2005年04月08日

映画鑑賞感想文『親指トムの奇妙な冒険』

さるおです。
『THE SECRET ADVENTURES OF TOM THUMB/親指トムの奇妙な冒険』を観たよ。1993年イギリス発ダーク・ファンタジー。どこかのサイトで、日本初公開は2000年3月25日より六本木俳優座トーキーナイト、なんて書いてあったが、これはきっぱりと間違いである。さるおが観たのは1995年(六本木俳優座はあってるな)なんだぞ。
監督・脚本・撮影・デザイン・編集は、デイヴ・ボースウィック。
出演は、粘土の人形やらなんやらと、ニック・アプトン、デボラ・コラード、他多数。

よりグロテスクにアレンジされたグリム童話『親指トムの冒険』。特異なイマジネーションにより完成したシュールなブラック・ファンタジーである。

親指トム.jpg

子供のいない夫婦に、親指サイズの小さな赤ん坊"親指トム"が生まれる。ある日トムは謎の男たちに拉致されて、不気味な研究所へ連れ去らてしまった。そこは、機械と融合した動物や、バラバラに切断されながらも機械につながれて生きている人体がうごめくダーク・シティ。トムは半機械化したトカゲにたすけられて研究所を脱出する。さぁ、パパママと再会しなければ。
そしてこの冒険の最後には、ほんのりとせつない結末が待っているのだな。

台詞はみんな聞き取れないほどに歪んでいる。物語も歪んでいる。キャラクターもおぞましいほどグロテスク、登場人物もひどく醜い。醜さも不気味さもうまく計算されている。そう、トムの冒険は、まるで奇妙な地獄巡り。

字幕はなし。動きと音楽でストーリーを綴る、クレイ人形を使った、実写兼ストップモーション・アニメーションの力作。なんと役者も共演(もちろんコマ撮り)です。上映時間60分のこの作品、製作には18ヶ月もかかっている。すっかり"工業製品"と化したジャパニメーションとは明らかに異質の、コツコツと作り上げた強烈な個性が輝いているぞ。一見の価値はあるのだが、そうそうレンタル屋で見つかるとも思えな〜い(笑)。
1994年英アカデミー賞最優秀短編映画賞を受賞。他にも世界各国の映画祭で栄冠に輝いた。

おやゆび

不格好なトムがたまらなく可愛いので、パッと見グロ〜い親指トムTシャツを劇場で買ってきた。気色悪いのであんまり着られないんだけど。

お気づきの方もいるでしょう。大道芸人と少女の純愛モノにしてグロテスクな異色フランス映画、ジャン=ピエール・ジュネ(Jean-Pierre Jeunet)の『THE CITY OF LOST CHILDREN/ロスト・チルドレン』(原題は『LA CITE DES ENFANTS PERDUS』ロン・パールマン(Ron Perlman)主演)に似ていると。街の風景、グロテスクな登場人物、半機械化したキャラクター、マッドサイエンティストのあやしい研究所、設定の何もかもが似ていると。
ところがであ〜る。『ロスト・チルドレン』は1995年の作品なので、ジュネが『The Secret Adventures of Tom Thumb』を真似ているんでしょう。
ちなみに、『The Secret Adventures of Tom Thumb』は完成の4年前(1989年)にパイロット版が製作され、世界各地の映画祭で上映されているらしい。ほほう、『DELICATESSEN/デリカテッセン』より2年前ではないか。

心ゆくまでさるお、もんち!
 
posted by さるお at 03:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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