スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、ハリポタにおける"色"について考察してみたいと思います。
このエントリーも想像たくましく、『HP7』大予想のカギに違いねーぞということで、基本的にはネタばれエントリーですからご注意ください。ネタばれコメントも大歓迎なので、そっちも気をつけてね。
訳本は読まないので日本語訳がたまにヘンだと思いますが、それは許してください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。
ハリポタ・ワールドには、"色"というダイナミクスがたぶん確実に(笑)存在します。
グリフィンドールは赤、スリザリンは緑。レイヴンクロウは青でハッフルパフは黄色。
モリー・ウィーズリー(Molly Weasley)が編むロンのセーターは赤(maroon)、ハリーのセーターは緑。
ドビー(Dobby)がハリーにあげたクリスマスプレゼントの靴下は片方が"ほうき"のデザインで赤、もう片方はスニッチ(Snitches)のデザインで緑。
ホグワーツの森(the Forbidden Forest)でハグリッドがハリーとドラコに、ユニコーン(unicorn)を見つけたら上げろと言ったのは緑色のスパークで、危険が生じたら赤のスパーク。
ヴォルディの瞳は赤で、ハリーの瞳は緑。リリー・ポッターは髪が赤で瞳が緑。ダンブルドア校長は髪が赤で瞳は青。アーサー・ウィーズリー(Arthur Weasley)の瞳も青。ウィーズリー家は全員炎のような赤毛。ハリーとジェームズ・ポッターのジェットブラックの髪。ついでにスネイプさんの髪もべっとりした漆黒。
ヴォルディのAKは緑のスパークで、ハリーのDisarming Spellは赤のスパーク。闇に浮かぶダークマークは緑。
アイルランド代表クィディッチチームは緑のユニで、ブルガリア代表は赤のユニ。
などなど、思わせぶりに象徴的な感じのする色の使い方、探せばもっとたくさんありそうでござるー。
いちばん強調されてるのは赤と緑かな。まずはこの2色を見てみます。
さるお的には赤って、勇気の色、戦いの色、良くも悪くも好戦的な感じがする。反対に緑は、安らぎとか調和とか、静かな色に思えるなぁ。
ところで先日ね、WOWOWさんで26時間もかけて(泣)『STAR WARS』をEP4,5,6,1,2,3,4,5,6って順番にやっててね(とんでもねー)、また懲りずに観ちまった。(仕事しろ)
SWは父と子の物語で、アナキン・スカイウォーカーの生涯を描いているわけで、"選ばれし者(The chosen one)"つってもまぁ今んとこハリポタとは違うわけです。(6部作が何だったのかというさるおなりの見解はこちらに書いてあります)
しかーし、SWとHPの類似点はたくさんあるよね。自分にフォース/魔法が使えると知らなかった子が、パダワン/ホグワーツ生となって勉強したらスゴ腕で、なんだかんだでダークサイドをどーにかする"選ばれし者"だったという救世主物語。そして赤と緑を対比させている点もよく似ています。
SWでは緑が良い色で、赤は悪い色です。
暗黒面のみなさんはなぜか真っ赤に充血した目で赤いライトセーバーをぶん回し、アナキンは活火山の星ムスタファーで師匠オビ=ワンと壮絶大バトル。ダークサイドは赤黒ワールドです。
対するヨーダ先生はダゴバ星の沼地でヨボヨボと隠居生活を送り、周囲はジャングルで緑一色、自分の体も緑一色(笑)。ジェダイ・ナイトのライトセーバーは全員ミドリ(または青)。ヨーダ自身も"緑色の小さな友よ"なんて敵にまで親しまれて(笑)、なんつーか、緑はまさにジェダイの色、平和の色です。
赤と緑についてのさるおのイメージはSWに近いね。
赤と緑、どっちが良い色でどっちが悪い色か?ハリポタでは単純に片づけられません。
グリフィンドールのシンボルは赤でスリザリンのシンボルは緑なのに、スリザリンの末裔(ヴォルディ)の瞳が赤、ハリーとリリーの瞳は緑。けっこうフェア・プレーなアイルランド代表クィディッチチームは緑のユニで、喧嘩上等なブルガリア代表は赤のユニ。
うーん、ハリポタは複雑っぽい。赤と緑だけじゃなくて、他の色もね、総合的に考えてみようと思います。
さて、まだお読みになってないスタメンのよい子で時間のある方はまず"賢者の石"と、昨日の記事"『HP7』でこの人が死ぬ!その2"をご覧ください。
("賢者の石"は、火/グリフィンドール/勇気、風/レイヴンクロウ/知性、大地/ハッフルパフ/公正・忠誠、水/スリザリン/野心、が絡み合い一体になってはじめてバランスのとれた世界(賢者の石/ホグワーツ)ができてんだなーと、そーゆー話です。"『HP7』でこの人が死ぬ!その2"はさらに掘り下げ、錬金術について書いてあります。)
これを今度は"色"という側面から見てみる。
グリフィンドール:赤、ゴールド
レイヴンクロウ:青、ブロンズ
ハッフルパフ:黄、黒
スリザリン:緑、シルバー
えーっと、8色あります。
これをまず、2つのグループに分けてみます。メタリックカラーとそれ以外。
金、銀、銅。
赤、青、黄、黒、緑。
!!!
