2007年07月08日

兄弟杖はなぜ生まれたか -2

さるおです。
スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、兄弟杖ついて考えてみたいです。
基本的にはネタばれエントリーなのでご注意ください。(究極の重要ネタばれ個所は反転色にしてあります。)ネタばれコメントも大歓迎なので、そっちも気をつけてね。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。

ダンブルドアの飼い鳥、フォークス。不死鳥は飼い慣らすのが難しく、"ペット"として人間のそばにいるなんて激レア中の激レアです。
深紅と黄金の羽を持つ美しいその鳥は、自然発火のように自ら炎に包まれ、そして灰から再生します。
飼い主のアルバス・ダンブルドアは、青い目と、銀のメガネ、銀の髭。シルバーとブルーの印象があります。そして同時に、グリフィンドールの赤とゴールドのイメージもある。若い頃は赤毛だったダンブルドア、フォークスにように、あるとき自然発火して、嬉しそうに旅立って行きました
ダンブルドアとフォークス、フォークスとグリフィンドール、グリフィンドールとダンブルドア、この赤毛の3者の関係は、ものすごーくニアリーイコールな感じがします。

さて、フォークスは2本の杖を世に生み出しました。
不死の杖と、聖なる癒しの杖。
それはなぜなのか。

ゴドリック・グリフィンドールサラザール・スリザリンは親友でした。1000年の昔、共にホグワーツを創設し、一緒に仲良く教鞭を振るってたわけです。ところが、大ゲンカ。スリザリンは純血のみに価値を見出し、グリフィンドールは、友人のヘルガ・ハッフルパフとロウェナ・レイヴンクロウと、これに反対した。思想としてスリザリンと真っ向から対立しているのはヘルガ・ハッフルパフです。だけど彼女は争うタイプではなかった。だから、戦士であるグリフィンドールがリーダーとして指揮を執った。
4人は壮絶なバトルを繰り広げます。おそらく、『Harry Potter and the Deathly Hallows』の表紙に描かれている、ヘビのエンボスになった甲冑や、ドラゴンの飾りとルビーのついたヘルメットや、楯を使って戦った。そしてもちろん、ロウェナが造ったRoom of Requirmentに保管されているa heavy blood stained axe(血のこびりついた重い斧)を使って戦った。
戦い方がマグル的な気もしますが(笑)、とにかくこれらを用いて死闘を繰り広げた。
そしてスリザリンは、"いつの日にか私の子孫が私の意志を継ぐだろう"とChamber of Secretsを造りバシリスクを遺し、ホグワーツを去るわけです。

そうです、スリザリンは、将来自分の子孫が自分の純血主義を継ぐだろう、そう考え、予言し、この世界を呪った。
ならば、グリフィンドールだって同じように考えたはずです。"いつの日にか現れるスリザリンの野心を継承した子孫とはまた戦わなければならない"と。つまり、1000年の時を経て、グリフィンドールとスリザリンは、決着をつけなければならない。ホグワーツ創設時の戦いは、まだ終わってないわけです。
ダンブルドアやハグリッドのように純血主義の価値を否定したからなのか、それともこの世界にはかつての親友スリザリンが抱いたような"夢(志)"が必要だと知っていたからなのか、それはわかりません。前者であれば、魔法界の存続のために、後者であれば、この世界のバランスのために、グリフィンドールは準備した。(さるお的には後者ですね)
いつか現れるスリザリンの末裔を、必ず捕らえ、決着をつける(さるお的には"連れ戻す")、その準備。それがフォークスの生み出した2本の杖なのではないかと思います。

フォークスは、グリフィンドールのペットではなかった。そうJoが言ってます。
ならば、グリフィンドール自身がフォークスになったのかもしれない。不死鳥となり、スリザリンの子孫をいつまでも待とうと考えたのかもしれません。
あるいは、組み分け帽子にそうしたように、フォークスに自分の一部を移したのかもしれません。
そして、2本の杖を作った。スリザリンの継承者がそれを使い不死を手に入れようとする、とても強力な運命の杖。そして、スリザリンの継承者と決着をつけることになる、もう1本の運命の杖。
つまり、スリザリンの"野心"を継承する者が、必ず手に入れるであろう杖。スリザリンの継承者をおびき寄せる罠のようなものです。

