2005年03月27日

ソリッド・シチュエーション・スリラーの衝撃作には共通点? 新人監督のデビュー作はウケる!

さるおです。
ソリッド・シチュエーション・スリラーというカテゴリーがあるね。単にシチュエーション・スリラーとも言うやつ。
シチュエーション・サイコ・ホラーというのもある。
ソリッド・シチュエーションとは状況設定のこと。フィールド設定という言い方もするよね。映画なんて、多かれ少なかれ、あらかじめの状況設定はしてあるものだけど。
シチュエーション・コメディなるものもある。
飛行機がハイジャックされたりするパニック映画にも"シチュエーション・パニック・アクション"とでも呼ぶべき作品が多い。
フィールド設定っていうのはきっとすごく大事でおもしろいことなんだよね。
さるおは、このカテゴリーが大好き。コメディとかパニックじゃなくて、こわいやつね。こわいの好きなんだなぁー!
ある状況設定のもとで、いきなり話がはじまるのであるよ。なぜそうなったかは問答無用。基本的にはコメディ向きな手法だと思うんだけど、最近は"こわい映画"の状況設定モノが多くて、さるおご満悦。理屈をこねていないで素直に怖がるのが正しい観かた。質問禁止のジャンルだからね。

登場人物と同じ目線で体感できるところがいいんだな。
フィールド外に出られてしまうと(つまり殺人鬼を追っかけたり罠にはまって街中へ、とかね)、観客はついていけない場合がある。登場人物は街のことをよく知っているからさ、どこが袋小路だとか、どこに行けばたすかるとか、どこに手がかりがあるだろうとか、そういうのがわかってて行動するわけさ。もちろん、そういう予備知識や予測の上に"どんでん返し"が重なるところにおもしろさがあるのもわかっている。ただし、ストーリーに謎解きの要素が入ってくると、圧倒的に観客は不利になるのだ。スクリーンでは目当ての証拠品を次々手に入れているが、こっちからすれば意外な事実なので、登場人物と"一体になって"体感する、というところまでいかない。
この点、フィールド設定モノはいい!フィールドがきっちり決められていれば、基本的に外の景色は無いわけで、見えている範囲でどうにかすればいいわけだし、さらに登場人物も何が何だかわかっていないっていう設定なら、情報量も同じ。これではじめて、観ているこっちと登場人物が互角になる。まさに同じ目線だ。さるおは、物語と同時進行で謎解きしたり怖がったり驚いたりしたいんだよぅ。

スリラーかホラーかミステリーかサスペンスか・・・というのは重なる部分もあると思うので、ひとくくりに"こわい映画"と考えるとして、まずはさるおが思う"ソリッド・シチュエーション・こわい映画"の最も成功した例をあげてみようと思う。

『The Shining』 (1980年イギリス)
『CUBE』 (1997年カナダ)
『The Blair Witch Project』 (1998年アメリカ)
『es』 (2001年ドイツ)
『SAW』 (2004年アメリカ)

どれも、きちんと怖い。よくできている。ブレア・ウィッチ(1も2も。1のがいいかな〜)は賛否両論あるみたいだけど、さるおは素直に怖かった。
あれれ?最近のが多いな。ま、いっか。
衝撃的で、始終一貫したコンセプトがある、というのが最たる共通点。どの作品も、逃げ場はなく、そこから出ることができない。それが物語を怖くもしているし、シンプルにもしている。
傑作中の大傑作『シャイニング』は別格として、あとの4本を見渡してみよう。
小さな作品という意味では、低予算、最少のキャストと撮影場所などなどの共通点があるが、なんといっても驚くのは、すべてが監督デビュー作(長編デビューというのもあるかもしれないが)だということ。さらに、すべてではないけれど、思いついた人が台本書いて監督して編集して・・・という具合に何役もこなしているのも特徴だろう。ハリウッド超大作ではこうはいかない。

『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリは脚本と監督、『The Blair Witch Project』のダニエル・マイリックとエドゥアルド・サンチェスも脚本と監督、『es』では原作者マリオ・ジョルダーノが脚本を書き、『SAW』ではジェームズ・ワンが監督・原案でリー・ワネルは原案・脚本・出演。
『es』の監督オリバ・ヒルシュピーゲルを含め、みなさん、デビュー作である。素晴らしい〜!