なんか気づきませんか?
ぐわぁーっ!オリンピック出たぁーっ!
まずは金、銀、銅、こりゃメダルじゃねーか。ちゅーことは、4人の賢者には格付けがあるんでしょうか?
もちろんJoに聞いたら否定すると思います。ハリポタ全編を通して"差別"という概念は大きなテーマだって言ってるしなー。
しかしですよ、ハリポタ・ワールド紹介書である第1巻『PS』の最後、校長がハリー、ロン、ハー、ネビルにじゃんじゃん点を上乗せした結果、1位グリフィンドール482点、2位スリザリン472点、3位レイヴンクロウ426点、4位ハッフルパフ352点と、そーゆーことになった。金、銀、銅の順番です。
これが賢者4人の"優劣"だとは思わない。けれど、何かしらの意味はありそうです。賢者4人それぞれの思想や気質から憶測すると、少なくとも、グリフィンドール、スリザリン、レイヴンクロウは争う感じするよね。オトナなハッフルパフだけは思想的にも気質的にも、そもそもメダルを争う意志がなさそう。(ハリーが5年生のときのソーティングハットの歌をお聴きください)
(ちなみにこれは、貨幣単位でも同じ序列。galleons(gold)、sickels(silver)、knutes(bronze)、これで大きい(高い)順)
次に、他の色はどうかというと、オリンピック五輪の色です。オリンピックの場合は5大陸(ヨーロッパ・アジア・アフリカ・オセアニア・アメリカ)と自然現象(赤=火・青=水・緑=木・黒=土・黄色=砂)とスポーツの5大鉄則(情熱・水分・体力・技術・栄養)を表していて、ハリポタとはちょっと違いますが。
ここでまた思い出してほしいのが、組み分け帽子(The Sorting Hat)の同じ歌の最後です。
And we must unite inside her, Or we'll crumble from within.
