2010年11月06日

『SAW 3D』(SAW VII) 解読5 ブタの家族がブタになる理由

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

次はお母さんブタと子ブタ。

まるまる太ってお元気そうなゴードンせんせは、社会復帰していました。病院でちゃんと働いていましたよ。
ということは、家族と再会できてるんだよね。
アリソンはだんなを探してケーサツや病院関係に網を張っていたはず。で、病院だってある日突然片足の外科医が求人に応募してきたらそりゃいろいろ聞くだろうし、あ、ひょっとしてこの人、行方不明とかの、アレかな、なんてことになればゴードンせんせは必ずケーサツのお世話になるのです。だから、人知れず社会復帰できて誰にも詮索されずに済む、というわけにはいかないっすよねぇ。
ゴードンせんせは『SAW』のあと、ケーサツにも行ってるし、家族とも住んでる。要はごく普通に社会生活を営んでいるはずなんです。

ではなぜ"バスルームが発見されていない"のか、というと、これはもう、"ゴードンせんせの口が堅いから"に他ならない。そしてゴードンせんせが口を割らない理由は、ジョンについたから、なわけっすよね。
ゴードンせんせは、ジョンの洗礼を受けました。意識のないせんせを抱き起こしてジョンが頭に水をかけるシーン、あれはもちろん、洗礼です。
ジョン(ヨハネ)というのは使徒ヨハネのことなのか、でも、干支とか言ってるくらいだからそーゆーのは関係ないのかな、なんて思ってましたが、これはもう明らかに洗礼者ヨハネっすね。

余談ですが、マタイの福音書3章によると、洗礼者ヨハネさんはラクダ皮の衣を着ていた人らしい。で、ヨルダン川あたりで「悔い改めよ」なんつって、イエスさんを含め、人々に、罪の赦しに至る洗礼を授けていた。イエスさんより先輩の預言者なんすね。イエスさんの最初のお弟子さんだと言われているシモン・ペトロさんとアンデレさんは、もともとヨハネの弟子だった、ということになっているようで、大物感が漂いますよ。領主とごたごた揉めた結果、首をはねられて死んでしまいました。
現代版はブタだNE!
さて、旧約聖書に出てくる予言です。
見よ、私はあなたより先に使者を遣わし、あなたの道を準備させよう。荒野で叫ぶ者の声がする、主の道を整えその道筋をまっすぐにせよ、と。
ジョン・クレイマーはたしかに荒野で叫んでいたんだよなぁ、と切ない気持ちにはなるものの、はちきれんばかりに太ったゴードンせんせはぜんぜんイエスに見えないということで、切なさ倍増。

ゴードンせんせは、"何が何でも家族を救おうとする体験"をした。そのために自分はどんな犠牲でも払えるという体験をした。で、世話してもらって、義足つけてもらって、ストックホルムシンドロームの可能性はあるものの、とにかくおそらくゴードンせんせは生まれ変わった。よーし、ブタをかぶるぞー。
ここで社会復帰です。
ジョンはあっさりと外に出してくれただろうと思う。すでに絆はできていて、ジョンは"信じる"人間だからです。そして何より、ジョンが設定したゴードンせんせのゴールは"家族"なのだから。

ケーサツには、「何も覚えてないんだよぅ」なんて言ったのかな。
で、おうちに帰って、アリソンやダイアナちゃんと再会。何を体験し、何を得たのか、話しただろうと思います。
ここで問題なのは、アリソン(とダイアナ)がどう聞いたか、っすよね。
そしてそれは、本当は、アリソン(とダイアナ)もまたゲームをやっていたかどうかに懸かっている。
けれどまぁ、これはさるおの希望っす。『SAW』を観たかぎりでは、アリソン(とダイアナ)はプレイヤーには見えない。ゴードンせんせのゲームのために利用された被害者に見えました。
でもまぁ、ゲームであろうがなかろうが、アリソンがダイアナを守り抜いて生還したのは確かです。そう、彼女たちも極限状態を、死にもの狂いで生き延びたんすよね。
だからね、わかると思うんです、だんなの言っていることが。だんなが、何を体験し、どんな犠牲を払い、何に生まれ変わったのか。
そしてそれは、家族の再生に他ならないわけです。家族がひとつになった。ゴードン家が手に入れたゴールっすね。

Hello, Dr. Gordon. You are perhaps my greatest asset. Without you, my work over the last few years would not have been possible. That having been said, I have a request. Watch over Jill and should anything happen to her, I want you to act immediately on my behalf. In return for that, I will keep no more secrets from you. I showed you a lot of places, but there will be one perhaps the most meaningful for you.
ハロー、ゴードンせんせ。あなたはおそらく、私の最高の宝だ。あなたがいなければ、ここ数年間にわたる私のシゴトは不可能だった。その上で、お願いがある。ジルを見守って、そしてもし彼女に何か起きたら、私のかわりに動いてほしい。あなたにヒミツしていることは何ひとつ無いと約束するから。私はあなたに多くの場所を見せたが、あなたには、おそらく最も意味のある重要な場所が、1つあるよね

