2005年01月22日

映画鑑賞感想文『パッション』

さるおです。
『THE PASSION OF THE CHRIST/パッション』を観たよ。メル、すごい気合いだね。
全編通して、ユダヤ人の台詞はアラム語(ヘブライ語も混ざっているらしいがそんなことはまるでわからん)、ローマ人の台詞はラテン語(カトリックの公用語)。すごい気合いだ。自分の金もど〜んと使って、まさにメルのパッション!

イエスの最後の12時間を描いたアメリカ・イタリア映画。
監督は『BRAVEHEART/ブレイブハート』でアカデミー賞をとったメル・ギブソン(Mel Gibson)。
出演は、イエス役に『G.I. JANE/G.I.ジェーン』『THE THIN RED LINE/シン・レッド・ライン』のジム・カヴィーゼル(Jim Caviezel)、イエスの母マリア役に『TO VLEMMA TOU ODYSSEA/ユリシーズの瞳』の実力派マヤ・モルゲンステルン(MaIa Morgenstern)、マグダラのマリア役にイタリアの宝石モニカ・ベルッチ(Monica Bellucci)。

反ユダヤ映画かどうかという議論をふっとばし、物議を醸し出すほどの超過激バイオレンス映画。ということで信者にとっては目を覆いたくなる映像かもしんないけど、ま、そんなびっくりするほどでもないか。さるおは家で飯食いながら観たよ。
さすがに2000年ものあいだロングセラーとなっている人気の原作からクライマックス部分だけをチョイスしているので、おもしろいし見ごたえ満点。

正体不明のフードの女やヘビとして描かれているのはサタン。迷いがなく淡々として自信に満ちた神の子イエスが垣間見せる、恐怖と闘う人の子イエス。神の子か人の子か、どちらの視点で見てもおもしろい。ただし、本当のドラマはイエス本人ではなくイエスのまわりで起きている。本当はイエスをたすけたかったピラトの葛藤やヨハネの覚悟やユダの苦悩ももっと描いてほしかったね。
他の映画のように「もしもあれが自分だったら」「もしも自分があの場にいたら」ということを考えても意味のない映画だし、「普通の人ではこうはできない」と言ってみたところで、そもそも普通の人の話ではないので議論にならない。さるお的には、人物や"しるし"を見逃さないようにと、間違い探しのゲームのような感覚で楽しんで観られる一面もあったな。
凄惨なシーンはすべてその後の復活のために必要なんだとか、さんざん言っていたわりに、処刑後3日目の復活シーンはあっさりしすぎて裏切られた感が否めないぜ、メル。
さるお的には、母マリアの、サタンに打ち勝ち目を背けることなく母であり続けようとする姿にいたく感動したね。マヤはいい女優さんだ。ルーマニアだけでなく世界中で活躍してほしい人だなぁ。
ふと思ったのは、メルはこの映画を踏み絵のつもりで作ったんじゃねーの、という疑問。ならばメルの過剰なパッションも理解しやすい。ふたりのマリアが目を背けなかったように、観客も目を背けるなということかね。そういえば見終わってみるとイエスよりもふたりのマリアが記憶に残っている。

ちなみにこの映画の雰囲気はメル的というよりM・ナイト・シャマラン的。あはは。

誰かユダを主役にした映画作ってくれ。裏切りなのか愛なのか、奥が深いテーマだからね。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 17:09| Comment(12) | TrackBack(19) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
つっきーです。トラックバックありがとうございました。

さるおさんのレビューって面白いですね。
「家で飯食いながら観たよ」とか聖書のことを「2000年ものあいだロングセラーになっている人気の原作」とか、すっごく笑える書き方しているんだけど、後半ではちゃんとポイントを押さえてレビューしてあって・・・。
尊敬しちゃいますね。

観終わってみると二人のマリアが印象に残るっていうの、同感です。
最後まで目をそらすことなくイエスを見届けた二人の姿に、観る側に求められる姿勢みたいなものを感じました。

それにしてもおかしい話だと思いませんか?
敬虔なクリスチャンなら聖書でイエスがどれだけ酷い死に方をしたか知ってるはずなのに、映画は残酷すぎるって批判するの。クリスチャンこそ、あの凄惨なシーンから目を背けずにイエスの深い愛と赦しの心を見届けてもらいたいですね。

ちなみに2回目の観賞時はポテチ食べながらでも平気でした。(笑)
クリスチャンじゃないからかなぁ?
Posted by つっきー at 2005年03月29日 07:45
つっきーさん
やっぱりこの映画、ふたりのマリアはものすごくいい脇役だよね。ジム・カヴィーゼルの顔、まっさきには思い浮かびません。

