2009年11月06日

映画鑑賞感想文『THIS IS IT』

さるおです。
『THIS IS IT』を劇場で観たよ。
監督はケニー・オルテガ(Kenny Ortega)、出演はマイケル・ジョゼフ・ジャクソン(Michael Joseph Jackson)です。

これはでかいスクリーンで観たほうがいい作品ですよ。

とても泣いてしまいました。とっても。さみしくて。そして美しくて。

マイケルさんのダンスというのは、やっぱりとても特別。マイケルさんは50歳ですから、もう若いころほどは身体が動きません。リハ中のダンスは、決めるところを決めて、あとはゆるかったりする。それでも、あなただけが、とても優雅で美しい。そりゃ年季入ってますから、あたりまえだけど。
ダンサーさんたちは若者ばかりなので、とても力強い。こーゆーショーって、やっぱ感動します。人体って美しい!とか思って、メタボってることを忘れ、わくわくして踊りたくなる(笑)。日本の映画館ってすごく静かですが、この作品は一緒に歌って足踏みならして観るのが正解。
さるおはね、あなたの歌は全部歌えるし、おどりもけっこうおぼえてたりするんです。だって、あなたを知ったのは1979年、人生で初めておぼえた"えいごのうた"があなたの"Don't Stop 'Til You Get Enough"、あのときあなたは21歳で、さるおは8歳で、それから30年も、あなたの魔法をずっと観てきたのだから。いつも自然と鼻歌で出てくるのは"Wanna Be Startin' Somethin"です。あなたはとても早口で、歌うのが大変だった。でも大好きで、とても大好きで、あなたのようになりたくて、たくさん歌をおぼえたよ。
そんなあなたがもういないなんて、とてもさみしい。

あなたは、ガゼルのように、ゼブラのように、そーゆーレベルで美しい人。神が作った美しさそのものなんだなぁ。
この3ヶ月間、あなたと過ごした人たちがいる。神に触れた人たちがいる。それを許された幸せ者がいる。いいなぁ。そのお裾分けを、この映画でいただきました。
もしあなたがこのショーを成し遂げていたら、分けてもらえなかったはずの、すごい贈り物を遺してくれた。ショーができなかったことをよろこんでいるわけじゃないけどさ、でも、ショーのマイケルより大きな、たくさんのものが届いたよ、どうもありがとう。

いい加減さとか、狡さとか、あなたはそーゆー武器を持たない。才能だけしか持たず、ショーをやることでしか戦えない、かわいそうな人、マイケル。だからあなたはマイケルなんだけどさ。この世の中は、とても生きにくかったことだろう。
いつもとは違うすごい贈り物をもらったけれど、それでもやっぱり、それでももちろん、あなたを知ることはできなかった。あなたの内面に、触れることはできなかった。おそらく誰も。かわいそうだ、マイケル、あなたがかわいそうだよ。コドモ時代を奪われ、人生を奪われ、"現代"というものに飼い殺しにされた光り輝く巨星。明るすぎて、底なしの闇を抱えた、孤高の人。マイケル、あなたがかわいそうだよ。

カート・コバーンが死んだとき、あんときは長いこと泣き続けたもんです。"救えたはずの"カートを、だれも守ってやれなかったと知って、泣いたもんです。
マイケル、あなたはちょっと違うね。あなたは、"救うことのできない人"。それほど遠く、それほど深い、手を伸ばしても届かないところにいたんだ。

あなたがどれほど眩しく輝いているか、もしかしたらファンはあなた以上に知っている。あなたもそれが見えるかい?みんながどれほどあなたを愛しているか、どうか知っていてくれますように。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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