2005年01月21日

映画鑑賞感想文『ヴェロニカ・ゲリン』

さるおです。
『VERONICA GUERIN/ヴェロニカ・ゲリン』を観たよ。

1994年のアイルランド、ダブリンの街で麻薬犯罪の記事を書いていた記者が、麻薬犯罪組織に深く入り込んで取材を続け、1996年に殺害されるまでの実話を描いた映画。
監督はジョエル・シュマッカー(Joel Schumacher)。
出演は『ELIZABETH/エリザベス』『THE MAN WHO CRIED/耳に残るのは君の歌声』『CHARLOTTE GRAY/シャーロット・グレイ』『THE LORD OF THE RINGS/ロード・オブ・ザ・リング(シリーズ)』のケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)。

映画の中のヴェロニカは、記者らしく、物怖じせず、ずけずけとまったく遠慮のない女性。友達にはなりたくないタイプである。後半になってやっと、「私が怯えていたと決して誰にも言わないでくれ」と言って泣く、人間らしく実直で、尽きかけた勇気をふりしぼる本当の彼女に出会って、感動するのだ。ちょっと遅い。
勇気というのは、ふりしぼって初めて出てくるものなんじゃ、とあらためて気付かされてそれまでのヴェロニカの強がりを振り返ると、あまりの孤独にため息が出る。

DVDに収録されている元同僚のインタビュー中の「彼女は何もわかっていなかった」発言は何なのだろう。ヴェロニカが愚かだったという意味に聞こえて疑問が残る。映画の前半のヴェロニカはたしかに、愚かで有頂天で傲慢な記者になってしまっているからね。それに、命がけで仕事をするなら、普通なかなか家庭(特に子供)は持てないんじゃないか。どちらかを選ぶのが賢明というものだ。
しかし、同じくDVDに収録されている授賞式の映像を観ると、ヴェロニカ本人のものとケイトが演じたものとで、違ったヴェロニカが浮き彫りになってくる。そう、ヴェロニカは決して愚かな人間ではない。

組織犯罪と、それを黙認する市民、すべての代償を支払うのが子供たちであったダブリンの街で、もう後戻りできないほどの憤りに正義でぶつかっていく姿は素晴らしい。
本物のヴェロニカ・ゲリンは知らない。勇気の象徴として多少美化されているかもしれないが、賢く、正義感に燃える、孤高の殉職者である。彼女を記憶し、勇気を引き継ぎ、忘れないための記録映画として、さるおにはめずらしくまじめに観ないといけないと思った1本でござる。

もう少し時間をかけて大作になってもいいから、ヴェロニカの葛藤と、家族の苦悩と勇気などをもっと描けていたらさらによかった。

ジェラルド・マクソーリー(Gerard McSorley)の温和で上品な悪玉はキレると恐いよ。
コリン・ファレル(Colin Farrell)のカメオ出演も密かな見どころ。
短髪のケイトは見慣れないなぁ。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 19:04| Comment(0) | TrackBack(15) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ヴェロニカ・ゲリン
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映画: ヴェロニカ・ゲリン
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