スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、ダッダちゃんについて考えてみたいです。
が、訳本を読んでいないので日本語訳がたまにヘンだYO!
基本的にはネタばれエントリーなのでご注意ください。(究極の重要ネタばれ個所は反転色にしてあります。)ネタばれコメントも大歓迎なので、そっちも気をつけてね。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。
The best that can be said is that he has at least escaped the appalling damage you have inflicted upon the unfortunate boy sitting between you.
これは『HBP』の第3章"Will and Won't"に出てくるダンブルドアの言葉です。
ダンブルドアはダドリーのことを"不運な子"と言ってます。"そのかわいそうなダドリーにあなた方が与え続けているひどいダメージ"をハリーはかろうじて免れている。そーゆー意味だよね。
邦訳ではその"ひどいダメージ"が"虐待"と訳されているらしい。
しかーし、実際のダーズリー家はマージおばさんも含めて、ダッダちゃんを甘やかしまくって虐待なんかしてません。いじめられてたのはハリーのほうだ。
なぜダンブルドアはダドリーを"不運な子"だというのか。
おもちゃいっぱい買ってもらって、ぜいたく病だから?
いつも食いすぎで、太っちゃったから?
思い出してください。自分が魔法使いだと知る前のハリーの身の回りで、どんなときに不思議なことが起きたのか?
ハグリッドがこう聞いています。"Not a wizard, eh? Never made things happen when you was scared or angry?"
"scared or angry(恐怖を感じたとき、または怒りを感じたとき)"、つまり、自衛するときや攻撃するときに、おかしなことが起きなかったかと聞いてます。身の危険を感じたときや激高したとき、究極的には(主に)自分の命を守ろうとするときに、人は潜在能力を発揮する。魔法に限らず、人の本質だろうと思います。
これは自分が魔法使いだと知る前のヴォルディでも同じこと。コーフンすると(ヴォルディ的には"集中すると"かな)魔力が出て、人にはできないことが、自分にはできる、だから自分は特別だと考えるようになるわけです。
では逆に、毎日平穏で、満足で、怖いこともなければ怒るようなこともない、そんなストレスフリーな生活をしているとどうなるか?
能力を発揮する必要がなくなるわけです。そしていつかは、そんな能力が自分にあったことも知らぬまま、その能力は眠ってしまう。
ということで、The best that can be said is that he has at least escaped the appalling damage you have inflicted upon the unfortunate boy sitting between you.のひとつの考え方は、単刀直入に言ってしまうと"ダドリー魔法使い説"だと思います。
あぁ、たしかに、ダーズリー家の人々は、特にペチュニアは、ダドリーを怒らせないように気を遣っているように見える!ダドリーのゴキゲンとりに余念がないです。
ダドリーの魔法の能力が開花するのをおそれて、ダドリーが怒ることのないように、あんなに甘やかしている。それは、ダドリーが持っている魔法の能力を表面化させないための工夫であり、ダンブルドアは、せっかく使える魔法を知ることなく(能力を開花させることなく)大きくなってしまったダドリーを"かわいそうだ"と言っているのではないか。
よかれと思ってコドモを甘やかし、厳しくすることをおそれ、才能の芽を摘んでしまう。それは大きな損失(appalling damage)なんだよとおしえてくれているのかもしれませんねー。
ハリーについて"We swore when we took him in we’d put a stop to all that rubbish, said Uncle Vernon, swore we’d stamp it out of him!"(この子を拾ったときに決めたんだ、バカはやめるって。ばかげた魔法なんてものは、子のこの中から追い出すことに決めたんだ)という言葉にバーノンの気持ちが溢れています。
"None of the Dursleys said anything. Dudley was frowning slightly, as though he was still trying to work out when he had ever been mistreated. Uncle Vernon looked as though he had something stuck in his throat; Aunt Petunia, however, was oddly flushed."
さて、この"虐待"に心当たりがあるのは、特にペチュニアです。
エヴァンス家がリリーを授かって、ペチュニアはつらい思いをしたから、劣等感かもしれず、寂しかったのかもしれず、"魔法"そのものを恨んでいるのかもしれません。
自分が築く家庭には、ダーズリー家には、魔力などというアンバランスはあってはならない。危険に近づいてはならない。
なのに、ダドリーの誕生とともに、11年後のホグワーツ入学生リストにダドリーは載ってしまった。そうだ、うちの子はホグワーツにはやらないぞ。そのためには、魔力を開花させてはならない。よし、去勢だ、甘やかして、結果として去勢だ。甘やかすぞー!
Remember my last.
おそらく、「ハリーをよろしくNE!」というあの手紙はそれほど単純なものではない。ダンブルドアがペチュニアをもっと"脅迫"している感じです。
ダンブルドアはあの手紙の中で"何が起きたか、これからどうなるのか"を説明しています。ハリーをあずける以前に、あるいはハリーをあずけると同時に、おそらくダンブルドアとペチュニアの間で交わされた約束がある。ダドリーのホグワーツ入学免除か、もっと言えばダドリーの安全保障、そういう、状況が生んだ取引条件があったんじゃないかと思います。ダーズリー家に、ハリーにとっての家(home)になることを約束させるために。
となると、ダドリーです。
"There is a character who does manage, in desperate circumstances, to do magic quite late in life, but that is very rare..."
絶望的な状況に追いつめられて、これはとってもめずらしいことだけど、ある人物が、(魔法が使えるようになるにはしてはとっても遅い年齢になってから)魔法を使う。
そしてもちろん、ディメンターがチューをしようと向かって来たのも、ある意味、見えていたかもしれません。
心ゆくまでさるお、もんち!
振るえが止まりません!!
ディメンターがダドリーを襲った所は、絶対何かヒントがある!!と、思っていたので、本当に納得です!!
