2005年05月14日

さるお発 映画『SAW』完全解読マニュアル 5 あとがきと『SAW 2』予想

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これから映画をご覧になる方はコメント欄にも気をつけてねー。

まだ映画『SAW』を観ていない方はまえがきからお読みください。

この映画は、暗闇で目覚めるアダムで始まり、暗闇に置き去られるアダム終わる。主人公はアダムのように見える。
しかし、ジグソウの最終的な真のターゲット、ローレンス・ゴードン医師にたどり着くまでの道のりを見ていると、ジグソウのある行為が説明されていることがわかる。道徳の時間じゃないんだから、「命を大切にしましょう」という教訓をたれている場合ではないぞな。その"行為"とは何か?
"救済"である。ひどく歪んではいるが、ジョンなりの"救済"である。

感謝を知らない人々の罪と、試練の果てにある神による救済。登場人物の名前を手がかりにした宗教的な見解もあるが、それよりも、劇中で唯一救済された人物が、思想を抜きにした事実として語っている。"He helped me."と。極限を生き抜いた者の言葉なんだから、この映画を理解する上で重要極まりない。

"Congratulations. You are still alive. Most people are so ungrateful to be alive. But not you. Not anymore."
(おめでとう。キミはまだ生きている。ほとんどの人間が生きていることに感謝しないが、それはもはやキミのことではない。)
これは決めのセリフである。キミはもう"生"をありがたがらない人間ではなくなった、キミは死の恐怖とその意味を知り、生まれ変わったと。
こちらは救済者Jigsawとしての言葉(Saw=格言)であるね。

では"人間"ジョンのセリフはどれか。
Yes, I'm sick, officer. Sick from the disease eating away at me inside. Sick of people who don't appreciate their blessings. Sick at those who scoff at the suffering of others. I'm sick of it all!
これだよね。"人間"ジョンの本音である。
このセリフには他の意味もある。そう、バスルームのことね。整然とした街の外観とはべつの、汚れて腐った地下のバスルーム。仮面の下の汚れて腐った人の心は感謝を知らないのである。すべてはあのバスルームに集約される。

死の恐怖がジョンを神格化したのかどうかはわからない。
「宣告をした医者はおいらを"モノ"扱いするムカつく野郎だぜ。おいらはもうすぐおっ死ぬけど、せめて、あのムカつく医者に復讐だ」という怒りはあったかもしれないが、映画に描かれているのは、怒りというより裁きであり、その果てにある救済である。ジグソウは、神の視点で世界を見ている。

これは描かれてはいないので"たぶん"ということになるのだけど、ジグソウは通院時にターゲットを物色してたんじゃないかと思う。ジグソウが"一方的に"病院で出会って、人生なめてんじゃねーぞ、って思った人たちに裁きと救済を与えていたんじゃないか。
ポールはカミソリで手首切ってたいしたことないのに病院に来たし、マークも仮病で病院通い、アマンダはリハビリに来てたんかも知んないけどいっこうにクスリと手を切る様子もなく、ジェフは医療関係の実験(研究)屋さん、ゼップは病院のスタッフで卑屈な世直し共犯(薬品供給係)、ゴードンは「死ぬで〜」とばかり言って歩く主治医で、アダムはカメラを持って病院をうろつく失礼な野郎。
そんなシーンは出てこないので、あくまでも推測ではあるが。

方法は過酷でかまわない、自分が味わっているのと同じくらいに。余命なんて無きに等しいのだから、こわいものも無い。効き目のある、一か八かの究極の救済方法、それがゲームだったんだろうね。やっぱさ、懲らしめるのがいちばん。

さて、『SAW 2』はどんな作品になるのだろうか?
つまり、生きているのは誰か?
生死が不明な人は3人。アダム、ローレンス・ゴードン医師、ジグソウである。

【アダムのその後】
この人の傷の具合がどうかはわからないが、顔色を見ると元気そうだ(笑)。そのうち警察も来るだろうし、生きていても、まぁいいかな。
『SAW2』のオフィシャルサイトを見ると、またしてもあのくるくるほっぺ人形(Billy)が登場しそうだ。ジグソウがまだ生きていて、人形をアダムん家から撤収してきたならそれはそれでかまわないが、撤収シーンはなかったので、アダムん家に置きっぱなしかもしれない。ジグソウが「これが最後のゲームで、もう自分は使わないし、壊されちゃったし、いらないや」と思ったならアダムへのプレゼントで、今の持ち主アダムが再登場だな。