私の最高の宝。堅い絆っすねー。
あなたにヒミツしていることは何ひとつ無い。堅い絆っすねー。
Watch over Jill.
素晴らしい。『SAW』というタイトルはちゃんと生きてます。
ジルを見といてね。
ゴードンせんせは、ジルをたすけろと言われたわけではない。ジョンは、あくまでも幕引きをジルに託したからです。
I promise you, when all this is done, I will provide a way out for you.
すべてが終わったら、キミには出口を用意すると約束する。
出口はヘッドギアでした。これでホフマンを葬るはずだった。ところがジルはしくじってしまいます。そしてそれは、あり得ることだった。
It leaves nothing to chance.
偶然の入り込む余地などない。

だからジョンはゴードンせんせへのビデオを遺し、ジルには、行動する前に届けさせた。
そしてゴードンせんせは家族に言うわけっす、ブタレンジャーになろうと。私を、私たち家族を、救ってくれた人の遺言を実行しに出かけよう、と。

This little piggy went to market,
This little piggy stayed at home,
This little piggy had roast beef,
This little piggy had none.
And this little piggy went...
'wheee' all the way home.

伏線はすでに、オリジナル『SAW』にありました。だからわたくしはブタレンジャーはゴードンファミリーというのを切望。

心ゆくまでさるお、もんち!
この記事へのコメント
さるおさん!
すごいです!実際のところ、ホフマンは大男ですし、ブタレンジャーに女性と子供というのが適当かどうかは疑問です。でもやはり、ソウとしてはこれでいいような気がするのです。実際に可能かどうかというよりも、ストーリーとして、家族というところに集約されてくることには意味があると思います。なんとなく消化不良なソウ7だと思っていましたが、ブタレンジャーをゴードン一家だと考えると、いいかな、これで、と。素晴らしいと思いました!
Posted by うり at 2010年11月07日 10:47
書き忘れました。

マザーグースの「This little piggy」ですよね!
ほんとだ、伏線あったんだ!と思って感動です。
Posted by うり at 2010年11月07日 10:49
さるおさん、こんにちは。
やっぱり1にも伏線てあったんですね!
2のエリックとケリーが会話しているシーンで、エリックが「内務調査官に睨まれてる」
って言ってて、これも伏線か?と思ってしまいました(笑)
もしかしたら監督は観客にゲームを仕掛けてるのかもしれませんね(汗)
Posted by ぷよ at 2010年11月07日 23:41
うりさん

> ブタレンジャーに女性と子供というのが適当かどうかは疑問

そうだよね、わかります。ライアンとブレットとかのほうがいいんです。

> でもやはり、ソウとしてはこれでいい

そうなんすー。

> 実際に可能かどうかというよりも、ストーリーとして、家族というところに集約されてくることには意味がある

不可能だとか、ありえないとか、そーゆーことじゃないんだよね。もっと大事な"意味"というのがあるんだよな。

"This little piggy"は思い当たって鳥肌立ちましたよ。ちょっと美しすぎるかっちゅーくらいに、ステキっすね。
Posted by さるお at 2010年11月09日 10:38
ぷよさん

> エリックが「内務調査官に睨まれてる」って言ってて、

まじっすか!すげぇ。ぷよさん、よく気づきましたねー。すげぇっす。
ギブソンはホフマンの部下3人をタイーホしたって言ってたよね。そのときはエリック自身は免れたんだろうけど、次はエリックぐらいの感じだったのかもしれないし。

> もしかしたら監督は観客にゲームを仕掛けてるのかも

という過大評価がありましたよ、『SAW 7』を観る前までは。(大粒の涙)
Posted by さるお at 2010年11月09日 10:43
うーん・・・

いまいちジルの死についてすっきりしないです^^;
例えヘッドギアから逃れたとしても
「偶然の入り込む余地がない」
のであれば、ジルは絶対に殺されてはならないような・・・

ゴードンに向けたビデオで何故「守ってくれ」ではなく「見守ってくれ」と言ったのか。

ジョンは、ジルに絶対死んで欲しくないってワケでは無かったって事なんでしょうか??
Posted by ko_re at 2010年11月11日 00:40
ko_reさん

> ジルは絶対に殺されてはならないような・・・

そうね。さるおもそう思ってた。出口を用意するとジョンが言ったのだから、確保された出口のはずだと。
でも実際は、出口は用意した、だからちゃんと自分で出てね、ということでしたね。ほんでね、これもまた、ジョンの"信じる"という気持ちの表れだろうと思えて、今は納得しています。だめかもしれない、ということも全部含めて、信じて託したんだろうなと。

> 「守ってくれ」ではなく「見守ってくれ」と言ったのか。

「守ってくれ」だとすれば、そもそもホフマンの始末をジルに頼んでないわけっすよね。今やブタが3匹になってるくらいっすから、必ず仕留めてくれる誰か(というか、チームかな)に頼めたと思う。けど、それはジルの役目なんすよね。で、ジルの運命はジルの運命。ジョンがどう思おうが、"死んでほしくない"と思おうが、とにかくそれはジルの運命。そんな感じなんじゃないかなぁ。
Posted by さるお at 2010年11月18日 17:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。