2009年08月01日

映画鑑賞感想文『スピード・レーサー』

さるおです。
『SPEED RACER/スピード・レーサー』を観たよ。
監督・製作・脚本はアンディ・ウォシャウスキー(Andy Wachowski)とラリー・ウォシャウスキー(Larry Wachowski)!
出演は、18歳のスピード・レーサーにエミール・ハーシュ(Emile Hirsch)、昔はTVドラマの端役をよくやってましたが、青春モノを経て、最近だと『INTO THE WILD/イントゥ・ザ・ワイルド』とか『MILK/ミルク』とか、すっかりショーン・ペン(Sean Penn)とコンビを組んでいて、とてもとても将来安泰な感じの若者。パパ(ポップス)・レーサーはジョン・グッドマン(John Goodman)、ママ・レーサーはスーザン・サランドン(Susan Sarandon)、豪華っすねー。弟のスプリトル・レーサーはポーリー・リット(Paulie Litt)、この少年はすごいっすね、ものすごい魅力的、これがスクリーンデビューとは思えない素晴らしさだと思います。あとチンパンさんが1名。幼なじみで恋人さんのトリクシーはクリスティナ・リッチ(Christina Ricci)、ほとんどレーサー家の一員スパーキーはキック・ガリー(Kick Gurry)、死んでしまったお兄ちゃんのレックス・レーサーは"生前"がスコット・ポーター(Scott Porter)で"死後"のレーサーXがマシュー・フォックス(Matthew Fox)、悪役のローヤルトンは『V FOR VENDETTA/Vフォー・ヴェンデッタ』でプロセロ役だったロジャー・アラム(Roger Allam)、タエジョー・トーゴーカーンはレイン(Rain)で、ベン・バーンズはリチャード・ラウンドトゥリー(Richard Roundtree)、ディテクター警部はベンノ・フュルマン(Benno Fürmann)、ミスター武者は真田広之。

興業成績は期待ほどじゃなかったらしいですが、いやぁー、楽しかったっすー!
スピード万歳、モーターレース万歳、CG万歳、ウォシャウスキー兄弟万歳。すごすぎて笑ってしまうほどの、135分間ぶっとーしの疾走感。すげぇ。
さるおは『THE MATRIX/マトリックス』シリーズよりこっちが好きっすねー。『マトリックス』はすんげーおもしろかったんです、あれはもう傑作中の傑作、でも非常に話が込み入っててパラドキシカルなので、観終わってからもよーく考えないと、迷子になる(笑)。
『スピード・レーサー』はシンプルっす、もちろん。株価操作の話とか、アメリカンなところはありますが、あとはシンプル。素晴らしい。
そーいえば『Vフォー・ヴェンデッタ』もウォシャウスキー兄弟だな(製作と脚本)。ウォシャウスキー兄弟万歳。ウォシャウスキー兄弟、あんたらはすげぇ。
ここまで来るともう、色の洪水。ティム・バートン(Tim Burton)を超えてしまいました。『DICK TRACY/ディック・トレイシー』なんか目じゃないぜ(笑)。

スピード君がまず乗っているのは、『マッハGoGoGo』第1作に登場する元祖マッハ号っすね。"ゴー"、"剛"、"5"とかは日本語じゃないとできない語呂合わせなので、マッハ・ファイブ号です。オートジャッキ使いまくり。
次に乗る車体に"6"の文字のマッハ号。あれは機能でいうと、バルーンタイヤとか付いてるし、『マッハGoGoGo』第2作のセーフティセブンにかなり近い感じで、アメリカでは"Speed Racer X"にあたるんでしょうか。エアロジャッキ使いまくり。
で、最後に乗っているマッハ号は車体に"7"の文字。ということは今度こそ、ミラージュエンジンを積んで時速555kmでタイムスリップまでしてしまう名車セーフティセブンに相当するのかな。たぶんまたしてもジャンプしまくりでしょう。
そーいえば、2001年に出ましたね、ホンモノのマッハ号"Mach 5 Signature Series"が。コルベットでつくったやつ。フロントエンジンの二駆で385馬力。マッハ5用につくったホイールで、シートは赤い総革で、お、マッハ号!と思いましたよ。

レーサーX、略してレックス、的でステキっす。なかなかいい脚本に仕上げましたよ。原作では第2作に出てくる謎の覆面レーサーさんですが、キアヌを使わなくてよかった(爆)、なんとなく。
そして、この疾走感に、あの牧歌的なメロディ。よくアレンジで使えたもんだ(笑)。素晴らしい。素晴らしすぎる。

Here he comes, here comes Speed Racer.
He's a demon on wheels.
He's a demon and he's gonna be chasing after someone.

He's gaining on you so you better look alive.
He's busy revving up the powerful Mach-5.

And when the odds are against him and there's dangerous work
You can bet your life Speedracer will see it through.

Go Speed Racer
Go Speed Racer
Go Speed Racer, go!

He's off and flying as he guns his car around the track.
He's jamming down the pedal like he's never coming back.
Adventure's waiting just ahead.

Go Speed Racer
Go Speed Racer
Go Speed Racer, go!

マッハ ゴーゴー
マッハ ゴーゴー
マッハ ゴーゴーゴー!

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年07月30日

映画鑑賞感想文『ノウイング』

さるおです。
『KNOW1NG/ノウイング』を劇場で観たよ。
監督は『I, ROBOT/アイ,ロボット』のアレックス・プロヤス(Alex Proyas)さん、あはは、『アイ,ロボット』はまだ観てませんが(爆)。
出演は、イニシャルが決してJ.C.(救世主)ではないジョン・ケスラー(John Koestler)役にニコラス・ケイジ(Nicolas Cage)、お子さんのケイレブ君がチャンドラー・カンタベリー(Chandler Canterbury)でこれでスクリーンデビューっす。

50年前に書かれた予言書を解読するケスラー父。
この数字の並びは、ワイフが死んだ日付だぞ。お!これは!50年間に起きた大惨事の、日時と被害者数と場所(座標)じゃないか!しかし911は抜けている。いったいなぜ?
予言書の最後のほうは、明日と明後日と、えっと、あと1ヶ月で"EE"が死ぬことになるぞ。大変だー。世界各地で何十機もの旅客機が墜落している。地下鉄とかも電気ビリビリで事故だ。携帯電話もオカシイぞ。そーか、わかったぞ!太陽の活動が活発になってるからだ!
911は人災だから予言されてないんだな。ということは逆に、人災だと思われていたあの事件とかは、天災だったんだ!
予言書の最後の日には、太陽の巨大フレアによるものすごい電磁波とかで、"EE"が死ぬんだ!
よし、なんだかわからないけれども、この座標のところに行くぞー。
着いた!
お、宇宙人さん、こんにちは。全く耳の聞こえないうちの子が選ばれたんですね。あ、なるほど、他の星で、生命体として進化する可能性のある子たちを選んだんですか。ところで宇宙人さん、いいですね、天使みたいな羽。というか、あなたたちのことを、地球人的には"神様"とか呼んでたんですね。その昔もお世話になったわけですか。どうも。
じゃ、お父さんはここで。さようならー、ケイレブー。
宇宙船"ノアの箱船"号で遠くの星に連れてってもらって、コドモらは生命の木が見える畑ですくすく元気に遊びましたとさ。

という話だったらよかったのにー。
つまんなくって、涙が止まりません。
(脚本の段階でたぶん痛恨の未完成っぷり)

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年07月18日

映画鑑賞感想文『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

さるおです。
『HARRY POTTER AND THE HALF-BLOOD PRINCE/ハリー・ポッターと謎のプリンス』を観たよ、初日のレイトショーで(笑)。

