2010年06月11日

映画『SAW VI』解読12 Remember... Don't trust the one who saves you... (2)

さるおです。
超ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

解読11の続きです。
ホフマンが自分を葬り去ろうとしている。こーなったら刺しちがえてやるぞ。
アマンダは、コーベットちゃんを破壊力抜群のギャランティー付き最終兵器にした。あるいは、ケーサツに保護されるコーベットちゃんの証言は起爆装置だということかもしれません。
それはわかった。納得できます。
けれど、とんでもなく大きな疑問が残っているんですね。
1) 残りの手紙はどこへ消えたか
2) こんな部屋で、空気が無くなるわけないじゃん


1)については、あの紙の束の内容を考えなければならないので結論は後にしますが、ざっと書いておきます。
ホフマンが書いた脅迫状のコピーを、パメラが持っていました。
It was at the location where john died.(ジョンが死んだ場所にあった)とジルに言っているんですね。ギデオンビルのあの"Sick Room"(病室)かその付近にあった、ということです。一連のできごとのあとすぐにケーサツがビルに踏み込んでいるので、まさかパメラが自分で見つけた、なんてことはあり得ない。誰かがパメラにコピーを渡したはずです。
ホフマンではない。"あの脅迫によりアマンダが反撃に出るというリスク"の本質(予想もしない人物(コーベット)へ「ホフマンはワルモノ」という情報が伝わる)を熟考した上でなおアマンダを葬る方を優先させたのかどうか、それすらアヤシイ人ですから、さらにコピーが出回れば最終的に困るのは誰かなんてことは考えてもいないだろうと思うわけです。そーゆーキャラクターがホフマンだろうと。
ということで、パメラに渡したのはケーサツ内部の別の協力者っすよね。
でもね、そもそも手紙はあれだけじゃなかった。脅迫状はホフマンが付け足したものであって、他に書類の束があったのです。
アマンダは封筒を開け、ちゃんと全部を読んだでしょーか。そして封筒に戻した?それとも、そのへんにぶん投げちゃった?いずれにしても、ケーサツが踏み込んだとき、封筒の中身すべてが残されていただろうと思う。だったら、どこに消えたのか。
あるいは、ストラームをいったん閉じこめ、眠らせてから頭に水槽をかぶせ、コーベットちゃんを救出してビルを出る、その間のどこかでホフマンが回収したんでしょーか。あのビルを生きて出たのは、ホフマンとコーベットとストラームだけだもんなぁ。回収したなら、自分の脅迫状だけ忘れてくるなんて、そりゃいくらなんでもおバカすぎる。
となるとやはり、ケーサツ内部の別の協力者さんだと思うんすよね。
そーいえば、ホフマンは"I know who you are."というメモを2度もらっていました。この2通は筆跡が違います。ストーリーから察すると、1通目の差し出し人はジョンだと思われますが、2通目はこの協力者さんではないかという気もする。最終章『SAW VII』ではこの人がクローズアップされてほしいと、とても思います。

さて、2)です。
アマンダは鍵穴からコーベットちゃんに話しかけました。扉は木製。密閉空間だという感じはしません。
コーベットちゃんと扉との距離は、けっこうありそうですよ。ここの空気が無くなるなんて、そんな狭い部屋じゃないだろ。コーベットちゃんもぜんぜん慌ててないし。
オカシイっすね。どーゆー意味かな。
I am the person responsible for the loss of your child. I am the only person who knows, where your daughter is. She only has a limited supply of air, and if you want to get her back, you'll have to play a game.(私はおまえの子供の行方に責任がある人間だ。私は、おまえの娘の居場所を知っている唯一の人間だ。彼女への空気の供給は限られていて、彼女を取り戻したければ、おまえはゲームをしなければならない)
これは本当でしょうか。

いや、もちろん本当かもしれません。あのでかそうな部屋に水が溜まってもいいし、何かのガスが充満して徐々に空気と入れ替わってしまってもいい。けど、"a limited supply of air"(空気の供給量に限りがある)という表現はなにかこう、しっくりこない。
ジョンは必ずしも正直ではありません。
ではどこかに嘘があるのか。
I am the person responsible for the loss of your child.(私はおまえの子供の行方に責任がある人間だ)
your child(ジェフの子供)って誰でしょう。the loss(喪失)と言うからにはディラン君のことでしょうか。でも、ディラン君の交通事故死の責任はジョンにはないだろう。だとすると、the lossは"家族の元からいなくなったこと"という意味っすよね。やはりこれはコーベットちゃんを指す言葉に思えます。
I am the only person who knows, where your daughter is.(私は、おまえの娘の居場所を知っている唯一の人間だ)
これは嘘だ。だって、アマンダもホフマンも、コーベットちゃんの居場所を知ってんじゃん。
ただし、アマンダはこの時点で死んでいるし、ホフマンはまだこの部屋にいません。だから、"ここでは"という意味であれば、嘘とも言えない。

ここから先がけっこうすごいことです。
やはり、アマンダもホフマンも知らない、別のyour daughterなんじゃないのか、ということ。
うーん、やはりひっかかるのは"a limited supply of air"(空気の供給量に限りがある)なのです。もちろん、リンのお腹の丸さが目立つシーンの数々や、リンのお腹に手を当てるジェフの仕草も、とてもひっかかる
もしそうなら、リンは当然、自分が妊婦であることを知ってたはずです。そーなれば、たとえばデボラも知っていたかもしれない。デボラさんというのは、3作目と4作目に出てきたキム・ロバーツ(Kim Roberts)演じるナースさんです。デボラの勤め先はAngel of Mercy hospitalです。ゴードンせんせの勤め先であり、リン・デンロンの勤め先であり、もちろんゼップとカーラの勤め先もここ。そして、セシルの押したドアがばーんとなってジルが担ぎ込まれた病院もここで、ジルの流産を見ていたのはデボラさんです。うーん、7作目ではデボラさんにも活躍していただきたい。デボラとジョンには、つながっていてほしいっす。
そしてさらに気になるのは、怯えもせず泣きもせず、落ち着き払って監禁されてたコーベットちゃん。あなたの命はキケンにさらされてなどいないんじゃないか。ホフマンに抱っこされてビルから出てきた彼女は、"ホフマンに向かって"、パパはどこだ、ママはどこだと、聞いているんすよね。もしかしたらあなたは、ディランの死後崩壊した家庭を、ディランの死後変わってしまったパパママを、救おうとしたんじゃないのか。ジョン・クレイマー考案のリハビリ法で。
そーゆーことです。
ジョンが死にアマンダも死に、ジョンの描いた物語の前編が終わったあの時、We were all supposed to die. You were supposed to be the hero.だった『SAW III』終了時、結局なんだかんだで生きてるのはコーベットちゃんだなぁと思ったもんです。
じっくりと、辻褄の合うストーリー展開ができれば、おもしろい『SAW VII』大予想が書けるかも。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 22:43| Comment(2) | TrackBack(0) | さるお発『SAW VI』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月06日

映画『SAW VI』解読11 Remember... Don't trust the one who saves you... (1)

さるおです。
1作目から2作目につながる最重要セリフは、アマンダの"He helped me."でした。他のあらゆる伏線とはケタ違いの重要さでした。それに匹敵するかもしれない、そんくらいのシーンが、6作目DVDディレクターズカットにはあります。
そのシーンから想像できること、そしてあらためて現実味を帯びてきたかもしれないと感じるいろいろな可能性について書こうと思います。えっと、最後には(次のエントリーになると思います)けっこうすごいことを書きますよ。
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6作目のDVD(ディレクターズカット版)をお持ちの方はエンドロール後をご覧ください。
あるいはこちらを。

Remember...
Remember...
Remember...
Don't trust the one who saves you...
Don't trust the one who saves you...
(あなたを救う人を、信じちゃだめ)
アマンダが泣きながら、コーベットにそう告げています。
これは時間軸で言うと『SAW III』中のできごとっすね。このシーンの少し後に、アマンダはこの世を去る。なんだか遺言のようで、アマンダ姐さんが好きなさるおとしては、その胸中を勝手に察して涙を流しております。

アマンダの言う"あなたを救う人"というのは、ホフマンです。コーベットちゃんは自分を拉致った人物の名前がホフマンだということを知らないはずだし、後でたすけに来る人とやらが名乗るとは限らない。だから、アマンダがここで余計なことを言わず、"あなたを救う人"とだけ言ったのは賢いっすよね。コーベットちゃんは、保護される時点でホフマンの名前を知らなくてよい。アマンダは、ちゃんと考えてからしゃべっているわけです。
で、まぁ、意味合いとしては、「ホフマンは、ワルモノ」だということを話したことになる。つまり、アマンダがホフマンをやっつけようとしているわけですから、これは例の手紙を読んだ後だろうと考えられるわけです。
Amanda,
You were with Cecil the night Jill lost Gideon. You killed their child. You know it, and I know it, so do exactly as I say.
Kill Lynn Denlon, or I will tell John what you did.
(リン・デンロンを殺せ。さもなければ、ギデオンを殺したのはおまえだとジョンにばらすぞ)
ホフマンはこの脅迫状によって、アマンダを追い込みました。ジョンの命はもう先がない。けれど、ジョンにすべてを捧げ心底傾倒しているアマンダは、このことをジョンに知られるのを嫌がるだろうと、ホフマンなりに読んでいた。で、アマンダがリンを殺せば、アマンダもおしまい。つまり、3作目のほぼ終了時に、ジョンとアマンダを同時に葬る手筈をととのえたわけです。んで、自分は安泰だね、と。

アマンダはこの脅迫状を読んで覚悟を決めた。ジョンから読めと言われた"アマンダ宛て"の封筒の中にホフマンがしのばせた1枚のルーズリーフで絶体絶命になった。でも、このままでは終わらせません。ホフマンと刺し違えてやろう。
So when's your test, Detective?
(刑事さん、あんたのテストはいつ?)
I don't need one.
(オレにテストは必要ない)
そうはいくかよ。そーゆーことですね。

