『FINDING NEVERLAND/ネバーランド』を観たよ。
監督は『MONSTER'S BALL/チョコレート』のマーク・フォースター(Marc Forster)。
出演はジェームズ・マシュー・バリ役にジョニー・デップ(Johnny Depp)、シルヴィア・ルウェリン・デイヴィズ役にケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)、デュ・モーリエ夫人役に『TROY/トロイ』なんかにも出ているジュリー・クリスティ(Julie Christie)、メアリー・アンセル・バリ役に『PHONE BOOTH/フォーン・ブース』や『MAN ON FIRE/マイ・ボディガード』のラダ・ミッチェル(Radha Mitchell)、そしてチャールズ・フローマン役のダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)とアーサー・コナン・ドイル卿役のイアン・ハート(Ian Hart)。
ピーター・ルウェリン・デイヴィズ役に『CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY/チャーリーとチョコレート工他』(監督ティム・バートン(Tim Burton))でもジョニーと共演のフレディ・ハイモア(Freddie Highmore)。
感動したぞ。ええ話だ。
ええ話だけれども、残念なことに前作は超えられませんでした。いや、前作なんか無いのはわかってるんだけど、どうにもこうにも『BIG FISH/ビッグ・フィッシュ』(監督ティム・バートン(Tim Burton))の続編のような気がしてしょーがないのだ(笑)。
信じたら、それは真実、ね、テーマも雰囲気も近すぎる。
『ビッグ・フィッシュ』では主人公エドワード・ブルームの生涯が描かれ、エドワードは死ぬまで夢を見続けて、死ぬまで冒険し続けて、自分自身が"愛すべきホラ話(=事実より大切な"真実"というもの)"の一部になるまでホラ(夢)を極めた。そこには、厳然たる"変わらぬ愛"が流れていた。
これに対し『ネバーランド』では主人公ジェームズの人生のほんの一部だけが描かれる。
ジェームズ自身が信じるという道を極めたかどうかも、"変わらぬ愛"があったかどうかも、一切わからない。短い期間の美しい話でしかないのと同時に、自分の家族をかえりみないジェームズとよその家族を愛するジェームズの二面性、子供と愛する人に対する態度とその他の人々に対する現実的な態度の二面性、外面と内面のぶつかりあいに終始している。
観ているほうも、無邪気に観ていていい作品なのかどうか、正直迷うぞ。
ジェームズ(というかジョニー)は顔がすっきり若すぎて、勇気を持って空想を捨てない理想のオトナなのか、ピーターパン・シンドローム街道爆走中の本当は現実主義的な年取ったコドモなのか、これもまたすんなり解釈できない。
シルヴィア宅での演劇の最後、シルヴィアはついにネバーランドをその目で見た。ネバーランドはちゃんとあるのだ。心から信じる人にしか見えないネバーランドをみんなが目の当たりにした。子供らも見た。ばあさんでさえ見た。
本当は、これこそが映画『ネバーランド』の真実であってほしい。
ジェームズがかける魔法。ジェームズが水先案内する想像力の魔法である。
ところがシルヴィアの死後、ベンチで語られるジェームズとピーターの会話は、少し様子が違う。「ママはネバーランドに行ったんだ」「ママが見えるよ」なんて言いつつも、ふたりは(少なくともピーターは)オトナになってしまっているように見える。
ネバーランドをその目で見て天国へと旅立ったシルヴィアこそ、理想を捨てず、夢を信じ、最後までイマジネーションというものの価値を見失わなかったピーターパン(というか、ウェンディね)なのではないか。
ジェームズとピーターがベンチから消えるシーンが"信じるなら夢は終わらない"という意味なのかもしれないが、あまりに消極的な表現で、見逃してしまいそうだぞ。
さるお、なんとなくマーク・フォースター監督と相性わるそう。じつは『チョコレート』なんて、さらに文句タラタラなのだ(笑)。『チョコレート』のハル・ベリー(Halle Berry)も演技は悪くなかったが・・・なんというか・・・えっと、たぶん、役者選びの基準が間違えているんじゃないか・・・。
結局いちばん感動したのは劇場でジェームズがピーターに「ピーターパンはおまえだぁぁぁ!」(怖い話かよ)と言われるあのあたりか。
今回も役者はみんないい演技だね。米語圏のジョニーがきれいな英語(でもスコットランド訛り)をしゃべっているし、子役がまたリアルないい表情をしている。
ケイトがまた素晴らしい。彼女はすごい女優さんになるぞ。レオ様と共演の『TITANIC/タイタニック』で不動の人気と名声を獲得したこの方ね、「タイタニックで話題んなって、逆にうかうかしちゃいかんなって思ったの。だってあたい、キャメロン・ディアズじゃないもん。あたいデブ女優って言われてんのも知ってんもん。デブでもなんでもいいからしっかりと地に足をつけて、浮かれないようにちゃんとした女優としてやってくわ。」と言っている。
えらい!ケイト、あんたが大将!さるおはキミを応援しているぞ!