もうね、ヘビの親方は不要だと思いましたよ。お行儀の悪い不良の姐御ベラさんでいいじゃないか。

えー、お話としてはまさに起承転結の"転"。大きく動き出す、とてもおもしろいところ。
でもまぁさすがに、ちょっとわかりづらかったんじゃなかろうか、と思います。たとえば、ドラコちゃんはずっと何をしているのかな、というのがね、本読んでる人はわかるけれども、映画では、なんだかずいぶん後のほうになってから、「すがたくらましきゃびねっとだー」なんつって。そもそも"すがたくらましきゃびねっと"というのがなんとも切ない感じなのではありますが(泣)。
逆に、いい意味でも悪い意味でも、いやーたぶん後者だろうけど(涙)、本よりもわかりやすくしちゃったところもありました。破れぬ誓い(ってゆーんだっけ?)つったらもう、お話の冒頭なわけですが、スネイプさんがまことに表情豊か(汗)。ベラ姐さんに誓わされることになって、「まずいな、いやだな、わがはいももうおわりだな」というとても動揺した顔をするわけです。ということはこの時点でもう"スネイプさんは悪者ではない"ということがわかってしまうわけで、ちと残念。本だとね、スネイプさんの表情は読みにくい。だから、白か黒かわかんないっす、最後まで。最後って"7巻"のこと。

そういえば公開前に監督さんやたしか一部の役者さんたちが、今度の映画は"It’s all about sex, drugs and rock n’ roll."だと言っていましたが、まさしく、そればっか(笑)。
えっと、もう少し物語のスリリングな展開のほうを細やかに描いてくださったらよかったのに。葛藤とか、迷いとか、怒りとか、悲しみとか、心理的なことでもええし。たとえばですね、ついに必要だった記憶を手に入れたとき、「よーしわかったぞー」なんて校長までが目を丸くしちゃって、それじゃ今まで何やってたんだ、だいたいそーゆーことだろーとわかってたんじゃないのかよ、というものすごい浅い感じになってしまっているわけです。あるいは、殺人未遂後のハリーさん、校長に毒を飲ませるハリーさん、激怒してスネイプさんを攻撃するハリーさん、などなど、とても深い心理面もあるわけです。
つまりなんちゅーか、ここにきて一気に"軽い"学園モノになってしまったような。あはは。

最後に、やはり、『謎のプリンス』ってなんだよ、と思いました。あのね、日本語字幕はずっと"半純血のプリンス"なんすよ。で、最後にスネイプさんが「半純血のプリンスだー」なんて言うわけです。んもー、いや。
とにかく、とにかくですね、ウォンウォンちゃんに恋するラヴラヴちゃんのジェシー・ケイヴ(Jessie Cave)がかわいかったっすー。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年07月14日

映画鑑賞感想文『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』

さるおです。
『MR. MAGORIUM'S WONDER EMPORIUM/マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』を観たよ。
監督・脚本は『STRANGER THAN FICTION/主人公は僕だった』のザック・ヘルム(Zach Helm)。
出演は、エドワード・マゴリアム役に『STRANGER THAN FICTION』にも出ているダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)、モリー・マホーニー役にナタリー・ポートマン(Natalie Portman)、エリック・アップルバウム役はザック・ミルズ(Zach Mills)、ヘンリー・ウェストン役にジェイソン・ベイトマン(Jason Bateman)。

高層ビルの合間の、かなり場違いな、創業から113年を経た魔法のおもちゃ屋さんです。
すごい。おもちゃってすごい。まほうってすごい。まほうだー、これー。
たのしいっす。さるおもここ行ってみたい。
魔法のおもちゃを大発明し続けているのはオーナーのマゴリアムおじさん。御歳243歳の大天才。底抜けに明るく、どこまでも優しくあたたかいマゴリアムおじさんは、フィレンツェで一生分の靴を買った。そしてこれが最後の1足。だからお店を、雇われ支配人のモリー23歳に託すんですね。とても穏やかな切なさっす。
だけどモリーには、大好きなマゴリアムおじさんとの別れを受け入れることができない。さみしいだけじゃなくて、かつては天才ピアニストだったのに、今は"自分を信じる"ということがどーしてもできないんです。自分には魔法なんて無理。
おじさんとの別れに対応できないのはモリーだけじゃないんですね。お店と、そしておもちゃも。おじさんが造り出した世界全体が、おじさんとの別れを嫌がってます。
でもおじさんはいなくなっちゃった。モリーは途方に暮れます。
アシスタントのエリック9歳はお店を救うため孤軍奮闘。おこづかいをかき集めてお店を存続させようと必死です。その過程で、勇気と友情を手に入れます。急遽雇われた超まじめ経理士のヘンリー、彼はエリックの姿を見て夢を取り戻す。そしてモリーは諦めかけたときに、夢を信じるヘンリーの言葉で、魔法を信じる、自分を信じるということの力を、取り戻すわけです。そしたら、まほうが、つかえたぁーっ!

マゴリアムおじさんの疑いなく魔法を信じるその力を、疑うことなく信じたエリックから、魔法の輪は広がって行きました。すばらしー。
天才マゴリアムおじさんは、かつて天才だったモリーに白羽の矢を立てたんですが、もしかしたら243年間、モリーの登場を待っていたのかもしれない。
おじさんとの別れのとき、モリーとお店とおもちゃは、同じように"すねた"んだよね。モリーも、おじさんのまほうみたいだ。

http://www.magorium.com/

帽子コレクターのエリックはかなり魅力的っす、そしてこの映画は、口角がえびちゃんさんより上がっているダスティン・ホフマンとナタリー・ポートマンの輝くほどの素晴らしすぎる笑顔を観るための作品っすねー。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年07月10日

映画鑑賞感想文『ダージリン急行』

さるおです。
『THE DARJEELING LIMITED/ダージリン急行』を観たよ。
監督・制作・脚本はもちろんウェス・アンダーソン!今のところ、『THE ROYAL TENENBAUMS/ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』がウェスの最高傑作ではないかと思っております。
出演は、長男フランシス・ホイットマン役にオーウェン・ウィルソン(Owen Wilson)、次男ピーター・ホイットマン役にエイドリアン・ブロディ(Adrien Brody)、三男ジャック・ホイットマン役にジェイソン・シュワルツマン(Jason Schwartzman)。母パトリシア・ホイットマン役に大好きなアンジェリカ・ヒューストン(Anjelica Huston)、ビジネスマン役(笑)にビル・マーレイ(Bill Murray)、三男のカノジョさんがナタリー・ポートマン(Natalie Portman)。おぉ、素晴らしきかな、ウェス・ファミリー。

えっと、心が離れた3兄弟のじんわりしみるスピリチュアル・ジャーニー!だということで、お話としましてはまぁ、天才テネンバウムズ一家のケースと同じっす。こちらはロードムービーですが。あ、あと、テネンバウムズ一家はジャージで、ホイットマン一家はスーツケースです(笑)。
『HOTEL CHEVALIE/ホテル・シュヴァリエ』という13分間の短編映画があって、それがこの『ダージリン』のプロローグにあたる作品なので、そっちも観ていると、よりおもしろいわけですね、特に『ダージリン』のラストなんかが。三男とカノジョの描写モノです。
『テネンバウムズ』のほうがおもしろいけど、こちらは"ホンモノのインド"をそのまま使ったところが魅力っすー。

ちなみに、制作と脚本にはロマン・コッポラ(Roman Coppola)が噛んでまして、この人は、パパさんがフランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)、ママさんがエレノア・コッポラ(Eleanor Coppola)、妹はソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)でじーさんはカーマイン・コッポラ(Carmine Coppola)で、おばさんがタリア・シャイア(Talia Shire)、そして従兄弟にあたるのが三男役のジェイソン・シュワルツマンとニコラス・ケイジ (Nicolas Cage)という、おそろしくがんじがらめのサラブレッドです(笑)。
ということで、三男役ジェイソン・シュワルツマンから見ると、パパさんがジャック・シュワルツマン(Jack Schwartzman)、ママさんがタリア・シャイア、フランシス・コッポラは叔父さんにあたり、従姉妹がソフィア・コッポラ、従兄弟はロマン・コッポラとニコラス・ケイジ ということになる。ほんでこちらも本作の制作と脚本に名を連ねているんすね。

ということは、んもー、ウェス・ファミリーの映画とコッポラ一家のファミリービジネスがまさかの大融合。す、すごい。
ウェス・ファミリーのほうはオーウェン・ウィルソンとかアンジェリカ・ヒューストンとかビル・マーレイの他に、撮影のロバート・イェーマン(Robert D. Yeoman)とか、プロダクションデザインのマーク・フリードバーグ(Mark Friedberg)とか、制作ならスコット・ルーディン(Scott Rudin)とか健在なわけで、なんかもう、すごい偏り方。
あ、そうそう、エイドリアン・ブロディの顔は、というか下がったまゆげは、とてもウェス・ファミリー的だと思いましたYO!

