2011年06月14日

映画鑑賞感想文『脳内ニューヨーク』

さるおです。
『SYNECDOCHE, NEW YORK/脳内ニューヨーク』を観たよ。

シネクドキというのは、提喩(ていゆ)というやつですね。モノの捉え方に上位と下位がまずあって、どっちかでどっちかを表すタイプの比喩のことです。
靴履かないで飛び出してっちゃったよ、なんつって、ほんとは下駄でも草履でも好きなもん履いてりゃいいんだ。でも、「靴履かないで飛び出してっちゃったよ」って言われたら、裸足だって理解できるわけです。履き物全般が上位概念、その中のひとつである靴は下位概念。靴(下位)と聞いて履き物全部(上位)のことだってわかる。これが提喩。
逆もあります。お花見って言ったら桜なわけで、全体を表す"花"(上位概念)でもって"桜"(下位概念)だってわかっちゃう。

さてさて、脳内という邦題はかなり素晴らしいと思いますが、妄想だよ的に少し薄っぺらいので、やはり提喩だと思って受け止めてみたいです。
奇妙奇天烈。カウフマンらしい。
それで済ませるのはもったいないからな。

監督・脚本は『BEING JOHN MALKOVICH/マルコヴィッチの穴』や『ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND/エターナル・サンシャイン』のチャーリー・カウフマン(Charlie Kaufman)。
出演はフィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)サマンサ・モートン(Samantha Morton)ミシェル・ウィリアムズ(Michelle Williams)キャサリン・キーナー(Catherine Keener)、エミリー・ワトソン(Emily Watson)。

えー、理解するといっても、物語を理解しようというのはナンセンスかもしれない。
何の脈絡もなくテレビコマーシャルとか広告に登場するケイデン、そのCMをぼーっと眺めているケイデン。これはもちろん"劇中の自身を演出する演出家ケイデン"のひとつの姿っすよね。
持ち主不在のオリーブの日記帳は開くたびに内容が書き加えられ、内容はオリーブの年齢(ケイデンが思う"MUST"年齢)に応じていてどんどんオトナの文章になる。これもまた娘に関する妄想かもしれないんだけど、それよりも娘についての演出と解釈できそうなわけです。
ケイデン役の女優が演出し始めるのを見て「才能が枯渇した」と言ったケイデンが目覚めると、舞台(倉庫に作り上げたニューヨーク)も枯渇していて、7時45分(死)がせまっているわけですね。枯渇したニューヨーク(舞台)のケイデンは役者になっていて、そのケイデンを演出するのはケイデンを演じた女優で、その女優を演出したのはもちろんケイデン。つまり、自分自身も演出の対象なわけで、すると冒頭の病気の話やマッカーサー・フェロー賞の受賞や、すべてのことがわからなくなる。歪んで惨めに滑稽に血を流し続ける"あのニューヨーク"の、すべてが演出なのか、どれが現実なのか。

燃えてる部屋に住んでるし、ビジュアルとしてはものすごいシュールっすよね。けれどそれとは対照的に、ケイデンの感情は観ているこちらが痛く感じるほど生々しい。まさに生身のアートなわけで、感情に追いかけられ芝居がいっこうに完成しない。純粋っすねぇ。
ケイデンが女優のかわりにカギを開けようとして言われるセリフ「観客との壁を破るつもり?」が、うーん、素晴らしい。
で、これは妄想(脳内)ではなくて、提喩(演出)なんだとすれば、ひとつひとつの奇妙な歪み(下位)は、人や街やこの世界(上位)の象徴なのですね。この世界の内側、人間の内側、感情のさらに内側にあるモノを、見せてくれてるんだなと。人生は舞台だ、とか言うとなんだか陳腐ですが、大きな倉庫にニューヨークを作って心の内側へ内側へと入っていく、そんな怖さと倒錯と奔放がまぜこぜになった良作だと思います。
アデルの書いている絵なんかはまさに提喩の下位っすね。こまかく観るとおもしろい"下位"がたくさんあります。
飼っている鳥の絵を描いていて、鳥が動くから絵を書き終わらないわけですが、"方向性が見えた"。わたくしは、こーゆーのがとても好きっすね。感動してしまいましたよ。
エンドクレジットで流れる曲がすごくいいっすね。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 17:05| Comment(3) | TrackBack(1) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

花一匁

さるおです。
今オフのバルサの補強(入れ替え)は少々派手になりそうっす。毎年飽きずにやっている、セスクがほしい♪セスクは渡さん♪という"はないちもんめ"はまぁ今年もまたやるとして(笑)、それ以外がいろいろと切なそうなわけです。

いや、セスクは正直、もうわからん。ペップがどれだけ惚れていようが、手に入らないセスク。ベンゲルも惚れているセスク。これはもう、"御縁"の問題のような気がして、つまりもうわからん。要らん、とは言わんけど、必要なのかと聞かれれば、べつに、と思う。だって中盤間に合ってるし。いわゆる"チャビの後継者"問題はそれはそれで考えるとしても、やっぱ今チャビやイニ坊やブスケが離脱したとしてね、チアゴがいるからそれでいいわけです。もし今セスクを連れ戻すというなら、チアゴの運命はどうなるんだと。いいんだよ、チアゴで、それで充分に上等なんだよ、と思うわけですね、さるおとしては。セスクはどれほどバルサに来たいと思っているのか。思いが強いなら、身銭切って来たっていいんだぜ。っちゅーか、あっちとの契約が終わった後、おまえとバルサに2つ目の御縁があるならきっと戻って来られるさ。
で、セスクの他の補強はと言うと、左ラテラルと、デランテロは2人獲りたいということらしい。ホセ・アンヘルなのか、ホセ・エンリケなのか。ロッシもアレクシス・サンチェスも来るのか。で、すべての望みを叶えようとするには、例よってゼニが足りない。アレクシスの価格はウディネさんが釣り上げているし。FCバルセロナとしては、ぼやんちゃん、ジェフレン、チアゴをゼニの足しにしたいと(泣)。

