『SECRET WINDOW/シークレット・ウインドウ』を観たよ。
監督は『DEATH BECOMES HER/永遠に美しく・・・』『JURASSIC PARK/ジュラシック・パーク』『MISSION: IMPOSSIBLE/ミッション・インポッシブル』『THE LOST WORLD: JURASSIC PARK/ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』『PANIC ROOM/パニック・ルーム』『SPIDER-MAN/スパイダーマン』、それに新作の『WAR OF THE WORLDS/宇宙戦争』の脚本家(ものすごいキャリアだ!)デヴィッド・コープ(David Koepp)。
出演は、ジョニー・デップ(Johnny Depp)、ジョン・タートゥーロ(John Turturro)。
疑う心を持たない、素直な映画好きのみなさんのために一応書いておきます。思いっきりネタばれますからね。
「ジョニーんちにくる「盗作だ!」とかいうおっさんがさ、じつはジョニーの別人格でさ、そっちが小説書いてるわけよ、だから盗まれたって思って文句言ってさ、どっちの人格が勝つか、みたいなさ、そんな話だったらどうするよ?」
「まさかそこまで単純じゃないだろー。なぜ追われる、なぜ終われない、っちゅーくらいのスィ〜クレットよ、スィ〜クレット!」
「だといいけどね。やだなぁ多重人格モノだったら。予告とか見ただけでいきなりそーゆー匂いがすんだよねー」
「匂いはすんね。でもそのとおりだったら、予告だけで全部バレちゃってって、そんなつまんないの作るわけない。ジョニー・デップだもん。そんなのに出るわけない」
「だって『ノイズ』とか出たじゃんよ。なんだよあの映画は。『ニック・オブ・タイム』とかも出たじゃんよ。」
「まぁでもだいじょぶなんじゃないの?多重人格じゃつまんないもん。そーゆーのはほら『アイデンティティ』、あれおもしろかったけど、あのへんでもうおなかいっぱいだしね。今日のやつはなんかこう予測の範囲外のことが起きて、おもしろいんじゃないの?」
以上がレンタル屋さんへ向かう道すがら友人と交わした会話でございますよ(涙)。
もう泣きたい。腹が立ってしょーがない。スィ〜クレットなウインドウは、閉まっているのを開けようかどうしようか、そーゆーことなはずだったのに、開け放たれていて何も隠れていませんでした。んなばかな。ちくしょう。予告にそーゆー匂いはさせないでくれ。というかそーゆー手はもう使わないでくれ。
「ジョニー・デップだもん。そんなのに出るわけない」
なんと愚かな言葉だ。
「スティーブン・キングだもん、そんくらいのこと、しでかすぞ」
のまちがいだ。
スティーブン・キング(Stephen King)には素晴らしい作品もたくさんあるのは認めるが、長い長〜い『IT/イット』のラストで奈落の底に突き落とされたのを忘れたのか、さるおよ。収拾がつかなくなって、辻褄合わせに無理をきたすのはいつものことではないか。引っ張りに引っ張り、3時間も怖がらせておいて、なんだその訳の分からないモンスターは。
なぜかいちばん大事なこと(原作者のこと)が頭から離れて、すっかり別人格になっていたさるお君、無駄金を使ってしまった。こういうときは10円でも20円でももったいなく感じる。
この映画のことは忘れて、多重人格モノの原点に帰ろう。
さるおが最初に観た"いまどきの多重人格モノ"をよく覚えている。あくまでもさるおの原点なんだけど。あれは本当にいちばんおもしろかった。
リチャード・ラッシュ(Richard Rush)監督、ブルース・ウィリス(Bruce Willis)、ジェーン・マーチ(Jane March)出演のサイコ・スリラー『COLOR OF NIGHT/薔薇の素顔』1994年の作品である。
治療中に患者に自殺されて以来しょぼくれている精神分析医のキャパは、同業で友人のボブに誰かに命を狙われていると告白される。数日後、ボブは38ヶ所もめった刺し。ボブのセラピーを引き継いだキャパは、事故でローズという女の子と知り合う。ローズと"いい感じ"になってごきげんのキャパだが、じつは彼女、もうひとつの人格を持っていて、その自閉症の少年人格リッチーはすでにセラピーに来ている患者なんである。ついでにローズはまた別の人格で、患者全員ともそれぞれ"いい感じ"になっていた。キャパはボブのカルテから(早く読めよ)ローズが多重人格で、ローズとリッチーが同一人物であることを知る。
殺しの真犯人はローズと近親相姦関係にあった兄ちゃんのデイルで、嫉妬して"キーッ!"となったための犯行であった。ということは、患者のみなさんもキャパもあぶない。デイルは幼児期の性的虐待でおかしなことになった近親同性愛者。ローズに少年人格を作らせて男性として愛したかったこれまたかわいそうな青年である。ローズは思い切って兄殺害。抑圧が生んだローズの余計な人格は姿を消し、めでたしめでたし、キャパも元気になりましたとさ。
という話である。なんでおもしろいかと言うと、背景がしっかりしているからである。"どうしてこうなっちゃったのか"を描いたことでサスペンスとして秀逸のプロットに仕上がっている。スリリングだ!