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年07月06日

映画鑑賞感想文『ミスト』

さるおです。
『THE MIST/ミスト』を観たよ。
監督はフランク・ダラボン(Frank Darabont)。『THE SHAWSHANK REDEMPTION/ショーシャンクの空に』や『THE GREEN MILE/グリーンマイル』では監督と脚本、『SAVING PRIVATE RYAN/プライベート・ライアン(1998)』のときはクレジット無しでシナリオの手直しをしている人っす。原作は、"あの"スティーヴン・キング(Stephen King)さん。
出演は、デヴィッド・トレイトン役にパトリシア・アークエットのだんなさんトーマス・ジェーン(Thomas Jane)、息子のビリーにネイサン・ギャンブル(Nathan Gamble)、超キケン人物のミセス・カーモディに出ました大好きなマーシャ・ゲイ・ハーデン(Marcia Gay Harden)!アマンダ・ダンフリー役にローリー・ホールデン(Laurie Holden)、などなど。

街中が霧に覆われて、20人くらいの人たちがスーパーマーケットから出られなくなる。そしたら、巨大タコみたいなのとか巨大昆虫とか、いろんなモンスターが襲ってくる。
じつにくだらない(笑)。スティーヴン・キングだから驚かないけど。あ、でもオカシイぞ。こんなにすぐに怪物登場じゃ、この後がもたない。こんなに早い時間から寝てていいわけないよなぁ。

とひじょーに心配していたら、見どころは他の2点でした。
ミセス・カーモディと、彼女に影響されていく"集団の狂気"という恐ろしさ。とても見応えありましたよ。じつにすばらしい。すばらしすぎる不快感です。秀逸。
それからラストのまさかの展開です。あっそー、そーなんだ、そーゆー話なんだー。おもしろいっすー。ま、悲劇なんだけどね、結局そんなもんは滑稽というか。ひねってあってこちらも素晴らしい。これはさすがにここには書けません。"あの"スティーヴン・キングさんだということで、警戒心丸出しでしたが(笑)。
観てみてみー。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年07月02日

映画鑑賞感想文『ヒトラーの贋札』

さるおです。
『DIE FALSCHER/ヒトラーの贋札』を観たよ。
監督はステファン・ルツォヴィツキー(Stefan Ruzowitzky)。この人は『ANATOMIE/アナトミー』というホラーサスペンスを撮って、お約束どーりの展開でほんでもまぁまぁ普通っぽい感じだったんですが、その続編を作ったら劇場未公開になってしまった人です。原作はアドルフ・ブルガー(Adolf Burger)さん。
出演はカール・マルコヴィクス(Karl Markovics)、あと、劇中にも登場するアドルフ・ブルガー役にアウグスト・ディール(August Diehl)、デーヴィト・シュトリーゾフ(Devid Striesow)、マリー・ボイマー(Marie Baumer)。さらに、じーちゃんがチャールズ(チャーリー)、パパさんがマイケル、ご姉妹のカルメンに、おじさんがジェラルディン、おばさんがジョセフィンという、チャップリン家のサラブレッド!ドロレス・チャップリン(Dolores Chaplin)。

えっと、WWII中のナチス・ドイツがイギリスの経済を混乱に陥れてやろうと贋ポンド札を造りまくる"ベルンハルト作戦"。原作者で劇中にも登場するアドルフ・ブルガーさんは実際に強制収容所の中につくられたヒミツ工場で印刷技師として作戦に関わったユダヤ人生存者なんですね。
極秘作戦のため集められたユダヤ人たちは、ユダヤ人なのに厚待遇。薄い壁の向こうでは同胞がいじめられている。壁の向こうには戻りたくない。だから贋札を造るしかない。こーゆー究極の状況に置かれると、人それぞれ、とりあえず殺されるのはなにがなんでも嫌とか、厚待遇はいいなとか、せめて作業を遅らせてふんばれやとか、いろんなことになるわけです。ほんで壁一枚向こうでは仲間が殺されてくわけで、生きたいという意志が生み出す人の弱さや狡さや、正義と迎合、そーゆーものがいろいろと、アレなわけです。
そして終戦をむかえ、収容所の壁が取り払われる。痛々しいっすね。

という感じの、感動の実話らしい。
らしい。
まさかの"らしい"発言。
"観たよ"はどこへいったのでしょうか。(泣きながら)
なぜか、一切の記憶に残らない映画(涙)。
どっかのてれびでやっていると「これ観たかったやつだー」とか言って何度でも録画してしまうという罠。(目を開けて寝ていた可能性を示唆、というか確信)

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年06月29日

映画鑑賞感想文『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』

さるおです。
『CHARLIE WILSON'S WAR/チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』を観たよ。
監督は、自身の2作目『THE GRADUATE/卒業』でオスカー監督になった、社会風刺が得意な巨匠マイク・ニコルズ(Mike Nichols)。
出演は、『MAMMA MIA!/マンマ・ミーア!』の制作総指揮までやってしまって稼ぎまくりのトム・ハンクス(Tom Hanks)、おばちゃんになっても大好きですジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)、なんと言っても『CAPOTE/カポーティ』の名優フィリップ・シーモア・ホフマン(Philip Seymour Hoffman)。

えっとこれはだいたいんとこ実話だと思うので、感想っつってもアレなんですが、おもしろかったです。でもまぁ、アメリカ学ね、アメリカ学。
なので、知っておいたら映画がおもしろく観られる、っちゅーようなことを書いてみようと思います。

エロ議員とそのカノジョさんとヤクザなCIAという3人が、ソ連という強大な帝国を打ち倒した、アフガニスタンで、という話です。
でもこれは、常に911テロのことなどを念頭において観ないといけない。WTCに飛行機が突っ込む秒読みがはじまった瞬間を描いている作品なんですね。

チャーリー・ウィルソン(Charles Nesbitt Wilson)、またの名を"Good Time Charlie"、この人は政治家さんです。いかにもテキサスっぽい顔つきの(笑)おじさん。劇中で描かれているのは事実で、彼が雇った秘書さんたちはみな"Charlie's おっぱいAngels"です(笑)、わっはっはー。ラブホのような家に住み、アル中&コカイン中。
このチャーリーにアフガン支援をもちかけたのが、カノジョさんのジョアン・へリング(Joanne Johnson King Herring Davis)、またの名を"世界を股にかけるスカーレット・オハラ"さん。3度ケッコンするたびに旦那は大金持ち、自分はてれびの仕事なんかをして政財界の大物をゲスト出演させまくり、人脈を広げながら世界中を飛び回る。自宅では"ローマ貴族の乱交"風わたしのおたんじょうび会をやってキリスト教徒の火あぶりショー開催。す、すごいお人だ。いつもギラギラのド派手衣装なんですが、中身は超コンサバなキリスト教原理主義者で、共産主義が何より憎くてしょーがない。ソ連によるアフガン侵攻に怒った彼女は、息子をカメラマンとして連れて命がけでアフガン闇入国、ソ連のハインド(大きくて強いヘリコプター)と戦うムジャヒディンの勇姿を撮影させ、アメリカに戻るとレーガンやらパパ・ブッシュやらを相手に上映会をやっています。でも当時のレーガンはゲリラ支援に消極的だった。それで彼氏のチャーリーに極秘予算を通させることにしたわけですね。チャーリーのほうは、遊び人なのに正義のために戦う英雄、ボンドみたいでかっこいいから夢中であちこちに話をつけて回る。
この動きに乗っかったのが、作戦実行係として動いたヤクザなCIA、ガスト・アヴラコトス(Gustav Lascaris "Gust" Avrakotos)さん。ギリシャ移民の二世で、母国ギリシャに反共産主義政権を樹立しようとクーデターを仕掛けたんだけれどもうまくいかずに自分が命を狙われるはめになっちゃった。そこで一念発起、アフガン解放作戦に再起を賭けるわけです。
で、なんだかんだと年間7億5000万ドルにのぼる極秘予算を使い、イスラエルがふんだくったソ連のAK47とか、パキスタンで調達できるAK47の中国コピーとか、エジプトの国防省をベリーダンスでメロメロにさせておいて弾薬を買うとか、それでも間に合わないから、ええい、新兵器スティンガーもくれてやれー、とか大奮発して、ついにソ連軍は数万人の死者を出しアフガン撤退、そして帝国崩壊へとなだれこんでくわけです。めでたしめでたし。
そしてその後、自由を勝ち取ったアフガニスタンでは、数の膨れ上がったムジャヒディン同士が、アメリカに調達してもらった武器を使ってケンカをはじめました。最後に勝った(政権をとった)のはタリバン。聖戦士オサマ・ビン・ラディンのアルカイーダと同盟を組んで、ある9月11日、アメリカ全土に飛行機で特攻をかけるわけですね。