(力を合わせないとダメっす。さもなきゃ内側から崩壊する)
こりゃ間違いなく『HP7』の内容だよね。"her"はホグワーツ、その内側で結束しろと言ってます。"結束"のカギになるものを、"色"という観点から考えてみるわけです。
えーっと、混ぜても作れない色というのが3つあります。赤、青、黄色、つまり原色です。
(光の3原色(加法混色)じゃないです。色の3原色(減法混色)ね。)
赤、青、黄色は、そのうちの2色ずつを混ぜるとそれぞれ、紫、緑、オレンジ、つまり混色になります。
原色のひとつ(例えば赤)と、原色の残り2つを混ぜた色(青と黄色を混ぜてできる緑のこと)を混ぜると、黒になる。この、赤と緑の関係は、反対色と定義されてます。
同じように、青(原色のひとつ)とオレンジ(原色の残り2つの混色)を混ぜると黒で、青とオレンジは反対色。黄色(原色のひとつ)と紫(原色の残り2つの混色)を混ぜると黒で、黄色と紫は反対色。
おわかりのように、"原色のひとつ"と"原色の残り2つの混色"を混ぜる、というのは"原色3つを混ぜる"というのとイコールですから、赤、青、黄色を混ぜると黒、と言っているのと同じですよね。
これが色についてのルールです。
もう1度、例の4人の色(メタリック以外)を見てみましょう。
グリフィンドール:原色(赤)
レイヴンクロウ:原色(青)
ハッフルパフ:原色(黄)、黒
スリザリン:混色(緑)
ハッフルパフの黒はひとまず置いておくとしてと。
ん?スリザリンだけが混色です。なんだか異質な感じがします。仲間外れだな。仲間からひとり離反したスリザリンらしさ炸裂。
スリザリンは緑、これは青と黄色を混ぜてできる色なので、青と黄色とは馴染める色ですが、グリフィンドールの対極に位置する色です。
もともとは大親友だったのに、グリフィンドールと真っ向から敵対してしまったスリザリンそのものだな。お互いに異なる才能や個性を持っていて(反対色)補い合い友情を育んだ親友が、対立してしまうともう手のつけようがない熾烈な関係になってしまった。そーゆーことを表しているようにみえます。
では次に、もうひとつ異質な、ハッフルパフの黒。
黒(ハッフルパフ)はどーゆー色かというと、赤(グリフィンドール)と緑(スリザリン)を混ぜた色。原色3つ(グリフィンドール、レイヴンクロウ、ハッフルパフ)を混ぜた色です。
グリフィンドールとスリザリンの対立関係を表す運命的な色だけれども、黒(ハッフルパフ)の中に共存することができる。グリフィンドール、レイヴンクロウ、そしてハッフルパフ自身が、黒(ハッフルパフ)の中に共存することができる。つまり、この4つの色(4大要素)は黒に集約され、ハッフルパフがすべてを内包する。
これで昨日の記事とぴたりと一致します。
この大地の奥深くに、4大元素のうちの火と水があり、大地はそれを貯えている。
大地は4つの元素のうちのひとつであると同時に、火と水を生み、天から降りてくる空気を吸い込む、すべての元素の貯蔵庫である。元素はみんな違って見えるけれども、すべては地に集約される。
ハッフルパフの奥深くに、4大賢者のうちのグリフィンドールとスリザリンがあり、ハッフルパルはそれを内包している。
ハッフルパフは4大賢者のひとりであると同時に、グリフィンドールとスリザリン内包し、天から降りてくる(本ではブロンズの鷲、映画では銀色のワタリガラス)レイヴンクロウも吸い込む、4大要素すべての貯蔵庫である。4人はみんな違って見えるけれども、すべてはハッフルパフに集約される。
!!!
すごいぴったり!色のルールどおりだYO!
黒という色のイメージは、ほんとはちょっと暗いっす。
死、恐れ、深い悲しみ
黒を紋章に持つハッフルパフの生徒セドリック・ディゴリー(Cedric Diggory)の死は、黒が持つ死や悲しみのイメージと符合します。
しかーし、黒にも素晴らしい特性はあります。品格の高さも感じるし、何よりも他の色を際立たせる特質を持っている。ハッフルパフの黒があってこその赤であり、青であり、緑であり、自身の黄色も輝く。うーん、黒はやっぱり特別な意味合いを持った色ですね。
ハッフルパフはすべてを内包する。
Said Hufflepuff, 'I'll teach the lot, And treat them just the same.'
Good Hufflepuff, she took the rest, And taught them all she knew,
ハッフルパフは言った。「みんなに教えよう、分け隔てなく」
そして残りのすべての生徒を引き受け、彼女の持てる知識のすべてを与えた。
うん、やっぱりいい人だ。(感動)
『HP7』ではハッフルパフも重要になってきそうだなぁ。
4人の賢者のうちの3人目が台頭してくるとなるとレイヴンクロウもほっとけないぞ。オリバンダーさんのお店にあった杖(とオリバンダーさんの行方)のことも考えなきゃだ。
心ゆくまでさるお、もんち
でも、そう考えると、やっぱりダンブルドアっ性格的にはハッフルパフの気質ありますね〜
でも、グリフィンドールなんですよね。
日本人ってそういういい人が好まれるけど、世界的にはやっぱり勇気とかなんでしょうか。ってっちょっと意味不明ですね。。
ダンブルドアが、実はハッフルパフの子孫なんだけど、グリフィンドールになっちゃったってこととかはないですかね?
