2008年12月06日

映画『SAW V』解読2

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

【木箱を受け取ったジルはすでに動き始めている】
ずっと愛している。ジョンはジルにそう言い遺しました。ジルは泣いてました。
そして木箱の鍵は、すでにジルの首からぶらさがってた。木箱の中身は、"とても重要"で、"ジルには使い方がわかる"何かです。
その後ジルはエリクソンに「ストラムが尾行してて困るのー」と言いつけに行った。
ははーん。明らかなことが2つあります。
まずは、ジルはこのときが来ることを知っていた、ということ。ずっと鍵は手元にありました。その木箱はジョンが死んだとき自分の元に届けられる、それを知っていた。ジルの表情は、"ついに来たか"なのではないかと思います。やるべきことをやらなければ。それが約束。
次に、ジルは初動として嘘をついた、ということ。ストラムに尾行なんてされてません。彼はホフマンのことで多忙っすからね。エリクソンの意識をストラムに向けさせる、重要な役目です。思い出せば、これまでにもこれとよく似た陽動作戦を何人かの女子がやってます。ローレンスを呼び出したSHOW MEのおねーさんや、リグをひとりにしたトレイシーです。でも、ジルは格が違いますよ(笑)。
さて、これらを推理すると、もうこれしかねぇ、そう思います(今は)。
つまりジルは、追い詰められて選択の余地無く嫌々ながら"ある計画"を実行するのか、それともすべてはあらかじめ夫婦間で決められていたのか。むはは、後者っすよね。
ジョンとジルは、計画通りに動いている。なにしろ"計画好き"のふたりです(笑)。観客はこれまで、騙されていたと思います、ジルの演技に。ギデオン君を失って絶望のふちに立った夫婦は"仲違い"したと思ってた。哀しみと怒りと失意の底で震えていたジョンと、ジョンを置いて前に進もうとするジル。
死を目前にしてジョンは残る命のすべてをあるライフワークに賭け、ジルはジョンの心情を理解してくれないんだと思ってました。財産など元妻にくれてやる。もっと深く、もっと高く、孤高のアーティストはどんどんシゴトにのめり込んで行きます。離婚して、ジルから遠ざかり、もう長いこと接点はありません。ジョンは変わってしまった、もう私とは関係ない、隠していることなどない、ジルはそう言った。
いや、そんなの嘘だよ。わざとだよ。
こう思うんです。ジョンの言う"より大きなもの"を完成させるのはジルの役目、なぜならジョンには時間が無いからです。自分が死んだら、この続きを引き継ぐ、誰よりも信頼し誰よりも愛するジルが。それまでは、一切の繋がりを断たなければなりません。ジルはそれまで自由の身でいなければならない。"より大きなもの"のために、ふたりは離婚し、周囲を欺き、永遠に別れたんだろうと思います。(妄想ですが、泣けてきましたよ)
"より大きなもの"というパズルを完成させる、それはもしかしたら、"ジグソウの称号を継承してゲームをし続ける"ことではなく、ジグソウのゲームを完結させるという意味かもしれないと思います。ジョンがホフマンに「こんなへたくそなゲームでジグソウの名を語るなんてむかつくー」と言っていたのを思い出します。ジョンは、他人がジグソウと呼ばれることを好まない。ジルだけは別格だとしても、この燃える情熱を理解しない第三者が、この壮絶な決意を共有しない第三者が、"ジグソウになる"ことなど許さない。思えばホフマンは、2度の過ちを犯しているわけです。1度目は自分がコピーキャットであったことで、こりゃジョンに怒られました。そしてジョンが死んだ今、追い詰められてストラムをジグソウに仕立て上げてしまった。他人がジグソウと呼ばれるのは嫌だと言ってるのに。
さて、超重要("grave importance")で、ジルには使い方がわかる("I trust you will know what to do with it.")もの・・・。ジルはストラムに尾行されていると嘘をついた。結果的に、ホフマンとふたりがかりで、ホフマンvs.ストラムという舞台を用意したことになります。ストラムは"simply vanish"の文字通り"消え"ました。ではホフマンはどーするのか。
ジョンはホフマンをとっつかまえて対面したときこう言いました。もしホフマンが自分を殺せば、ホフマンが殺人者だということは公になる。それはつまり、ジョンが死んだら、何者かがホフマンの正体を明かす、ということです。するとあの木箱の中身は"ホフマンの正体"に関する何かしらの資料だということになる。たしかに"grave matter"な"Jill will know what to do with it."です。となると、ホフマンのデスクに"I know who you are."のメモを置いたのはジルかもしれません。劇中でホフマンに"I know who you are."とセリフでしゃべった人物は2人いるのだから。ストラムとジョンです。
今回ホフマンがシェルターとして使ったガラス棺桶が『SAW IV』でチラ見したガラス棺桶と同一(設定上)だとすれば、開ける鍵は中にあります。そしてガラス棺桶がホフマン作ではなくジョンの作ったモノならば、無傷で脱出できるとは思えない。となるとホフマンのゲームが『SAW VI』の焦点のひとつになるはずで、胃から見つかったテープの言葉通り、ホフマンだってこのまま立ち去ることはできないわけですね。そのゲームにジルは絡んでくるはず、というよりジルにゲームを託した、だってゲームには"最前列で見るジグソウ"が必要だから。完結させなければならないとしたら、ジルはホフマンを葬りゲームに勝たなくてはなりません。ジョンがホフマンに与えた"匿名性"はあのテープのオープニング(Are you there detective? "ホフマン宛て"ではなく"刑事さん宛て")にも表れていて、ジルがゲームに勝つならば、コピーキャットだったホフマンはある意味本当の名前まで奪われて敗北する。
さて、木箱の中身は、ホフマンを救うモノか、葬るモノか、あるいはジルが生き残るためのツールなのか。少なくとも、ジョンからホフマンへのテープとテレコ、そーゆー小道具が入っていたはずです。
そしてさらに、明確にしなければならないことがあります。果たしてジョンのゲームは終わったかどうかです。ジョンは、ターゲットと考えている人物全員をプレイヤーにできたでしょうか。間に合ったでしょうか。ジョンが最期にホフマンに5人のゲームを託したシーンのやりとりを聞いていると、間に合った、というか、この5人が最後、という印象です。
そしてジルはそのことを知らない、長らく音信不通だからです。ということは、シゴトの進捗状況をジルに伝えなければならないはずです。ならば、木箱の中身はプレイヤーリスト、あるいは仕留めたターゲットの写真。そうじゃないかな。
さて、ジルは恐怖を感じているだろうか。
最後のターゲットは誰か。(ブリットは死んだかな)
考えることはほんと、山ほどあります。