うーん、アメリカって。ほんとにデタラメな国だなぁ。
これはまぁ中東をめぐる1側面でしかありませんが。

ひとつだけ、知りたいなぁと思うのは、チャーリーがほんとに「あと100万ドル使ってアフガニスタンに学校を作ろう」と言ったかどうか、です。
チャーリーは民主党の下院議員。トム・ハンクスは言わずと知れた民主党の大物サポ。チャーリーは、英雄気取りで特権大好きなアメリカそのものの大バカ野郎なのか、それともミスを犯した英雄なのか。

ところで、この映画のキャッチコピー、『たったひとりで世界を変えた、本当にウソみたいな話』というのはてっきり怒っているランボーさんのことだとばかり思っていましたが、ちがいましたよ。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年02月24日

映画鑑賞感想文『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』 その2

さるおです。
昨日のエントリーの続きです。

考えてみれば、ゲバラはキューバで、ソ連相手に砂糖を売って、そのお金で石油とか機械とかをソ連から買って、工業分野もがんばろうや、と思っていた。アメリカはキューバを諦めたわけではない。だからある程度ソ連と仲良くするのはしかたないや、ソ連のミサイルをキューバに置いたりとかもしかたないや、そう思っていた。でも思い通りにはならなかったんですね。ソ連は砂糖を安く買って石油は高く売ろうとしたし、ミサイルのことはソ連とアメリカが勝手に話しあい「まぁまぁまぁ」ということになり(対米平和共存路線)、キューバは仲間外れにされました。そのころにはもう、理想郷だったはずのカストロ体制はソ連の庇護なしには維持できなくなっていたわけです。
だからゲバラは嫌になって"別れの手紙"を書いた。まだ世界のどこかに手に負える正義があると信じて、革命家に"なりたくて"、"別れの手紙"を書いた。勝利するまで私はキューバに帰らない。つまり、勝利したらキューバに帰ると。
社会主義は、帝国主義による搾取の共犯者になってはいけない。社会主義は、人間による人間の搾取をなくさなければ。ゲバラはそう演説し、ソ連にはもちろんソ連が名指しで批判されたのだとわかった。ゲバラって邪魔なヤツ、キューバに戻られても困る。
そのソ連の事情の延長線上でカストロは手紙を読むわけです。少しアレンジして。
「勝利する日まで。さようなら。チェより」
そんな感じに。
はぁ。もう帰るところはありません。無事に帰れる場所をすでに失ってしまいましたよ。
ここでゲバラは"解放すべき国"コンゴへ行くわけです。植民地だったんだから独立を認めるかわりにコンゴの一部をよこせというベルギー、コンゴ政府に金を出して共産主義国にしようと思うソ連、そこへゲバラが乗り込んで、ベルギーを追い出し革命を指導しようとした。でも行ってみたらコンゴ人はやる気ナッシングで、みんなついてきませんでした。
そしてボリビア、という流れです。ソ連の"対米平和共存路線"後のことです。事実上、ゲバラが戦った相手は、アメリカとソ連だった。ソ連はキューバにゲリラ支援をするなと言ってある。そして共産主義国という見返りがあるなら金は出してもいいけれど、戦争には関わりたくない、それがこのときのソ連。
そしてソ連とアメリカが地球のほとんどの場所で決定的な影響力を発揮していた時代です、まぁ今も同じだけど。共産主義、社会主義のあるところ、ソ連の力が及ばないわけがない。
で、あてにしていたボリビア共産党からの支援が得られなかった。事前に交渉して確実にしておくとかね、準備してないんだもん、これは予測すべきだったかもしれない。
政府は鉱山労働者を怖れている。ゲバラに吸収される前に叩いておこう。これも予測すべきだったかもしれない。
キューバで痛い目に遭ったアメリカが、ボリビアでは対ゲリラ戦の準備をしていた。これも予測すべきだったかもしれない。情報なんて漏れるもので、ボリビアにゲバラが来てるとわかった以上、ゲバラの都合を待ってくれるはずもないわけで。
そして、農民たちに裏切られた。そう、圧制なんてめずらしくもない、でも、理不尽な制度の中でこそ安穏と従って生きていく、その程度の弱さと愚かさと知恵を持っているのが国民というもの。搾取されることで生きていくことができる、"悪"であっても社会として成立している、そーゆー考え方が、たしかにあるんですね、ゲバラのような人にはわからないかもしれないけど、さるおだってほんとはわかりたくないけど。まさに映画『マンダレイ』っすよ。革命なんて必要なかったんだ。お百姓が畑を手に入れた、それでもういいんです。農民たちに"裏切られた"わけではなく、農民たちは"選んだ"、それだけだったんだなぁ。黄金の玉座に座る乞食、それは結局今も変わらないわけで。

なにかとてつもなく"負け戦"の匂いがします。
ゲバラのゲリラ部隊は小さくなるばかり。進路は無く、退路も閉ざされ、取り囲まれ、もうだめだ、白虎隊だ。

パンフレットを読んだらね、ベニグノの言葉が書いてありました。
「我々はボリビアの人々を、帝国主義がもたらす悲惨な状況から解放することを目指してそこへ行ったのではなかったか。しかし農民は、我々から逃げるばかりだった。それどころかしばしば、我々のことを官憲に密告するのであった。実際のところ我々は目隠しをしてそこへ行ったも同然だった。事前の政治工作もしなかったし、政治に関心がある農民との接触すらしていなかった」
胸が痛いっす。
どーして?
どーしてなんだ、チェ(ねぇきみ)?
ボリビア行きを決めたのは、ゲバラだったのか、それともカストロだったのか。チェ(ねぇきみ)、あなたとフィデルの間には、何があって、何が無かったのか。
ゲバラが広島で何を思い、何を理解し、何を理解しなかったのか、それも聞いてみたいし。

ゲバラは革命をこう定義した。
「最大多数の人民の幸福ために、人民多数派の自由意志で政策を決定して実行するのが革命」
夢見たのは、真の民主主義だったわけです。作品にゲバラの"思想"の部分は描かれていないんだけどね。
読みきれなかったゲリラ依存症の男。そう、それがゲバラだと思います。
この作品には、というかゲバラには、多くの"もしも"がつきまとう。もしもゲバラにどれかひとつでも読むことができたなら、どーなっていただろう。

違うか。
頭いい人だったんだよな。
革命家になりたかった軍医あがりのゲリラ屋。チェ(ねぇきみ)、あなたは革命家としての死に場所を求めていたんじゃないのか。いや、夢はすでに終わっていると知ってなお、革命家であろうとしたんじゃないのか。戻ることはできなかった。敗北への道を、知っていて歩いたんだ。革命家にはなれないと、知っていたんだ。チェ(ねぇきみ)、そうなんだろ?
バカなチェ。愚かな男。それでも現実は過酷すぎて、やっぱり全力で絶望と戦ってしまう、ほとんど自殺願望のゲリラ依存症の男。
そしてまた、ゲリラ屋ではなく医師であり続けたゲバラ。戦場にわざわざ怪我しに行って、わざわざ死にに行って、治療しまくるゲバラ。へんな人。さるおは少し胸が苦しいよ。
でもね、もしどれかひとつだけゲバラを選べと言われたら、ボリビアのゲバラを選んで記憶しておきたい。こんなクレイジーな人間が、歴史にはいてもいい。こんなクレイジーな人間が、歴史にはいたほうがいい。敗戦の道を行く、革命家になれなかったゲリラ屋が、人の歴史で輝いているなぁ。
チェ(ねぇきみ)、さるおはあなたがとても好きだと、伝わっているかな。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年02月23日