いっちょ映画でも撮ってみっぺ♪っていうニューカマーにはソリッド・シチュエーションが最適ってことか?

本来ならここにアガサ・クリスティ作品が入るんだべ、と思ったんだけどね、なんとなく"ドラマ"の要素が強すぎて、入れませんでした。
状況設定そのもののおもしろさ、ってことでは『Phone Booth』(コリン・ファレル主演)の"電話ボックス"とか『Speed』(サンドラ・ブロックとキアヌ・リーブス)の"バス"も良かったよね。そういや『Speed 2』というのを観た覚えがあるが・・・まるで忘れてしまった、なぜだろう(笑)。
そうそう、"ソリッド・シチュエーション・こわい映画"と言えなくもない、ラース・フォン・トリアーの『DOGVILLE』とフランソワ・オゾンの『8人の女たち』も入れたいなぁ。

心ゆくまでさるお、もんち!
 
posted by さるお at 05:11| Comment(10) | TrackBack(3) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まったく同感です!

低予算で作るためには、必然的にセットもあまりたくさん用意できないし、登場人物が多いと人件費がかさむので「ソリッド・シチュエーション」って最適な手法ですよね。

その割にメリットが多いんですよ。登場人物が限られているから観ている側は感情移入しやすい、ごちゃごちゃ説明しなくても状況一発把握などなど。
で、さるおさんのおっしゃる「同じ目線」で観られる、これは最大のメリットですねぇ。

『エイリアン』(一作目)や『ポセイドン・アドベンチャー』なんかもこのジャンルの中に入れたいと思うんですが、どうでしょう?
Posted by つっきー at 2005年03月28日 01:49
つっきーさん
『エイリアン』(もちろん1作目ね)大賛成!まさしくこのジャンルですね!
『ポセイドン・アドベンチャー』ってジーン・ハックマンが出てる豪華客船の映画ですよね。これも入れましょう!
やっぱり"飛行機"とか"宇宙船"とか"舟"とか、逃げられない系スリラーは有無を言わせぬフィールド設定で力強いね。
このジャンルの傑作、他になんかありませんか?是非おしえてください。
Posted by さるお at 2005年03月28日 06:09
つっきーです。
嬉しいです!オススメ作品がジャンル入りを認定されて。

で、調子にのって考えてみました。

’78年作 『ゾンビ』 ジョージ・A・ロメロ監督作品
主要登場人物4人(他ゾンビ多数)、場所:ショッピング・モール

’84年作 『死霊のはらわた』 サム・ライミ初監督作品
主要登場人物5人、場所:オンボロの山小屋

今でこそ有名監督となったサム・ライミが低予算で撮った『死霊のはらわた』。これこそ「ソリッド・シチュエーション」の先駆けかもと思っています。

『ゾンビ』については、’03年にリメイクされた『ドーン・オブ・ザ・デッド』と比較した感想を書いた記事がありますのでトラックバックさせてもらいました。未見ならお読みにならないでください。もちろん削除なさっても結構です、お気兼ねなく。
Posted by つっきー at 2005年03月29日 05:56
つっきーさん
わはは!"殿堂入り"と呼ぶことにしましょう。
なるほど、ゾンビモノはこの分野の王道ですね。『ゾンビ』観ました。『ドーン・オブ・ザ・デッド』も観てます。このへんの映画は外せません。もちろんですとも!『死霊のはらわた』も逃げられませんねぇ。すべて殿堂入り、つっきーさん、さすがです!
ふと思い出しましたが『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(ドーンつながりか?)って驚きましたね。突然ゾンビ映画になりますからね。

もっともっとおしえてください。
Posted by さるお at 2005年03月29日 15:48
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』は面白かったですね。
初めは銀行強盗、人質とって逃亡劇かなぁと思って観ていたら、いつの間にか吸血鬼との闘いになってるし・・・。
初めの強盗とか誘拐とかの犯罪はすでにどっかに飛んでいっちゃって、生きるか死ぬか状態ですから。
何の先入観も持たないで観るとビックリする映画でしたねぇ。