ジョンのファミリーの中には、"アマンダvs.ホフマン"という構図がたしかにありました。だからですね、これは渾身の、蜂の一刺しだろうと思うわけです。毒蜂アマンダが、ホフマンにとどめを刺したシーンだろうと。
ということは、"リンとジェフの娘をホフマンが拉致って、どこに閉じこめているか、ドアを開けられるのはホフマンで、後でその娘をホフマンが素知らぬ顔で救出することになっている"ということを、どこかの時点でアマンダは知ったことになる。一方で、それをアマンダに知られた、ということをホフマンは知らない。そーゆー状況なはずっすよね。
リンとジェフが夫婦であることは、ホフマンが知っていてアマンダは知らなかった。その逆に、ホフマンがコーベットを拉致ってギデオンビル内のある部屋に閉じこめ、後で素知らぬ顔で救出することになっている、ということをアマンダは知っていて、アマンダに知られているということをホフマンは知らなかった。
ジョンは、アマンダとホフマン、それぞれに、相手を仕留められる強力なカードを配っていたわけです。

コーベットちゃんへの告げ口は、ちゃんと結果を出したと思います。
5作目でホフマンを追ったのはストラームひとりでした。5作目でストラームを犯人だと思い込んでいたエリクソンと、特に復活したペレズは、6作目になるといきなり夢中でホフマンを囲い込んでいる。まだセス用テープが見つかってなくて、エディ(6作目冒頭の腹のぜい肉切り男)とセスの皮膚を切り取った刃物はギザギザした刃で、手術用メスではないということだけしかわかっていない時から、思いっきり露骨にホフマンに迫っていますよ。
ストラームが言った「ペレズの最期の言葉はホフマン」というのが本当かどうかはわかりません。ペレズひとりだけはなぜか最初からホフマンが犯人という確信を持てたのか、あるいはストラームがものすごい勘を発揮してペレズをダシに使ったのか。いずれにしても、ホフマンだと思った、というのは何の証拠にもならない。
ということは、エリクソンとペレズが、6作目でがらりと捜査の方向性を変えた理由は、コーベットちゃんっすよね。ケーサツに保護されて、何があったか話してごらんと言われて、彼女はアマンダのオファーを選択した。自分を救ったおじさんと、拉致ったおじさんは、同じ人だと思う。そー証言したんじゃないかと思うわけです。
ストラーム、ペレズ、エリクソン、ジョンもジルも、アマンダも、コーベットちゃんも、みんなで外堀は埋めましたよ。ペレズの"本当の"最期の言葉、ホフマンに、Who else knows about me? Who else fucking knows about me?!(オレが犯人だと誰が知ってる?ほかに誰が知ってる?)と聞かれたときの、Everyone!(みんなよ!)は本当だったかもしれません。このEveryone!をふまえて3作目を観てみると、あのリグが"犯人"と言いながらホフマンを指差す名シーンなんていうのはもう、すごいなと、感動すらするわけです。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 21:04| Comment(4) | TrackBack(0) | さるお発『SAW VI』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月22日

映画『SAW VI』解読10 レッツトライ、読唇術

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

『SAW VII』の予想のためにチームジグソウのメンバーかもしれない人物を洗い出す前にやってみたことがあるので、書いておこーっと。
これは"解読4"の続きですよ。

ジルが聖ユースタス病院の一室に黄色い包みを届けるシーンを観たときの疑問は、この部屋の主は誰だろう、ということです。さるおが思ったのは、ペレズか、ローレンスか、タップか、アダムか、この中の誰かだよね、ということ。で、ペレズではない、という結論に至ったのでした。
さて、ローレンスか、タップか、アダムか。
『SAW VII』にはゴードンせんせが出てきます。ゲームで"生き残った人々"のうちのひとりかもしれないし、ゲームを"仕掛ける側"に関わる、より重要な人物かもしれない。
よーし、こーなったら問題のシーンを解明してやるー。

飽きずにコマ送りにしたりして(暇すぎ)、ズームしたりもして(ほんと暇)、よくよく黄色い包みを眺める。
すると、!!!
何か書いてあるぅーっ!
あるじゃないか、宛て名が・・・しかし、うーん、読めません。
黒いサインペンで書いてあります。2行です。半分くらいが、ジルの腕で隠れています。
ジョンが遺した木箱から、ジルがこの包みを取り出したとき、宛て名は無かったようです(ドアポストに入れるときもなぜか宛て名が無いんですが)。さらに、ジョンがあらかじめ書いたならば宛て名はすべて大文字のはず。ところが今回のは、大文字と小文字の両方を使っていて、字が小さい。これはジルが書いた、ということのようっすね。
この文字列がゴードンせんせの名前ならば、こう書いてあるはずです。
Dr. Lawrence Gordon
タップなら、こう。
David Tapp
アダムならこうなる。
Adam Faulkner-Stanheight
うーん、画像がはっきりしませんが、1行目の見える部分(行末)は、"Gordon"に見えます。俄然、コーフンしてきましたよ。
つまり、最初の文字は背が高い。その後、小さな文字が2つくらいあって、また背の高い文字、そしてまた小さい文字が2つくらい、というふうに見えるわけです。
この3人の中ではタップが除外され、アダムの"Faulkner"の部分は該当するかもしれません。

この3人以外ならどうか。
生きてさえいてくれれば、"Gordon"にとても近いのは"Denlon"(リン・デンロン)ですが、死んでしまったのでしかたない。
あるいは、アリソン・ゴードン(Alison Gordon)、ダイアナちゃんも、と思いますが、病院にいるはずがない。
となると、怪しい人物では、ヘフナー(Dr. Heffner)かな。
より怪しさ爆発のラマンナ(Lamanna)はこの部屋の住人ではありません。
パメラ(Pamela Jenkins)もいけそうですが、時系列では不都合です。
マリック(Mallick)もいけるけれど、生きてるのかな。
生きてるのかな、といえば、エリクソン(Dan Erickson)も字面ではあり得るし、エリクソン(エリックの息子)といえば、ダニエル(Daniel Matthews)でもいいじゃないか。いや、"Matthews"は"Gordon"より長いか。
もしファミリーネームじゃなくてファーストネームでいいんならコーベット(Corbett)ちゃんでもいい。もう家族はいないから、ひとりで保護されてるはずだし。

ここまで考えて絞り込めたのは、結局、ゴードンせんせ、ヘフナー、マリック、エリクソン、ダニエル、コーベットちゃんの6名までです。というか、断トツでせんせなわけですが。
困ったな、まるで解明できてませんよ。
ええい、こーなったら読唇してやるー。(やったことありませんが)

ジルが廊下を歩いてきて、掃除してる人に何か話しかけます。もうこれしかねぇ。
でも、掃除機の音で会話は聞き取れません。もちろん字幕なんかありません。さて、ジルは何と言っているのか。
Excuse me, where is Dr. Gordons office?
(掃除人が何か答えて)
Thank you.
!!!
そんな感じ!
Excuse meとThank youはあってると思うので、問題はその間です。オー(ゴードンのゴー)と言っている感じがしますよ。その部位に、"f"だとか、"m"だとか、"b"だとかは無いんじゃないかな。エリクソンやダニエルでもなく、"オー"なんじゃないか。
オフィスの部分はかなりあやしい読唇ですが。

ついに出ました、読唇術。
このような秘技を繰り出すなんて、わたくしはビョーキです、たぶん。
取り憑かれている人がいるよ。ぐらいの感じでスルーしてくださいね、こわかったら。

とりあえず、あの部屋の主はゴードンせんせだという仮定で、今後の解読と予想を続けて参る所存でございます。ま、せんせではなくて、アリソン・ゴードンだという可能性もありますが。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 19:09| Comment(2) | TrackBack(0) | さるお発『SAW VI』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月21日

映画『SAW VI』解読9 106.5のラジオを追ってみる

さるおです。
アマンダが隣にセシルを乗せて、Homeward Bound Clinicに向かっている。ラジオを聴きながら。ごっきげーん。
さて、どんなラジオ聴いてるんでしょーかね。

えっと、ラジオって言ったら、何ヘルツ(Hz)ってゆー単位の、周波数というやつ。電波の、波の細かさですね。長波、中波、短波、超短波とかがある。
長波といったら30〜300kHzのことで、ラジオ放送で使われているのは150〜300kHzあたりかな。ロシアとか欧州とか、北緯60度より北で使っいる電波です。アメリカや日本では使ってない。
中波は300〜3000kHz。ラジオだと、アメリカ以外が531〜1602kHzを9kHz間隔で、アメリカでは535〜1705kHzを10kHz間隔で使っているようです。いわゆるAMラジオっすね。
短波が3〜30MHz(3000〜3万kHz)で短波放送やアマチュア無線に使われる波長です。
超短波が30〜300MHz(3万〜30万kHz)でFMラジオとかVHFテレビとか。60MHzくらいとか、87.5〜108MHzが使われてます。(日本は76〜90MHz)
極超短波になると携帯電話やGPS、あとは電子レンジね。

106.5kHzなんてラジオの周波数は存在しない。
長波の中でも40kHzとか60kHzというのは電波時計で使ってます。106.5kHzあたりって、船の無線航法(電波航法)とかでは使ってんのかな。とにかく、106.5kHzはラジオではない。しかも北緯60度っていったらもう少しで北極圏なわけで、アメリカだとアンカレッジとか、そーゆーとこです。

ということは、106.5MHz(106500kHz)ですね。アマンダとセシルが聴いているのはFMラジオだな。
で、探してみたら、あったっぽい、106.5MHzのラジオ局が。オーストラリアの公共放送"ABC ラジオ・オーストラリア"が流している、アジアとオセアニアをターゲットにした国際放送の中に。
素晴らしいじゃない、オーストラリアへのオマージュ!
と思いましたが・・・ディリ(東チモール)地域の放送みたい(涙)。
東チモールって、東南アジアじゃーん!
アメリカでは聴けませんよね(爆)。そもそも、『SAW』の舞台はどこなのか、それがはっきりしてません。けどまぁ、セリフの感じからすると、アメリカっぽいし。さらに、このディリ地域の放送が始まったのは2004年より後の話らしく、『SAW』の時系列とは重なりません。

次にみつけたのがここ。
http://www.greenwave.fm/
なんだかステキ。バンコクですか。タイランドね。
おぉ、ここは同じ周波数なのですか?
ま、ステキですが、アマンダには不向きかも。またしてもアジアだし。