映画鑑賞感想文『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』 その1

さるおです。
『CHE: PART ONE THE ARGENTINE/チェ 28歳の革命』『CHE: PART TWO GUERRILLA/チェ 39歳 別れの手紙』を劇場で観たよ。
監督はスティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)です。ということは、『OCEAN'S/オーシャンズ』シリーズのようにとてもわかりやすいか、あるいは『SYRIANA/シリアナ』のようにまるでわからないかのどちらかであって、題材がゲバラということはもう後者なのは間違いなく、そこは覚悟して観ないといけない。"わかりにくい映画だ"というレベルで文句タレんのはナンセンスっすね。
出演はさるおがほとんど惚れているベニチオ・デル・トロ(Benicio Del Toro)さん。

まぁ実際観てみたらわかりにくいところはなかったです。でも、『パート1』についてはとてもソダーバーグ的な"ある種のつまらなさ"はある(笑)。だって、"山場"となるはずの部分だけをわざわざ削ったみたいなんだもん(爆)。船に揺られていたと思ったら、次の瞬間キューバに上陸してましたよ。キューバ上陸の瞬間が無いんです、かなーり壮絶で悲惨なシーンになるはずの、この映画における"最初の山場"になるはずなのに。
でもまぁね、2部作を立て続けに公開した以上、これは1本の映画ととらえるべきで、『パート1』に"山場"がないのはあたりまえ。革命が成就するわけですから物語としてはちゃんと山場はあるんだけど。
あと、"思想"という側面が希薄っすね。マルクス思想をどう捉えどう展開していくか、なんてことは作品に出てきません。"戦う理由"を省いたあたりはまことにソダーバーグ的(笑)。

そうそう、老け顔俳優ベニチオ・デル・トロに28歳の革命は無理だと、じつは『パート1』を観始めた瞬間に思いました。さらに、『Diarios de motocicleta/モーターサイクル・ダイアリーズ』のガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)をすでに観てしまっている今となっては、ベニチオがいくら激ヤセしてみたところで、やっぱり少し体がデカすぎるな(実際のゲバラがガエルほど線が細いわけではないですけど)、ということで、大変申し訳ないことではありますが、本人ののめり込みようや評判とは裏腹に、こいつはチェじゃない、ベニチオだ、というところから離れられませんでした。そして案の定、『パート2』のラストではさるおが好きで好きでたまらない"ヨレヨレ"のベニチオ登場、さるお的には嬉しいけれど、どーも50代にしか見えないぞと、感動しつつも戸惑ったわけですよ。ところが、そのさらに後の、あのグランマ号に揺られる冒頭のベニチオを観たら、「お!若い!35歳くらいに見える!」となぜか思えたというベニチオ的マックスの奇跡。

映画はとてもおもしろかったです。
この作品は、「正義が負けた、革命家の夢が終わった、それでもゲバラの存在はきっと希望の種を蒔いただろう、世界は続いて行くのだから」という話ではないし、「愛と正義を貫いた孤高の革命家が、政治と軍部、あるいは卑劣なプロパガンダ、統制、人民の弱さや裏切り、そして圧倒的な武力の差により、戦ったけれども破れてしまった」などという話でもないと思う。
本当のゲバラは知らないけれど(ゲバラについてはこちらにも書きましたよ)、ソダーバーグを信じて(ソダーバーグだって本当のゲバラを知らないけれど)、まず、エルネスト・ゲバラが"革命家になりたかった理想主義のゲリラ屋"だというところから入らないといけないなぁと思います。
ゲバラに思いを馳せたくなる作品なので、映画の感想文という枠をちょっと超えてみます。

キューバ、ボリビア、それぞれに事情が違う。
キューバもボリビアも、革命の土台はたしかにあったんだけど。

キューバはヨーロッパに"発見"されて以降スペインの植民地になった。で、独立したいから1回2回と国民は戦争を起こしています。当時のスペインはものすごく強くて、人民軍は負けてしまうわけですが、そこへアメリカが得意の介入。キューバ人には「たすけにきたよ」って言えばいいや、ということで、アメリカという資本家によるあらたな搾取がはじまる。今度こそ独立だ、現在の敵はアメリカだ、ということで立ち上がるのがフィデル・カストロ率いる革命軍ですね。つまり、革命の首謀者はカストロで、ゲバラはそれに乗っかったわけです。
カストロの革命軍はキューバ人で組織されていた。外国人はゲバラだけです。自分の祖国の革命が目的の軍隊だったわけです。
しかもカストロという人は、大学で法律を学んだ後弁護士として貧しい人々のために働き、2年後に議会選挙に打って出ると見事に当選。この当選をバチスタのクーデターによって無効にされると、カストロは130人の同士を集めて自前の部隊を作り、バチスタの兵営を襲撃する。うまくいかずに仲間の多くを失い、カストロ自身も投獄されるんだけど、釈放されるとメキシコに亡命、さらにアメリカに移って活動し続け、さらに隣国メキシコで入念に準備した上での"三度目(当選を含めて)の正直"が映画『28歳の革命』にあたるわけです。実際は出だしのマンサニヨで躓き仲間のほとんどを失うわけですが、それでも前に進む力があった。ゲリラ軍を指揮するカストロの活動は人々の支援を獲得して、最終的には800人もの大部隊に膨れ上がります。
つまり、カストロという人物はゲリラ指揮官であると同時にそもそもが政治家だということです。アメリカを後ろ盾にしたバチスタの手に落ちたキューバに革命をもたらす。殺し合いをやるけれども、現行の政府を転覆させたら今までと異なるシステムの新政権を樹立する。その後どーするのか、みんなの生活をどんなふうに変えるのか、そーゆー政治家としてのビジョンがあった。

そして、A pauper sitting on a throne of gold(黄金の玉座に座る乞食)ボリビア。こちらも16世紀のインカ帝国崩壊以降スペインの植民地になり、18世紀後半から19世紀前半にかけて何度も何度も革命戦争が起き、独立したはいいけれど、その後も100年近くにわたって周囲の国と領土の取り合いを繰り広げ、チリに負けて内陸に押し込まれると川伝いに海に出ようとパラグアイと激戦。疲弊しつくし財政崩壊した"乞食"になってしまっている。その上、軍事社会主義を掲げ、鉱山で労働争議が起きると鉱山労働者700人を虐殺してしまうわけです。これじゃいかんということでMNR(民族革命運動党)が政権をとると、軍部が負けじとクーデターを起こし、もう軍部は黙ってろと怒った人民軍が一揆を起こす。二転三転、激動の歴史っす。人民軍は政府を破り(ボリビア革命)、MNR政権を樹立、鉱山は国有化され、大プランテーションは解体して小作人が畑を手に入れた(農地改革)。ところが農地改革の5年後には再び軍部のクーデターが起きます。もちろん背後にいるのはアメリカです。アメリカと軍のモノになった政権vs.ソ連寄りのボリビア共産党。
そこへやってくるのがゲバラです。ボリビアは"革命"というものを経験済みだし、軍部(今は宿敵アメリカ)による圧制に苦しんでいる。まさにうってつけ。よーし、ボリビアからはじめて、南米全部で革命やっちゃうぞー。
主役になったのは(なるかもしれなかったのは)アルゼンチン人率いるゲリラ軍です。どちらかというと命令系統の上位に位置するキューバ人、それとボリビア人兵士、合わせて50名。見方によっては内政干渉です。
ゲバラが準備したのは当面の潜伏先。でもそこは過疎の山岳地帯だった。共産党が手伝ってくれないとなると、鉱山労働者がたより。でも鉱山へはアクセスが悪いんです。だから政府軍が先に鉱山を叩いてしまった。これじゃ補給路は完全に断たれてしまいます。最後の希望だった農民に売られれば、もうどーにもならない。しかもそのリスクの中でゲバラはゲリラ部隊を2つに分けているわけです、そんじゃなくても50人しかおらんのにー。
軍医あがりの博愛主義者で革命に賭ける情熱は燃えていた。けれども、今回はカストロ役がいないのです。"勝利したい"という願望があるだけで、"勝利そのもの"のビジョンすらない。武装闘争はいいけれど、その後はどーするんだ。武装闘争はいいけれど、そもそもどーやって勝つんだ。

