「特効薬があるからだいじょうぶ!1回か2回飲んで、すぐに平熱に下がります」と能天気なとある先生が言うのには、じつはトリッキーなハウツーがあった。同じウィルスに感染した店長さまとさるお、同じ特効薬を飲み始めてから熱が下がるまでの時間、店長さまは2日半、さるおは6時間。この差はいったいどこから来たのか。日頃の行いなら、店長さまの方がましなくらいだから天罰ではない、医学的な理由がある。
つまり、タミフル75はとにかく早く飲まにゃ効かんのだ!
かわいそうな店長さまは、さるおに命をあずけたばかりに長い時間放置されてしまった。さるおがだんだん面倒くさくなってきて、病院にでもぶち込もうと思った時にはすでに、発症から2日近く経っていた。医者に行って待たされて、薬をもらうのにまた待たされて、やっと特効薬がのどを通過したのは48時間後、きっとそんなもんかな。
タミフル75は、発症してから40時間以内に飲み始めないと効かない。というか、それ以降に飲み始めて効いたという臨床データがない。
かわいそうな店長を見て学習したさるお君、朝7時に38度で、9時に始まる医者の受付に8時半に並んで、なんだかんだで昼にはタミフルを飲んだんだね。我ながら素早かった。そしたらその日の晩には熱が下がってた!
もちろん熱が下がって全快というわけにはいかんよ。その後数日、頭も身体も痛いまんま。でもとりあえず熱が下がれば、仕事や家事はかったるいが、まぁ起きて動いていられる。これは大きな違いなんです。
潜伏期間は1〜3日ではっきりしないけど、感染から数えるんじゃなくて発症から数えればいいからわかりやすい。だからさ、風邪にしちゃぁつらいなぁと思ったら、寝てりゃ治るとか、どうせ混んでて待たされるとか言ってないで、面倒でもがんばって医者に行っちゃった方がいいよ。たしかに寝てりゃ治るけどさ、ほんとこっぴどい目にあうから。
ところで、店長とさるおが診てもらったのは同じ医者なんだよね、じつは。
この先生、「特効薬があるからだいじょうぶ!1回か2回飲んで、すぐに平熱に下がります」とふたりの患者に同じことを言っている。いつからどんな症状が出ているのかは、問診表に書かされ、その後の看護婦の問診で同じことをしゃべらされ、最後の先生の診察でダメ押しのように同じことをまたしゃべらされている。いつから発症したのか、3度も言えばわかんだろ〜よ〜、先生よ〜!手遅れの患者に間違った気休めを言ってないで、ちゃんと勉強してくれよ。
心ゆくまでさるお、もんち!