『DR. STRANGELOVE -OR HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB-/博士の異常な愛情 -または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか-』を観たよ。
長い。映画は長くないがタイトルが長すぎる。
DR. STRANGELOVEは博士の異常な愛情ではないぜ、念のため。名前ですから。ストレンジラブさん。異常な愛情さん。ドイツ人です。名前を英語にしたらこうなったらしい。そんなドイツ名、ほんとにあんのか。
監督・脚本はスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)。1964年のキューブリックの6作目。
出演はピーター・セラーズ(Peter Sellers)、ジョージ・C・スコット(George C. Scott)
この映画はおもしろい。大きな声で笑ってよろしいアメリカ対ソ連の一風変わったクラシック・コメディ戦争映画。キューブリックらしい棘のある反戦のブラック・ユーモアが徹底して貫かれていてほとんど爽快だぞ。
ソ連ではね、極北の島で"皆殺し核兵器"をつくってる。ある条件がそろうと機械任せでもう人には止めらんない、その単純さが驚異となる最終兵器ね。爆発すると生物はみんな死んじゃうんだって。
ほんで、ちょっと"共産恐怖症"でオカシクなったアメリカの司令官がね、ソ連の核基地を爆撃するぞ、訓練じゃなくて実践だぞっていう"R作戦"の指令を出しちゃうんだけどね、もうイギリス人の副官が止めようとしても聞かない。ほんとは核攻撃の命令は大統領じゃないと出せないんだけど、非常用の命令系統があって、基地の司令官でも命令できるようにしてある状態が"R作戦"。R作戦がはじまったら、爆撃機は暗号しか受けつけないモードになってしまうので、命令撤回も暗号で伝えないと届かないんだけど、暗号を知ってるのはその司令官だけ。困ったことになったぞ。
合衆国大統領とエライ人たちが輪になって座って、ペンタゴンの会議室で焦って会議をやっている。ここに出てくるジョージ・C・スコット演じる超タカ派の将軍と大統領のイヤミ言い合いの攻防戦やら、そこに絡んでくるソ連大使やら、主役であることを突然思い出したかのようにスポットライトがあたる異常な愛情さんやらのドラマが主軸。大統領もソ連と連絡取って、「間違いが起きちゃってもう止めらんないから、そっちで撃ち落としてよ」(もちろん爆撃機には人が乗っています)なんて忙しくがんばっているが、最後の最後まで、迎撃機によって無線を破壊された1機が目標に向かって飛んでっちゃうんだ。
ひとつの小さな間違いが起きたら、あとはみんなで止めても止まらない、核による世界破滅。R作戦を信じて突き進む爆撃機の中でも、ぜんぜん深刻じゃないドラマがあってね、そっちのシーンではいつもあの曲が流れている。ほんで、ついに目標に到達、四苦八苦しながらも核爆弾を投下するシーンは名場面だぞ。
と、ここまで読んでお気づきでしょーが、博士、ぜんぜん主役じゃありません。タイトルを思い出させるほどの存在感を発揮するのは最後の5分くらいね。そーいやマッド・サイエンティストの話だったぞ。
ピーター・セラーズの、副官(英国大佐)、合衆国大統領、博士の1人3役と、ジョージ・C・スコット演じる将軍の超タカ派ぶりが見どころ。
走り出したら止まれない、サッド・エンドの極上コメディでござーい。
心ゆくまでさるお、もんち!
これは大好き!最高に面白かった!!!
博士って主役じゃないけど、タイトルになるだけのインパクトはありますよね、ほんと、最後の5分ぐらい(笑
あの奇行(自分の腕ガシガシ殴るとことか)が忘れられないっす。
博士、ぜんぜん脇役なんだけど、完全にキレっぱなしのあのスピーチはインパクトありすぎて、やっぱ主役でござる〜。自分の腕ガシガシ殴る奇行ね、気狂ってるけどね、ストレンジラブちゅーだけのことはある(笑)。
温和な大統領と超タカ派の将軍、どっちも最高に好きだぞ!