長文になってしまったので続きは次のエントリーです。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2008年12月03日

映画観賞感想文『SAW 5』

さるおです。
『SAW V/ソウ5』を観たよ。まずはネタばれしません。

まず結論から。
さるおはけっこうおもしろかったんです。
『SAW V』にトリックやどんでん返しを期待して観たとしたら、それはそれはつまらないだろうと思います。そーゆーの、なーんも無いから。
でも、SAWという世界を知ろう、ジョンという人間を知ろう、ジョンの周囲で何が起きているのか、何を起こそうとしているのか、それを知ろうとするなら、『SAW V』はとてもおもしろい。だからさるおは満足っすね。

見終わって最初に思ったことは、男ばっかりだ、女子がいねーぞ、ということです(笑)。ものすごーく"男くさい男の映画"になってましたよ。ジャンルはずばり"刑事モノ"っす。ドラマ性が強い。
そして次に思ったことは、整理整頓したな、ということ。今までの作品中でキーパーソンだと思っていた生死のわからない人たち、さるお的には3人なんですが、その中の1人はもう強引に死んでたし(これには矛盾があるんだけど)、あとの2人もまぁ"忘れてよし"と言われた気がする(笑)。

そして、6作目では"より大きなものの一部"である5人の過去が具体的に示されパズルの全貌が明らかになるわけで、そこにぐーんと近づいたわけです。たしかにそれは、1作目『SAW』を観て唸っていた頃には思いもよらなかった"大きさ"であることに違いない。2作目3作目あたりでさるおはアマンダを思って涙を流していたわけですが、んなこたぁ小さい小さい。"人の心理を深く理解すれば偶然の入り込む余地などない"という天才ジョンのプランはでかくて深くて、6作目では今まで以上に泣いてしまうだろうと、もうすでに思っています。そう思えた、ということは、やっぱりさるおには『SAW V』はおもしろかったわけですねー。
なによりコーフンしている理由は、ついに真打ち登場だからですよ。そう、じつは、そーゆーことだったんだろうと思います。いや、この作品はネタバレなしであれこれ書くことができません。次の記事からはネタばれます。
ふんがー。

トラップとその描写については、けっこう思いきりのよさを感じました。
そうだよな、もうその方向に切るしかないよな、とか(笑)。
最後はひじょーにおもしろかったっす。今までは"物語のどんでん返し"が楽しかったわけですが、今回はトラップそのものがもう、アレですから。でも、なぜかニヤニヤしてしまいましたよ、そこに収納されて、ぐわぁーっ!ものすごい最前列で見てるーっ!と思ってコーフン。文字通り、"消え"たしなぁ。いやぁ、素晴らしい。
ふんがー。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2008年10月15日

映画鑑賞感想文『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』

さるおです。
『BORAT: CULTURAL LEARNINGS OF AMERICA FOR MAKE BENEFIT GLORIOUS NATION OF KAZAKHSTAN/ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』を観たよ。(長い)
監督は『MASKED AND ANONYMOUS/ボブ・ディランの頭のなか』のラリー・チャールズ(Larry Charles)。
原案・脚本・出演・制作はとにかくひたすらサシャ・バロン・コーエン(Sacha Baron Cohen)、イギリスのコメディ俳優さんっすね、いちばん最近だと『SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET/スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』にピレリ役で出てる人です。音楽を担当したエランさん(Erran Baron Cohen)という人はバロンさんのご家族っすかね。

公式サイト
http://www.boratmovie.com/

んもー、いいのかな、こんな映画作っちゃって。
んもー、いいのかな、こんな映画上映しちゃって。
さるおはてれびで観たんすけど、いいのかな、こんな映画放送しちゃって。
おバカすぎて下品すぎて、不快に感じる人もたくさんいるであろう、超過激におバカなゲリラ映画っす。とてもおもしろかったですよ。で、アメリカ映画っす、念のため。

過激すぎて訴訟問題を次から次へと引き起こし、しまいには国際問題にまでなってしまいながらも、アメリカ本国では大ヒット。"祖国"カザフスタンの発展のためにアメリカの文化を学ぶってもう、設定自体があぶない。カザフスタン"とは"そのものがまたひじょーにあぶない。イノセントなアメリカ市民にありえない突撃取材を敢行するそのゲリラスタイルがかなりあぶない。バロンさんがユダヤ系であることを"とても活かした"人種差別ネタが限りなくあぶない。
コメディアン魂というのはとても美しいと思いましたよ。あぶなすぎて。
なんだかんだ言っても、"善意の仮面"、"正義の仮面"の裏に潜む人々の本音を、この作品は克明に暴いていきます。先進国アメリカの文明というものを、とても重要な視点から考察させてくれます。
っちゅーか、最後についに "NOT!" が使えてよかったと思いました。いやー、わろた。
とにかく、いいのかな、こんな映画作っちゃって。
みなさんも是非ご覧ください。

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2008年09月24日

映画鑑賞感想文『あるスキャンダルの覚え書き』

さるおです。
『NOTES ON A SCANDAL/あるスキャンダルの覚え書き』を観たよ。
監督は2001年に『アイリス』を撮ったリチャード・エアー(Richard Eyre)。原作はゾーイ・ヘラー(Zoe Heller)。
出演は、その『アイリス』で主演を務めたジュディ・デンチ(Judi Dench)ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)ビル・ナイ(Bill Nighy)、そしてちょっと刺激的なスクリーンデビューとなったアンドリュー・シンプソン(Andrew Simpson)。

すごいっすね。この作品はすごいっす。

ベンチにただ座る、後ろ姿のジュディ・デンチ。これでもうやられてしまいました。この女優さんはすごい。この人はすごい人だ。
ま、"さみしいくせに頑固なばぁさん"を演らせたらもう、なんともたまらん演技を見せる人ですが、いやぁー、つくづく、この人はすごい。
しかも今回は、"さみしいくせに頑固なばぁさん"の中に、"恋する乙女"、しかも"屈折した"異常性が存在している。
ついに脱いじゃったし(笑)。ケイトが脱いでもどーってことないですが、いや、ジュディのあの場面は感動しました。

バーバラ・コヴェットが友情と呼んだモノ。それはとてもとても女らしい、計算と独占欲と執着と渇望で、地獄と呼ぶにふさわしい愛憎なわけで、ストーカーばぁさんなんだけれど、あまりにかわいそうだ。そこに重なって描かれるシーバ・ハートの孤独と欠落と無防備さ。バーバラとシーバ、どっちが何を間違えたのか、どっちもどこで間違えたのか、ふたりの人生はとても残酷にとても醜く崩れていきます。
ひゃぁー、苦しいっす。名作っす。

物語的にね、唯一の救いはリチャード・ハート。シーバは、とにかく形だけは、なんとか元の形態におさまるわけで。
バーバラのほうも、この苦行を繰り返して生きていく。
映画の終盤になったらなぜか忘れ去られてしまった(笑)スティーヴン・コナリー少年が、じつはいちばん悲惨なことになっとるわけですが、ま、大女優2人の迫力に押されて「まぁいいや」ということになってしまいました。

誰でも抱えている、でも個人的な、リアルな地獄。そーゆーモノを描いた作品は好きです。苦しくて痛いから。
終盤はなんだかね、音楽とかシーンの切り替わりとかが『めぐりあう時間たち』にそっくりでしたが、とにかく大傑作っすよ。