【I Know Who You Are.】
あのメモは誰からだろう。
最後のガチンコ対決でストラムはホフマンにこの言葉を言ってました。それにこれはもちろんホフマンを追い込む心理効果を狙ったものです。ということはストラムが書いた、っちゅーことでいいのかな。

【SAW IIの屋敷によく似てましたが】
ストラムが最後に辿り着いた建物。いわゆる"住宅"のつくりで、木の床には地下につながる跳ね上げ式の扉(トラップドア)がありました。8人でゲームした『SAW II』のおうちとよく似てた。
1作目『SAW』でタップ刑事が言ってましたね。隣の家とは下水で繋がっている。
バスルームは下水処理施設のような建物の地下でした。で、『SAW II』のおうちのトラップドアから地下に降りて通路を進むとあのバスルームに辿り着けたんだよな。
『SAW III』はギデオンビル、『SAW IV』はあちこち歩いて最後にギデオンビル。
そして『SAW V』の5人のゲームの舞台はまた下水。さらにガチンコ対決会場はトラップドアを通ってまたまた地下です。
うーん、地下好きっすね。下水大好き。
このうち、ケーサツに発見されているのはギデオンビルです。エリクソンが救急班を呼んでしまったので5人のゲーム会場もケーサツの手が入るわけです。
一方、バスルームと『SAW II』のおうちは発見されていないはず。ストラムが死んだことはずっと闇に葬られるんだと、おまえはジグソウだと思われっぱなしだと、そうホフマンが言ったということは、ガチンコ対決会場も発見されないのが前提です。
ストラムが辿り着いた場所は、5つも死体が転がってた家が片づきすぎだと思うので(笑)、似てはいたものの『SAW II』のおうちとイコールだとは言えません。でも、繋がってはいる。トラップドアから地下に降りたら血痕のようなものがあったと思うんですが、かわいそうなゴードンせんせやエリックが通った跡かもしれないから。
ひとつ疑問に思うのは、エリックが『SAW II』から『SAW IV』の間に、発見されないバスルームつながりの場所からギデオンビルに移動しているということですが。
それにしてもなんと"廃虚"の多い街でしょう。食肉工場も閉鎖してるし、マネキン工場もウィルソン鉄鋼も閉鎖してた。バスルーム完備だというのにあの古い下水処理施設もうち捨てられている。ゴーストタウン化が進んでいます。そんな街ならケーサツはどの建物もシラミ潰しに調査したらいいのに、よほど街がでかいか、あるいは利権が複雑に絡んだ政治的な事情があるのか。ジョンが元気で人生うまくいってたら、ジョンの会社はステキな街を再開発しただろうに。要はさるおは街全体の地図を手に入れたいわけですね(笑)。