> クリスチャンこそ、あの凄惨なシーンから目を背けずにイエスの深い愛と赦しの心を見届けてもらいたい

クリスチャンのみなさんって、凄惨なシーンからは目を背けつつ深い愛と赦しの心は見届ける、まだ小羊だからクリスチャンなのかな、とも思います。修業(なんて言うのが正しいの?)を積んで、目を背けなくなれば、ふたりのマリアやヨハネの領域。転じて崇拝される側になれるのかなと思いました。不勉強なうちは、この映画で描かれているところの群衆と同じなわけで、そんな迷える小羊には何かしらの心の拠り所が必要なものなのかもしれません。

お!さるおは目を背けなかったぞ。さてはヨハネの領域か!
つっきーさんも2回目にしてマリアの領域か!
そうだ、信者を募りましょう(笑)。宗教法人、発足です。今のご時世、カルトだと思われないようにしなければ・・・
Posted by さるお at 2005年03月31日 07:50
TBありがとうございます。
「THE PASSION OF THE CHRIST」を見てから、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が死去のニュースが流れました。日頃宗教とは無縁の生活を送っているので、このようなきっかけで少し考えてみるのも良いのかな。ところで次の法王は誰でしょう。
Posted by 館主 at 2005年04月04日 11:56
館主さん
さるおもまったく宗教とは無縁です。なのでこの『パッション』も相当気軽に観てしまいました(笑)
バチカンは大変ですね。次の法王を決めるの、"ヒミツ選挙"ですし、もともと血なまぐさいですよね、あそこは。バチカンvs.フリーメーソンリーっていう構図も今はもうないみたいですが・・・どういう人が後釜に座るんでしょうね。
Posted by さるお at 2005年04月05日 06:45
こんばんは。
この映画は凄かったです。痛い映画が苦手な私には結構辛いものがありました。
4つの福音書を元に作られているようですが、実は「マリアの福音書」と言うのも存在するようです。
つまり、マリアから見た最後の12時間と言うのがあるようで、かなり、見てみたい・・・
ダヴィンチ・コードも話題になっているようで、今後も目が離せません!!
Posted by marus at 2005年04月07日 22:18
marusさん
マリアから見た最後の12時間とか、誰それから見た最後の12時間ってことで、1本ずつ映画撮ってほしいくらいですね。興味深い内容ですもん。
ユダの視点がいちばん気になるさるおですが、いや〜、どの視点からでも観たいです。
『ダヴィンチ・コード』読みましたか?さるおはまだなんですが、絶対読むつもりです。
Posted by さるお at 2005年04月08日 03:22
こんにちは。
残念ながら、まだ読んでません。実は読書は苦手なんです・・・
なので、映画化に物凄く期待しています!(^^)
Posted by marus at 2005年04月10日 18:57
marusさん
さるおもなかなか知人で読んだ人が見つからなくて・・・
なんとな〜く、買わずに借りたいと思ってしまうのは、なんなんでしょうかね(笑)。

> 映画化に物凄く期待しています!(^^)

そうですね。とりあえず、トム・ハンクスに期待です。
Posted by さるお at 2005年05月21日 01:50
はじめまして!トラックバックありがとうございます。

ご飯食べながら観たんですね〜!スゴイ。私は手のひらに釘打ち込むとこで目を覆ってしまいました。まだまだ子羊ってことなんですかね〜

Posted by テラポット at 2005年06月20日 14:18
テラポットさん

> 私は手のひらに釘打ち込むとこで目を覆ってしまいました。まだまだ子羊ってことなんですかね〜

さるおだってまだまだ子ザルだけど、何を観てても飯がうまい。でも1カ所だけ、左の脇の下というか脇腹だけは「肉がもげたで〜!こりゃいてぇ」と思いました。
Posted by さるお at 2005年06月21日 01:54
はじめまして。TBどうもありがとうございます。

主演のジム・カヴィーゼルは,『モンテ・クリスト伯』でも鞭で打たれていましたね。同じ鞭打ちでも,『パッション』の方はほとんど正視できませんでした。

また機会がありましたらどうぞよろしくお願いします。
Posted by Jean at 2005年09月05日 23:51
Jeanさん
たしかに『パッション』の鞭打ちはできれば正視したくないね。観ちゃったし、ごはん食っちゃたけど(笑)。
鉤爪がついてる鞭、あれは痛い。脇の方のお肉がとれてました。

母マリアに泣かされたなぁ。それと、真の主役は"群衆"かもなぁと思います。
Posted by さるお at 2005年09月07日 13:35
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