ソシエダは、バルサの中盤にデコがいても押さえることができたか。
バルセロニスタさるおとしては、仕事を極力ごまかして、今シーズンほとんど逃さずバルサの試合を観ちゃっている。まずい。わかってはいるがやめられないんだよぅ。
さるおはこの選手が大好きさ。青いドラゴンズ(中日じゃねーってば。FCポルトのことだってばよ)を牽引し、スーペルリーガ優勝と、チームにとって17年ぶりのチャンピオンズリーグ優勝。ポルト時代は本当に本当に素晴らしかったじゃんね。ブラジルからやってきて、ベンフィカ時代はザツに扱われてたけど、その後はポルトガルサッカー界に名を刻み、ポルトガルの人たちにも認められ、ポルトガル人になったデコちん。02年ワールドカップでは、ポルトガル代表というチームで冷たくされてんじゃねー?とも思ったけど、結果を出すことで認められていくえらいデコちん。02年ワールドカップでついにポルトガル人になったな〜と思ったもんさ。EURO2004だって準優勝。バルサにやって来る前からすでに、デコちんは輝いてたぜ。それまで苦労人だったデコちんをポルトが引き抜いた瞬間から、マラドニーニャ(小さなマラドーナ)はがぜん輝き出したのさ。
本職はトップ下、セカンドアタッカー。技術が高い選手というのは技術に頼りがちなので、身体に頼る守備の仕事は苦手な場合が多い。しか〜し、マジコ(魔法使い)と呼ばれるテクニシャンのデコは身体を張って守備もこなす、ガッツのある男だぜ。だから中盤の下がり目でもどんとこい。
見ているとこの人は状況判断がずばぬけて速い。ということは動き出すのも速い。誰にパスを出したらいいか、どんなパスを出したらいいか、このままゴールまで持って行けるか、事前にわかってるように見えるんだよね。天才肌なんだなぁ、きっと。記憶に新しいところでは12月4日のマラガ戦。エトーにボールもらってさ、前を見た時にはすでに相手は引いて構えてた。ほんでも強烈なロングシュートさ。デコちんも笑顔、よかった、よかった。パサーとしてもキッカーとしても、非凡な、本当に傑出した人。天職だよね、いいなぁ。凡人が経験する転職とは大違い。
この我らがマジコがバルサの一員としてリーガデビューして当初、解説のおっさんたちはほとんど彼を解説しなかった。「デコはブラジルのサッカーセンスを持ってますからねぇ。うまい選手ですねぇ。」っていったい何の解説だ。うまいですねぇ、で済むんだったら楽な仕事だ、さるおにやらせてくれよ。
ついでに偶然かも知れないけど、その頃さるおはリーガでデコちんの笑顔を見ていない。ゴールした誰かにみんなが駆け寄って抱き合っても、そこにはデコちんがいない。アシストしたのデコちんなのに〜。あの松崎しげるのように下がったまゆ毛がさるおを心配させるじゃないのよ。
そのうちに「デコはがんばってますよ。もっと評価されてもいいと思うんですがねぇ。」に変わり、それがまた激変して、みんながものすごいデコちんを褒め出した時期があるんだよね。いったい何がきっかけだったのか。CLでセルティックのホームに遠征した時の先制ゴールかなんかか、いやもっと後だったかな。
褒めついでに最近、ヨハン・クライフ(Hendrik Johannes Cruijff)がデコちんを褒めちぎった。曰く、
「彼がボールを回すスピードは驚異的だし、ほぼ全てにおいて完璧な選手。彼には他にも長所がある。それは無駄なプレーをしないということだ。シュートの場面でもスピードがあり、キーパーが気づいたときにはもうボールはネットを揺らしている。彼のボールの扱い方はクーマン以来見たことがないほどのハイレベルなものだ。5、6メートルのパスでも完璧で、ボールを受け取る選手にコントロールしやすいように計算されている。私の考えでは、それこそが最高のテクニックだ。落ち着いてボールを回したり、うまくパスを出す選手はたくさんいるが、デコは本当に特別な、素晴らしいテクニックにあふれる選手だ」
「みんな彼はよく走ると言うが、それは別の話だ。彼は攻守の切り替えがとても速い。彼は読みが的確で、ボールが彼の元に届くかどうか、受け取る前から分かっているんだ。そしてボールが届かなかったときにはすぐに別の役割を果たしに行く。彼は他の選手よりも先を読んでいるし、それは立派なテクニックだ。デコがボールを奪うのは彼がたくさん走っているからではなく、人より先に走っているからだ」
おぉ。待ってたぞ、その褒め言葉。いいこと言うなぁ。
インテルへ行っちまったモサモサヘアのグラサン男、ダーヴィッツの穴を埋めてあまりあるデコ。
で、今さら本題に入っても長すぎるので、本題はさら〜っと(笑)流してしまうのだが、ソシエダ戦のように中盤を押さえられてしまう試合、デコがいたらどうなっていたのか。なんでそんなことを思いながら試合を観ていたかといえば、みなさん、どこにパスを出したらいいか、迷って迷って、くれた人に返す、みたいな動きが目立ったから。ソシエダが押さえたかった中盤は、デコがいたら押さえられなかった可能性があると思ってね。デコちん、速いからさ。そしたらバルサのゲーム展開にもっと連動性がうまれて、去年のような感じに近くなってたかもしれないなぁと。
そういえば、ダーヴィッツと同時期、栄光のうちに惜しまれつつ引退したマルク・オーフェルマルスはどうしてるかな。左サイドアタッカー、彼こそが『バルサの翼』。彼の引退は今思い出しても泣けるねぇ。試合観てるかな。
心ゆくまでさるお、もんち!