となると、やっぱこれかなー。
http://mix1065fm.radio.com/
モブタウンことメリーランド州ボルチモアにあるCBSのラジオ局(WWMX)から放送している、"Mix 106-5"です。クリーブランドからも放送してますね。今どきのミュージックを流してる、いちばんでかそうなラジオに辿り着いたのがなぜか最後(笑)。

これも、もともとはオーストラリア産のラジオブランドってことでいいのかな。
オーストラリアン・ラジオ・ネットワーク(ARN)が放送している"Mix いくついくつ"というシリーズの1つ。昔は1107kHzのAMラジオだったのが、1994年にFMラジオになったそうな。

リー・ワネルさんはメルボルンの人です。"Mix 106.5"はシドニーだし。
ジェームズ・ワンさんも、マレーシア人だけど育ったのはパース(ちと遠いですが)。これはもう、オーストラリアも意識しつつ、足して12で、米国でアマンダがふつーに聴いてておかしくない感じ。
アマンダ姐さんが聴いたいたのは"Mix 106-5"っすね。

ということで、ラジオの周波数1つを追っかけるのもおもしろい。
グリーンウェイブさんも気になりますが。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | さるお発『SAW VI』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月20日

映画『SAW VI』解読8 また"4"をみつけましたよ

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

買ってきたDVDをやっと観ましたよ。で、まずは気づいたことを少し書きます。まずは、こちらのエントリーの補足っぽい内容です。
ジョンが"4"という数(とその倍数)にこだわっていた、ということを書きました。で、そこには壮大な意味がありそうだ、ということも書きました。そして、さらに前のこのエントリーに書いたように、4にまつわるいろいろは、もっとたくさんあった。
んでね、6作目もよく観たら、"4"がありましたよー。

はじめのほうです。アマンダが運転するクルマです。隣にはセシルがいる。で、ダッシュボードが妙にクローズアップされたりしてる。ふふーん、ここには数字がいっぱいあるぞ。残念ながら、映っているのはインパネ部分ではありませんが(笑)。
シーンは夜で、車内も暗い。見えるのは緑色に光っているデジタル表示です。時計と、もうひとつはおそらくラジオっぽいのですが。
まず時計。滲んではっきりわかりませんが、12:49かな。
1+2+4+9=16
4の倍数です。
12:29とか、11:49の可能性もあるかもしれない。この場合は4の倍数にはなりません。
となりのラジオ。こちらははっきりと106.5です。
1+0+6+5=12
こちらも4の倍数です。すんばらしい。

次に、ジルの住所です。
 WHAT YOU'RE LOOKING FOR
 545 4TH STREET
 APT #413
 H
このメモを見ながら、パメラがジルを訪ねる。"H"というのは"Hより"だと思うので、ホフマンより、でいいんだろうな。
うーん、この住所はビミョーっすねぇ。4番街(4番通り)はステキだけど、545はかけ算しないかぎり"4"がらみにならない。ギデオンビルの番地(1+1+2+3+5=12)のようにはいきません。
413号室は申し分なく"8"なのに。
そーいやペレズさんが大怪我を負った小学校のOFFICE ROOM 214、あれもすっきりしない数でした。
うーん。

あと、聖ユースタス病院。
ジョンの会社の社名(The Urban Renewal Group)が20文字だということについて、こりゃさすがに深読みしすぎかな、と思ってましたが、SAINT EUSTACE HOSPITAL、同じく20文字。
聖なるユースタスさんは、2世紀の殉教者ですね。エウスタキウス(Eustachius)さんとか、エウスタティウ(Eustathius)さんとか呼ばれます。元々はプラキドゥス(Placidus)さんという名前のローマ軍の将軍だったけれど、牡鹿の角の間にイエスがいるのが見えてしまってキリスト教にどっぷり浸かり、幸運という意味のエウスタキウスに名前を変えた。そしたら、その信仰がホンモノかどうか、テストをされちゃったというんすね。財産を失い、従僕たちは病死、奥さんは連れ去られ、2人の息子もライオンと狼にもってかれた。悲しかったけれど、信仰を捨てずにふんばったら、財産や家族が戻ってきました。その後、異教はだめだ!と大きな声で言っていたら捕まって、家族もろとも青銅でできた雄牛の像の中に閉じこめられてローストされてしまうわけです。
あるきっかけで、信仰(SAWの場合は"大切に生きましょう"ということ)に目覚める。そして試練(SAWの場合は生存本能を試されるゲーム)を乗り越える。んまー、SAW的っすね。

時計とラジオはいい感じっす。
ジルの住所の番地はいまいち。
病院の名前は、"ユースタスさん"自体の意味はともかく、20文字でした。が、ジルのクリニック"Homeward Bound Clinic"はというと、19文字。うーん。
あてはまらないものもありつつ、総じて見れば、やはり"4"という数字(概念)をジョンはとても意識している、という考えに変わりはありません。

最後に、"4"の話ではなくなりますが、ひとつだけ気になる可能性はアマンダのクルマのデジタル時計が、時計じゃないかもな、ということです。いや、時計が表示されてるのが普通だとはわかっていますが、どーせだったら、日付でもいいな、と思う。12月29日とかね。
なぜなら、この日がギデオン坊っちゃんの命日だろうと思うからです。1994年の12月29日ね。

次は、足して12になる"106.5のラジオ"についての軽いけどおもしろい話を、書こうと思います。
そしてその後、ストーリーにもっと踏み込んでみたいっすね。
ホフマンはあのあとどーなるのか。ジルはどーなるのか。パメラや、タラとブレント、そして他の生存者はどう絡んでくるのか。『SAW VII』では何が起きるか。そして、聖ユースタス病院の一室にジルが届けた黄色い包みのこと。
『SAW VII』はけっこう楽しみです。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 22:14| Comment(2) | TrackBack(0) | さるお発『SAW VI』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月05日

映画『SAW VI』解読7 医療費を健康なときに支払って病気になったら払わなくてよい"Far East"とはどこかとか、ノルウェーの医者さんによる遺伝子治療をなぜ受けなかったのかとか

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

ジョン・クレイマーという人物を知る上でとても重要そうな会話が出てきます。ジョンが保険会社のウィリアムをたずねてこう切り出すんですね。
I came to talk to you, Will, because I've found a treatment for my cancer that I think holds a lot of promise, but my requests for coverage have all been turned down. So I was hoping that maybe if I came and explained it to you, that you might be able to get that overturned for me.
見込みのありそうな癌の治療法を見つけたんだけれども、保険の適用範囲外だと審査で拒否された。だから直接話しに来たんだよ、ウィリアム。キミにわかってもらえば、保険が使えるようになるだろうと思って。
This is a doctor in Norway. He's got a thirty to forty percent success rate with gene therapy. He injects what he calls suicide genes into cancerous tumor cells, then any inactive form of a toxic drug is administered and it...
ノルウェーの医者さんで、30〜40%の成功率だと言ってる。 癌細胞に自殺遺伝子を導入して、毒性のない・・・
And a new trial's starting. He's looking for new patients, and he seems to think that I'm the perfect candidate.
新たな臨床試験がはじまるんだ。この医者さんは患者を探してて、私がうってつけだと思ってるんだよ。

懸命に説明してますね。癌細胞を自殺させるタンパク質を発現する遺伝子を、標的度の高いウィルスプロモーターに運搬させるやりかたっすかね。この治療をやってみたいんだというわけです。

ここから、ジョンとウィルの攻防戦がはじまります。
ウィリアムは、主治医(ゴードンせんせ)が薦めているならわかるけど、そーじゃないでしょ、と言う。
ジョンは、ゴードンせんせはただのスペシャリストで、お金を稼いでるだけ、あの人は考えない、と反論。ドアノブに手をかけているのはその人自身であって、他人が決めることじゃない、と言うんですね。
するとウィリアムは、ジョンの年齢でその病状じゃどーせ無理なんだよ、と切り捨てようとする。会社の決まりだから絶対なの、と言う。それでもこの治療をやるって言うなら、保険の適用外だからそのつもりで。勝手にすればいーじゃなーい。
ジョンは怒ります。いったい何が無理なんだ。誰の方程式で無理だって決めるんだ。
Did you know that in the Far East, people pay their doctors when they're healthy. When they're sick, they don't have to pay.
Healthcare decisions should be made by doctors and their patients, not by the government. Oh, now I know they're not made by doctors and their patients or the government. They're made by the fuckin' insurance companies.
極東では、健康なときに医者にお金を払うんだ。で、病気になったら払わなくていい。
ヘルスケアについての決定は、医者と患者によってなされるべきであって、政治判断であってはいけない。けど、こうなってわかったぞ、医者も患者も政府も関係ねぇ。どーせ、くそったれの保険会社が決めるんだ。

ウィリアムにはまだわからない。だから、治療するなら費用は自分持ちになっちゃうよ、なんて言うわけです。
Don't talk to me about money. I have money. This is about principle. You see, Will... this is my life we're talkin' about. You remember?
私にカネの話をするな。カネならある。これは信念についての話なんだよ。ウィル、私の命のことを話してるんだ、おわかり?
わかってまへん。決裂です。You think it's the living that will have ultimate judgement over you, because the dead will have no claim over your soul. But you may be mistaken.(死んだらもうしゃべれないんだから、究極の判断ができるのは生きてる者だけだと思ってるんだろ。そうはいくもんか)こう言い残してジョンはウィルの部屋を出ました。

そう、カネの話をしてるんじゃないんだ。命の話をしてるんだよな。
ウィリアムが話していた"会社のポリシー"と、ジョンが話していたプリンシプル(主義・信念・道義)はとっても違うんすよね。ジョンのプリンシプルを垣間見ることのできる重要な会話です。

マイケル・ムーア(Michael Moore)の『SICKO』観ましたか?
さるおはこの監督さんが大好きです。『ROGER & ME』から始まって、なんだかんだでだいたい全部観てるんじゃないか。『BOWLING FOR COLUMBINE』や『FAHRENHEIT 9/11』は劇場で観ましたよ。
今回ジョンが怒っているのは『SICKO』のテーマです。ムーア先生、急患です。テロより怖い、医療問題。アメリカの医療制度はだめだ、よその国へ行って看てもらおう。ムーア先生はアメリカで治療の受けられないアメリカ人の患者たちを連れて、イギリスやフランスやカナダやキューバにたすけてもらいに行くんですね。一行が訪れる国はどこも、アメリカより断然優れた医療制度を持っている。

