫌ですが、どーにもならないのでしかたない、けど放射性ヨウ素のほうは打つ手があるんだから打とうじゃないか、ということっす。
もちろん国に備蓄はあるはず。
けどこれは"よほどのことがないと出さないクスリ"なのですね。もちろん一般の市販薬なんてありません。
今がその"よほどのとき"だZE!と思い、内科医さんに聞いてみた。
曰く、どーしてもというなら処方箋を書かないことはないけど「ほうしゃせんがこわいのでヨウ素を飲む」というのじゃ保険の対象にはならない、高いよ。
そうか、保険がきかないとか言っちゃってるってことは、"国としては"まだ配る気が無い。では仮に「ほうしゃせんこわい、ヨウ素飲みたい」とせがんで処方箋を書いてもらったとする。だって"よほどのとき"だ!カネなら払う!と思い、処方箋さえあればヨウ素剤は入手可能か、今度は薬剤師さんに聞いてみた。
曰く、ここには置いてないですし、どこにも無いと思います、よほどのことがないと出さないクスリですから。
!!!
一巡したYO!
たぶん今がその"よほどのとき"だよNE!(ふるえながら)
自分の意志や判断で、安定ヨウ素剤を手に入れることはできません。もちろん誰でも安易に入手できてよいという意味じゃなくてさ。飲んだほうがいい人と飲まなくても大丈夫な人がいるし、誰かがきちんと飲み方おしえてくれたり、面倒みてくれなきゃいけない。ただ、国から"もらう"しかないということは、国がくれるのを"待つだけ"なのですね。あっはっは、根拠不明の"影響ないレベル"という聞き慣れたフレーズを信じるしかないということです。
日本政府も早くシュミレーションを済ませて、該当する地域のよい子たちとママさんたちだけでいいから、たすけろよ。ちゃんと。手遅れにならずに、ちゃんとやれ。
心ゆくまでさるお、もんち!