『AEON FLUX/イーオン・フラックス』を観たよ。
監督はカリン・クサマ(Karyn Kusama)。女の子が作った女の子が戦う映画、そんな雰囲気はありますねー。
出演は『MONSTER/モンスター』『NORTH COUNTRY/スタンドアップ』のシャーリーズ・セロン(Charlize Theron)。『モンスター』で太った私を観たかもしれないが、あれは気のせい、といわんばかりの大露出(笑)。
そして、けっこうおいしいシサンドラ役に『HOTEL RWANDA/ホテル・ルワンダ』でも好演が光っていたソフィー・オコネドー(Sophie Okonedo)と、本当は善人だったトレバー役にはマートン・ソーカス(Marton Csokas)、トチ狂った弟オーレン役はジョニ・リー・ミラー(Jonny Lee Miller)、イーオンの妹ユーナはコリン・ファレルの元妻アメリア・ワーナー(Amelia Warner)、反政府組織"モニカン"の司令長官ハンドラーは『スタンドアップ』で続けてシャーリーズと共演しているフランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)。
『キルビル』のユマさんには到底及ばないが(←これはさるおの中では断固としていちばん)、『バイオハザード』のミラさんにもわずかに及ばないが、ドスンドスンとやや体の重そうな『トゥーム・レイダー』のアンジェリーナとなら互角の強さのシャーリーズ。かっこええですね、ほとんど笑けるまさかの強さ。ミッションがインポッシブルなトムとも互角。記憶喪失スパイのマット・デイモン相手なら勝てるか。身体機能的には*ジェミー・ソマーズとも互角。強いな。いや、古いな。(*バイオニック・ジェミーだYO!古すぎて自分に号泣)
フツーにおもしろかったっす。
えーっと、ネタばれて申し訳ありませんが、おおすじは『THE ISLAND/アイランド』とそっくりですので、覚悟!
クローン祭り開催中の未来で、地球は汚染された、かなんか言って、囲いの中で生きているんだけれども、いろいろ気に入らねぇぞ、とか言って戦って、壁をぶち破り、じつは外は汚染なんてされてなくて、クローン解放。これからどうしよう?という、話が始まったところで映画は終わりです(大泣)。
身体能力が極めて凡人のユアン・マクレガーが戦うか、笑ける強さのシャーリーズが戦うか、そこが違う。(それだけか、おい)
あ、そーいえば、それだけじゃなかった。『アイランド』は臓器目的の商売の話でしたが、『イーオン・フラックス』では不妊の人類を存続させるための世界が舞台。ところがクローンが妊娠するようになっちゃって、"トチ狂った弟オーレン"的には商売上がったり。そーゆー話でした。
悪だと思っていた政府の中にも善はあり、善だと信じて命を捧げるつもりだった"モニカン"の中にも独善的な"独裁"がある。そーゆー複雑さにはリアリティと深みがあります。
映画で"独裁国家"なるものが出てくるときは、たいてい赤黒の旗なんか掲げちゃって、ナチス的なやつをやってますが、『イーオン・フラックス』では日の丸です。ドイツはもちろん、世界中でタブー扱いのナチスの鉤十字と違って、にっぽんでは日の丸って現役なわけです。えーっと、さるお自身は近代史におけるいろいろを考えた上で日の丸も君が代もヒジョーに客観的に眺めつつその内側の文化を知る立場としてある種の感慨を持っているわけですが、とにかく一部の人にとっては、不快とはいかないまでも、ファシズムの象徴としてまんま扱われるのは複雑かなぁと思って観てました。
が、あそこの親方はいい人でしたね。弟君がワルモノだった。ということは、"独裁"の旗印ではなかったわけです。
ま、映画だからね、どーでもいいんだよ。というか、日の丸出てきてちょっと笑いました。市民のよい子たちもスゲ笠かぶったり、番傘さしたり、和テイストまっしぐら。
イーオン・フラックスさんは"忍者"ですから、シサンドラさんも忍法炸裂。全身武器の美しき忍び。つまり"くのいち"さんです。そういえば、『修羅雪姫』的な悲壮感に満ちてます。あ、昔の『修羅雪姫』ね、さるお大絶賛の映画です。よい子は観てください、1作目だけね。
ついでに、イーオン(Aeon)はラテン後で"永遠"ってゆー意味です。永遠を飼われて生きるか、1度だけの限られた人生を懸命に生きるか、そーゆーテーマの映画の主役の名前が"永遠"。おもしろいっすね。
ちなみにこのワルモノ国家はまさかの財閥系、つまり"個人で所有する"国家なわけですが、その名もグッドチャイルド(爆)。これにはわろたー。おもしろい。風刺の心は忘れてない映画です(笑)。
ハラハラと舞う桜の中で、強すぎるシャーリーズが壮絶バトル。不思議な構えの二丁拳銃で後ろの敵もやっつける。行け行け、イーオン!
ええですね、桜は。美しい。
しかーしあまりに美しすぎて、最近多い映像美以外が心に残らない中国映画をいろいろ思い出しました。タイトルもまるでわからんですが、『マトリックス』のカラー版みたいなの、いっぱいあるじゃんか、最近の中国映画って。(マトリックスは白黒かよ)
で、ハリウッドの『マトリックス』をマネた中国映画をまたハリウッドがマネたんだなぁと、そう強く思いました。あー、これは映像の話ですけど。
さるお的にいちばん気になるのは『イーオン・フラックス』のロゴですね。

「木を植えています 私たちはイオンです」のイオンさんに、いいのかな、こんなに似てて(涙)。

http://www.aeonflux.jp/
とにかく、あらゆる局面で、シサンドラさんがいてくれてたすかりました。
今度オリジナル・アニメの方も観てみます。
心ゆくまでさるお、もんち!
誠に勝手ながら、TBさせて頂きました。
この作品、結構日本風味を漂わせていましたね。
もうちょっと期待していたんですが、、、。
今後とも宜しく御願い致します。m(__)m
※クラッシュにもTBして頂き有り難う御座いました。
私もTBさせて頂きました。
どうもありがとうです。トラバ大歓迎だYO!
> この作品、結構日本風味を漂わせていましたね。
そうですねー、忍者の話だからなぁ。
もう少しパンチの効いた作品だったらよかったのに。ちょっと寂しいですね。
> 政府側兵士の持つ銃などガトリング式のネイルガンみたいです、
そうだったね!
これからもよろしくです。
また遊びに来ます!!
遅ればせながら。
また来てくださーい。