グリフィンドールにはこうなることがわかっていた。わかっていたというよりも、自分が仕組んだ1000年越しの罠です。
オリバンダーさんはハリーがその杖を購入した直後に、「あの杖の持ち主が決まった」とダンブルドアに報告しています。そう、たぶん、"もう1本の運命の杖"の重要度はオリバンダーさんにもわかっていた。グリフィンドールの忘れ形見フォークスとともに過ごしたダンブルドアにもわかっていた。
当然、1本目の杖の持ち主が決まったときも、オリバンダーさんはダンブルドアに知らせたと思います。ダンブルドアは、スリザリンの血を引くトム・マーヴォロ・リドルを見守るために、最初の出会いから自ら孤児院に出かけて行ってトムを観察した。そして、あの強力な杖を手に入れたと知り、在学中目を離さなかった。トムがヴォルデモート卿になってからも、ヴォルディの運命の敵となる"杖に選ばれし者"を待ち続けた。そして予言を聞き、その者は、ヴォルディに対抗し得る血と守護を持った"The Boy Who Lived"だと知り、守り続けた。
ヴォルディに対抗し得る血とは、こんな意味かもしれないし、あるいは3人分か4人分混ざっているかもしれませんが。
"The Boy Who Lived(生き残った少年)"はグリフィンドール対スリザリンというバトルの運命を決するその杖の持ち主になりました。それは、1人欠けた千年紀の終わりを意味するんじゃないかと思います。グリフィンドールとスリザリンが死闘の果てに定めた運命の1000年なのではないかと思います。
1本の杖はトム・リドルに、もう1本はハリー・ポッターに、定められたとおり所有され、Priori Incantatemのように、トレローニー先生の予言のように、2本同時には存在できない。1本だけが残ることになります。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:47| Comment(6) | TrackBack(0) | ハリー・ポッター大辞典 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふわあぁ〜、すごいゾクゾクしました!
ハリーがあの杖を手にした時、すでに物語は終わりに向かっていたのですね!
7冊全部がまるまるクライマックスみたいな、壮大な仕掛けですね…うわぁ、7巻への期待が否が応でも高まります!どきどき。
Posted by hanzou at 2007年07月09日 00:23
さるおさん。DHが出る前にちょっくら簡単に今までのをまとめて下さいw(お願いします☆)

いや、しかし杖つながりでいけばネビルはどんな働きをしてくれるんでしょうね〜、ロンもハーももちろんドラコも。
楽しみでしょうがないな〜。
Posted by Blendy at 2007年07月09日 02:21
うわぁ、これってスゴクないですか。
魔法界の壮絶な戦い(怨念?)がハリーとLVを通して決着しようとしているワケですね。
しかも1000年というタイムスケールで…。さるおさん、素晴らしい!(T_T)涙うるうるです。
なぜそこまで読めるの〜7巻読む前から大感動ですよ!
ますます7巻待ちきれないです。あと2週間…これまでのさるおさんの発言再読して7巻に挑みます!!
Posted by ピンク at 2007年07月09日 11:22
hanzouさん

> ハリーがあの杖を手にした時、すでに物語は終わりに向かっていたのですね!

さるおの独断と偏見と妄想による大予想ですが(笑)、なんとなくハリポタは、"千年紀の終わりの部分"であるような気がします。
あたってんのか、さるお、しっかりふんばれ。
Posted by さるお at 2007年07月12日 00:15
Blendyさん

> DHが出る前にちょっくら簡単に今までのをまとめて下さいw(お願いします☆)

ぶひゃぁーっ!
"ちょっくら"としたまさかの重い宿題。いろんなこと書いちゃってるし、できんのか、さるお。
できるだけふんばってみますが。

> 杖つながりでいけばネビルはどんな働きをしてくれるんでしょうね〜、

DDの杖も気になるね。今どこにあるのかな。
Posted by さるお at 2007年07月12日 00:18
ピンクさん
ハリポタは、壮大な"千年紀の終わりの部分"であるような気がします。
もしそうなら、次の1000年はどんな1000年になるのかな。とにかくそーやって、1000年、また1000年と、永遠に歴史を刻んでいく重厚な感じ。それがハリポタワールド(ホグワーツとか)にはあるよね。
Posted by さるお at 2007年07月12日 00:22
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