"極東では、病気になったらお金を払わなくていい"、ってどの国かな。ジョンが"命の話"の引き合いに出すFar Eastって、どこのことなんでしょーか。
ヨーロッパ・アフリカを真ん中にして世界地図を描きます。で、"とっても東"なのがファーイースト。東アジア、東南アジア、極東ロシア、このあたりっすね。中国も部分的に入ります。ファーイーストというのは"地域"を指す言葉なので、広義か狭義かで少し変わります。
ほんとはね、地図描いてみたら思うんだよな、極東はニュージーランドじゃねーか、と。つまり、オセアニアという地域です。ポリネシアとか、ニューギニアとか、ミクロネシアの島々っすよ。
となるとこれはオーストラリアなんじゃじゃねーか、だってあんた(ワネルさん)、オーストラリア人だろー、なんてことを思う。ところが、ファーイーストにオセアニアは入らないんですね。きっとオセアニアは、"東"じゃなくて"南"なんでしょう。
ならば、マレーシアなんじゃじゃねーか、だってあんた(ワンさん)、マレーシア出身だろー、なんてことも思う。マレーシアは医療レベルが高いらしいし。
シンガポールも医療保険の制度はちゃんとしてます。
インドはどうだろう。ファーイーストとは言えないか。
劇中に登場する新年のお祝いやら十二支やらでファーイーストは中国というのもありえそうですが、お祝いのほうはセシルを追っかけてっただけだしなぁ、中国の医療制度が理想的とも思えない。
んじゃ、日本は?ちゃんとしてるとは言えないけれど、アメリカとの比較ならちゃんとしてます、国民健康保険があるし。でも"病気になったらお金を払わなくていい"なんてことはないし、制度に救われない状態というのはあちこちにある。日本はやっぱり弱者に厳しいわけで。
うーん、どこなんでしょーか。
国を限定することが大事なんじゃありません。わざわざ"Far East"って言うんだから、それでいいんだけどさ。

なんでこんなことを考えているかというと、ジョンの信念を知りたいからです。なぜ4なのか、なぜ12なのか。何を信じ、どんな哲学を持っているのか、そんなことがもっと知りたい。
ジョンは"カネならある"と言っているし、実際、お金持ちだったはず。あんなに乗り気だったノルウェーの医者さんによる遺伝子治療は受けなかったの?理由は?
6作品を観ていて、ジョンがその治療を受けたようには見えないっすよね。末期癌だ、もうたすからない、残された時間でゲームやろう、そんなふうにしか見えません。
末期癌患者はたくさんいるし、これからも出てくる。だから、とても難しいけれど願わくば、"この治療法には保険がきく"という前例を作るのがベストです。ジョンはそこを目指していたからこそウィリアムを説得しようとしたんだと思います。人々の役に立とうとしたんすよね。結局保険は無理だった。けどまだ、治療法の確立そのものに一役買うことはできます。
それにね、30〜40%の成功率なら、やる価値あるじゃない。崖からダイブして自殺未遂する前に、藁にもすがる思いで、自費でやってみたらいい。そしたら、まだ少しは未来があったかもしれない。希望があったかもしれない。いくら怒っていたとはいえ、命の本質を理解しようとしない者たちへのお仕置きはその後だっていいだろー。なのにこの時点でのジョンの選択肢は、ノルウェー行きか、絶望か、で絶望(崖からダイブ)のほうを選んでいる。
そして、"自力で死ねない"とわかったときに、生まれ変わっちゃった。ゲームやるぞと。
もしかしたらこの時点でも、ノルウェー行きか、ゲームか、選択できたかもしれない。となるとジョンは、ノルウェー行きよりも死を選び、ノルウェー行きよりもゲームを重要だと考えたということになります。
命を懸けた選択、それはジョンの揺るぎない信念と情熱そのものだったはず。この選択こそが、ジョンが生きるということの意味にほかならない。哲学者ジョンの究極の選択なわけですよね。
うーん、やっぱりジョンのことがもっと知りたいっすねー。ジョンはフツーと違うから。だって、1)ノルウェー、2)ゲーム、3)最後に自殺、そーゆー順序の選び方のほうがありそうだもん。いずれにしてもジョンは残された時間のすべてを"信念"のために使うことにするわけで、その遺伝子治療で時間が稼げれば、もっとたくさんゲームやりまくるもよし、(このときはまだ出会ってませんが)アマンダを"本当に"救うもよし、少なくとも数々のゲームの終盤戦をホフマンやらジルに任せなくても自分で全部できた、とかね。
だから、この選択をするにあたって、ジョンの中でとんでもなく大きな変化があったはずなんです。考えに考え抜いて、それまで、すべてだと思ってた何かを捨て、戦い始めたわけだから。

ジョンは、ゲーム終了後の世界に何を思い描いていたんでしょーか。
ジョンはジルの逃げ道を確保した(これについては『SAW VII』以降のことなのでまた別に考えますが)。自分はいなくなっても、愛するジルが生きる世界(さらにもしできれば愛弟子アマンダも生きられたかもしれない世界)、それはいったいどのように改善された社会なのか。ジョンは何を成し遂げようとしてたんでしょう。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年11月29日

映画『SAW VI』解読6(とはいえない妄想1) ジョンが目指す"完全性"と"より大きな全体像"

さるおです。
ネタばれ記事を通り越して妄想ですよ。今回は、ジョンの思想に少しでも近づいてみようという挑戦です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

2006年10月21日、ジョンの遺体が解剖されました。
2+0+0+6+1+0+2+1=12
ジョンの脳みそは、4まで量れる天秤で重さを量り、動かない針が指しているのは0.4です。
ギデオンビルの所在地はブレイク通りの11235。
1+1+2+3+5=12
Gideon Kramerは6文字+6文字で12文字。
1994年にすべてが始まり、2006年に終わった。とすれば、12年。ジョンとジルは十二支を知っていた。
FOUR WALLS BUILD A HOME.
ジグソウの"J"を頭文字に持つこのふたり。"John"も、"Jill"も、4文字です。

4とか12って、いったいどんな数なのかな。
内容自体はなんとなーくで読み流してだいじょぶっすよ。

最初の4という文字は、十字の形でした。プラス記号と同じね。普遍性や、"全体"というものを意味する数字です。こちらにもおもしろいことが書いてありますよ。
とても安定した数っぽい。テーブルや椅子の脚は4本だし、大半のほ乳類は4本足。なんだか、4枚の壁で丈夫な家ができそうだよ。
ダーウィンの進化論の適用性を心配していたジョンのことだから、きっと科学が好きなはず。なので、重要かどうかわからないけれども、もう少し付け加えてみます。
人の血液型は4つ、DNA(RNAも)の塩基は4種類、ほ乳類の心臓は4つに仕切られてます。
炭にもなって、ダイヤモンドにもなって、人体の2/3を占める、炭素の共有結合は4本。六方晶もグラファイトも、クラスター(フラーレン)も炭素。そして炭素の同位体を集めて12グラムになる量を1モルと呼んで、これは化学をやるときにとても絶対的な基準になるものです。
あと、四次元が"時間"だということも大事かもしれない。ジョンは"時間"というものを大切に扱っていた、それがあるとき、Time's an illusion.(時間なんて幻想にすぎない)と言って決別したんだもんなぁ。

時計の文字盤の12を1ヶ月だと考えてみると、1日は12°、昔は1日は12時間だった。で、月が12周するのが1年です。
次は時計の文字盤を水平に寝かせてみる。月が1周するのは30日、文字盤を30°きざみに区切ると十二支です。12という数を使って、方角を知り時間を測ってきたわけですね。よく似ているのが十二宮とか十二星座という考え方で、東洋にも西洋にもあります。このへんの話はじつはとても複雑っす。ここに五行という組み合わせが入ってきたり、太陽と月と惑星と星座と、いろいろ読まなくちゃいけない。そのへんの知識はさるおにはございませんが。
あと、12は単位にも使われます。12個で1ダース、12ダースは1グロス、12グロスだと1グレートグロスと言うらしい(ダース以外は使ったことないけど)。それから、平均律は1オクターブが十二音です。あとは、12ペンスが1シリングとか、12インチで1フィートとか。
球のまわりには、同じ大きさの球を、重ならず、接するように最大12個並べることができる。kissing number problemというやつです。
12というのは、1, 2, 3, 4, 6, 12で割り算ができる(約数は6つ)。で、この6つの数(1, 2, 3, 4, 6, 12)を全部足したら28ですね。6の約数(1, 2, 3)は全部足したら6、28の約数(1, 2, 4, 7, 14)は全部足したら28、つまり6と28は完全数です。こーゆー、約数の個数が完全数で、約数の和も完全数、というのはすっごく特別。なにしろ12の次といったら、608655567023837898967037173424316962265783077335188597
0528324860512791691264しか発見されてません。なんかもう、途方もない感じで、す、すごい。

ははーん、なんとなくですが、4のほうはしっかり安定しているっちゅー感じで、12のほうは、人類が一生懸命考えたら12だった、という数のように思えます。

さて、仏教には、因果論というのがおおもとにあって、行いとか思考とかにはそれに見合った結果(果報)がついてくるよという考え方です。もちろん善因善果、悪因悪果っす。
あー、とってもジョン的。
果報というのは、積み重ねて来世にまで持ち越しちゃう。悟りを開かないかぎり、いつまでもこのサイクルが終わらない。でも、真理を正しく理解することによって苦から脱する(悟りを開く)ことができるのだ、というのを説明しているのが"四諦(4つの真理)"で、その方法論が"八正道"っすよね。"八正道"は8つの徳、智慧のことで、欲をすてて、悪いことしないで、心穏やかになりましょう、などなどというのが"無常"という真理を理解する方法だ、と言ってるわけです。
"苦"ってゆーのは何なのかというのも、お釈迦さんが十二縁起(十二因縁)で説明している。ま、お釈迦さん自身は現世指向ですから、前世とか来世とか言ってないわけですが。
とにかく、出ました、4、8、12。