訳の分からない巨大グモとは違うのだよ。
ブルース・ウィリスとジェーン・マーチが、脱ぎまくっているが、落ちついてサスペンスを堪能すべき作品である。
当時はまだまだ"多重人格モノ"が新鮮だった時代だ。だから衝撃的だった。今はすっかり"定番の奥の手"であり、常套手段であり、"逃げ道"と化した。当時の秀作より、はるかに手の込んだ工夫をしないかぎり、衝撃は生まれない。
前述の『IDENTITY/アイデンティティ』(監督はジェームズ・マンゴールド(James Mangold)、出演はジョン・キューザック(John Cusack)、レイ・リオッタ(Ray Liotta)、レベッカ・デモーネイ(Rebecca DeMornay)、アマンダ・ピート(Amanda Peet)他)がおもしろかったのも、ストーリーに伏線を張り巡らし、しっかりと2転するラストが用意されていたおかげである。
訳の分からない巨大グモとは違うのだよ。
心ゆくまでさるお、もんち!
『IT/イット』、確かに。(笑)
前半は面白かった、後半も大人になった仲間が再会するところくらいまでは面白かった、でも結末がね〜。
あの得体の知れないモンスターにあのわけのわかんないパチンコで勝ってしまうんだから、ずるいですわね。
『薔薇の素顔』、なつかしいですね。
さるおさんのストーカーだからちゃんと観てますよ。(笑)
『愛人/ラマン』に衝撃を受けて、ジェーン・マーチつながりで観たんですが、なかなか面白くてよかったです。
もっとも目の行き場はジェーン・マーチの脱ぎっぷりだったのは否めませんが。(←男の視点だ!)
うんうん、わかるな、さるおさんの怒り。
私も自分のブログでは良いことしか書いてないけど、本当は「なんだよ、これだけかよ」と思っていたんです。
私の感想を読んで、観ようと思った人に今から謝っておくべきかなぁ・・・。(悩)
最近のキング様には失望しっぱなしですので、いくらジョニーデップとはいえこれはシカトしてまいた。どうやらその判断は間違ってなかったみたいすね(笑
それにしても薔薇の素顔!レンタル開始してすぐ観たんですが、脱ぎっぷりしか覚えてませんでした(笑 多重人格モノでしたっけ???あほですか僕は。
多重人格モノではジョンリスゴーの「レイジングケイン」が好きです。あのおっさんは嫌いですが。
さるおは、つっきーさんの言う"ずるい"(> ブログには良いことしか書かない)が下手なので、おもしろくないものは褒められないんですねぇ。単純です(笑)。でも映画ですから、自分の解釈で、そういう姿勢でいいと思ってます。
> 「なんだよ、これだけかよ」
まで思ってらしたわりにはちゃんと褒めていらっしゃいますね(笑)
『イット』は途中までほんとに怖かった。あの落差にはびっくりしました。卑怯すぎて、思い返すとかなり笑えますね。
あなたはなんと賢いお人だ!
> いくらジョニーデップとはいえこれはシカトしてまいた。どうやらその判断は間違ってなかったみたいすね(笑
正解です。それくらい警戒して大正解。
さるおはジョニーが大好きなので、うっかりと別人格になって無駄金をドブに捨ててしまいました。
> 多重人格モノでしたっけ???あほですか僕は。
あほじゃないです。賢いお人だ!
たしか、巷でも脱ぎっぷりしか話題になりませんでしたね。ブルース君が「おいらのお○ん○んをもっと映せ!」と言ったとか言わなかったとか、そのへんが『薔薇の素顔』の焦点になっていたと思います。
ま、そーゆー映画なんだけど(笑)。
『レイジング・ケイン』って子育て気狂い博士の話ですよね。ちょっと暗めの映画で、ジョン・リスゴーが二役と言うかなんというか・・・
けっこうおもしろかったですね。
そういえば最近のだと『箪笥』もありましたね。あれはみなさん評価高いんでしょうか?さるおはいまいちだったんですけど・・・
TBありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。
まさ開かれすぎた窓でしたね。
さるおさんの正直な感想に笑っちゃいましたし
共感しております。
私もけっこう本音で映画感想書いちゃってます。
ただし、小心者なので、一つ二つは
いいとこも入れてますが・・・。
多重人格ものがテーマの作品はけっこう多いけど
なかなか最後までおおっと思わせる大傑作は
少ないのかな。
TRBありがとう御座いまする〜♪
なんとっ!「IT」という名前に反応しちゃいました。
前半はワクワクドキドキ そして後半で
作品と同じく 暗いアナグラへ落っことされた気分な
作品でしたがー、私的には前半のワクワク感が忘れられず
今でも時々「みたいかも〜^^;」と思ってしまう異色の作品です。
「シークレット・ウィンドウ」はどこがどう
シークレットなのか 分かり辛かったです。
謎のおじさんが出てきた時点でラストの展開は
みえちゃったのですが〜^^;ワタクシ
ジョニデが出演というコトで オッケー!と
答えをだしました。(え゙?)
