2009年08月26日

映画鑑賞感想文『ゴーン・ベイビー・ゴーン』

さるおです。
『GONE BABY GONE/ゴーン・ベイビー・ゴーン』を観たよ。
監督・脚本は、役者をやっているとどうにもバカっぽいベン・アフレック(Ben Affleck)。あ、そんな、悪い意味じゃないです。さるおはこの人は好きです。仲良しマット(Matt Damon)と一緒に脚本を書いた『GOOD WILL HUNTING/グッド・ウィル・ハンティング』だってなかなかよかったし。
原作は『MYSTIC RIVER/ミスティックリバー』のデニス・ルヘイン(Dennis Lehane)。あー、そうね、似てんな。
出演は、ベンの弟でやっぱりどうにもバカっぽいケイシー・アフレック(Casey Affleck)。あはは、とてもよい意味で。甘いマスクで、あのゆるーく細やかな憂鬱さ。けっこうすごい個性の俳優さんだと思う。とても好きっすね。『THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD/ジェシー・ジェームズの暗殺』もよかったし、とにかく、『GERRY/ジェリー』以外はよかったし。
他の出演者は、探偵カップルのもうひとりアンジー役にミシェル・モナハン(Michelle Monaghan)、レミー・ブレサント刑事にエド・ハリス(Ed Harris)、ジャック・ドイル警部にモーガン・フリーマン(Morgan Freeman)、ニック刑事は『BEVERLY HILLS COP/ビバリーヒルズ・コップ』ではコミカル刑事だったジョン・アシュトン(John Ashton)、ヘリーン役は素晴らしすぎる演技が必見のエイミー・ライアン(Amy Ryan)、『STREETS OF FIRE/ストリート・オブ・ファイヤー』『PLACES IN THE HEART/プレイス・イン・ザ・ハート』『TWICE IN A LIFETIME/燃えてふたたび』で立て続けにこちらもすごい演技力は証明済みのエド・ハリスの奥さんエイミー・マディガン(Amy Madigan)がビー役です。うーん、豪華。

とてもおもしろい作品っす。劇場未公開だなんて、もったいねぇ。

展開にはそれほどおどろかないと思うんだけど、別の、哀愁のようなおどろきがあって、なかなか奥行きのある作品っす。正義と悪の戦いだと思って観ているわけですが、じつは正義と善との鬩ぎ合いなわけです。正義に忠実で勇敢な私立探偵パトリック、最後の最後に融通の利かない彼が、堅すぎる気もする。でも、善でしか過去を償えないドイル警部が、身勝手な気もする。作品を観たあとで、どっちがよかったのか、考えさせるような話なわけです。
で、これについては答えは出ない。登場人物の、それぞれの良心に基づく信念のお話っすから、白黒はつきません。すべてはアマンダちゃんのこれからの生活がどーなるかなわけですが、おそらく彼女でも、答えは出ない。

もっともっと奥深く、この作品の核になっているものは、このオトナたちの正義や良心や、あるいは償い、立ち直るという戦い、そーゆーいろんなものを超えたところにあります。
レミーのセリフです。
Let me emphasize this--the father had him in this crack cocaine drug house, eating nothing but junk food like Hostess brand Twinkies snack cakes and being beaten, and this little boy just wanted someone to tell him that he was doing a good job. You're worried what is Catholic? Children forgive you. Children don't judge. Children turn the other cheek. What is their reward? So I went back out there, and I put an ounce of heroin on the living room floor, so that the father would be sent to prison for a term of seven years to life.
レミーはコドモを虐待しまくっていたジャンキーの父親を刑務所送りにするために、証拠を捏造した。それは正義だと言うわけです。
虐待されているコドモは、不条理の中で痛めつけられていても、「いい子だ」と褒められようとするんだぞ。コドモというのは、許し、裁かず、もう片方の頬を差し出す。何の見返りもなくても。コドモって、そーなんだぞ。
と言うわけです。
この姿っす。これが、アマンダが見せる姿です。だから正義が、だから善が、なくてはならない。

物語では、レミーやドイル警部の望まない結末になるわけですが、それでもアマンダはもう片方の頬を差し出しました。どうなるにせよ、ただ、与えられた環境に、頬を差し出す。パトリックの正義にも、ヘリーンの戦いにも、ただ頬を差し出す。順応することで、自分の居場所を見つけるわけです。

いやー、いい視点の作品っすね。

タイトルはチーズのセリフから。このシーンは好きっす。

そうそう、今突然思い出しました。『THE ASSASSINATION OF JESSE JAMES BY THE COWARD ROBERT FORD/ジェシー・ジェームズの暗殺』で思い出した。『GONE BABY GONE/ゴーン・ベイビー・ゴーン』の製作総指揮はデヴィッド・クロケット(David Crockett)さんという人です。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 22:01| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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