2006年06月04日

映画鑑賞感想文『愛についてのキンゼイ・レポート』

さるおです。
『KINSEY/愛についてのキンゼイ・レポート』を観たよ。
これはおもしろい!
ただ、愛についてのレポートじゃないので、とにかく、なんちゅーか、お子さん以外にはおすすめだYO(笑)!

監督・脚本は、『シカゴ』の脚本家ビル・コンドン(William Condon)、うーん、さすがっすね。
出演は、"PROK"ことアルフレッド・キンゼイ博士にリーアム・ニーソン(Liam Neeson)、奥さんの"Mac"ことクララ・マクミレンにローラ・リニー(Laura Linney)、教え子のクライド・マーティンにピーター・サースガード(Peter Sarsgaard)。そして最後に面接を受けた女性にリン・レッドグレーヴ(Lynn Redgrave)。

コンサバ至上の1940〜50年代アメリカ。昆虫博士からセックス博士に転身して赤裸々な調査結果を発表し、物議を醸し出した実在の動物学者アルフレッド・キンゼイ博士の無垢な生涯を綴った感動作。
頑固をとうに通り越し、調査が自分の使命だと思ってしまい、ついに偉業を成し遂げる学者の、なんと純粋で、なんと愚かで、なんと無防備で、なんと勇気のあることか。自らは決して偏見を生まず、他者の偏見には証明という反抗で報いる、誠意ある素直な生き方を貫いてます。いいねー。こーゆーふーにさるおも生きたい。
厳格すぎる父親との風変わりな和解の光景も、ほのかな温かみを通して描かれていて感動っすよ。
そして、どれほどの逆境に見舞われようとプロックを最後まで守り抜くマックのなんと明るく強く美しいことか。いやー、素晴らしいっす!泣けますね。

映画そのものはコメディです。ばかばかしく愛おしく、笑えるシーンが満載。
そもそも学者って、ほとんどコミカルな存在ですから。(←褒め言葉ですからね)

映画の終盤はせつないな。登場人物たちが、急速に、愛というものを理解してしまいます。データでは説明できない苦しい心をみんな抱えているんだと、キンゼイ博士も思い知る日が来る。それでもなお使命を守ろうとふんばってはみるけれど、無防備なキンゼイ博士が現実に直面するのはものすごく残酷なことで、胸が痛むんでござる。

でも、だいじょうぶでした。ちゃんと、見ていてくれる人がいる。わかってくれる人が、必ずいる。
近くの人じゃありません。見ず知らずの、遠くの他人です。そこがまたいい。小さな小さな元気の元は、けっこう輝くもんですね。
ほんと、いい作品だー。

"性についてのキンゼイ・レポート"を扱った、愛についての映画です。

ピーター・サースガードの、目を見張るようなさりげなさのポロリも素晴らしい。(ほんとか)
ほんと、いい作品だー。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 21:12| Comment(6) | TrackBack(21) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映画ご覧になったのですか。ラジオで紹介されているのを聴いて興味がありましたがビデオ(今はDVD?)待ちです。私の情報源はTBSラジオストリームの火曜日の映画評論家の町山さんのコラムです。
これはポッドキャスティングで聴けますから是非試してみてください。面白いですよ〜。
Posted by bonejive at 2006年06月05日 09:45
こんばんは、TBありがとうございます。
<"性についてのキンゼイ・レポート"を扱った、愛についての映画
言い得て妙ですねw、
最終的に一番オーソドックスな愛情へ帰結したところはなかなか感動的でしたw
此方からもTBさせて頂きます。
Posted by lin at 2006年06月07日 00:14
「夫婦de雫」というブログで、夫婦やカップル、二人の時間をを演出できる映画を紹介しています。「愛についてのキンゼイ・レポート」を紹介しているので、トラックバックさせていただきました!