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2008年08月28日

映画鑑賞感想文『デッド・サイレンス』

さるおです。
『DEAD SILENCE/デッド・サイレンス』を観たよ。
監督はジェームズ・ワン(James Wan)、脚本はリー・ワネル(Leigh Whannell)。その他もうみなさんSAWファミリーっす。
出演は主役ジェイミー役にライアン・クワンテン(Ryan Kwanten)、今度は悪徳でもなさそうなリプトン刑事役にドニー・ウォールバーグ(Donnie Wahlberg)、問題のアーシェン夫妻はアンバー・ヴァレッタ(Amber Valletta)とボブ・ガントン(Bob Gunton)。

http://www.deadsilencemovie.net/

笑っている場合ではない、世にも恐ろしい腹話術人形の呪いで周囲の人たちが次々とすっさまじー死に方をしていくわけで、声が命のメアリー・ショウのばぁさんが、私を黙らせたおまえらを黙らせてやるぜと、もう、ほんとに、おっかないことになっておるのでございますが、そもそもあの子の名前はビリーだし、暗がりに倒れたドニーの前で明かりに照らされて落ちているのがテレコと同サイズのひげそりだし、クライマックスに向かって加速するラストにおっかない曲流れるし、何から何までSAWすぎて笑ってしまいました。もしもこの上ビリーちゃんがケタケタ笑ったら、どうしよう、一緒んなって笑い声出ちゃう、とか。
いやぁー、こわかった。

残念なのはラストの"どんでん返し"ですね。どんでん返らなかったっす。そりゃその終わり方しかねーよなぁ。
でもいいんだ。突拍子もないことを期待する観方が間違ってるんだから。
単発で、クラシックなホラーの王道を行こうという意気込みを感じる作品。すごくよくできた上質のホラーっす。色の使い方はもちろん、トーンとか撮り方とかも、ワンちゃんのこだわりがうかがえました。

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2008年08月19日

映画鑑賞感想文『ナンバー23』

さるおです。
『THE NUMBER 23/ナンバー23』を観たよ。
監督は『PHONE BOOTH/フォーン・ブース』『VERONICA GUERIN/ヴェロニカ・ゲリン』のジョエル・シューマカー(Joel Schumacher)。脚本はファーンリー・フィリップス(Fernley Phillip)さんという人。
出演はジム・キャリー(Jim Carrey)さんです。

ジム・キャリーがいつ変な顔するんだろうと、わくわくしながら待っていましたが、えっと、そーゆー映画じゃなかったようで、変な顔しなかったっす。(とんでもない勘違い)
でもね、こーゆー役どころのジムは大好きっすよ。

なんちゅーか、物語はですね、今回のジムの役名の"スパロウ"さんを後に演じることになったジョニー・デップさんがかつて主演した、あの作品にそっくりっす(泣)。涙出ましたね。おんなじ話をね、2度も金払って観るというのはもう、なんかしらんけど屈辱的なわけですよ、レンタルですが(笑)。
ですが、今回について"損した感"があるのではなく、ジョニー・デップさんのやつで損したわけで、『23』はおもしろかったです。
よくできた窓というか、同じ話のよくできてるほうというか、ほんと、そんな感じ。

ちなみに、生年月日は27、本名も27ということで、さるおは27に支配されていることがわかりましたよ。
で、なんとかこの27をドラマチックにすべく、いろいろ無駄なことを考えてみましたよ。
27はスミス数で素因子の数字の和がもとの数の数字の和と同じだとか、27は完全トーティエント数だとか、ブライアン・ジョーンズにしろジミ・ヘンドリックスにしろジャニス・ジョプリンにしろカート・コバンにしろとにかく"天才"といったら享年27歳だとか、月の公転周期だとか、新約聖書は27の書物からできているんだとか、ルービックキューブは27個の立方体でできてるなとか、ほんといろいろ考えた結果、27と書いてフナだなと思いました。(感動なし)

ところで、完全トーティエント数はけいさんしきがむずかしいのでほっとくとして、スミス数というのはあれです、素因子の数字の和がもとの数の数字の和と同じってやつ。27の場合は、27を素因数分解したら3の3乗っすよね、で、3+3+3=9だし、2+7=9だし。"Smith number"のスミスさんの電話番号が4937775で、これもそのスミス数だ、とかゆーやつっす。

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2008年07月24日

映画鑑賞感想文『ホステル2』

さるおです。
『HOSTEL: PART II/ホステル2』を観たよ。
監督はイーライ・ロス(Eli Roth)で、クェンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)プレゼンツ、前回同様のコンビです。
出演は、2003年の悲鳴の祭典『THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE/テキサス・チェーンソー』に出ていたローレン・ジャーマン(Lauren German)、さるおがおそらく"いちばん好き"なTVドラマ『CSI:6』にゲスト出演していたのを見逃しませんでしたよのビジュー・フィリップス(Bijou Phillips)、他にはぜんぜん見かけたことのないヴェラ・ヨルダノーヴァ(Vera Jordanova)、『THE PRINCESS DIARIES/プリティ・プリンセス』のヘザー・マタラッツォ(Heather Matarazzo)、そしてすぐ死ぬのかと思ったらけっこうふんばったヴィクター・クラムというかスターニスラフ・イワネフスキー(Stanislav Ianevski)。

ごうもん大好き!(キケン)
こうもんではないよ!(もっとキケン)
←詳しくはこちらをご覧ください。

例によってまぁどんどん殺されていくわけですが、いやー、とてもよいラストでした。気持ちいいどんでん返し。そうだよ、彼女、お金持ちだって言ってたもんな。
1作目のときはもうストーリーもクソもない、素晴らしい作品でしたが、2作目はきちんと物語になっていて、素晴らしい作品っすね。おもしろかったっすー。

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2008年07月18日

映画鑑賞感想文『トム・ヤム・クン!』

さるおです。
『TOM YUM GOONG/トム・ヤム・クン!』を観たよ。
監督・製作は、あのタイ・ミュージック・ビデオ界の大物にして『マッハ!!!!!!!!』で世界を驚かせたプラッチャー・ピンゲーオ(Prachya Pinkaew)。
出演はもちろん無敵のトニー・ジャー(Tony Jaa)と"タイのビートたけし"ことベットターイ・ウォンカムラオ(Petchtai Wongkamlao)。

物語はまぁ像が象になっただけですが。今回もまたびっくらこけました。トニーかっこよすぎ。
象から授かりしムエタイ秘奥義が、炸裂しましたYO!
刺されちゃったときはどーしよーかと思いました。主人公カームが"弱っている"という状態があってはならない映画だもの。刺し傷など屁でもない感じでよかったっす。
今回の敵さんは、いろんなタイプの格闘技でカームの前に立ちはだかる。レスラーみたいなでっかい人たち、強かったなぁ。舞踏のようにしなやかなカポエイラのおにーさんはすごくかっこよかったし。
あとはほら、ボートでヘリコプターを落とすわけですよ。これはすごい!さるおコーフン!『LIVE FREE OR DIE HARD/ダイ・ハード4.0』を、ついに、"本当に"、やってしまいました。
トニーのアクションについては『マッハ!!!!!!!!』のほうがおもしろかったなー。

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2008年05月23日

映画鑑賞感想文『ハードキャンディ』

さるおです。
『HARD CANDY/ハードキャンディ』を観たよ。
監督はディヴィッド・スレイド(David Slade)。
出演は『THE ALAMO/アラモ』でトラヴィス役のパトリック・ウィルソン(Patrick Wilson)と、可愛くないところが可愛い(笑)エレン・ペイジ(Ellen Page)。

あどけない14歳の女子ヘイリーと、32歳の写真家の男子ジェフが、ネットで知り合って意気投合。実際に会って、ジェフの自宅に行くわけです。
まるで無防備なヘイリー。いい人そうなジェフ。いかにも"何も起きない"感じのふたりですが、ギャルがぶわぁーっと豹変っすよーっ!

