2005年01月30日

映画鑑賞感想文『21グラム』

さるおです。
『21 GRAMS/21グラム』を観たよ。
監督はアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(Alejandro Gonzalez Inarritu)。
出演は、オスカー俳優ショーン・ペン(Sean Penn)、『THE RING/ザ・リング』のナオミ・ワッツ(Naomi Watts)、『THE FAN/ザ・ファン』『FEAR AND LOATHING IN LAS VEGAS/ラスベガスをやっつけろ』『THE WAY OF THE GUN/誘拐犯』『TRAFFIC/トラフィック』のオスカー俳優ベニチオ・デル・トロ(Benicio Del Toro)。

ひとつの心臓をめぐって引き寄せられていく3人の悲劇を描いた映画。

回想シーンと現在とが、相当こまぎれに切り替わるので、時間軸がもうハチャメチャ、さるおはついて行くのが大変だった。この細切れパズル効果は緊迫感を出してたし、映画が終わってみれば疑問はほとんど残らないので、まぁ、監督さんの妙技っちゅーもんかね。さるおはちかりたよ。21gにしちゃ重い映画だし。
疑問といえば、心臓病のポールの職業が大学教授っていう設定は必要だったのかね?何屋でもいいだろ〜。

ついて行くのに必死だったせいかどうかわからんけど、たぶん、泣く映画ではないよね。う〜んと唸った後で黙ってしまう映画(笑)。
予告で流れていた「絶望の重さか、希望の重さか」みたいなコピーもぴんと来ないんだなぁ。"21g"といえば、アダムとイブが知恵の実を食べた時からすっと背負い続けている原罪の重さ。だから、生きたことを代償に、死んで原罪から解放されたら背負ってた分が軽くなる。しか〜し、何gでも関係なく話は進んでいってしまうので、そんなタイトルに意味を持たせようとしなくてもいいんじゃないかと思っちゃった。ずべこべ言わなくても成立するおもしろい話だと思うんだなぁ。ラストの2重のオチは予想外でいいんじゃないの?

ベニチオ・デル・トロは、本当に泣けてくるほど素晴らしい。そう、彼と彼の役どころについては本気で感動した。いつもお約束の麻薬がらみの悪いヤツを演じている、いかついトロ様、今回も救いのない、平穏とは無縁の悲惨な人生です。さるお的には『21g』の主役は彼だと思うくらいに迫真の演技。ま、彼はいつも素晴らしいんだけど。
乳出しナオミ・ワッツも『MULHOLLAND DR./マルホランド・ドライブ』の頃よりひとまわり大きくなったね。前半はやっぱこの人可愛いくしてるのかと思ったけど、後半、なりふり構わずいい演技してる。ただ、ほっぺの下の方、あごのあたりの凸凹はなんだろう、そればかりが気になったが、ま、いっか。
ショーン・ペンには正直ちょっとがっかりしたなぁ。渾身の演技!とかって評判だったから期待しすぎたさるおが悪いのか。『MYSTIC RIVER/ミスティック・リバー』のチンピラ・ショーンが忘れられなかったさるおが悪いのか。とにかく、ポールではなくずっとショーン・ペンのままでした。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 03:30| Comment(8) | TrackBack(16) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今度はこっちに書いてみました。この映画、劇場で観たのでかなり忘れてるんですが、映像の生活臭さがすごく印象に残ってますね。デル・トロは私もすごく好きなのですが、お腹ポッコリが気になりました。ナオミ・ワッツの凸凹、これは私もずっと気になってました。言わんとしていること、よ〜くわかります(笑)。ショーン・ペンは『アイ・アム・サム』→『ミスティック・リバー』で外見から雰囲気まで変えたのがスゴかったのでもう何をやっても許せますね。
Posted by 多感な奴 at 2005年02月03日 23:39
多感な奴さん
こんにちは、大変遅くなってごめんなさい。
生活臭さ、わかります。『21g』ではデル・トロが、『ミスティック・リバー』ではティム・ロビンスが好演している、しみじみと哀しく漂う生活感がそれでしょうか。
ナオミ・ワッツの奇妙に凸凹した顔、共有できて嬉しい(笑)!たぶん、彼女のことは"キレイな女優さん"と思っている人が多いと思うのですが、さるおはどうにもこうにも気になって仕方ありません!ブサイクだとは思いませんが、あの凸凹は妙です。
ショーンについては、さるおも同感で、『アイ・アム・サム』の無垢さと『ミスティック・リバー』の悪者ぶりのギャップに本当に驚きました。俳優さんってすごいですね。
これからもどうぞよろしくお願いします。いい映画観ましょうね。
Posted by さるお at 2005年03月07日 09:24
ご無沙汰です。さるおさんのブログもチェックしてましたよ。さるおさんこそ、コアな映画を観てらしてて参考にさせてもらってます。

ナオミ・ワッツの凸凹の件、私も彼女の出演作を観るたびに気になります。やはり何か目が釘付けになるような個性があるということは強みでもありますよね(笑)。

ショーン・ペンの最近の出演作にはホント驚かされますね。次はどんな役を演じるのか楽しみです。こちらこそよろしくお願いします。
Posted by 多感な奴@CINEMA IN/OUT at 2005年03月08日 00:03
これ、です。
映画館3回行きました。
これは「アモーレス・ペロス」同様に大事です。
ベニシオ、ここでとてつもなくいい演技。
情けなくってどーしようもない奴。
妻を抱きながら、涙する辺りも感服でした。
主軸は彼でしたね。
Posted by ツボヤキ at 2005年03月12日 00:57
多感な奴さん
ナオミ・ワッツの凸凹顔、"目が釘付けになるような個性"!あれは個性だったのか〜、わはは!
Posted by さるお at 2005年03月12日 01:23
ツボヤキさん
トロ氏の演技、本当に圧倒的でしたよね。断罪を受け入れても懺悔をしても、そして生まれ変わっても、それでもなお救われることのない悲劇の人。間違いなく主軸ですよね。トロ氏の表現力が映画に重苦しい深みを与えているんだと思いました。すごい人ですね。
Posted by さるお at 2005年03月12日 01:35
はじめまして、ホーギーと言います。
イニャリトゥ監督は、「バベル」といい、時間軸を絶妙に交差させながら、パズルのように解いていく映画をホントに見事に作り上げますね。そして、この監督は、「バベル」の時も思ったのですが、タイトルの付け方のセンスは抜群だと思います。
それから、何と言っても、主役の3人の演技が最高でした。もともとショーン・ペン映画をということで観たのですが、ナオミ・ワッツとベニチオ・デル・トロがこんなに素晴らしい役者とは知りませんでした。さすが、オスカーノミネートされるだけの演技でした。
ショーン・ペンファンには、是非お勧めしたい作品ですね。
ということで、これからもどうぞよろしくお願いします。それとTBもお願いします。
Posted by ホーギー at 2008年09月16日 22:19
ホーギーさん
はじめましてー。来てくださってありがとうです。

> タイトルの付け方のセンスは抜群だと思います。

『NINE LIVES』とかもいいタイトルっすよね。

> ベニチオ・デル・トロがこんなに素晴らしい役者とは

涙出ました。本当にこの人はすごい。さるおはこの3人の中だと、圧倒的にベニチオファンです。
『バスキア』とか『トラフィック』もすごかったなぁ。

ホーギーさんたくさん映画観てるなぁ。さるおこそ、これからもどうぞよろしくお願いします。トラバしたよー。
Posted by さるお at 2008年09月30日 22:33
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