【ローレンス・ゴードン医師のその後】
自分の足をギコギコ切って、死体の銃に弾をこめ、アダムを撃ち殺す。これを6時までに遂行していればゲーム勝った、かもしれない。
"かも"というのは、逃げてたすけてもらうためにはハシゴを登らなきゃいけないからで、足切っといてこりゃきついな、と思うからである。生きるか死ぬかは自分で選ばなきゃいけない。ほんで、生きるために血を流さなきゃいけない。誰の血を?自分の血である。とにかく自分の血を流せば違う明日を与えてくれそうなんだけど、そうは言っても救急車を呼んでくれるわけでもない。あくまでも救済であるのならば、"生"は選べたはずなんだが・・・きつい。
アリソンとダイアナを保護したおっさん(役名はFatherとなっている)が言っている「もうだいじょうぶ」は女子に向かって言った言葉で、ダンナの元にたすけが来るのはまだ先の話。
ローレンスがジグソウに個人的に恨まれている最終ターゲットだということを考えると・・・死んだな、たぶん。顔面蒼白で這い出て行った彼の姿は、そういう解釈でいいんだと思う。
生かしておく方が残酷な話にはなるが、ゲームは延々続く責め苦というより、一幕だけの劇のような気がするな。

【ジョン(ジグソウ)のその後】
時間がない。本当にもうギリギリ崖っぷちだ。
オフィシャルサイトによれば、カミソリワイヤーのゲームが2004年4月28日、引火性ジェルのゲームが2004年6月14日、逆トラバサミのゲームが現在から5ヶ月前の2004年7月23日である。
死を宣告されてからすでに8ヶ月以上。
最終ターゲットのローレンスを参加者にしたゲームが終わった時、アダムに言った"Game over!"は自分自身への言葉でもあったのではないかと思う。さようなら。

【生存者】
もうひとり、壮絶な体験をして生き残ったアマンダちゃんも忘れてはいけない気がする。ただひとり生還し、ただひとり"He helped me."と理解したアマンダちゃん。重要人物であってもおかしくない。

【殉職者】
シン刑事は生きていた!はさすがに卑怯な気がするが、タップ刑事については「生きていた!」と言われたら許してしまいそうだ。至近距離から撃たれてしまったが、常軌を逸したキャラはタップ刑事の独壇場。また登場しても驚かないようにしようと思う。

【現実的に考えると・・・】
いきなり金の話で恐縮だが、出ずっぱりのアダムをリー・ワネル(脚本)が演じた理由は、予算の都合だよね。大物俳優を2人も出ずっぱりにしておくと金がかかる。『SAW 2』の予算がどうなっているか知らないが、低予算でやりくりするんならアダムが生きている方が好都合(笑)。その可能性を考えて、アダムの生死がわからないようにしてあるのではないかな。
アマンダ役のショウニー・スミス(Shawnee Smith)はいくらなんだ?
タップ刑事役のダニー・グローバー(Danny Glover)は高そうだな・・・

【さるおの希望を言わせてもらうと・・・】
続編って言うとさ、すぐに思い浮かべるのは、ジグソウの"次のゲーム"とか、第二のジグソウによる"新たなゲーム"とかだと思う。しかーし、さるおとしては、あの直後も知りたいぞ。どのパターンでも"THE GAME CONTINUES."というコピーがあてはまってしまって、うまく予想できないな。

続編『SAW 2』は『SAW』を超えられるだろうか?
また今度も、素直に怖がって、素直に驚いてみたい。

心ゆくまでさるお、もんち!
この記事へのコメント
トラックバックどうもです。
SAWかなり衝撃的でした。
ストーリーはもちろん、撮影日数含みでモロモロ。
また、おもしろ映画評論みに寄らせてもらいます。