しかもここに来てクライフまでが、「カンテラーノ売りゃぁいいんだよ」なんておっしゃる。
もちろんクライフは正しい。みんながトップチームに上がれるわけではない、それが現実。だったら、よそにいって試合に出ればいいんです。そのほうが幸せっすよね。バルサにこだわって安く飼い殺されるなんてよくない。
もちろん選手がそのオファーを気に入らなければなりませんが、その中で、単純に、いちばん高値をつけるクラブに売る。それでいいんです。それならいいんです、資金を得るのなら、いいんだ。切ないけど。
嫌なのは"トレード"というやつ。もちろん、大物同士を交換するというのはまた話が別ですが、大物を獲るためにカンテラーノを交換要員にする、というのが嫌だ。ぼやんちゃんも、ジェフレンも、チアゴも、トレード要員にはしないでください、バルサ。
わたくしは、この3人が売られて行ったら泣いてしまうんですが、けどもし、もしも、出てかなくちゃいけないんなら、みんな納得して結果幸せで選手とカネが動くだけだと知っていたい。お願いバルサ、ぼやんちゃんみたいな子をトレード要員に使わないで。お願いだから。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | FCバルセロナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月12日

映画鑑賞感想文『パイレーツ・オブ・カリビアン -生命の泉-』、というか、3部作のなんと素晴らしかったことか

さるおです。
『PIRATES OF THE CARIBBEAN: ON STRANGER TIDES/パイレーツ・オブ・カリビアン -生命の泉-』を観たよ。全作もれなく劇場で観てますねぇ。
わたくしは、てっきりこうだと思ってました、この作品のタイトルは、『PIRATES OF THE CARIBBEAN: THE FOUNTAIN OF YOUTH』だと。ええ、自信に満ち満ちて。(うなだれながら)

えー、監督はロブ・マーシャル(Rob Marshall)ですね、『CHICAGO/シカゴ』の人。3部作のほうはゴア・ヴァービンスキ(Gore Verbinski)の渾身の力作っす。脚本は3部作でお馴染みのテッド・エリオット(Ted Elliott)とテリー・ロッシオ(Terry Rossio)のコンビです。
出演はジョニー・デップ(Johnny Depp)、ペネロペ・クルス(Penelope Cruz)、ジェフリー・ラッシュ(Geoffrey Rush)、ケヴィン・マクナリー(Kevin McNally)、イアン・マクシェーン(Ian McShane)。さらにキース・リチャーズ(Keith Richards)、リチャード・グリフィス(Richard Griffiths)、ジュディ・デンチ(Judi Dench)と、なんとも豪華っす。

えー、3部作の素晴らしさのひとつは、トリオの化学反応だったと思うのです。それは、ジャック・スパロウとエリザベス・スワンとウィル・ターナーのばかばかしい化学反応であったり、メンバーが入れ替わってバルボッサやギブスが入ることもあれば、ジャックとウィルとノリントンさんになることもある、いずれにしてもばかばかしいコントです。
今回は、それがなかった。
しかたないのかもしんない。だって、登場人物総とっかえだしな。宣教師のフィリップと人魚のシレーナを"化学反応"の域に昇格させるとも思えねーし。
ということは、あんまり、えー、おもしろくなかったっす、おもしろかったけど。
今後はどーするんでしょーか、ジャックとギブスとバルボッサで華のないトリオ(笑)?

ストーリーとしても、うーん、なんかな、なんでもないという感じ。3部作は"海賊話"の部分でいろいろつながっててステキだったんですが、今作はスペイン海軍とイギリス海軍の競い合いにもスポットライトが当たっているので、どうも焦点がボケた感じっす。3部作はある意味ジャック・スパロウの逃れられない運命の話というか、加速する冒険にみんな巻き込まれて行く感じなんですが、生命の泉はなんというか、ほんとはべつに行かなくてもいいんだけど行かなくてはならないことにしないと映画がはじまらない的な、やっぱりね、無理矢理このシリーズを再開する雰囲気が出ちゃってますな。まぁ、おもしろかったんだけど。
ジャック・スパロウが船(これはパール限定でしょう)を持てない(取り返せない)船長だという一貫性もいいんだけれど、4作目では船コレクションを手に入れちゃったしね、今後は違う展開で『5』、『6』とやるんすかね。

3Dで観ましたよ。メガネもずいぶん軽くなって、3Dの質もどんどん上がってる感じです。あいかわらず、必要性はぜんぜん感じませんが。
あー、3Dね、予告でやってた『TRANSFORMERS: DARK OF THE MOON/トラスフォーマー:ダークサイドムーン』、あれがきっと素晴らしいだろうと思います。『TRON: LEGACY/トロン:レガシー』より抜群によさそうっす。3D云々より、"鮮明すぎる映像"向きの作品ということかもしれませんが。とにかくよさそう。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 19:21| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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