【ポスター】
これはストラムさんでしたねー、当たってましたよ。濡れ衣を着せられちゃった、というヴィジュアルでした。

【やっぱりオカシイ時系列】
こちらに詳しく書いてあるのでご参照ください。
1995年2月  ジョンがセシルを拉致ってゲーム
2004年3月24日  ジョンのカルテ作成(ガン告知)
2004年3月24日以降  ジョンがクルマで崖からダイブ自殺未遂
2004年4月28日  ポールのカミソリワイヤーゲーム
今度はこのへんがオカシイっす(笑)!
ジョンに言ったら怒られると思いますが、セシルのゲームはどー考えたって復讐です。で、回想シーンやその中の「セシルに何をしたのか」というジルのセリフ、ゲームの仕掛けが木製だったりして手作り感バリバリの温もり溢れる感じから、これが1発目だろうというのはあってるはずなんです。で、そこから癌告知まで9年間もあるわけ。その9年も終盤になるとジョンは忙しいんですよ、具合が悪いと思ったら死ぬらしいぞと、だったらもう自殺しちゃえと思ったのにたすかっちゃったと。
ところが、ポールのときにはすでにホフマン助手がいる。
ジョンはホフマンを捕まえたとき"I am the man you call 'Jigsaw'."(私が、あんたらがジグソウと呼んでる男だ)と言っていますが、これは矛盾しています。『SAW』でローレンス・ゴードンが、ポールのカミソリワイヤーを"beginning"(最初)だと言っているからです。でき得る解釈はこれしかありません。事件はすでにたくさん起きていてケーサツは犯人をジグソウと呼んでいる、が、カミソリワイヤー以前のことは公表されていなかったため、ローレンスはカミソリワイヤー以前のことを知らない。
ふふーん、そんなのありかな?
セスを殺したホフマンの力作を、ジョンは気に入らないと言いました。あんなヘボヘボなゲームでジグソウを語るなと、怒ってた。ここでも、カミソリワイヤー以前にゲームを山ほど行っていたということが示唆されています。
となると、ジョンがジグソウになった"理由"についての疑問が生じます。ジョンはエリックに、ダーウィンの進化論まで持ちだして、きっかけは自殺未遂と言っているからです。ビョーキでもう生きられないのに、死のうと思ったら死ねない。ここで"命とは何か"という命題にぶちあたるわけです。その結果、やったるでー!となったはずなんです。でもカミソリワイヤー以前にゲームをやりまくっていたとしたら、ジョンがジグソウになった理由は"ギデオンを失ったから"であり、セシルへの復讐以降ゲームにハマりっぱなし、ということになる。
もっと言ってしまえばすべてのゲームは"救済"の名を借りた"復讐"だということになります。つまりですね、ジョンは人々を救済しようとしていたのにその人々に裏切られた、ということ。たしかにジョンは、街規模で、人々の役に立とうとしていた。そのために、ジルにあんなシゴトを任せてしまった、危険だとわかっていたのに、あんな連中の面倒をみさせた。その結果、愛する人を守ることができなかった。危険だとわかっていたのに。それを、生涯をかけて悔いている。
そうなると、究極の疑問が浮き彫りになってきませんか。
ポールを拉致するときのジョンは元気いっぱい。2ヶ月前に崖からダイブして内蔵が飛び出た人とは思えません。そもそも、ホフマンをとっつかまえたシーン、コピーキャットだってバラされたくなきゃ仲間になれ的な、あのときというのは、時系列で言えばまさに崖からダイブの頃かもしれず、でも元気いっぱいです。そして解剖シーンでジョンの左わき腹に傷跡はなかった。
自殺未遂なんて、嘘じゃないのか。
ジョンは決して正直ではありません。バスルームで自分を死体だと偽り、アマンダに生きている人間の腹を掘らせた。崖から飛んだら内蔵が飛び出た、なんて、嘘かもしれません。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 19:59| Comment(6) | TrackBack(0) | さるお発『SAW V』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
さるおさんの解読、いつも楽しみに見させて頂いていますー><
かなり核心に迫った解読ですよね 尊敬します。