よかったら、さるおさんからも「愛についてのキンゼイ・レポート」のエントリーへのトラックバックをお待ちしています。他にもさるおさんお気に入りの夫婦やカップルにお勧めの恋愛映画がありましたら、ぜひコメントくださいませ。
Posted by 「夫婦de雫」事務局 at 2006年06月07日 02:30
bonejiveさん
『キンゼイ』おもしろかったよ。

> TBSラジオストリームの火曜日の映画評論家の町山さんのコラムです。
> 本当にやばいかもしれません。

おもしろそう!ブラックな笑い、素敵っすよね。今度試すー。ありがとうです。
Posted by さるお at 2006年06月08日 13:19
linさん

> 最終的に一番オーソドックスな愛情へ帰結したところはなかなか感動的でしたw

同感です。すごくシンプルな映画でしたね。純粋に、愛を語った作品で感動したよー。
奥さんのマックことクララの姿はほんと素晴らしい!
Posted by さるお at 2006年06月08日 13:23
「夫婦de雫」事務局さん

> 夫婦やカップルにお勧めの恋愛映画

恋愛映画はあんまり得意じゃない(笑)ので、むずかしいっす。
Posted by さるお at 2006年06月08日 13:28
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

愛についてのキンゼイ・レポート (Kinsey)
Excerpt: 監督 ビル・コンドン 主演 リーアム・ニーソン 2004年 アメリカ/ドイツ映画 118分 ドラマ 採点★★★ アメリカは先進的で自由でオープンな国と思われがちだが、実のところここまで保守的な国も珍..
Weblog: Subterranean サブタレイニアン
Tracked: 2006-06-05 04:10

愛についてのキンゼイ・レポート(新映画日記転用)
Excerpt: リーアム・ニーソンが主演を務めてる映画ということで、見に行ってきました。 感想など書きたいのですが、うまいこと書けるかわかりません・・が書いてみますね。 (ネタバレ注意です〜) 生物学の..
Weblog: 新×3もろもろ日記
Tracked: 2006-06-06 21:54

愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: 愛についてのキンゼイ・レポートKinsey 2004年 アメリカ 冒頭のインタビュー練習のシーンから、面白そうな予感がした。 助手にピーター・サーズガードとクリス・オドネルなんて??
Weblog: cinema note+
Tracked: 2006-06-06 22:47

全く興味が持てなかった◆『愛についてのキンゼイ・レポート』
Excerpt: 9月10日(土) TOHOシネマズ名古屋ベイシティ つ…つまらなかった。久しぶりに途中退出したいと思った作品だった。タイトルに騙されたかもしれない。この映画にタイトルを付けるなら、『性についての..
Weblog: 桂木ユミの「日々の記録とコラムみたいなもの」
Tracked: 2006-06-06 22:52

愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: 【KINSEY】2004年/アメリカ/ドイツ 監督:ビル・コンドン   出演:リーアム・ニーソン、ローラ・リニー、クリス・オドネル、ピーター・サースガード 「キンゼイ・レポート」とは・..
Weblog: BLACK&WHITE
Tracked: 2006-06-06 23:06

「愛についてのキンゼイレポート」
Excerpt:  愛についてのキンゼイ・レポート 「愛についてのキンゼイレポート」 ★★★☆ KINSEY (2004年アメリカ・ドイツ) 監督:ビル・コンドン キャスト:リーアム・ニーソン、ローラ・..
Weblog: NUMB
Tracked: 2006-06-07 00:08

愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt:  タブーに正面から取り組んだ男のお話。
Weblog: 悠雅的生活
Tracked: 2006-06-07 01:30

愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: 偶然なんだけど、『ヴェラ・ドレイク』に引き続き、“性”をテーマにした映画を見ることになった。<STORY> 1910年代初頭のアメリカ。 性に対して極端に保守的な思想を持つ父親 (ジョン・リスゴー) ..
Weblog: toe@cinematiclife
Tracked: 2006-06-07 02:24

「愛についてのキンゼイ・レポート」(2004)
Excerpt: 愛についてのキンゼイ・レポート 愛についてのキンゼイ・レポートリーアム・ニーソン...
Weblog: 雫:二松まゆみプロデュース『夫婦de雫』
Tracked: 2006-06-07 02:27

愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: 真面目に愛とセックスを語りましょう的な映画だと思ったら、想像以上に面白かった 映画を観終わって不思議なのはこの邦題 なぜ"愛について"なんてオマケがついてしまったの?( ̄∇ ̄;..
Weblog: Cinemermaid
Tracked: 2006-06-07 08:08

愛についてのキンゼイ・レポート(評価:☆)
Excerpt: 【監督】ビル・コンドン 【出演】リーアム・ニーソン/ローラ・リニー/クリス・オドネル/ピーター・サースガード/ティモシー・ハットン/ジョン・リスゴー 【公開日】2005/8.27
Weblog: シネマをぶった斬りっ!!
Tracked: 2006-06-07 21:08

愛についてのキンゼイレポート
Excerpt: 良い邦題つけたものだと。 タイトルだけで観に行くと、ビックリするかも?R15指定の意味がよーく分かります。 生物学者のキンゼイ教授が、「ニンゲンの性」を調査するお話。 コレが興味本位じゃなく..
Weblog: 世界は映画でまわってる。
Tracked: 2006-06-07 21:31

愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: 第209回 ★★☆(劇場) (核心について論じてますので、ご注意あそばせ)  立身出世のバックグラウンド。  ここに父親の影があることが多いのはよく知られている。身近な存在であ..
Weblog: まつさんの映画伝道師
Tracked: 2006-06-11 11:35

愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt:  今日は「愛についてのキンゼイ・レポート(原題:Kinsey)」です。 ストーリー:  性のことを口にするのも厳禁だった今から50年前のアメリカ。動物学者のアルフレッド・キンゼイ博士は、「いっ..
Weblog: Movie_Room_Poster!!
Tracked: 2006-06-25 14:40

【洋画】愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: A+  面白い A     ↑ A− B+ B    普通 B− C+ C     ↓ C−  つまらない 『評価』  B (演技3/演出3/脚本3/撮影3/音響3/音楽2/..
Weblog: ハサウェイのシネマ!シネマ!シネマ!
Tracked: 2006-09-01 10:23

映画『愛についてのキンゼイ・レポート』
Excerpt: 原題:Kinsey 男性の全裸はヘア付きで登場するけど、女性のオールヌードはない、モーホーのほうとイージーの話が中心だけど、これなら家族もママもOKさ・・ 50年も前の時代、生物学..
Weblog: 茸茶の想い ∞ ??祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり??
Tracked: 2006-09-02 02:50

映画評「愛についてのキンゼイ・レポート」
Excerpt: ☆☆☆★(7点/10点満点中) 2005年アメリカ映画 監督ビル・コンドン ネタバレあり
Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
Tracked: 2006-09-05 00:53

『愛についてのキンゼイ・レポート』のレポート
Excerpt: キンゼイ教授役のリーアム・ニーソンにはずれ無し!の期待と、大好きなローラ・リニーがアカデミー賞助演女優賞ノミネート作品であること、そして最近”要チェック”のピーター・サースガード(「K−19」「ニ..
Weblog: Brilliant Days
Tracked: 2006-09-05 09:05

映画* 愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: 「性について」の悩みは、今の時代だってたくさんの人々の心を占めるものでしょう。 それは、今も昔も変わらないですよね??。 ずっと保守的な風潮で、そんなことおいそれと口にしたり耳にしたりすること..
Weblog: 有閑マダムは何を観ているのか?
Tracked: 2006-09-05 17:26

シネマ日記 愛についてのキンゼイ・レポート
Excerpt: 「自分は、皆と違うんじゃないか」「普通でいたい」・・・ しかし、普通の人とは、現実には存在しない人間。平均値から外れた個性的な人間の集まりが、架空の’普通の人’をつく
Weblog: skywave blog
Tracked: 2006-09-05 21:21

<愛についてのキンゼイ・レポート>
Excerpt: 2004年 アメリカ・ドイツ 119分 原題 Kinsey 監督 ビル・コンドン 脚本 ビル・コンドン 撮影 フレデリック・エルムス 音楽 カーター・バーウェル 出演 アルフレッド・キンゼ..
Weblog: 楽蜻庵別館
Tracked: 2006-09-25 10:02
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。