ギリシャ神話は12の神々に12の都市です。
旧約聖書ではヤコブに12人のコドモがいて、新約聖書ではイエスに12人のお弟子さんがいる。
アーサー王には12人の円卓の騎士がいて、12の戦いに勝って、反乱をおこす12人の王子を従わせる。
ヨハネの黙示録では、イスラエルの12の部族にはそれぞれ1万2千人がいて、合計で14万4千人。
3とか7と同じくらいに、12はあきらかな聖数っすね。これらにちなんで12という数は今でもよく使われてます、アメリカとかイギリスだと陪審員は12人とか。EUの旗は星が12個。Majestic 12なんつーのもあるし。

ジョンは、明らかにこだわっていました。
そしてもちろん製作者も、ちゃんとこだわってる。
『SAW』は、カミソリワイヤー、引火性ジェル、ヘッドギア、バスルーム。
『SAW II』の館には、覗き穴(ガス)、炉(オビ)、注射器(アマンダ)、ガラス箱の4つが仕掛けてあった。
『SAW III』のジェフが通ったドア(テスト)は、Face your fears(恐怖と向き合え)、Time to let go(手放す時間だ)、Here's your chance(ここにチャンスがある)で、最後にジョンが待っていた。
『SAW IV』のリグでは、See What I See(私と同じように見ろ)、Feel What I Feel(私と同じように感じろ)、Save as I Save(私のやり方で救え)で、その後にエリック・マシューズがいた。
『SAW V』では、ギロチン、瓶詰め爆弾、バスタブに電流、血を溜めるトラップ、この4つ。
『SAW VI』は息止め、首吊り救出、スチーム迷路、カルーセル。
1作ずつ、主要な登場人物の人数を数えてみてもそれを感じます。

ジョンがこだわっていたのは、聖数としての12ではないと思う。普遍性と全体というものを象徴する4と、十二支の12という数じゃないかな。
ジョンが目指していたのは、完全性、完全体、"すべて足りているという状態"なんですね。4が意味する"wholeness"に向かっていた。
But I assure you that the people being tested are a part of something much larger. They're connected. So in the end, all the pieces will fit together and it'll be clear.
被験者は、はるかに大きい全体の、一部である。彼らはつながっている。最後には、すべての断片がつなぎあわされ、全貌がわかる。
つまりジョンはとても大きな絵を描いている途中だということです。
The jigsaw piece that I cut from my subjects was only ever meant to be a symbol that that subject was missing something. A vital piece of the human puzzle. The survival instinct.
私が被験者から切り取ったジグソーパズル型の断片は、"生存本能"という、人間パズルが失った重大な一片。
But here she stands. She's clean, and whole.
ここにアマンダがいる。彼女は、清らかで、完全体だ。
ジョンはこのときのアマンダを、"生存本能"という重大な最後の一片を持った、完成したパズルだと言ってるんだと思います。欠損がない状態ね。

ははーん、こうなると、アマンダが経験したゲーム(テスト)の数も気になりますよ。ヘッドギア、神経ガスの館、リンを解放できるかどうか、ジョンはもしかしたらあと1つがんばってほしかったかもしれない。

ジョンはダーウィンの進化論を理解していたし、東洋の思想(十二支が1例)も理解していた。そしてジョンの思想はシンボリズムというものと密接に結びついていた。
因果応報というのはほんとにとってもジョン的です(特に1作目においては)。

すべて足りているという状態。それは4という数が意味するものです。
ふと気づいたのは、円もまた、完全を意味するということ。
The Game Comes Full Circle.
もしかしたらジョンは、マンダラ(曼荼羅/曼陀羅)を描いているのかもしれない。マンダラというのは、本質を表し、円を意味します。複数の要素が、ある秩序にしたがって配置されていて、全体が、ある世界観を表わしたもの。
ジョンが造ろうとしていた街は大きな"救済のマンダラ"だったのかもしれないし、ジョンが仕掛けたゲームはそれぞれが、マンダラの一部なんだろうなぁ。

FOUR WALLS BUILD A HOME.
4つの壁って、誰だろう。ジョン、アマンダ、ホフマン、ジル、これで4人。はたしてそうだろうか。
その家の中心にいるのは誰かな。マンダラの中心にいるのは誰かな。ギデオン・クレイマーかもしれない。
タップ(←大希望っす)はどこに描かれているのか。アダムさんやゴードン先生もいるでしょーか。

そうそう、4という数字は、"love"の代わりに使ったりもします。
それからついさっき、"ダーウィンの進化論"のダーウィンさんの名前(Charles Robert Darwin)も20文字だということに気づきましたよ。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年11月21日

映画『SAW VI』解読5 ほらね、やっぱり喉切り4人目

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

とても短いシーンですが、嬉しかったところがありましたよ。よっしゃ、来たぁーっ!と思ってたいへんにコーフン致しました。
じつはこの短いシーンから、話はどんどんでかくなっていきそうなんですが(笑)。
エリクソンさんがホフマンに首を切られるところです。
こちらにも書きましたが、この人の名はDan Erickson。ダンは"エリックの息子"。そのとーし。
この名前が気になって、さるおはエリクソンさんのことを応援しています、もしよかったら、すっごいゲームをプレーしてほしいなと(笑)。とにかく、たーだ死なれちゃさみしいわけですよ。
でも、死んじゃったかな、どーだろう。首筋を切りつけられて、倒れて、もごもごしているうちにガソリンぶっかけられて、火を放たれてしまいました。ホフマンだよとか、放火だよとか、死にそうだとか、誰かに連絡できてればいいけど。(彼の生死は今後に関わってくるので、またあとでよーく考えます)

さるおがよろこんでいるのはその手段です。(←あぶない)
つまり、喉切りなのが嬉しい。(←あぶなすぎ)
タップ、ザヴィエル、ジョン、あともうひとりだと思っていたからなのです。
えっと、"首"というのと、"喉"というのは違いますよね。タップ、ザヴィエル、ジョンは、"喉を掻き切られた"というやつだと思います。でも"首を切られた"というと思い浮かぶのは『SAW V』のギロチンで早々に首ちょんぱしてしまった、消防署の防火検査員で爆弾のエキスパートのアシュリーかなと思う。彼女については、"頚部"を切られるという死に方の4人目なのかどうか、気になっていました。ペレズ姐さんかもしれないぞ、とかね。できれば、切断ではなくて、誰か頚部の太い血管を切られて死んでくんないかなぁ、と願って。(←本格的にあぶない)
そしたらね、それが、ダン・エリクソン!
むっはー。ステキ。まだぜんぜん活躍してないので、死んでほしくはないですが。
とにかくあとひとり、合計で4人、この死に方で死ぬ(または重傷)と思ってました。このシリーズはまだまだ続くので(涙)、5人目6人目がでちゃう可能性もあり、そーゆーことなら8人にしてね、とか思っているところです。

同様に、4家族目も登場。ゴードン家、マシューズ家、レインハート家、それに今作のイーストン家。

さて、なぜ4なのか。
4つの壁が家になる(FOUR WALLS BUILD A HOME)、これを筆頭に、4という数にジョンがこだわっているからです。
どれだけこだわっているかはこちらに書きましたよ。

4という数についてここまで考えてみると、足切りも気になってきます。足というか、"四肢"かな。ローレンスとシモーネ、あと2人が思い切って切断するか、"縦に裂く"のもありならマリックとブリットを入れて4人。
また、"切る"じゃなくて"潰す"なら、今のところエリックとホフマン。ここにセスは入らないよなぁ。
このへんは次作以降を観ないとわからないことなので妄想で終わっちゃうかもしれない。けど、ジョンがほんとにこだわっているのも事実っす。3作目のジェフも4作目のリグもゲーム(テスト)は3つ+1つだったし、5作目の5人のゲームもひとりずつ減って最後にはブリットだけになったんだから4つあった、そして今作のウィリアムも自分がプレーしたのは4つ(息止めゲーム、首吊り救出ゲーム、スチーム迷路、カルーセル)。

そしてもし、4の倍数の12年ということまでジョンが意識していたとするならば・・・。
そう考えるとどんどん話がでかくなるわけで、つまりそれはどーゆーことか、次の記事に書いてみようと思います。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年11月17日

映画『SAW VI』解読4 いったい誰に届けたのか

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

【ジルは誰に届けたのか】

まず感じる違和感は、病院の中の一室なのに、ドアに郵便受けがあるってマンションみたい、という点です。この部屋の住人が、医者なのか患者なのかもわかりません。勤務医のオフィスなら表札があってもよさそうだし、郵便受けは要らないだろう。入院患者にしても同じことで、米国の病院事情はまるで知らないですが、とーっても変。何か特別な事情のある患者さんが"住んで"いて、ドアの外に監視カメラが必要、そんな風に見えます。
『SAW VI』の最後にゲームオーバーと言ったのはジルでした。1から5までの封筒はホフマンに渡したけれど、最後の最後にすべてを終わらせるのはジルの仕事だった。この表現が正しいかどうかわからないけれども、ジルはジグソウ後継者だった、とある意味言えそうです。そして、この"鉄則"のようなものが今も生きているとすれば、"ジグソウは最前列で見ている"、つまりジルはこれまでのゲームの一部始終を知っているかもしれません。となるとね、変じゃん、このシーンでは、ジルは観察される側になってる。ジルは見られる側で、他に見ている人がいそうっす。あの監視カメラは、警備のためのものとはかぎらない。カメラそのものをクローズアップしたり、その映像を見せたり、不自然に強調しすぎな感じがしたんだよね。
では、いったい誰が見ているのか。その人物は、あの部屋の住人でしょうか。