5は6のフリで
・かなり曖昧だった事実の整理
・新たな要素を流布
・選択肢のぼやかし

という感じがしました。

タップやダニエル、オビが突然5になって出てくるのは、
ちまたではゴードン説が濃厚になってきてることから、製作側が
「ほーらこいつらも怪しいよ?」
ってわざわざ言ってきてるみたいに感じました。

副社長もジルも怪しい


かなりのぼかしプラス整理された気がするんです。



やはり6は、ホフマンが被験者となる壮大なゲームの説明となり、
ジグソウ事件に終止符を打たせる"何者か"が出てきて終了なんでしょうかね。

確実に5では、ジルが最有力候補となりましたが
それでは少し読めすぎてるので…

さるおさんや他のSAWマニアの方々でも
あっとするような6を製作してほしいものです。

今まである多くの矛盾点を消化してくれたら嬉しいのですが、
不安がつのりますね><


…駄作にならないか、とっても心配です><

Posted by ぷーた at 2008年12月07日 16:34
ぷーたさん
ありがとーう。嬉しいっす。

> 5は6のフリで
> ・かなり曖昧だった事実の整理
> ・新たな要素を流布
> ・選択肢のぼやかし

6に向けて、準備してるなーっちゅー感じだよね。
選択肢のぼやかし、これは具体的にいうとどんなですか。

> タップやダニエル、オビが突然5になって出てくるのは、
> ちまたではゴードン説が濃厚になってきてることから、

SAWって、もちろん当たらなければ続編無しのつもりできちんと1話完結したと思うんです。でも、続編も作るとしたらという想定で、おおまかなストーリーは"最後まで"考えていたはずで、ゴードンにしろアダムにしろ、とっといたんだと思うんだよね。
それが今じゃブリット副社長もジルもだし、トレイシーやとかラマンナ(SWAT)とか、ほかにもいっぱい、果てはアリソンとダイアナまで(笑)、みーんな怪しい。
オビはどうだろう。たしかに出すぎで怪しさ満点ですが、そーかと思うと"ティム・バード"でクレジットされてたりするしなぁ。

> 確実に5では、ジルが最有力候補となりましたが
> それでは少し読めすぎてるので…

そうね、たしかに読めすぎだな。
そこへきて、マニアがどんなに考えていても"度肝を抜かれる"ラスト、とっても観たいすねー。
Posted by さるお at 2008年12月13日 13:09
犯罪がない、理想郷を作りたかったんだろうね。理想郷に犯罪者はいらない。犯罪者居ないから警察も要らない。

それにしても、ジグソウになった動機が分からないですよね。矛盾だらけだし。ジグソウ双子だったら笑える。

過去にガラス箱を作ってる所をジルに見つかるシーンありましたよね?ジョンはジルに「わかるだろ?」って言ったと思います。この言葉の真意なんだろ。この時すでにジョンとジルの間には計画が進んでいたのかな〜。
Posted by ゆい at 2008年12月16日 13:52
ゆいさん
理想郷、そんな感じするよね。

> ジグソウになった動機が分からないですよね。

今のところ、"生に感謝する心を知ったから"か"懲りないダメ人間をスパルタ更生したいから"のどちらかだよね。
その点についてはそんなに矛盾なく表現されてるような気がします。

> 過去にガラス箱を作ってる所をジルに見つかるシーンありましたよね?ジョンはジルに「わかるだろ?」って言ったと思います。

ガラス箱作りは進行中じゃなかったと思います。作って布かけて置いてあったガラス箱をジルが見ようとして、来るなって言うんだよね。今度確認してみますが「わかるだろ?」って言ったとすると計画は始まってた感じだよなぁ。
Posted by さるお at 2008年12月16日 19:53
アダムは殺されたと取るのが自然でしょう。
特に重要な人物でもありませんし。
ジョンが「ゲームオーバー」と言ったということはそういうことでしょう。
バスルームのミイラがアダムですね。
情緒不安定なアマンダが余計なお世話を焼きに来たんでしょう。
足かせはミスですね。
Posted by がー at 2009年03月23日 20:36
がーさん

> アダムは殺されたと取るのが自然でしょう。

うはー、素直っすねー。

> 特に重要な人物でもありませんし。

根拠は?

> ジョンが「ゲームオーバー」と言ったということはそういうことでしょう。

そうね、それはわかります。

> バスルームのミイラがアダムですね。
> 足かせはミスですね。

根拠は?

> 情緒不安定なアマンダが余計なお世話を焼きに来たんでしょう。

これは偶然ってこと?
Posted by さるお at 2009年05月06日 23:16
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