えっと、さるお目線では、"赤ずきんが仕掛けるオオカミへのゲーム"っつってもジェフはやっぱりオオカミには見えないわけで、赤ずきんの頭巾がとれたらおまえのほうがわるもんじゃねーかと、しかもおまえ連続犯じゃねーかと、ジェフさんがかわいそうになりました。最後はあれよあれよという間に首つりにまで追い込まれて、ものすごい展開の速さ。
サンドラ・オーに見られたヘイリー、おまえそれ致命的だぞとか思いましたが逆転ならず。
結局、ジェフがオオカミだったのかどうかも、ヘイリーが異常者なのかそれとも赤ずきんの制裁なのかも、なんだかよくわからねぇ。赤ずきんに共感して援交男を憎めばいいのか、優しいフツーの写真家に同情してサイコパスを怖がればいいのか。誰かおしえてください。

とにかく、おちんちんが無事で、本当によかったと思いますね。

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2008年05月14日

映画鑑賞感想文『パンズ・ラビリンス』

さるおです。
『PAN'S LABYRINTH/パンズ・ラビリンス』を観たよ。原題は『EL LABERINTO DEL FAUNO』、スペインが舞台です。
監督は『HELLBOY/ヘルボーイ』のギレルモ・デル・トロ(Guillermo Del Toro)。製作にはアルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)も加わってます。
出演はオフェリア役にイヴァナ・バケーロ(Ivana Baquero)、ビダル将軍は『JANIS ET JOHN/歌え!ジャニス★ジョプリンのように』のセルジ・ロペス(Sergi Lopez)、子守歌が泣かせるメルセデスは『Y TU MAMA TAMBIEN/天国の口、終りの楽園。』でもアルフォンソと組んだマリベル・ヴェルドゥ(Maribel Verdu)。

この作品はすんばらしい!
結果論で言うと、これはいわゆる"天国"のお話っす。嘘や苦痛のない楽園。あの世です、極楽浄土。それが地下にあるという。
1944年、暗黒のスペイン。ときはすでに内戦の後ですが、戦後とは名ばかりです。スペイン最後のファシズムであるフランコ政権の恐怖政治とそれに反発する"山の人"の誇りを賭けたゲリラ闘争は、まさに死闘。"戦後"こそが戦争まっただ中です。オフェリアは父を失い母を失い、なんと敵に囲まれひとりぼっち。すべてを失い絶望しか残っていないオフェリアが旅する空想の楽園は、頭の上ではないんだわ。その魔法の国は、光の届かない闇の中にある。
楽園なのに暗いから、そこのプリンセスは太陽に憧れて地底を逃れるんですね。だけど、地上に出たら眩しくって楽園のことをすべて忘れ、寒さと病と苦痛の中で死んじゃった。プリンセスの生まれ変わりであるオフェリアは、その逆をたどります。故郷に憧れ故郷をめざして試練に立ち向かい、最後には自分が本来属する国に帰る。するとそこは、光にあふれているわけです。つまり死んじゃう、養父となった敵の大尉さんに殺されちゃう。

大切なものすべてを奪って行く過酷な現実からの逃避行。一見そう見えますが、とんでもねぇ、これは現実が生み出した、オフェリアと現実との戦いなんですね。本来なら王の待つ魔法の楽園に無条件で帰郷できそうな王女が、試練を強いられる。オフェリアが対峙しているのは空想の世界ではなくリアリティだからです。自分を守る最後の砦であるはずの愛する母とまだ見ぬ最愛の弟を救うため、オフェリア自身の生きる場所を守るため、彼女は戦いの場を"試練"に求めた。ここは"空想の世界"などではなく、オフェリアのバトルフィールド。だから、恐怖に満ちている。現実を映す鏡です。大切なものを失えば失うほど空想は広がってゆくわけで、オトナたち同様に、彼女は彼女が守るべきもののために戦い続けているんです。
1つ目の試練で、子宮の形の木の中に入って行って病巣(カエル)からオフェリアが探す黄金の鍵、あれは弟さんです。彼女の現実がすべてを生み出している。
2つ目の試練では、妖精が嘘をついて裏切り、オフェリアは魔法の葡萄の誘惑に負け、事故だったと言い訳をしてしまう。そしてママさんに「魔法なんてない。現実というのはこーゆーもんなんだ」と否定されてしまう。現実が生んだその世界を、現実に否定されてしまう。かわいそうだ。
それまで現実のために戦っていたオフェリアの敗北が決まったとき、彼女は里帰りの資格を失くします。救おうとしたひとひらの輝く1片の現実(ママさん)に否定され、うやうやしく振る舞ってくれたパンにも厳しい態度で別れを告げられる。お先真っ暗。
そしてそこからは別のゴールに向かって、運命は再び回り始めます。だから再びパンはオフェリアの前に現れるわけですね。パンはオフェリアに対し絶対服従を強います。悪をも内包する中立者パンが見せるのは現実そのもの。つまり、ファシズムです。
ファシズムに敗北する1歩手前で、オフェリアはついにそれを跳ね返す。オトナたちがビダル大尉を追い詰め一矢報いたように、オフェリアもまた恐怖政治に勝つわけです。
その戦いが終わったときに疲れ果てたオフェリアが本当に辿り着く"楽園"は、今度こそ光に満ちあふれた"天国"。すんばらしい!
こんなにも楽しくこんなにも悲惨で、絶望と希望が混ざり合い、抑圧と自由が混ざり合い、冒険が生と死を結ぶ、これほど美しく恐怖に満ちたファンタジーは、つくづくすんばらしい。すべてが、山であり森であり大地であり、あの木と同じ形をしたパン(牧神)の角のように、円の中に、渦の中に、生と死を司る子宮の中に、すっぽりとおさまって続いて行く。
絶望と戦い、絶望が勝利する物語。救いなどない。
絶望に負けてしまっても(守りたかったものを守れなかったけれど)、せめて故郷に帰ろうとしたオフェリア。お姫さまに憧れていた少女は、自身のリアリティのために戦い抜いて、絶望の淵から最後にもう1度だけ立ち上がる。
その"オフェリアにとっての"ハッピーエンディングだというところも好き。救いのないハッピーエンディングは、オフェリアにとって本当に最後の、本当に自分の、永遠の楽園。

http://www.panslabyrinth.com/

おすすめっすよ。
ファンタジー映画にしてはトラウマ必至の残酷描写も山盛りですが(爆)。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:18| Comment(0) | TrackBack(10) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月23日

映画鑑賞感想文『バベル』

さるおです。
『BABEL/バベル』を観たよ。
監督は『21g/21グラム』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ((Alejandro Gonzalez Inarritu))。
出演は、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、なんだかとっても"女優すぎて"怖いくらいのケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)、すっかりゲバラなガエル・ガルシア・ベルナル(Gael Garcia Bernal)、役所広司、菊地凛子。

バベルの塔は旧約聖書に出てきます。古代メソポタミアの"神の門"バビロンに、「人間てすげー。神様くらいすげー。天まで届くかっこいい塔を造ろうぜ」とかなんとか言いながらかっこわるい塔をせっせと造っている人間を見た神様が、「おまえら生意気言いやがって、意志の疎通をできなくしてやるー」と、人間に違う言葉を話させるようにした、という話ですね。

えっと、『21g』と同じ話だと思いました(爆)。
登場人物がポールとクリスティーナとジャックから、モロッコ人、アメリカ人、メキシコ人、聾唖者、になっただけ。
この監督さんはじっくりと絶望を描いてさるお好みなんですが、えっと、あまりにも『21g』そっくりっすねぇ(汗)。

さるおが気になったのは、ブラピさん演じるアメリカ人がモロッコ人ガイドにお礼のお金を渡そうとするシーンです。アメリカ人がお礼をしようとしたことに感動してはいけないし、モロッコ人が受け取らなかったことに感銘を受けている場合でもない。
群衆に囲まれている状況で金を出す、タイミングの悪いアメリカ人のバカバカしさや、もし受け取ってたらモロッコ人ガイドがその後どーなるか、そーゆーことが大事っす。
あとね、ほとんど意味のない日本のシーンはなぜ必要だったのか、それがわかりません。もしも日本のシーンが大事だとすれば、それは映画が終わった時点から先の役所広司演じるヤスジローの行動であって、そここそを描いてくれないとなぁ。それともあれかな、「ハッサンだいじょぶかなー」と言ってみるだけ、それが日本人だということかな。

いやぁー、とにかく、アブドゥラさんの一家は大変なことになってしまいました。
無差別にてっぽうを撃ちまくるケーサツに追われる前の、のぞき見がどうこうっちゅー家庭内のゴタゴタ、あれもどーゆーつもりで描いたのかよくわかんなかったですが、この一家の物語を映画にするだけで充分に見応えあるおもしろい作品になったんじゃないか。

何も無理矢理"1丁のライフル"でつながなくてもなぁ。

ということで、えっと、すごいなと思ったのはオープニングのシーン。この作品で初登場のサイード・タルカーニ(Said Tarchani)君(アフメッド役)、あのシーンでスクリーンデビューはたいしたもんす。おまえすげーぞ。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画の感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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