ディメンターに対する、マグルとダドリーの反応は明らかに違いましたもんね!!
HBPの原書はまだ読んでないので、訳本の『虐待』でしかとらえてなかったのですが、原文を見ると、さるおさんと同じような考えが浮かんできました。
虐待というと、何かこう違うイメージを抱いちゃいますね;
ダドリーの今後にも興味が増します!
「これで決まりだわっ(鼻息)!」って、もうすっかり気分は快晴です。
私、逆を考えてたみたいで・・・。
ペチュニアおばさんは魔法が使えること(とかリリー姉さん)が羨ましいのかな〜って思ってたけど、本当に魔法を憎んでいるのね、きっと。
『11年後のホグワーツ入学生リストにダドリーは載ってしまった』って考えると、DDとの文通の意味も、ダッダちゃんあまやかしホーダイの意味も、ぜ〜んぶ繋がっちゃいますね。
本当にさるおさんはスゴイ!!
私もさるおさん先頭の『ゴドリックの谷ツアー』に、何とか連れて行って欲しいです。
あ、「もうひとりのDDのヒミツ」ってタイトル、すごい素敵だし、深〜いですね(≧∇≦)
「Remember me last」(邦訳:わしの最後のあれを忘れるなor思い出せだったような・・・)ハリーを預かってもらったのにずいぶんとDD強気だなぁと思っていました。吼えメールだったし。単なる虐待説ではなくてダッダーちゃん魔法使い説に1票です!
さるおさんのブログにめぐりあっていなければかなり浅い読み方しかできなかっただろうなぁと改めて感謝です。
今後の考察(すてきな妄想?)も楽しみにしています
さるおさん、凄すぎです。毎日ドキドキしながら読んでいます。
そういえば、1巻でハリーにホグワーツからの入学許可の手紙が来たときのバーノンおじさんとペチュニアおばさんの反応、明らかにそれが何を意味するか知ってて動揺しまくってましたね。
バーノンおじさん、こんな風にも言ってます。
'I'm not having one(=a wizard) in the house, Petunia! Didn't we swear when we took him in we'd stamp out that dangerous nonsense.'
'We swore when we took him in we'd put a stop to that rubissh' 'swore we'd stamp it out of him!'
(我が家には(一人も)魔法使いを生じさせないぞ、ハリーを引き取ったとき、こんな危険なくだらないもの(=魔法の能力)は、終わりにする、ハリーからそれをたたき出してやるって誓ったじゃないか)
(最初の一文は訳本では、あんな連中はお断り、となってます。ちょっと違う?)
さるおさんの解説を読むと、ここら辺がきれいにつながります。
そうか、リリーとジェームズがあのような最期を迎えたことを知って、ダドリー夫妻は愛する息子ダドリーを守るために涙ぐましい決意をしたんですね。ダドリーには魔法の素質がありそうだ、けれど絶対に魔法界に関わらせない、危険な目には遭わせない、と。
そういえば、ダドリーの誕生日もハリーと数日違いの7月の終わりごろです。確かに、ハリーと同学年でホグワーツに入学していたら好むと好まざるとに関わらず、ハリーが通ってきた様々の危険に無関係ではいられそうにないですね。
もしかして、リリーが残したハリーへの守り「ハリーがプリペット通り4番地を我が家とする限り与えられる守り」は、ハリーだけでなくダドリーも闇陣営から守ってくれているのかも?ディメンターのダドリー襲撃時にハリーを家から追い出すのを思いとどまったのは、もしかしてダドリーを守るために、ハリーが居ることが必要だから?
まるで自信はないですが、'remember my last'ってそういう意味って可能性もありそうかな?
妄想は膨らみます、あ〜、7巻が待ち遠しいような読むのが怖いような。
> ワナワナワナ・・・振るえが止まりません!!
心配です(笑)。
ディメンターのシーンはきっと最大のヒントだよね。でもね、これを頭に入れて『PS』のオープニングを読むとね、けっこうヒントだらけかも?と思えます。
当たってるかな?
虐待ってなんか、誤訳とまでは言わないけど、ちょっとイメージ違う感じするよね。
行為は虐待というよりも"虚勢"だと思うし、結果は虐待というよりも"損失"なんじゃないかと。
やっぱりハリポタは深いっすよね。
> 私、逆を考えてたみたいで・・・。
逆なわけでもないんじゃないかな。
ペチュニアは魔法って羨ましかったかも、そして嫉妬もあったかも。リリーに親の愛情を奪われた気がして、寂しかったはずだもんなぁ。それが劣等感になって、憎らしくなっちゃったのかもしれないよ。
> 『11年後のホグワーツ入学生リストにダドリーは載ってしまった』って考えると、DDとの文通の意味も、ダッダちゃんあまやかしホーダイの意味も、ぜ〜んぶ繋がっちゃいますね。
生まれると同時にリストアップされる、そんなことDDが言ってたね。
> 私もさるおさん先頭の『ゴドリックの谷ツアー』に、何とか連れて行って欲しいです。
先頭は怖いから嫌なんだけど(笑)、とにかく、一緒に行こう、『ゴドリックの谷ツアー』。
実は最近ここを読むのがこわくなってます。というのも、さるおさんの予想が当たってそうだから!!!でも毎日みてしまうんですよね〜。もう「ツアー」は始まっている気がしてます。
> はりぽた研究家が本職では!?
その本職ステキかも。本読んで妄想にひたってればいいんだもんなー。
> 実は最近ここを読むのがこわくなってます。
いやん、そんなこと言わないでー。さるおのは妄想なんだから。『DH』が手元に届くまでせいぜい楽しんで、『DH』でびっくらこけて泣きたいんだ。
もう「ツアー」は始まっている、かぁ。そうだね、始まってるね。ゴールまで一緒に行こうね。