リンジー・ペレズの場合
ベッドに意味不明の血痕まで残して、エリクソンはペレズを秘密裏に退院させました。ジグソウから守るためだったと言っている。ならば匿う場所が必要です、少なくとも元気になるまで。
そもそも彼女が最初に運び込まれた病院はどこなんでしょう。ケーサツ病院?そうかもしれない。病院なら安心だろう、ケーサツ病院ならなおさら安心だ、と思いそうなところです。ところがエリクソンは、そこの医者もおまわりも信用していなかった、そーゆーことになります。ここにいたらあぶない、と思ったわけです。つまり、ごく近くに裏切り者がいる、ケーサツ内部にジグソウの協力者がいる、そう考えていたわけですよね。
ストラームによれば、ペレズの"最期の言葉"は「ホフマン」でした。ホフマンはジグソウの協力者だと、ペレズが気づいていた。エリクソンもペレズからこれを聞いて、彼女を退院させることにしたのかもしれません。
なぜストラームまで騙さなければならなかったのかは疑問です。ペレズの"最期の言葉"の真意は何だったのか。あるいは、わざと残した血痕は、ストラームへのメッセージだったかもしれない。となると、ストラームは相棒が生きていることを知りながら突き進み、命まで落としてしまったわけですが。
とにかく、ペレズは退院して"安心できる"病院施設にこっそり入った。なんとなく、警備のための監視カメラがあっても不思議はないような感じです。
すると、その場所をなぜジルが知っていたのかが謎。エリクソンなりペレズなり、FBIもまたジョンの協力者だったという可能性が出てきます。
劇中では、セス事件のビデオテープが見つかったという話の後に、ジルが小包みを届けた。これは一見、話が前後しているように見えます。でももし逆だったら?ジルが小包みを届けたらビデオテープが見つかった、そんじゃおもしろくも何ともないだろう(笑)。前後を入れ替えてスリリングな感じにする。映画作る側だったら、手法として当然使うだろうと思います。
ただ、ビデオテープが見つかったというときに「誰かが届けに来たのよ」とは言ってないし、監視カメラがある以上"誰か"では済まない。そーなると、ペレズの可能性は低そうっすね。

ローレンス・ゴードンの場合
もうね、ケイリー・エルウェスとギャラのことで揉めてて出演交渉がどうのこうの、これ自体が仕組まれた茶番劇なんだろうと、さるおは思っているわけで、7だか8だか、3部作の3部作(3×3)なら9とか、とにかく最後に、予告なしで出てきて感動させておいしいところを持って行くわけでしょ、とね、うん、ほんと思う(笑)。そのための準備を、SAWチームは怠ってないし(爆)。
もともとローレンスが勤めていた病院は、Angel of Mercy Hospitalという名前です。今度の聖ユースタス病院には、医者としているのか、患者としているのか。
うん、これはこれでどっちもありだとは思います。この点でもSAWチームは準備を怠ってないっすね(爆)。ケイリーに出てもらう手筈は整ってますがなー。
ただ、アリソンとダイアナ、つまり家族と(親戚も)の関係には何らかの折り合いをつけなければなりません、事件前のようにはもうなれないっすから。ジョンの側についたにしろついてないにしろ、彼がたどった経緯は説明されなければなりません。

ここからはすごいことを書きますよ。えーっと、願望です。ただの願望ではありますが、理論的にある程度の整合性はあるはずです。しかも、シーンとして美しい、ステキと思えるオチです。

聖ユースタス病院が、一般的には"気が変になっちゃった"と思われている人が暮らせる施設だとします。
そしてもうひとつ、ジョンが選んでいるのは、家族を持たない協力者(後継者)だということにも着目してみます。

I was guilty. But my life was saved that day I found myself a father. A leader. A teacher.
(私は罪を犯した。けど、あの日、父であり指導者であり教師となる人を見つけたあの日、私は救われたのよ)
アマンダはひとりぼっちのようです。今まで自分が持たなかった関係を見つけた。疑似家族(父娘)のように思えます。
今まで本当の家族の話は出てこないし、家族がいてちゃんとした関係を築いてこられたならこーはなならない。
ホフマンもひとりぼっちです。ジョンが調べた結果、I know she was your only family.(死んだ妹が唯一の家族だった)ことがわかっている。もっと言えばジルだって、ギデオンを失いジョンも死んだ今となってはひとりぼっちっぽい。
絶望や怒り、闇を知る孤独な者たちが、ジョンの元に集まった。ジョン・クレイマーは、命の意味を知る者たちの家。
この家族に入れるっぽい人物が、まだいますよ。
執念に取り憑かれた、あの人
ホフマンが、核心に近づいている(He's smart, and he's getting closer.)と言い、ジョンが"知っていた"、あの人。
1年前に(5作目で)とうとう死んだことになってしまいましたが、ペレズが生きていたなら、タップだって生きているかもしれません。さるおはこの展開を大希望っすー。

タップにはおそらく家族がいません。
Maybe you should find yourself a girlfriend.(カノジョくらいつくんなよ)
シンにこんなこと言われてました。
というか、タップにとっては、シンだけが家族。気の合うシンとずっと組んでやってきて、お互いのことがよくわかっている。Tapp と Sing、歌と踊りは切っても切れない、ふたつでひとつだった。かけがえのない存在だっただろうと思います。家族以上だったかもしれない。

1作目でタップは相棒シンを目の前で失い、自分は喉を切られて生き残りました。
その後、失職してるんですね。
シンの亡霊に取り憑かれ、何が何でも犯人を捕まえるぞと、収入が無いはずなのに高い代金を支払って盗撮カメラマンを雇い、ひとりでふんばっていました。
タップは、気が変になっちゃったという判断でケーサツをクビになったのかもしれず、あるいは、自分から辞めたのかもしれません。自分で辞表を出したんだとすれば、"おまわりでいてもだめ"だと考える何かしらの理由があっただろうと思います。独自の捜査に踏みきらないといかんと思ったか(ケーサツ内部に犯人の協力者がいると感じていたとか)、もしかしたら法の限界を越えた復讐を思い描いたか。

タップはゼップを追いかけ、バスルームへ続く通路を進みます。でも途中でゼップに撃たれちゃうんですね。
こんなの、死んでも死にきれない。
シンを奪われ、身分もなくし、自分にはもう失うものなどありません。自分だって、喉を切られて死にかけた。あのとき死んでいたかもしれない。だから、人生のすべてを賭けて、命をかけて、シンの敵を討つためだけに、なりふりかまわずがんばってたんです。
この状況は、息子を亡くしたジェフとも似ているし、エリックやケリーを救おうと突き進んだリッグにも似ている。
と同時に、ジョン・クレイマーとも酷似しています。絶望のふちで一度は死にかけ、それでも生きて、人生のすべてを賭けた。
無傷のまま怨念を"無気力"で表現したジェフや、警官としての視点しか持たないリッグと、ぜんぜん違うんですよね、タップは。ジョンが越えた一線を、タップもまた越えて社会から逸脱して行ったんです。
タップには、もしかしたら、ジョン・クレイマーを理解することができるかもしれません。あるいはそれは"理解"の対極にある真理で、そこに辿り着くことができるかもしれない。
ジグソウの後継者、あるいは"ジグソウではないジグソウの後継者"に、なれるんじゃないか。

まじめ刑事のタップはゲームのプレーヤーではありません。ふたりが出会うことになったのは"成りゆき"のはず。ところが、殺人を忌み嫌っているはずのジョンは、追い詰められてタップの喉を自らの手でかき切ってしまうんですね。ジョンにとってこれは"大義"のためなんだけれども。
さて、ゼップに撃たれたタップが、バスルームに続く通路に倒れています。
バスルーム内でジョンが起き上がり、アダムさんにご挨拶をして扉を閉め、歩いて行くとタップに会う。
ジョンはタップを置き去りにするか、救うはずです。
いや、救うよね。
3作目でアマンダに、死ぬとわかっててエリック・マシューズを置き去りにしただろうが、それは過ちだ(You left him for dead, didn't you? But I cleaned up your mistakes.)と言ったんだから。
消しかけた命を、今度は救う。救うどころか、「こないだはどうもすみませんでした」ぐらい言わないとまずい(笑)。

たとえば、タップを救うのはアマンダでもいいと思います。
思い出すなー、部屋の向こうにローレンス・ゴードンを座らせ、生還した被害者のアマンダに質問するタップがとても優しかった、あのシーンを。もしかしたらあれは、後々のタップとアマンダの繋がりを示す象徴的な場面だったかもしれません。

というわけで、タップはジョンかアマンダに救われたとします。
そして、聖ユースタス病院で、待っていた。ずっと、ずっと長いこと待っていた。届くのを、今か今かと。
ドアを閉めきり、あのときと同じように、モニタを見つめて待っていた。あのときと同じように、"家"を監視してた。今度は、自分の家を。
これがゲームだったかどうかはまだわかりません。ゲームが成立するかどうか、また考えてみたいと思いますが。
待っていたのはビデオテープ、あるいはゲームの指示書。

さてさて、残る可能性はアダムさんですが、長くなったのでまた今度書きます。
でもとにかく、アダムで始まりアダムで終わる『SAW』もステキっす。
I have a family too, I don't see them that's my mistake!
家族がいるんだ。会ってないけど。
うーん、"ひとり"に近いことは近い。
But what do voyeurs see when they look into the mirror?
今までは撮っていたけど、撮られるのはどんな気分だ?
聖ユースタス病院で、撮る方と撮られる方もやっちゃったりして。
この人も生きてておかしくないですから。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年11月13日

映画『SAW VI』解読3 いったい何を届けたのか

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

【ジルは何を届けたのか】

ジョンはジルに木箱を遺しました。ジルがそこから取り出したモノは、1〜6の番号がふられた6通の封筒、ヘッドギア、そして黄色い分厚い包みです。これで全部かどうかはわかりませんが。
問題のモノ、包みといってもやはり"封筒"なんですが、黄色い封筒はとてもたくさん出てくるので、ここでは"小包み"と書くことにします。みんな、紙袋大好きっ子で困るー(笑)。

小包みの中身です。これも確証はありません。が、ジルがリモコンとビデオテープを手に取るシーンがあったように思う。さるおはDVDが出るまでもう観ないので、ワンチャンスであやふやですけど(爆)。このあたりのご指摘、大歓迎っす。
ま、あの小包みのサイズを考えると、中身はビデオテープと考えるのがいい線だろうと思います。

では何のビデオテープか。
これはもう今までのヒントから考えれば、二つにひとつしかない。
セス・バクスター殺害時のメッセージビデオか、あるいはまったく別のモノか。
『SAW VI』ではしきりに、「セスんときのビデオだけ無いのよー」「見つかったわー」「分析するわよー」ということになっているので、明らかに視聴者は"セス用のビデオ"というところに誘導されてますよね。
ミスリードだった場合のことはまた別に考えることにして、まずはこれを素直に信じてみましょうか。