色の仕組みまでちゃんと組み込んであるのは前にも驚いたけど、ここまでとは。
ハリポタの赤と緑はSWのように単純に善悪に分けられるものではないんだね。
それから、五輪にもあてはまるってのがほんと、ビックリ!
陰陽五行にもあてはまり、まさに、宇宙の仕組みにぴったしですよね。
あと、人種の色でもあるよね。まあ、苦し紛れだけど、緑は白人に当たるのかな?
それから、PSの最後にもはや出てきてたんですねー。いやはや感動的です!
しかし、色のルールといい、五大元素の仕組みといい、たくさんの複雑な要素がハリポタときれいにピタリとあてはまり、ズレがみられないのは、神業としか思えないです。
> ダンブルドアっ性格的にはハッフルパフの気質ありますね〜
あるよねっ!あるよねっ!そうだよねっ!(力強く)
> ダンブルドアが、実はハッフルパフの子孫なんだけど、グリフィンドールになっちゃったってこととかはないですかね?
たとえば、グリフィンドールとハッフルパフ両方の血筋(たぶんレイヴンクロウも入るね)っちゅーのは、どうかな(汗)?両家がどっかでケッコンしてればいいわけだし。
たとえばハリーは、グリフィンドールに入ったし剣も取り出せたけど、ソーティングハットはスリザリン的資質があるって言ってたわけで、勇気とハングリーさを持っている。でも"勤勉さ"や"聡明さ"は持ってないよね。そーやって、根本的な人の資質4つのうちの複数をみんな持ち合わせてるんだと思うんだよなぁ。ひとつの特性だけを持ってる人なんていないわけだしさ。
> 世界的にはやっぱり勇気とかなんでしょうか。
たしかに西洋ってそーゆー英雄的は話が多いような気もするね。でも、ハリポタは結局んところ"調和・バランス"というところに落ち着きそうな気がしています。
8色すべてがオリンピックにあてはまることに気づいた時は、さるおもびっくらこけた。
> 緑は白人に当たるのかな?
Joがハリポタを第二次世界大戦に重ね合わせていることを考えると、そーゆーことになるかな。
ハリポタついに最終巻突入ですねー。私は、ルーピン先生が大好きなんですが…さるおさんの推理に則すと、どうにもルーピン先生が死ぬような気がします。「月=ムーニー」だし。JK女史が「狼男は差別と偏見に晒されたハンディを背負った人々の象徴」と言っていましたが、それはロンの兄ちゃんにバトンタッチしたし。ハリーの理解者、両親の親友の一人だし。ピーターと争って死ぬのではないかなあーと…。どうでしょう?
来てくれてありがとうだぞ。
『SAW』はほんとにほんとにおもしろかったっすね!さるお大コーフンだったよぅ。
> さるおさんの推理に則すと、どうにもルーピン先生が死ぬような気がします。「月=ムーニー」だし。
むむむ!さるおの推理で?ルーピン死亡?月=ムーニー?
ごめんなさい、どのへんでかな?
保護者的な存在を含め、ハリーはすべてを失うはず、って意味でかな?
たしかに、ロンの兄ちゃんに悲劇のバトンタッチはしました。ルーピンさんのほうは、若い恋人できたしなぁ(笑)。
> ピーターと争って死ぬのではないかなあーと…。
うんうん、これってLVにもらったピーターの新しい"銀色の手"のことだよね?
さるおね、『PoA』の最後にDDが言ったこのセリフは『HP7』の重大な伏線だと思ってるんだ。
Pettigrew owes his life to you. You have sent Voldemort a deputy who is in your debt. When one wizard saves another wizard's life, it creates a certain bond between them...
つまり、ピーターはなんかしらのかたちでハリーを救うことになるんじゃないか。ということは、ルーピンをあの銀の手で殺してしまったらハリーに怒られちゃうわけで、ピーターの相手はフェンリル・グレイバック(ルーピンやビルに噛みついた人狼)になるんじゃないかと思うんだわー。どうだろう?