2005年06月21日

映画鑑賞感想文『ステップフォード・ワイフ』

さるおです。
『THE STEPFORD WIVES/ステップフォード・ワイフ』を観たよ。

1975年の作品
監督はブライアン・フォーブス(Bryan Forbes)
出演は、ジョアンナ役に『TELL THEM WILLIE BOY IS HERE/夕日に向かって走れ』、最近では『DONNIE DARKO/ドニー・ダーコ』のキャサリン・ロス(Katharine Ross)、ボビー役に『WHERE THE BOYS ARE/ボーイハント』のポーラ・プレンティス(Paula Prentiss)

2004年のリメイク品
監督は『STAR WARS/スター・ウォーズ』シリーズのヨーダ(!)で有名で、『IN & OUT/イン & アウト』など多数の監督作品も世に出しているフランク・オズ(Frank Oz)
出演は、ジョアンナ役にニコール・キッドマン(Nicole Kidman)、ボビー役にベット・ミドラー(Bette Midler)。ジョアンナの夫ウォルター役にはマシュー・ブロデリック(Matthew Broderick)、クレア役にグレン・クローズ(Glenn Close)、クレアの夫マイクはクリストファー・ウォーケン(Christopher Walken)、ゲイの友達ロジャー役はロジャ・バート(Roger Bart)・・・豪華だ。

原作は『LE BEBE DE ROSEMARY/ローズマリーの赤ちゃん』のアイラ・レヴィン(Ira Levin)

1975年の『ステップフォード・ワイフ』は怖かった。『ローズマリーの赤ちゃん』と同じく、"空恐ろしい"っていう感じ。
2004年の『ステップフォード・ワイフ』はひねりが利いておもしろい!

いちばん興味深いのは、1975年の作品では男子の"優越"が、今作では男子の"劣等"がストーリーの推進力になっている点であろうね。
新『ステップフォード・ワイフ』しか知らない人の中には、薄っぺらくてつまんなかったっていう人もいるかもしんないけどさ、昔のを観て怖くておもしろかった人には格別だろうと思う。この作品、ぜんぜん薄くないんだぞ。

1975年当時のアメリカと言えば、男子は外で働き女子は家事をしていた時代。だんだんと女子が元気になってきて「ウーマン・リブなのだ!」なんつって活動を始めたら、男子はそれを見てちょっとおっかなくなって、「良妻賢母ってステキ」かなんか言って理想の女性像を描き出し、巻き返しを図っていた。男女がバトルしていた時代である。
時代を反映した『ステップフォード・ワイフ』では、自由を謳歌する夫と良妻賢母ばかりが住む、男子にとって理想の町で、主人公ジョアンナが取り込まれまいと孤軍奮闘する。ほんで恐ろしい秘密を暴いてみれば、仕掛け人は夫たち。まさに時代を風刺した名作なんである。

では2004年バージョンはどうか。基本的なストーリーはもちろん同じ。
"元"凄腕の女子と結婚した冴えない男子たちが、家族とともにステップフォードに引っ越してくる。男子にとっての理想郷では妻たちは例外なく良妻賢母、できすぎで気味が悪い。妻たちに何をしたのか?催眠術?洗脳?それよりもっと、恐ろしくて滑稽な秘密が隠されているぞな。前作と比べ早い時間帯から"秘密"を見せちゃうので、そんなにバラしちゃっていいのかよ〜!と心配していたが、その恐ろしい秘密の核心を暴いてみれば、仕掛け人は夫たち、では終わらずに、妻のひとりが黒幕である!小気味よいどんでん返しが待っていた!
これも時代のアイロニー。
女子が強くなりすぎた現代ならではの、風刺の利いた展開である。
男子の好きな良妻賢母をしつつも男子を操る、ある意味幸せな理想郷をつくろうとしたのは、じつは女子だった。男子はバカで、女子はこわい。相も変わらず終わりのないバトルを、今も男女は繰り広げているのだな。

2004年の作品では、ゲイのカップルも新登場。ジョアンナとともに戦うが最後は敗れてしまうボビー役にベットを起用したことで、自由奔放で、よりパンチの効いた作品になっている。コメディの要素がかなり強くて、怖い映画ではない。
現実離れして辻褄の合わない妻たちの"性能"については、未公開シーンも含めて笑って観るべし。
1975年に使ったセットを使ったり、設定を現代風にアレンジしたり、丁寧なこだわりもあって素晴らしい映画だ。ヴィゴ・モーテンセン(Viggo Mortensen)の登場シーンは相当笑える!ダンスパーティのシーンは圧巻で、女子たちも、女子が着ている衣装も、見事なまでに美しい。

こんな映画(←褒めている)でも目を見張る演技力のニコール、アップで映し出される表情が多くのことを物語っている。

さすが"Very Stepford"なる言葉を生み出しただけのことはあるぞ!

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 02:38| Comment(6) | TrackBack(31) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
こんばんわ。
TBありがとうございました。
読ませていただいて
1975年版かなり観たくなりました

こちらもTBさせてください。
Posted by shio at 2005年06月22日 04:00
TBありがとうございます!
観るのが現代の2005年でも、1975年に当時を背景として作られたものを観た方が楽しめそうな作品ですね。
Posted by bright_moon at 2005年06月22日 10:54
shioさん
1975年版は怖くてね、傑作だと思います。『ローズマリーの赤ちゃん』を楽しめる方だったらおすすめですね。
そして、1975年版を楽しんだ方だと、この2005年版の楽しみ方も変わってくるのかなぁと思います。
Posted by さるお at 2005年06月23日 13:17
bright_moonさん
昔のは純粋なスリラーだけど、新しいのは完全にコメディですよね(笑)。まったくジャンル違いのものに仕上がってると思います。1975年の作品はゾクゾク怖いですよ。
Posted by さるお at 2005年06月23日 13:22
TBありがとうございます。

この2004年版、オリジナルとは違う形で、恐いですよね。
ラストのそのどんでん返しは、まさにさるおさんの言うように「男性を知り尽くした女性の恐さ」(笑)でした♪

オリジナルも見てみたくなります、探してみます〜。
TBいただきます。

Posted by ぷちてん at 2005年08月24日 07:53
ぷちてんさん
旧作は空恐ろしくて、新作は(回顧主義的な思想と斬新すぎるテクノロジーのアンバランスさも含めて)パンチがきいている。でも基本的な雰囲気は同じで、新旧ともに"どんでん返し"が痛快ですよね。

巷では、ちょっとつまんなかった、みたいな意見が多いみたいだけど、旧作を知ってたら楽しめたはずだよね。さるおは堪能したぞ。
それにしても美しい映画だったね。
Posted by さるお at 2005年08月24日 22:30
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