心ゆくまでさるお、もんち!
で、返事です。
どうでしょ〜6巻で死ぬ人生き返りますかね〜
私は生き返らない気がしますが…。
それからグリフィンドールについての記述は
特になかったようにおもいます…たぶん。
ジョニデ(略しすぎだし。笑)が好きなので
「ネバーランド」をいつの日か観る予定です…
のでネタバレしてたら嫌なのでこの記事読んで
ません(笑)
ではでは
好評だったこの作品、確かに感動(というかジンワリ〜)したのですが
涙を流すと言うところまでは行けませんでした。
今回はまともな(!)ジョニデ&ケイト嬢カップル
そしてピータくんが個々に良い演技をされておられましたね〜♪
》どうにもこうにも「ビッグ・フィッシュ」の続編のような気がして
私もでした〜〜^^; どっかで見たような印象だな・・・?と。
こちらからもTRBさせていただきました!(^^)!
> 私は生き返らない気がしますが…。
そうか・・・じゃ、さるおももうすぐ校長とはお別れかぁ。
> でもダンブルドアの死には謎がある気がします
校長の死にまつわる"謎"の謎解きぐらいなら、7巻でありそうだと思いますか?
グリフィンドール(やスリザリン)がなぜある(いた)のかについては本当は解き明かしてほしいですよねー。きっちりと意義がありそうだもんなぁ。
『ネバーランド』についてはご覧になったらまたお話しようね!
演技はほんとにみんなよかったよね。
> 『シックス・センス』のハーレイ君も真っ青
わかるわかる!
マイ・舞台セットの破壊シーン、さるおはあそこで泣きましたが、いやぁ、駆け寄りたくなるようないい表情してました。
いけないことなんだろうけど『ビッグ・フィッシュ』と比較してしまったので、ちょっと物足りなかったんですよね。メッセージがどれもみんな半端に感じちゃって。
でも感動するいい映画でした。それは間違いないね!
ネバーランドは心に響く映画でした。
演技は本当にみなさん良かったですね。
役者さんの演技に引き込まれてしまいました。
ところで、私は「ビッグ・フィッシュ」見た事ないんですよ。
素晴らしい作品のようですので、ぜひ今度見てみようと思います。
「ビッグフィッシュ」との比較、興味深く拝見しました。確かに虚構と現実の対峙という点では似通った部分もあるかもしれないですねw
「ネバーランド」はいい話にまとまり過ぎていたように感じて自分も物足りなかった方です。
此方からもTBさせて頂きました、またよろしくどうぞ。
心に響いたね。いい映画でした。
でもさらに響くのは(←さるおの場合ね)『ビッグ・フィッシュ』です!
素晴らしいよ!さるお泣いた!気持ち良〜くさわやかに泣ける傑作です。是非観てね。
> 虚構と現実の対峙という点では似通った部分もあるかもしれないですねw
ほんで、夢に照準をしぼったのが『ビッグ・フィッシュ』で、じつは現実を描いているのが『ネバーランド』、そんな感じがします。
> 夢を追い過ぎて自分の家庭は崩壊
奥さんはかわいそうでした。「あたいだってネバーランドに行きたいもん!」って訴えかけるシーン、あそこは泣かせるね。
記事に書いた「おまえだぁ!」よりはるかに深いね。
これからもよろしくお願いしまーす。
遅くなりましたが、TBありがとうございます。
考察面白く読ませて頂きました。
DVDの紹介かどこかで見た聞きかじりの情報ですが、
主人公のバリは、兄が亡くなった時から兄の真似を
するようになり、大人になってもその癖が続いていたというような記述を見ました。
バリの子供のような純粋さと大人びた現実的な態度、
この二面性こそまさにバリ自身の的確な描写だったのかもしれない…
とこの記事を拝見してちょっと思ったりしてます。
これからも映画レビューなど、見に来ますね。
楽しみにしてます(^o^)丿
> 兄が亡くなった時から兄の真似をするようになり、大人になってもその癖が続いていた
そうらしいですね。バリの人格形成のキーですね。
バリの純粋さは本物ではないと思うけど(純粋でありたいという願望が強いんだよね)、その純粋さと、現実との向き合い方、その2面性こそバリなんだろうなぁ、と思います。そういう内面のドラマとしての作品だったら、それはそれでおもしろい映画だっただろうと思います。
これからもよろしくね。また遊びにお邪魔するぞ。