2002年の劇場未公開映画『OUR AMERICA/トゥルー・オブ・アメリカ』を観たよ。
監督はドラマ『MONDAY NIGHT MAYHEM/マンデ・ナイト・センセーション』のアーネスト・ディッカーソン(Ernest Dickerson)。
出演は『DEAD POETS SOCIETY/今を生きる』のジョシュ・チャールズ(Josh Charles)、『SOUL FOOD/ソウル・フード』のブランドン・ハモンド(Brandon Hammond)、『ALI/アリ』ではドン・キング役だった名作の名脇役ミケルティ・ウィリアムソン(Mykelti Williamson)。
実話です。
麻薬、犯罪、窃盗、強盗、殺人、そんなの日常茶飯事、そういう地域ってあるんだよね。そういう地域で、コドモらって育ってるんだよね。うーん、困った。
2人の高校生ロイドとルアランが、ラジオのドキュメンタリー番組のレポーターになるんだ。ほんで、自分たちが住む貧しいスラム地域を題材に取材を敢行する。麻薬犯罪も窃盗事件も殺人事件も毎日のように起きて、毎日友達たちが死んでいく、小さい子も麻薬や銃の犠牲になるのが日常。そーゆー環境をね、克明にレポートしてラジオに乗せる。
これっていわば"告発"なので、取材する方もされる方もちょっと勇気がいるんだけど、淡々と取材の様子が描かれて、まるで"メイキング・オブ・ドキュメンタリー番組"みたいな感じだなー。
取材の合間がすごくいい。ロイドとルアラン、親友間の、親愛と確執と友情と嫉妬、いろんな思春期のドラマがあるんだよね。
コドモらに必要なのは刑務所なのか助言なのか。
この街の悪循環を指摘しながらも、この映画は、何の結論も出さないし、何も解決していません。それでいいんだと思う、時間のかかる問題だから。理想なんて何の意味も持たない、だから、まずは見せることから始める。第2のロイドとルアランにこれを託せる日が来るといいんだけど。
ロイドとルアランは大学に進学してます。彼らにも、またいつか会いたいなー。
心ゆくまでさるお、もんち!
なにより子供たちが危険にさらされているのに、どうすることもできないから黙ってみてるしかないなんて。
そういう我々も、ただみているだけしかできないんだもんね。
映画を撮った人も、悪い組織に命をねらわれたりしないのかと、ちょっと心配ですね。
すごく重いテーマだと思います。でもそれに打ち勝つほどのエネルギーが子供たちには備わっていると信じたいし、何か使命を持ってその場所にいるのだと思いたいですよね。
この映画を観た人たちや話に聞いた人たちの想いが伝わって、いつか、善循環になるなにかしらの力が働けばいいと思うけど。
でもそういう環境が日常茶飯事だと、本人たちは、それほど重いと思ってなかったりするのかな?その中で生きてて、時にはいいこともあるだろうけど、我々からしてみると、日本はやっぱ貧富のさもあまりないし、本当に恵まれていると思うから、もっと感謝しないといけないなと思えてきました。
> アメリカみたいな先進国の中にそんな無法地帯があるなんておかしいことですね。
何をもって先進国と呼ぶか。さるおの中にはそーゆー疑問もあるんだけど、それはそれでおいとくとして、コドモはさ、(精いっぱいでいいから)精いっぱいいい環境で育つのがいいよね。
> 映画を撮った人も、悪い組織に命をねらわれたりしないのかと、ちょっと心配ですね。
そうそう、いろんなことがらについて言えるけど、告発した人の安否はすごく心配。
> 何か使命を持ってその場所にいるのだと思いたいですよね。
なるほど〜、それは発想の転換かも。
なんでおいらはこんな場所に生まれたんだ!っていう気持ちの先に、ここでやることがあるかもなっていう発想はたしかに救いになると思う。出て行くもよしだけど、出て行けない諸事情を背負った多くの人にとっては、考え方を変えるって死活問題だもんね。
> そういう環境が日常茶飯事だと、本人たちは、それほど重いと思ってなかったりするのかな?
そこがね、人の価値観のバリエーションの元でもあるんだろうけど、深刻だとも思う。スラムだろうと高級住宅地だろうと、自分はあたりまえだと思っていることが、まったく通用しない世界っていうのはすぐ近くにあるものだよね。
> 日本はやっぱ貧富のさもあまりないし、本当に恵まれていると思うから、もっと感謝しないといけないなと思えてきました。
micchyさんのおっしゃるとおり、恵まれている人は感謝するとより豊かになると思う。それに、こーゆーのって国単位(政府単位)で解決しないといけないんだよなぁ。