さて、そもそも、セス・バクスター殺害時のメッセージビデオだけが、なぜ無かったのか。
1. ホフマンが持ち去った。
2. ケーサツより早くジョンが入手した。
3. ケーサツが1度は押収したのに分析前に紛失した。
このうちのどれかです。
ホフマンが持ち去ったのなら、ちゃっちゃと自分で焼却でもしちゃえば安心だったはず。ということは、ケーサツかジョンです。あるいは、ペレズによればテープは保存状態がよくなかったらしいので(The tape was in pretty rough shape when we found it,)、もったいないからどっかに埋めてとっといたか(笑)。
ケーサツより早く誰か(ジョン)に持ち去られたのだとすれば、ホフマンは気が気じゃなかっただろうなぁ。でも、ジョンがセスの事件を報道で知ったなら、これもあり得ません。
ならば、ケーサツは事件現場からビデオテープを証拠品として押収した。分析前に、それを誰かがジョンに届けた、ということもあり得る。となると、ホフマンも知らない協力者がもうひとりケーサツ内部にいるはずです。さるおの希望ではラマンナさん、怪しい素振り見せまくりだから。フィスクさんでもヘフナーさんでもいいけどな。

ジョンがこのビデオを手に入れたがった理由ははっきりしています。
The information I have on you is exactly where it needs it to be. And it will be released in the event of my disappearance.
ジョンはホフマンをとっつかまえて、私がいなくなったら、おまえがしたことはバレバレんなる手筈だ、と言ったんでした。ホフマンを使うためには決定的な証拠を押さえておく必要があった。

さて、物語は、セス事件のビデオテープが見つかったから分析するぞ、ということになります。エリクソンさんが電話でホフマンにこう言うんですね。We found the Seth Baxter tape.
入手経路は明らかにされていません。
たしかこの後が、問題のシーンです。ジルが、聖ユースタス病院(Saint Eustace Hospital)に入って行き、エレベーターを降り、掃除している人に何かを尋ね、廊下を進んで、あるドアの郵便受けに、その小包みを入れた。そこには監視カメラがあり、ジルの行動が記録されています。
ジョンが言ったとおり、ジョンがいなくなった今、ジルは証拠のビデオテープをリリースしたということになる。
シーンの順序が前後しているとは思いますが、これがもし逆だったらおもしろくもなんともないっすよね(笑)。

ここで、"あれはセス用のビデオだ"というのがミスリードだった場合のことを考えてみます。この可能性もあると思います。
I promise you, when all this is done, I will provide a way out for you.
すべてが終わったら、キミには出口を用意すると約束する。
ジョンはジルにそう言いました。逃げ道を用意する。ジルが誰かに届けたあの小包みが、その決定打になるはずっすよね。
現在、ジルを怪しんでいる人はいないはず。ジルを尋問していたストラームは死んじゃったし、あとはストラームのお仲間たちくらい(結局死んじゃいましたが)。でもね、いくらペレズが"デキる"からといっても、"セス用のビデオ"さえあれば、ジルは逃げられるだろうと思うんですね。あのビデオはホフマンを破滅させるには充分すぎる力がある。
でもそれはじつは不充分なんだよね。この社会から消すというだけでは、ジョンの遺志が全うされてないんです。
You think you will walk away untested. I promise that my work will continue. You think it's over just because I'm dead. It's not over. The games have just begun. ジョンの胃から出てきたテープが言ってます、テストされずに済むと思うな、おまえはゲームをやるんだよ、と。
ジルはたしかに6番目の封筒の指示通り、ホフマンにヘッドギアをかぶせました。そのときのジルは、ホフマンにすっかり顔まで見せて、「封筒はもうひとつあったのだー」なんつって、警戒心ゼロ。しかも、ゲーム開始とほぼ同時にゲームオーバーって言っちゃった。ところがホフマンは生き延びてしまいましたよ。ということは、まだ続きがあるんです。
If you're good at anticipating the human mind... it leaves nothing to chance.
人の心理をきちんと読めさえすれば、偶然の入り込む余地などない。
ホフマンが生き延びるかもしれないことは、予測できた。だとすれば、次が用意されているんですね。
こうなるとあの小包みの中身は、ゲームの指示書だということになり(ビデオもあってもいいんだけど)、聖ユースタス病院のあの部屋の住人が、次の仕掛け人になると、そーゆーことになります。

ここまでを踏まえて、あの部屋の住人は誰かを考えてみます。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年11月11日

映画『SAW VI』解読2 ホフマンはアマンダがいたことをなぜ知っているのか

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

Amanda, you were with Cecil the night Jill lost Gideon. You killed their child. You know it, and I know it. So do exactly as I say: kill Lynn Denlon, or I will tell John what you did.
(アマンダ、おまえはジルがギデオンを失った夜、セシルと一緒にいた。おまえが彼らのコドモを殺したんだ。おまえにはそれがわかっている。私もそれを知っている。リン・デンロンを殺せ。さもなければ、おまえが何をしたか、ジョンにばらしてやるー)
これについて考えます。

【ホフマンはセシルと一緒にアマンダがいたことをどうやって知ったか】

まず、この文章を書いたのは本当にホフマンか。
んまー、そうなんでしょう、きっと(汗)。映画の終盤、ジルはこのノートを、ホフマンをびっくりさせるために利用してるわけだし。

でも、どーしても気になる理由があります。DVDを持っている方は『SAW III』と『SAW IV』の問題の個所を観てください。
ホフマンが準備した封筒は、じつは2つあります。
ひとつは、自分で何か文章を書いた紙が1枚と1発の銃弾を入れただけの宛て先なしの薄い封筒です。このときホフマンは、ちょっと太めのペンで文字を書いています。空の引き出しに入っています。
もうひとつは"AMANDA"に宛てた封筒で、紙がたくさん入ったいて分厚い。ごちゃごちゃした引き出しに入っていました。3作目でアマンダが開けたのはこっちの封筒。分厚い紙の束とは別に折りたたんであった、1枚ペラのルーズリーフ(上辺に穴の開いた紙)に手書きで書いてあることを読んで彼女は動揺したんでした。
そして『SAW VI』に出てきた脅迫状は穴が無い(ルーズリーフではない)。そりゃ記者ごときが現物持ってるはずもなく、コピーの状態でこっそり出回ってしまったものかもしれませんから、穴が無いのはまぁいいかもしれない。けど、細いペンだぞ。
どうも一致しません。
うーん、これはとてもオカシイのです。整合性がなさすぎる。
さらに、アマンダが開けた分厚い封筒。そこに入っていた何枚もの資料、あれは誰が準備したもので内容は何か。まだ明かされていません。
そして、もう1通の薄い封筒はどう理解すればいいのか。
これらの描写がミスでないならば、まだなーんにも明かされてませんよ。
すっきりしねーなー。
この作品群は、このよーな凡ミスがあってよい類いのものではないのに。

でもまぁ、凡ミスだとしましょう、とりあえず。
とにかく、ホフマンがアマンダを脅迫したということで進んでみます。

映画を観るかぎり、"Homeward Bound Clinic"(ジルの病院)周辺にはほとんど人影がありません。いたのは、クリニックに押し入ったセシル、クリニックを出ようとしていたジル、ジルを外で待っていたジョン、そして客をとろうとしてジョンに声をかけたアディソン、だけだろうと思ってた。そしたらそこにアマンダがいたと言うんすね。
ヤク中のふたりがリハビリ施設に盗みに入るといったらもうクスリしかないわけで、ジョンの言葉を参考にするなら、アマンダがセシルに、メタドンを盗みに入らせた、ということだろうと思います。メタドンというのは、ニコチン中毒者にとってのニコレットみたいなもんですから。
アマンダ以外の、アマンダがいたことを知っていた人物が、ホフマンにしゃべったということです。
それはセシルでしょうか。

ジョンは、クリニックから慌てて逃げて行くセシルを見た。心配になってクリニックに駆け込んだら、ジルが大変なことになっていた。ジョンはジルを抱えて病院に駆け込みます。逃げて行った男が原因なのは明白なので、こりゃ事故じゃなくて事件だと、当然ケーサツに通報する。そこでやってきたのがホフマンだったのかもしれない。
ホフマン(ケーサツ)はセシルを探し出して事情聴取をしたはずです。そしたらこーなる。
「おまえがクリニックの女医さんのお腹にばーんってやったんだな!白状しろ!」
「だって無理矢理アマンダに行かされたんだもーん」
「あ、そう、アマンダさんて人もいたのね」
フラッシュバックでは、嫌がるセシルをアマンダがけしかけています。
この時点で、ふつーならケーサツはアマンダにも接触するはず。ところがアマンダは、第三者に知られているとは思ってない。変ですね。とても変です。容疑者のアマンダを放っておく特別な理由でもないかぎり、この捜査は"オフィシャルではなかった"ということになる。ホフマン(ケーサツ)が捜査の一貫として訊き出したことではなく、水面下でプライベートで知ったはず。
となると、それはセシルではなく、アディソンかもしれませんよ。
ホフマンとアディソンには関係があった。そーかもしれんです。

さてさて、ホフマンはこのことをジョンにばらされたくなければリンを殺せと、アマンダを脅迫します。
この脅迫、ほんとに効くかな。打算的なさるおだったら、効かねぇ(笑)。
今さらジョンにばらされたって別にもうかまわないだろー。ジョンはもうたすからないし、っちゅーか、この90分間ですら生きていられるかどうか、その場で頭蓋骨に穴開けるほどに瀬戸際っすよ。もっと言えば、ルールを守って最後にはリンを解放し、自分は優等生として振る舞っておけば、のこのこホフマンが出てきてジョンに何を言おうが、ジョンは自分を信じてくれるだろうと、そーゆー予測も成り立つ。となるとね、あんまり怖い脅迫にはならないんじゃないか。
でもここはアマンダにヒロインでいてほしいっす。アマンダはジョンのことを"信仰"しています。裏切りたくないし、悲しませたくない。ジョンには、自分だけを愛してほしい。アマンダなりの忠誠心で、リンを殺した。彼女の愛し方が、彼女にリンを殺させた。
Amanda. It's okay. いいんだよ、アマンダ。
ジョンは赦してくれました。セシルをけしかけたのはアマンダだということを、ジョンはすでに知っていたんだと思います。そう、ジョンにもセシルを尋問するチャンスがあった。そもそもアマンダにヘッドギアをかぶらせたのは、そのためだったように思える。そして、ジョンがすでに知っていたのなら、ホフマンはジョンに聞いたのかもしれません。それならホフマンが「アマンダは失敗するだろう(Amanda will fail you.)」とジョンに言った意味がわかります。

ジョンに脅迫状を書くように言われたのではない場合、ホフマンはなぜリンを殺したいのか。
リンに生還されては困る。ならばホフマンはリンとも何かしらの関係があるかもしれません。
たとえば、セス・バクスターを死刑にできなくなるような証言をした?
たとえば、無事にジョンの病室から出てリグやアートの治療をされては困る?
たとえば、ジョンに何か聞いたかもしれない。
たとえば、ジェフと再会されてはまずい。
あるいは・・・、コーベットと会わせたくない理由があるんじゃないか。『SAW III』のゲーム中、コーベットのいちばん近くにいたのはホフマンです。ぬいぐるみまで持ち出して、世話をやいてた。コーベットは、何かを知ってるかもしれませんよ。

心ゆくまでさるお、もんち!
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2009年11月09日

映画『SAW VI』解読1 妹は何のために連れて来られたか

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

He helped me.
おぉ、やっぱこれっすよね。感動、大感動です。
このシリーズの軸になるもの、救済。
そして唯一のリハビリツール、ヘッドギア。
おぉ、やっぱこれなんだよなぁ!アマンダねーさん、ばんざーい!

