『BRIGIT JONES'S DIARY/ブリジット・ジョーンズの日記』を観たよ。
1995年、イギリスのインディペンデント紙にコラムとして連載された、ロンドンで暮らす32歳独身女性ブリジット・ジョーンズの日記。ブリジットのような人かどうかは知らんが、作者は30代未婚のジャーナリスト、ヘレン・フィールディング(Helen Fielding)。
瞬く間に人気を博したコラムは小説として出版され、爆発的な売上げとともに、ロンドンで働くOLのおねーさんたちのバイブルと化した。"Very BRIGIT JONESY"(とってもブリジット的)なる流行語までが飛び出しすっかり社会現象へと発展。世界23カ国語に翻訳され500万人以上の女性が夢中になったという。なぜか。
読者が「ブリジットってわたしみたぁ〜い!」と思ったからである。究極の等身大ヒロインの登場だぞ。
監督は、TVCMやドキュメンタリーで実績を誇るシャロン・マグワイア(Sharon Maguire)。
脚本はヘレン・フィールディング自身と、ベテラン脚本家アンドリュー・デイヴィス(Andrew Davies)、『フォー・ウェディング』にジョークをふんだんに盛り込んだリチャード・カーティス(Richard Curtis)。
出演はさるおが愛してやまないレニー・ゼルウィガー(Renee Zellweger)、若い頃はホモ映画ばかり出ていた『MAURICE/モーリス』『NOTTING HILL/ノッティングヒルの恋人』『FOUR WEDDINGS AND A FUNERAL/フォー・ウェディング』『LOVE ACTUALLY/ラブ・アクチュアリー』のヒュー・グラント(Hugh Grant)、同じくホモ映画出身で『ANOTHER COUNTRY/アナザー・カントリー』『SHAKESPEARE IN LOVE/恋におちたシェイクスピア』『THE ENGLISH PATIENT/イングリッシュ・ペイシェント』『LOVE ACTUALLY/ラブ・アクチュアリー』のコリン・ファース(Colin Firth)。
物語はとても単純。ありがちなラブコメでしかない。
ロンドンのシングルトン(働いて自活する独身者)でジャーナリスト志望のブリちゃんは、大奮闘と自己嫌悪の間で大揺れしっぱなしの太った32歳。恋の相手を射止めようと爆走するが、いつも大ドジを踏んでは砕け散る。恋の相手は、女にルーズなナンパ師でセクシーな上司のダニエル・クリーヴァーと、誠実だけれど不器用なエリート弁護士で見た目はちょっとさえないマーク・ダーシー。
ブリちゃんの最大の魅力は、ちょっと泣くけれど決して失われることのない向上心と、自己愛と自己嫌悪に揺れながらもありのままのかっこわるい自分を見放さないポジティブ・シンキング、そして思い込んだら絶対に迷わずに夢を見続けるロマンチックなところ。仕事と恋に忙しいドジな独身女がへこたれずにがんばってついにハッピーエンド、という平凡きわまりない設定である。
なんだかんだでこの太りすぎの主人公は、けっこういい線いってる男ふたりに相当純粋に愛されている。ダメダメなブリちゃんなのに、結局は選びたい放題ではないか。だから、「ブリジットってわたしみたぁ〜い!」ってほんとかよー!というのがいささか疑問なのであるよ。それは憧れの領域ではないかえ。
「現代女性が直面する日常が、あくまでも女性の視点から綴られて」とかいうよくある解説も然り。こんな美味い話の展開に、現実に日常的に直面するわきゃなかろうて。それは憧れというものよのう。
ついでに、あまりに対照的な男子2名もちょっと現実離れしているぞな。
ではなぜ、観客がブリちゃんを等身大ヒロインだと勘違いしたのか。
ありえない(とまでは言わないが)原作に共感させるブリジット女優の底力の賜物である。女優レネー・ゼルウィガーの、おそらく計算されつくしているであろう"親しみやすさ"と"飾り気のなさ"が現代を生きる人々(この映画の場合は主に女子ね)を励ますのではないか。
スイス人とノルウェー人のハーフでテキサス生まれのレネーだけれど、イギリス英語を身につけて、ロンドンの出版社にこっそり2週間勤務したという話は有名。体重を6kg増やしたという話はもっと有名。まさに女デ・ニーロである。
太りすぎのレネーが、おしりから落ちてきたり、肉をはみ出させながらバニーガールになったり、本当に本当にブリジット以上の大奮闘ぶりなのである。いろんな映画で「体当たりの演技です」なんて褒めているのは甘い。どうしようもなくみっともないブリちゃんを、救いがたいみっともなさで演じているのだよ。素晴らしい女優さんだ。
ナイスバディではいかんのだ。美人ではいかんのだ。器用でもいかんのだ。レネーが演じるブリちゃんでこそ、愛さずにはいられない、"共感"の対象になりえたのだろうと思う。
笑いどころは満載である。というか、時々ほろりとしながらも、ほぼ笑いっぱなしだな。おもしろいぞ!
音楽もいいな。プリテンダーズ、ガブリエル、ジェリ・ハリウェル、ロビー・ウィリアムス、シェリル・クロウ・・・新旧の名曲が役者と共に物語を綴っているのだ。
心ゆくまでさるお、もんち!
本当に起こったことを元にして
ぶちきれた恋愛話を展開しています。
これからとんでもない展開になるので
よかったら見てみてください。
音楽いいですよね。
冒頭のハリー・ニルソンの「Without You」を熱唱するブリちゃん。思わず私も一緒に熱唱しました。(笑)
共感を得ているヒロイン、ブリジットですが、いくら体重を増やして太めにしたと言っても、あの程度ならまだ”グラマー”で許してもらえるのではないですかね。
それになんだかんだ言って、やっぱりカワイイし。
足が細いんですよね。頑張って太ってみたけど、足までは太れなかったんでしょう。
大体、モテすぎ。ダニエルの方はハズレだけど、マークの方は大当たりだし・・・。
とにかく私はブリジットが羨ましかったです。(涙)
「おめー、すごく幸せ者じゃんかよー、何、自己嫌悪に浸ってんだよー。私なんか・・・私なんか・・・」と卑屈になってしまいそうでした。(号泣)
でもこの映画は好きですよ、面白いですもん。
あ、続編も好きですよ、もちろん。
共感した!とかいう人いっぱいいるみたいけど、ブリちゃんはカワイイすぎるし、モテすぎだよね。あんなに幸せで本人もけっこうノリノリなのに自己嫌悪ってこたぁないべ。
自分自身の現実的な長所・短所を、増幅したキャラクターっていう意味での"共感"なんだろうな。
でも、おもしろいのは間違いない!笑った笑った!
観ている最中は"共感してみる"のが気持ちいいし、一緒に泣けて、応援して、よろこぶ感じ。相当ひっぱられるよね。薄っぺらいストーリー(←褒めている)がさらに映画をよくしていて、けっこう名作だよなー。
>さるおさま
そうそう、ブリちゃん自身がすごーくポジティブ・シンキングなのに、なんで自己嫌悪に陥るのかが不思議ですねぇ。
自己嫌悪もポジティブ・シンキングでいっちゃえ〜って感じです。
最近、凝ったプロットの映画ばかり観ているから、この映画みたいに薄っぺらいストーリー(←めっちゃ、褒め言葉)は斜に構えずに楽しめて最高に面白いです。
でもなぜに男性(男性だと思い込んでいましたが・・・もしや?)のさるおさんがブリちゃんに共感できるのかが、女性(一応ね)の私からすると不思議だったりするんですよね。