昨日は都内の某大学病院にクスリをもらいに行ってきたぞ。
すごい回数のくしゃみチャンピオンだ。鼻水が、さすがに水しぶきはあげないが、滝のように流れているぞ。目がかゆくて死にそうだ。目ん玉をとりだしてたわしで洗わなければ発狂するかもしれない。
いっそ気でも狂ってしまえ!と思ってみても、狂っているのは体質だけであ〜る。わはは!とにかく鼻たれチャンプだぞ。負ける気がしねぇ。まいったかよ!
まいった。死にたい。
注射による減感作療法には2種類ある。さるおが前に記事を書いたいわゆるスタンダードな方法と、さらに荒治療的だが半年ぐらいで決着する期間短縮タイプである。後者は単に、いきなり濃いのを注射するだけなので、「慣らすより慣れろ!」というほんまもんの荒技。注射した側の腕が腫れ上がるくらいは覚悟の上で挑まなければいかんぜよ。
というわけで、さるおが待っていたのはスギ花粉症緩和米だった。本当に恋焦がれて待っていたんだよぅ。
それが、こともあろうに、研究中止というではないの!一大事だぞ。
厚労省は、花粉症緩和米を「食品とは認めない」のだそうだ。何を言うか、米は食い物だ。あほたれ。
対する農水省は、「花粉症への"効能"とすれば医薬品だが、"特徴"なので食品だ」と反論した。そりゃあたりまえの反論である。もちろん安全性は「動物実験などで安全データの蓄積を進める」んだから結果の出る前から文句はないだろう。
花粉症緩和米はうまいこといけば2007年実用化。このまま厚労省がいちゃもんをつけていると、医薬品扱いにしかならないから、膨大なデータとりに時間を費やしたあげく2007年に間に合わないばかりか、販売ルートは薬局というおまぬけなことになりかねない。と心配していたが、案の定を通り越して、研究開発そものもが中止になったという。
前述の注射に使うスギ花粉エキスについては"腕が腫れ上が"ったりしないようにアレルゲンの構造を工夫する研究が行われているが、こちとら5ヶ年計画である。2010年になっちまうべ。だから2007年からその米を食わせろって!
"遺伝子組み換え"という言葉は素人さんにはむずかしい。
"遺伝子組み換え"ってなんだろう?と想像するのは、頭のいい博士が顕微鏡を覗きながら何かとてつもなく繊細で危険な作業をしてうっかり間違えると人造人間でも動き出しそうな、ってあーた映画の観すぎ(笑)。そんなもんではない。
もちろん研究室内でもいろんな酵素の反応を駆使して遺伝子の操作はできるが、食い物に関して言うならば、それは基本的には田んぼや畑で行われている。
思えば人類は、農作をおっぱじめた時からずっと自然をいじくりまわしている。本来その地域にあった生態系を無視して畑を耕し、生態系とは無関係に同じ種類の植物ばかりを植えるのだから、不自然極まりない。野菜って自然の味がする〜。しないしない。それは加工前の生の味だというだけで、すでに自然とは相反する遠い場所まで来てしまった。
そしてその頃から、"遺伝子組み換え食品"なんてものはとうに食っている。現実的な言い方をすれば、ちょっとでも美味いのを食いたいから美味いのばかり栽培している。
甘いリンゴと赤いリンゴを掛け合わせて、甘くて赤いリンゴを作る。それに日保ちするリンゴを掛け合わせて、甘くて赤くて日保ちするリンゴをつくる。それに蜜入りリンゴを掛け合わせて、甘くて赤くて日保ちする蜜入りリンゴを作る。これが"遺伝子組み換え食品"である。そんなことは常に、そして長〜いことやっている。日本のさくらんぼって美味しいわねぇ、なんて食っているが、さくらんぼの王様"佐藤錦"だって"ナポレオン"と"黄玉"の花粉を交配してできたやつが美味いから育種した、人工さくらんぼである。
美味いものを目指すだけではない。美味い品種と害虫に強い(寄せつけないとか)品種を掛け合わせて、1/3の農薬で美味い野菜を作ることもある。農薬を大量にぶっかけて作った野菜より、コストも安いし安全だからだ。
なんだよー、いい事じゃないか!
あぶないかどうか、というのははっきり言って、食べてみなければわからない。もっと言えば、食べ続けてみなければわからない。今は、とりあえずできるだけの安全性のテストをするようになったから充分慎重で、昔だったらとりあえず食ってみたのであるよ。今は責任問題とかいろいろ面倒なので、昔のようにとりあえず食ってから様子みる、というのは暴論だとしても、できる範囲でテストしてさ、よさそうだったら、どんどん作って食っちゃっていいんじゃないのか。危険が予測されるなら、他の手法で回避するもよし、医療がサポートするもよし、それこそ頭のいい博士の出番である。どうにもあぶなかったらやめればいいんだから。
何も中止にしなくてもいいじゃないさ。花粉症緩和米プロジェクト。ちょっとでも楽になるかもしれないんなら、それでいいじゃないかよー。今まで散々食っといて、中止って乱暴すぎる。"効能"なり"特徴"なりが気に入らないんだろうけど、身体に何の影響も与えない食い物なんてあるもんか。いろいろある"栄養"を何だと思っているのか。
誰が反対したのか知らんが、どうせそいつは花粉症じゃないんだろう。と考えると腹が立つ。
"遺伝子組み換え食品"を警戒しすぎていると、食べられる物がなくなっちまうぞ。あほたれが。
残る希望はパンか。パンにアレルゲンを入れた食べ物で、米の場合と同じ、アレルゲンの経口投与。口から摂取するので注射よりソフトなやりかたで、考え方の基本は「慣らすより慣れろ!」と同じです。こちらは研究続けてるらしい。実用化はいつなんだろう。それまでに、大好きなごはんはたまのごちそうということにして主食をパンに切り替える覚悟をしておかなければ。
あー、さっそくパンが食べたい。その調子、自己暗示だ。
ちなみに農水省は、血圧とか血糖値とかをいい感じにする効果がある遺伝子組み換え米も開発中であるが、どうせ完成したところで、血圧にも血糖値にも異常のない健康そのものの厚労省のお役人にぶっつぶされる運命か・・・
心ゆくまでさるお、もんち!