『BABEL/バベル』を観たよ。
監督は『21g/21グラム』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ((Alejandro Gonzalez Inarritu))。
出演は、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、なんだかとっても"女優すぎて"怖いくらいのケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)、すっかりゲバラなガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)、役所広司、菊地凛子。
バベルの塔は旧約聖書に出てきます。古代メソポタミアの"神の門"バビロンに、「人間てすげー。神様くらいすげー。天まで届くかっこいい塔を造ろうぜ」とかなんとか言いながらかっこわるい塔をせっせと造っている人間を見た神様が、「おまえら生意気言いやがって、意志の疎通をできなくしてやるー」と、人間に違う言葉を話させるようにした、という話ですね。
えっと、『21g』と同じ話だと思いました(爆)。
登場人物がポールとクリスティーナとジャックから、モロッコ人、アメリカ人、メキシコ人、聾唖者、になっただけ。
この監督さんはじっくりと絶望を描いてさるお好みなんですが、えっと、あまりにも『21g』そっくりっすねぇ(汗)。
さるおが気になったのは、ブラピさん演じるアメリカ人がモロッコ人ガイドにお礼のお金を渡そうとするシーンです。アメリカ人がお礼をしようとしたことに感動してはいけないし、モロッコ人が受け取らなかったことに感銘を受けている場合でもない。
群衆に囲まれている状況で金を出す、タイミングの悪いアメリカ人のバカバカしさや、もし受け取ってたらモロッコ人ガイドがその後どーなるか、そーゆーことが大事っす。
あとね、ほとんど意味のない日本のシーンはなぜ必要だったのか、それがわかりません。もしも日本のシーンが大事だとすれば、それは映画が終わった時点から先の役所広司演じるヤスジローの行動であって、そここそを描いてくれないとなぁ。それともあれかな、「ハッサンだいじょぶかなー」と言ってみるだけ、それが日本人だということかな。
いやぁー、とにかく、アブドゥラさんの一家は大変なことになってしまいました。
無差別にてっぽうを撃ちまくるケーサツに追われる前の、のぞき見がどうこうっちゅー家庭内のゴタゴタ、あれもどーゆーつもりで描いたのかよくわかんなかったですが、この一家の物語を映画にするだけで充分に見応えあるおもしろい作品になったんじゃないか。
何も無理矢理"1丁のライフル"でつながなくてもなぁ。
ということで、えっと、すごいなと思ったのはオープニングのシーン。この作品で初登場のサイード・タルカーニ(Said Tarchani)君(アフメッド役)、あのシーンでスクリーンデビューはたいしたもんす。おまえすげーぞ。
心ゆくまでさるお、もんち!