僕のダイエットも見守ってください。
では
Posted by のむず at 2005年07月05日 00:42
のむずさん
ダイエット見守ってます。
中年太りのさるお、脂肪がたるんで非常にまずい状態です。ひとつおしえてください。体脂肪率って、測定するたびに誤差があるものなんですか?
Posted by さるお at 2005年07月07日 09:42
 トラックバックから来ました。英語がわかると、また映画も楽しめるでしょうね。さて、ローレンスが脱出できたかどうかですが、次の可能性はないでしょうか。何行か下から反転させてみてください。

 って、ここでどうやって反転させられるのかわからなかった...。( ; ̄ω ̄)ゞイテテ・・・
 タグ使えるのかな、失敗すると見えちゃうから。また遊びに来ますね。~(=^‥^A
Posted by ゴルフ猫 at 2005年07月07日 21:58
ゴルフ猫さん
マネキン工場で実験台にされていたジェフの事件、"刑事がこのアジトを見つけて救出してくれるどうか"もジェフがたすかる条件のひとつっていうゴルフ猫さんの考察がすごくおもしろくて、トラバさせていただきました。あり得るよね。だからアマンダ用のビデオにヒントを隠しておいたんだよね。ジグソウは"完璧"なんだろうから、うっかりミスでヒントが写っていたわけじゃなくて、あれは誘導だった、っていうのはすごくあり得る。さるおはぜんぜんそんなこと思いつかなかったので、さすが!って思いました。
ところでローレンスの脱出についての可能性、どんな内容かすごく知りたいです。ここに書いていただくと見えちゃうので(ごめんね)、もし面倒でなかったらメールででも、おしえていただけませんか?
是非、よろしくお願いします。
Posted by さるお at 2005年07月08日 07:01
はじめまして、浮舟と申します。
ご挨拶が遅れてすみません。
トラックバックありがとうございました。

私のあっさりした所感とは違い、深いところまで読み取っているさるおさんの評論、とても興味深く読ませていただきました。

汚れたバスルームが仮面の下の汚れた人の心の象徴だという見方、なるほどな〜と思いました。

続編もあるんですね。
私も、あのラストの直後が知りたいです。
楽しみですね〜。
Posted by 浮舟 at 2005年08月22日 21:51
浮舟さん
続編、もうすぐです。ハロウィーン公開です。
あのラストの直後、知りたいよね。

> 汚れたバスルームが仮面の下の汚れた人の心の象徴だという見方、なるほどな〜と思いました。

ジグソウの「Sick from the disease eating away at me inside.」のことでもありますね。
なかなか作り込んであって、いい作品ですね。
Posted by さるお at 2005年08月24日 04:13
トラックバックありがとうございます!
SAWの完全解読、すべて拝見させていただきました。そうか〜、そうなんだ〜!とただただ感心するばかり・・・。またより一層SAWが楽しめます!
SAW2、私も早く観ようっと(笑)。
Posted by 世羅 at 2005年11月07日 01:40
世羅さん

> SAW2、私も早く観ようっと(笑)。

是非観てくれー。ほんで謎の答えをさるおにおしえてください。待ってまーす(笑)。
Posted by さるお at 2005年11月07日 12:40
さるおさんの解読、最高です!
生存者についての疑問ですが、『SAW』でJeffが死んだ場面は出てませんよね??
あの後、気が狂ったTappが助けていたとしたら
彼も生存者であり今後の作品に影響すると思いませんか??
Posted by Billyちゃん at 2005年11月10日 13:13
Billyちゃんさん

> 生存者についての疑問ですが、『SAW』でJeffが死んだ場面は出てませんよね??

うん。出てこないね。喉を切られたタップ刑事にジェフ救出はきびしいような気がしますが、少なくともドリリングの危機は去ったし、おっしゃるとおり、生きてるよねー。

> 彼も生存者であり今後の作品に影響すると思いませんか??

可能性としては"あり"だと思います。ただ、救出後のシーンがないので、ジェフがこの事件をどう理解したかは不明だよね。プレイヤーではなく被験者のジェフは、アマンダのように"He helped me."とは感じていないはずなので、第3のジグソウにはならないけど、逆に、ジグソウと敵対する可能性の方が高そうです。うーん、それはそれで、じっくり人物像を作り上げればおもしろそうだなー。
Posted by さるお at 2005年11月21日 02:12
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久々に
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