2005年07月08日

人食いハンニバル・レクター じつは4本ありましたね

さるおです。
マイケル・マン作品でついつい忘れがちなのが、あのハンニバル・レクター(Hannibal Lecter)博士が初登場した『刑事グラハム -凍りついた欲望-』(1986年)という映画。トマス・ハリス(Thomas Harris)原作。
あれれ?と思うんでないかい?

『羊たちの沈黙』 
監督ジョナサン・デミ/出演ジョディ・フォスター/1991年/シリーズ第2章
『ハンニバル』
監督リドリー・スコット/出演ジュリアン・ムーア/2000年/シリーズ第3章
『レッド・ドラゴン』
監督ブレット・ラトナー/出演エドワード・ノートン/2002年/シリーズ第1章

なんで忘れがちなのかといえば、"ハンニバル・レクター博士シリーズ3部作"だからである。

『刑事グラハム -凍りついた欲望-』と第1章『レッド・ドラゴン』は同じ話。

レクター博士を逮捕したらぐったり疲れちゃったんで退職した元FBI捜査官ウィル・グラハムが、元同僚(『レッド・ドラゴン』では元上司)のジャックにたのまれて、満月の夜の一家惨殺事件を捜査していて(『レッド・ドラゴン』ではふたつの家族の一家惨殺事件を捜査)、犯人の心理を知るために、刑務所にいる精神分析医 兼 連続殺人犯のレクター博士を訪ねて教えを乞うて解決する。
つまり、リメイク作品ね、『レッド・ドラゴン』は。

なんで巨匠マイケル・マンのじゃだめなんだろう。
ま、そもそもマイケル・マンはサスペンス向きじゃない。
同じ"キケン"でも人食いとかじゃなくてさ、プロフェッショナルな仕事人という意味での"キケンな男"専門だから。

誰かエライ人が、マイケル・マン・バージョンはやだなって言っちゃったのかな。『羊たちの沈黙』を作ってみたらハンニバル・レクター役のアンソニー・ホプキンスがはまり役なんで、これで揃えるべって思っちゃったんだろうね。

とにかくリメイク版の方でシリーズ3部作が無事揃っているんだから、文句はないが、なんでさるおがいつまでもマイケル・マン・バージョンを気にしているかというと、ビデオについたタイトルのせいなんである。
その名も、じゃじゃ〜ん!『レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙』。
んなばかな(笑)。『刑事グラハム -凍りついた欲望-』でええじゃないか。ビデオになったとたんに、そんな雑に扱わなくてもいいものを(笑)。『レッド・ドラゴン』のバッタもんのようでもあり、『羊たちの沈黙』のバッタもんのようでもあり・・・まさに哀愁。マイケル・マンの十八番"男の哀愁"とは別の哀愁がただよっているぞ。気をつけろ!
原題は『MANHUNTER/マンハンター』。これもカタカナにするとD級スプラッタのようであり・・・まさに哀愁。気をつけろ!

『MANHUNTER[RED DRAGON: THE PURSUIT OF HANNIBAL LECTER]/刑事グラハム -凍りついた欲望-』
監督:マイケル・マン(Michael Mann)
レクター博士:ブライアン・コックス
ウィル・グラハム捜査官:ウィリアム・ピーターセン(William L. Petersen)
フランシス・ダラハイド:トム・ヌーナン(Tom Noonan)
ジャック・クロフォード捜査官:デニス・ファリーナ(Dennis Farina)

『RED DRAGON/レッド・ドラゴン』
監督:ブレット・ラトナー(Brett Ratner)
レクター博士:アンソニー・ホプキンス(Anthony Hopkins)
ウィル・グラハム捜査官:エドワード・ノートン(Edward Norton)
フランシス・ダラハイド:レイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)
ジャック・クロフォード捜査官:ハーヴェイ・カイテル(Harvey Keitel)

『THE SILENCE OF THE LAMBS/羊たちの沈黙』
監督:ジョナサン・デミ(Jonathan Demme)
クラリス・スターリング捜査官:ジョディ・フォスター(Jodie Foster)
レクター博士:アンソニー・ホプキンス(Anthony Hopkins)
バッファロー・ビル:テッド・レヴィン(Ted Levine)
ジャック・クロフォード捜査官:スコット・グレン(Scott Glenn)

『HANNIBAL/ハンニバル』
監督:リドリー・スコット(Ridley Scott)
レクター博士:アンソニー・ホプキンス(Anthony Hopkins)
クラリス・スターリング捜査官:ジュリアン・ムーア(Julianne Moore)
メイスン・ヴァージャー:ゲイリー・オールドマン(Gary Oldman)

キャラクターとしても成長して、レクター博士モノも今では立派なクロニクル。
しかし哀愁。

そういえば、『ハンニバル』の顔がくずれたワルモノ(メイスン・ヴァージャー)役はゲイリー・オールドマンだったなぁ。特殊メイクのすんごい顔で、誰だかわからないようなヨボヨボ怪人を、ものすごい怪演。怪優と言われるだけあって怪役ばっかり引き受けている。すごい人だ。さるおも役者になるなら(もう遅い)こういう感じになりたい。すごく大好きな俳優さんだ。

心ゆくまでさるお、もんち!
 
この記事へのコメント
こんにちは。

『刑事グラハム』、TVでですが観ましたよ。
結構、面白い作品だったと思います。

でも「レクター=アンソニー・ホプキンス」が定着してしまいましたからね、この作品、霞んでしまったんですよね。

そういえば、レクター・シリーズの新作がいよいよ始動するらしいですよ。
今度は若き日のレクターなので、アンソニー・ホプキンスの出番があるのかどうか不明ですが、なぜレクターがカニバリストになったかが判明するみたいですね。
楽しみです。
Posted by つっきー at 2005年07月09日 06:16
つっきーさん
ほんとにハマリ役だもんね、過去の作品が霞むのもしかたがない気もするな。

新作『ビハインド・ザ・マスク』はどうなるんでしょうか?監督としてはピーター・ウェーバーって好きな方なので(『真珠の耳飾りの少女』もよかったし)ちょっと期待しちゃうぞ。『レッド・ドラゴン』のさらに前の話で、復讐劇を主軸に、レクター博士がなんで人食いになっちゃったかっていう話・・・おもしろいにちがいない!
リトアニアが舞台の幼少時代はどの子役がやるのかとか、パリに住む10代はどの役者がやるのかとか、じつは配役がいちばん気になるぞ。来年の夏が楽しみだ〜。
Posted by さるお at 2005年07月09日 21:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。