インフルエンザの診断には、すごく簡単な診断キットを使うんだね。いちばん似ているのは妊娠検査薬、おしっこかけるやつね。インフルエンザの場合はおしっこの代わりに綿棒で鼻の穴をほじくられる。これがちょっと痛い。けっこう奥の方だから。
医者がそのほじくり出した"何モノか"を診断キットになすりつけて眺めている間、患者は待つこと15分。
インフルエンザのA型陽性か、B型陽性か、どちらも陰性かが一目でわかるようになっている。100%確実な方法ではない。10%ぐらいの割合で、感染していても診断キット上では陰性なんだってよ。だから、インフルエンザバリバリ間違いねぇぜ、ぐらいの自信があるときは、「そうですか」なんておとなしいことを言わないで、タイのおみやげ屋にいるつもりで交渉だ。
なんといってもさるおの場合がそうであった。こっぴどい目にあったもんだ、ちくしょうめ。案の定、店長さまに感染された。こんなことならヤツが弱っているうちに文句のひとつも言っておけばよかったがもう遅い。立場逆転、店長さまが元気になってきた頃にさるおが弱ってしまった。
インフルエンザと風邪には症状の違いがいくつかある。
風邪だと、のどが痛いとか咳とか鼻水とかの症状で、熱は出るけど38度とか、そんなもん?
インフルエンザはこれより相当きつい。さるおの場合は初めに咳っぽいなぁという症状があって、次はいきなりの高熱。朝6時に36.6度だった体温が1時間後に38度。さらに2時間後に39度になっちゃったじゃねーかよ。頭がモーレツに痛い。ついでに全身、特に背中から腿までが筋肉痛のような関節痛のような、とんでもないことになった。
さるおの場合、鼻水はたれていようとたれてなかろうと、花粉か風邪かインフルエンザかわかりゃしないのでどうでもいいのだね。
で、さるおの場合はタイのおみやげ屋方式である。なにしろインフルエンザだとはっきりわかっている店長さまの看病をしていたのだから、バリバリ間違いないのだ。診断キットでは陰性だったが、「先生よ〜、鼻のほじくり方が下手なんじゃね〜の〜?」という言葉は言わないで、「熱の出方が急なんです。39度なんです。3日間もインフルエンザの人の看病してたんです。身体中痛いし、頭が割れそうなんです。誕生日なのに死にたくないんです」と訴えた。
どうせタミフル75は、インフルエンザなら効くけど風邪には効かない、というだけで、インフルエンザじゃなかったとしても飲んで困る薬ではない。とにかく早く飲まにゃならんのだ!
心ゆくまでさるお、もんち!