こちらからもTRBさせて頂きました♪
> まさ開かれすぎた窓でしたね。さるおさんの正直な感想に笑っちゃいましたし共感しております。
はい。オープンワイドでございました。
さるおは人格がおかしな具合に解離して無駄金をドブに捨てちまったと感じているので笑っている場合じゃないぞ(笑)。
ユカリーヌさんがおっしゃるように、ジョニーの演技と魅力でもっている映画ですね。
> ワハハハ、
さるおは、感動とはまた別の嫌〜な涙を流しました。金返せ。
レンタルしといて返せとはなんだと言われそうですが、さるおは小さな人間です。金返せ(笑)。
『アイデンティティ』は楽しかったよね。たしかにみんな怪しすぎ。伏線はあちこちにあったけど、それにしても全員おっそろしく怪しかった!
『IT』すごかったね。さるおも今となっては「観たい!」
初めて観るかのような、純粋な気持ちで観たいです(笑)。
『シークレット・ウィンドウ』にシークレットは無かったですね。血まなこになって探してましたが見つかりませんでした。
さるおもジョニーがものすごい大好きなので、『ノイズ』も『ニック・オブ・タイム』も許してしまったのですが・・・今作はどうしよう?
他の皆様も喰い付いていますが、私も「IT」に喰い付いてしまいました。
でも私はラストはアレでも、途中までの友情話は大好きなので、全体通して十分に合格点なんですけどね。
シークレット・ウインドウはS・キングもJ・デップも好きな私としましては、普通に楽しめました。友人らはネタが早々に分かって詰まらなかったそうです。
でもこれはホラー(サスペンス)だったので、次作のS・キング原作の作品は非ホラーにならないかなと期待してしまいます。やっぱS・キングは非ホラーが一番!
TBありがとうございました。
感想読んで思わず笑ってしまいそうになりました。
ほんとシークレットウィンドウなのに開きっぱなしでしたね(笑)
もっとおもしろ思っていたので残念です。
ではでは〜。
> 他の皆様も喰い付いていますが、私も「IT」に喰い付いてしまいました。
エサだね、エサ。擬似餌。
> 途中までの友情話は大好きなので、全体通して十分に合格点なんですけどね。
友情話だったかどうかもかすむほどにラストがアレ(笑)でしたが、さるおにとっても今となっては合格点です。
スティーブン・キングであれリチャード・バックマン(別名義)であれ、たしかに非ホラーのがいいですねぇ。
『IT』ぐらいに、もうどうしようもないくらい台無しならば逆に可愛いんですが(笑)、『シークレットウィンドウ』は中途半端なので悩ましいです。
もっとおもしろいお話を期待してたので、ほんとショックでしたよ〜。
もう、内容はどうでも良かったです。笑!
あの、モップだかぼろきれだかわからないジョニーを観て・・へ〜・・。って・・笑
でも、私は怖かったのですよ・・笑
何だか・・・。それよりも、可哀想だったかな・・。観る部分の違う作品でした。笑
> 内容はどうでも良かったです。笑!
ジョニーに恋してるファンにとっては、そうだよねぇ。
怖かった、それと、可哀想だったの?どのへんがですか?
いろんな観方がありますねー。
これは、まあ、自分のブログで書いた通りなんですけれども、「ビデオで良かった」ええ。どこかでそんな声が。おほほほほほ。
もし映画館に観に行ってたら暴れてました(笑)。
レンタルでも充分すぎてお金返してほしいです。
おほほほほほ。
この記事の日付を見ていなかったので、どうして
さるおさんちで皆さんこんなに楽しそうに
あ〜でもない、こ〜でもないと言っておられるのか
わかりませんでしたが、3年近く前はこんなにも
話題の映画だったのですね。
もう議論は出尽くしているようですが
伏線と言えば、こんなのが張られていましたよ。
家政婦さんがシューターの原稿をゴミ箱から
拾って
「別名で小説を書くこともある」
というところです。
この台詞に重要な意味があるとは気付きませんでした。
それでわたしは、とことん鈍いものだから
「なんかヘンだな」
と思いながらもほとんどの場合、騙される幸せな人間です。
地上波だから「金返せ」とは言えないし、
ジョニーがカッコいいから楽しかったです。
> 家政婦さんがシューターの原稿をゴミ箱から拾って
> 「別名で小説を書くこともある」
えーっ!緊張感なく観てしまう結果となったため、まるで気づいていないという、さるおのまさかの観察眼。
金払います。(降参)
もっかい観なきゃじゃねーか。
いや、忘れてるだけかもしれないのでさすがに借りてきてまでは観ないけれど、てれびでやったらまた観てみます。