『THE ROAD/ザ・ロード』を観たよ。
原作は『NO COUNTRY FOR OLD MEN/ノーカントリー』のコーマック・マッカーシー(Cormac McCarthy)、脚本は『ENDURING LOVE/Jの悲劇』のジョー・ペンホール(Joe Penhall)、監督はジョン・ヒルコート(John Hillcoat)。
出演はヴィゴ・モーテンセン(Viggo Mortensen)。
えー、なんと言ったらよいのか。
ちょっとやりすぎなほどのボロボロ感。いや、ものすごいリアリティっす。言ってることがオカシイのは重々承知しておりますが、"リアルすぎる"(笑)。"惨め"というのを見せつける映画ですな。
なぜ文明が崩壊したのか、というのはなぜかあまり気にならなかったっすね。それより、南に何があると信じて歩き続けたのかが、気になります。寒そうだから、南に行く理由はまぁあるんだけれども。
えー、最愛の息子のイノセンスを守ろうと、おとうちゃんは必死です。自分は死にそうだなということになって、最期には我が子に鉄砲を持たせる。それまでは、自殺という最後の逃げ道のために持っていたものですが、最期には我が子に歩き続けろと言うんすね。観ているこっちはもうずいぶん頭のほうからすでに、この親子を死なせてやりたいと思っているわけですが。
で、コドモひとりになって、オトナに出会ってね、この子はちゃんと警戒して鉄砲かまえるわけです。共食い集団に襲われてもなお反撃を嫌った子が、ついに鉄砲をかまえる。生き延びたいと、戦い始める。でもまぁこのとき出会ったオトナさんは拾う神で、4人家族に入れてもらうんですが、うーん、このご家族には少し拍子抜けしました。あくまでもこの世界観の中での比較ですが、けっこうコギレイ。殺気立ってないし、なんとも品のあるご家族でございます。そ、そっか、そんなに余裕ぶっこいてた家族も、いたのか、そ、そっかぁ〜。
なので、内心、このご家族とほかの対比もありーの、ちょっとやりすぎだなと、感じてしまったのでした。
でもね、拾う神がいてよかった。あの子が行き倒れて終わりとか、襲われて終わりとか、それもいいんですが、落ち着いた善人一家と出会うほうがひねりがあって、おもしろいんだと思いましたよ。
心ゆくまでさるお、もんち!