で、ふと思い出したのが『クライング・ゲーム』という映画。
アカデミー脚本賞を受賞した作品なのに、割と知名度低いので悲しいです。
これも初めはIRAのテロリストの話だと思っていたら、いつの間にかラブ・ストーリーに変わってるし・・・。でも前半のIRAの話もきちんと決着つけてくれるので、つっきーの大好きな映画の一本なのです。
話、それましたね〜。ごめんなさいです。
Posted by つっきー at 2005年03月30日 06:22
つっきーさん
『フロム・ダスク〜』はたぶん、いかなる心構えも許さない映画です(笑)。
おぉ〜『クライング・ゲーム』、すっかり忘れていました。観たいと思っていましたが、すっかり忘れ・・・まだ観てないです。ニール・ジョーダン作品、いいですよね。『狼の血族』から『ことの終わりまで』すべて観ようと思いつつ、2、3作品漏れたままになっています。テロ話からいきなりラブですか・・・すごそうですね。今度観てみま〜す。
Posted by さるお at 2005年03月31日 07:19
>DOGVILLE
まさに低予算ですね(笑)
セットっていうか床に白線引いてるだけやん!
みたいな。多分一番の出費はニコールのギャラなのでは?
でもこれは怖かったです。
怖いというか気持悪いというか後味悪いというか……なんか見た後絶望的な気分になりました。

さるおさん、めちゃめちゃ映画見てますねぇ!
ウラヤマシイを通り越して尊敬の目で見てしまいます。
アタシもさるおさんほどいっぱい見たいんですがどうにも時間が……。
Posted by チカ at 2005年04月06日 23:42
チカさん
さるおヒマなんだ(笑)。働くのいいかげんにごまかして映画観てんの。
『DOGVILLE』ニコールのギャラいくらなんでしょうねぇ?彼女主役で出ずっぱりだったし、他に大物いないし(ポール・ベタニーなんてニコールと比べたらありんこみたいなもんですよね)、なんだかんだで案外金かかってるかもしれません(笑)。
セットは無きに等しかったですね。学芸会みたいでした。
Posted by さるお at 2005年04月07日 10:18
さるおさん
「ソリッド・シチュエーション」の名作見っけ!
『”アイデンティティー”』どぇす。
脚本家も監督も音声解説で自分で言ってる、低予算で作るには一ヶ所に集めるに限るって。(笑)
出演している俳優も脇役系だけど、有名どころだし、展開の素晴らしさは脚本の勝利です。
未見なら、ぜひ観ておくんなまし。

ちなみに監督は新人じゃないですが、脚本家は劇作家出身の新人さんです。
Posted by つっきー at 2005年04月20日 08:35
つっきーさん
「ここに集まったのではない。ここに集められたのだ。」
ってやつですね、『アイデンティティー』は・・・ジョン・キューザックが女優を乗っけてて事故で大雨で、他の人も一緒にモーテルに閉じこめられて、ひとりずつ殺されてくやつ。刑事と囚人のコンビがどうもあやしくて、でも最後はガキがどんでん返っちゃって、さらにじつは、あ〜それで誕生日がねぇ!っていう"ある作業"の話。それだったらつい先日観ました、TVで。アガサ・クリスティの新作か!と思ったぞ(笑)。驚きの展開もアガサっぽかったけど、"ある作業"のもうひとひねりが見事だったよね。おもしろかったぞ。あれは脚本が新人さんなんですか・・・すごいね。
堂々たる低予算なところもエライ!名作だね。どんどん殿堂に入れよう(笑)

ちなみにマルコム役の俳優さんは、プルイット・テイラー・ヴィンス(Pruitt Taylor Vince)さんという人で『ミシシッピー・バーニング』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『海の上のピアニスト』『ザ・セル』『コール』『シモーヌ』『モンスター』などなどに出ているぞな。そうそう、キアヌの新作『コンスタンティン』にも出るね。
Posted by さるお at 2005年04月21日 22:48
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