という爽快感にじーんと浸りつつも、謎について考えます。
謎といえば、記者さんの名前、エミリーなのかパメラなのか。これが今のところ最大の謎になっておりますが(笑)。
この人って、『SAW V』のホフマンを表彰する記者会見で「なんでFBIは来ぃへんの?(Why isn't this a joint press conference with the FBI?)」と質問した、あの人だよなぁ。
しかも、『SAW V』のこのシーンはDVDではカットされています。

うーん。
エミリーさんと言ったら、カルーセルに乗ってた6人のうちのひとりだろうと思うんだけど。カルーセルに乗ってた人たちは、アーロン、シェルビー、ジーナ、デイヴ、ジョシュ、そしてエミリー。ウィリアムの部下の犬さんたちです。
うーん。
まー、日本のパンフなんてどーせいいかげんそうだし。
うーん。
さるおはですね、この人(パメラのはずの人)、大事だろうと思うんです。

さて、本題に入ります。まずはこの疑問から。名前は、パメラ・ジェンキンズだとします。

【ウィリアムの妹は何のために連れて来られたか】

パメラはゲームのために連れて来られたんでしょうか。
だとしたら、ルールがわからない。彼女はテープを聴いている途中で、嫌んなってほん投げちゃったみたいだから。
わかる範囲で、録音されていた内容はこうです。
Hello, Pamela. You've sensationalized my life, twisting the truth and exploiting my message for your benefit. Well, today, you will experience the meaning of sacrifice and you will see the consequence for those who unjustly hurt others.
(ハロー、パメラ。 事実をねじ曲げ、自分の利益のために私のメッセージを利用し、おまえは私の人生を扇情した。 おまえは今日、犠牲の意味を経験するだろう、そして、不当に人を傷つけた者がたどりつく結末を見るだろう)
もしこの内容がすべてなら、彼女はプレーヤーではない。ルールも勝ち負けも提示されてないっすから。たしかに、閉じこめられても、やることなくて、ただじっとしてるしかないって感じだったしな。

このテープの内容は、ホフマンが取材に来たパメラに言ったセリフそのものっすよね。
そのときの会話はこうです。
Just reporting the facts, detective.(事実を書いてるだけよ)
Is that what you're doing? John Kramer: Conundrums of Carnage.(『ジョン・クレイマー: 大虐殺の謎』のどこが!)
If you'd like to make a statement on the record, I'd be more than happy to take it.(そんなこと言うならあなたが書いてくれればいいのに)
You're twisting the facts to make a better story. It's irresponsible. Excuse me. Nice catching on.(おもしろい話にしようとして事実を歪めるじゃないか。無責任だろう)
I know more about John Kramer than you might think.(あなたが思ってる以上に私はジョン・クレイマーのことを知ってるわよ)
Somehow I doubt that.(どーだか)
Kramer left his wife a box in his will. Did you know that?(クレイマーが奥さんに箱遺したって、あなた知ってた?)
Maybe I did, maybe I didn't. How do you know it?(おしえなーい。そっちはどーやってそれを知った?)
Probate court. It's public record for those who know where to look.(公式な記録だもん)
All right. What do you really want?(あっそ)
Jill Tuck. Help me get to her, and I'll dial down on the sensationalism.(そんなことよりジル・タックに会わせてよ。そしたらもう事実を歪めたりしないわ)
Really? I'll see what I can do.(ほんとかなー。ま、考えとく)

ということで、このパメラ宛てのテープを録音したのはホフマン。もちろん声もホフマンのものだったし。
ははーん、ゲーム以前に、この2人の間には何かあったはず。ホフマンを表彰するあの記者会見(というより発表会)だとは思えません。あの場は情報量が少なすぎる。それに、すでにあの会場で、両者はたがいを認識し合ってます。ということは、もっと前に、何かがあった。
ホフマンは、パメラに情報を与えた。でも、少し違ったかたちで報道されて、怒っているんすね。
きっと、過去の作品で画面に映っていた新聞記事(たとえば"John Kramer: Conundrums of Carnage"というタイトル)なんかをよーく見れば、これがパメラの書いた記事で、お、ホフマンが不機嫌そうに見てるぞ、という映像があるのかもしれません。今度探してみますが。
とにかく、ホフマンには、彼女をこらしめる理由があります。

お兄ちゃんのウィリアムは、息止めゲーム、首吊り救出ゲーム、スチーム迷路、カルーセル、この4つをじゃんじゃんこなしてフッ化水素酸のとこに来ました。
ポリエチレンっぽいタンクに入ってたし、体をよく溶かしてたし、あれはフッ化水素の水溶液で間違いなさそう。こわいっすー。
ここに来てウィリアムは"It's not my game..."という結論に至り、隣のお部屋の親子に殺されてしまうわけですが、さて、この時点でのパメラの役回りは、というと、何もない。彼女はただそこにいるだけです。パメラは、必要なかった。少なくともこの時点では、やはりプレーヤーとは思えません。

パメラが"プレーヤーではない"ことを説明するなら、ウィリアムが最初に聴いたテープにもヒントがあります。
Just as you have taken loved ones away from their families, if you don't reach the end before the timer hits zero, you will never see your family again.
(タイマーがゼロになる前に終わらせなければ、おまえがこれまで家族から愛する者を奪ってきたのと同じように、おまえも二度と家族に会えないだろう)
言い換えると、タイマーがゼロになる前に終わらせれば、再び家族に会える。つまりゴールに、家族を待たせておかなくちゃいけない。
ゴール地点に妹がほんとにいるかどうかをウィリアムが知っていたかはビミョーっすね。最後の最後に、タラヘのメッセージ内で、The man before you just made the sacrifices to save the life of a loved one.(この男は愛する者の命を救うために、他人を犠牲にしてここまで来た)と言われてますが、最初のテープでは妹に何かするとは誰も言ってないからなぁ。恒例のLive or die, Make your choice.と言われたわけで、"自分が死にたくないから"がんばったのかもしれない。
テープでは、生きておうちに帰れるとは言ってません。タイマーがゼロになる前に終わらせれば、少なくとも死ぬ前に、再び家族に会える。そう解釈できます。最後の判断は別の人(親子)に託されるから、少なくともそのときには家族に会えるよ、と考えることができる。実際にウィリアムは時間に間に合いました。で、妹にも会えた。いちおうね、矛盾はありません。

でもこれだけなはずはない。
だって、ホフマンが彼女を殺したがっているから。
ホフマンはテープでも「湾曲して報道しやがってー」って同じこと言っちゃった。パメラからすれば、これはちょっと前にホフマンとしゃべってて言われたこと。自分をこんな目に遭わせたのはホフマン、パメラにはそれがわかっているはずです。
ホフマンは、パメラにここを出ていかれちゃ困る。
you will experience the meaning of sacrifice and you will see the consequence for those who unjustly hurt others.
(パメラは今日、犠牲の意味を経験するだろう、そして、不当に人を傷つけた者がたどりつく結末を見るだろう)
実際パメラは、兄がたどりついた結末のほうは見ましたが、まだ犠牲は経験していない。うん、『SAW VI』は途中だな、と思うわけです。
仮に親子がウィリアムを許したとして、4人で、あるいは映画のとおりウィリアムが死んで、3人で、「いやぁ、今日は大変だったねぇ」と言いながら、おうちに帰る。
そんなことありえないわけですね。
(もしも、もしもパメラが御役御免でおうちに帰れるならば、パメラはジグソウです。つまり、お仲間のひとり。この可能性についてはまた別に考えてみますが。)
それに、6番の封筒のゲームだけは、ジルがホフマンにヘッドギアを装着しておしまい、なんてシンプルすぎるのも考えられません。
となるとやはり、ゲームには続きがあって、ジルがホフマンを参加させる。そのはずです。ホフマンがドアの窓に付いた鉄格子の幅を使ってヘッドギアが開くのを抑え、なんとか生き延びた、あれはジルにとって誤算だったか、それとも予測の範囲内か・・・。

そういえば、フッ化水素酸のタンクは2つありました。親子の部屋と、パメラの部屋です。で、1つのタンクは、親子が、ウィリアムのために使いました。ならばもう1つは?
おー。まだ誰か溶かせますよ。
たとえば、タンクを2つとも空にしないと出られないとしたら?
兄を殺した親子を赦すことができるか。
たとえば、これがパメラのゲーム。親子を溶かしてもよし、ここでみんな仲良く朽ちてもよし。
あるいは、どっちの部屋のスプリンクラーを作動させるかがホフマンの決定権かもしれず、そうなれば自動的に続きはホフマンとパメラのバトルになるわけです。

心ゆくまでさるお、もんち!
posted by さるお at 23:44| Comment(4) | TrackBack(0) | さるお発『SAW VI』予想/解読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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